米国での英語の習得
中学1年の途中から両親とともに渡米し、中学、高校とアメリカの学校で学びました。 日本での「I have a pen」の英語から、いきなりアメリカの学校に通うようになったわけですから、慣れるまで大変でした。 学校にさえ行っていれば英語が身につくかというと実はそうでもなく、週に一度は英会話の先生につき、それに加えて父に手伝ってもらいながら宿題をなんとかこなすという毎日。 それからアメリカの授業はディスカッション形式のものが多いので、聞くだけでなく、しゃべらなくてはいけない。 とくに日本人はこのディスカッションに慣れていないので苦労しました。
外資系企業就職のポイント
帰国後、帰国子女枠で日本の大学へ。新卒で入社したのが、外資系の消費財メーカーです。 いい物を作って、それを売るというのがビジネスの基本だと就職活動のなかで考えるようになったからです。 東京勤務を希望したものの、配属は名古屋の営業所。担当エリアは名古屋と岐阜というかなり広いエリアでした。 化粧品部門の担当になり、取引先のデパートから薬屋さんまで数多くの取引先を担当しました。 こうした得意先を回って、販売促進の管理などをするのが主な仕事で、英語を使う機会はありませんでした。
この職場で働いたのは1年でした。 転職を考えるようになった理由の一つは、1日200キロ近くを移動することも多く体力の限界を感じたこと、 もう一つは移動時間が多いため、1日に会う人の数が限られてしまうことでした。
コンサルティングファームへの転職
転職先を探す際のポイントは、とにかく多くの人と接することができる職場ということと、やはり当初の希望通り東京で働きたいということでした。 そうして、外資系経営コンサルティングファームに入りました。 前職と全く違う畑の職場でしたが、大学のときにアルバイトでコンサルティング会社で働いたことがありました。 職種は秘書でしたが、担当させていただくコンサルの方々が皆さん優秀で色々勉強させて頂きました。
最初は日本人のマネージャーの方々を担当。仕事はスケジュール管理やクライアントとの連絡、それからコンサルティング事業というのは基本的にサービス業なので、営業のアポイント取りなどもしました。 日々吸収することは多かったです。サービス業のなかでも、さらに秘書というサービス業。それだけにたくさんのことを学んだと思います。
やがて日本語をまったく話せないアメリカの方を担当するようになりました。この頃から、英語を使う量が一気に増えました。 私がアメリカで身につけた、高校生のレベルの英語とビジネス英語とのギャップで苦労もありました。 これは今も感じていることで、実践のやりとりのなかで、言い回しやマナーなどを学びながら、日々ビジネス英語を勉強しているというところです。
その後、社内の人事責任者といえる方の秘書になりました。ここではこれまでの秘書業務に加えて、人事評価などの仕事なども求められました。 また、プロジェクト等に関する外部からの問い合わせ対応なども私の仕事になっていきました。 あるプロジェクトが、どういう問い合わせから始まり、どうやって完成していくのか。それが手に取るようにわかる面白い仕事でした。 このように、私の仕事の幅もどんどん広がっていきました。
日本コカ・コーラでのやりがい・・・
夫の留学で、アメリカのボストンに移り住むことになったのは、このコンサルティングファームで働くようになって6年半後のことです。 仕事を辞めることに迷いがなかったというと、うそになります。ただ、これまで仕事が忙しくてできなかったことがいろいろあったし、これもいい機会かと決断しました。
できなかったこと。そのひとつが翻訳の仕事でした。 外資系は日本企業ほど研修制度が確立されていないように見えますが、実はその気になればいくらでも学べる。 私も、以前会社の制度を利用して翻訳学校に通っていました。 そのときの先生に翻訳の仕事を戴いたり、大学で心理学を受講するなど、ボストンでは多くの経験をさせてもらったと思います。
とはいえ働かない毎日を過ごすというのは、これが初めての経験。しばらくすると、仕事をしたい気持ちが大きくなりました。 2年後に帰国してまもなく、就職活動を始めました。このとき、友人の紹介でISSを訪れ、紹介されたのが、今働いている日本コカ・コーラです。
面接では、「何がしたい」ということを自分から線を引いて制限せず、「今、自分ができることに、プラスアルファをどんどん増やしていきたい」と話したことを覚えています。 未知数の部分をアピールしました。配属されたのは社長室でしたが、仕事内容は多岐にわたっています 。全国各地のボトラー社とのコミュニケーションを強化すること、そして社長室が主催する会議やイベントを企画運営するのが仕事です。 外国人とのコミュニケーションも多いですし、海外オフィスとのやりとりなどで英語は日常的に使っています。 また先日はボトラー社の社長10数人の海外研修も企画、同行しました。 また日本の市場は自動販売機が発達していることなど興味深いため海外から視察団も多く、そうしたアレンジなどもやっています。
様々な可能性へのチャレンジ
今の仕事で、あえて不満点を挙げるとしたら忙しいということでしょうか。おもしろい仕事なので、自分でストップをかけるのが難しいのです。 一方、日々いろんな方と接する機会があるというのは自分にとってハッピーですし、明るくていい環境、いい仕事につけたことはとても嬉しく思っています。
外資系の特徴のひとつに、自分でやる仕事の範囲が線引きされていないというのがあると思います。だから、自分の力でどんどん仕事を作っていける。 できない仕事を任されて戸惑う人もいる一方で、さまざまな自分の可能性にチャレンジしたい人にはとてもいい環境だと思っています。 数年後はここでどんな仕事をしているのか……、自分でもまったく未知数で楽しみです。