INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
日本ケロッグ合同会社 池側 千絵

ビジネスをドライブするファイナンス vol.1

日本ケロッグ合同会社

執行役員 経営管理・財務本部長

池側 千絵

新卒でP&Gジャパン(株)に入社して以来、一貫して外資系企業のファイナンス部門に勤務。P&Gでは、家庭用洗剤・紙製品・ビューティケア事業部門などで担当事業の財務業績向上に取り組み、また日本支社全体の利益・資金管理と報告、経理、税務、アジアHQでの研究開発・販売管理費管理業務など幅広いファイナンスの専門業務も歴任。その後日本マクドナルド(株)でのフランチャイズ事業担当財務部長、レノボ・ジャパン(株)のCFOを経て、現職。

公開日:2016年12月27日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

グローバル企業で学んだファイナンスの役割

日本ケロッグに入社するまでのキャリアを教えてください。

finance01_02新卒でP&Gに入社し、長くファイナンス部門で働きました。ファイナンスといっても、経理を担当したのは入社直後の少しだけです。すぐにコーポレートファイナンスのアナリストとして日本法人の利益予測・資金予測などをUS本社に報告する業務にコーポレートファイナンスのアナリストとして携わりました。

そして、3年目には部下をもたせていただき、20代後半にはコーポレートファイナンスマネジャーとなって、日本法人の各事業部の利益目標調整や意見のとりまとめ、社長がUS本社に事業進捗を説明するためのプレゼンテーション資料の作成などを担当するようになりました。各事業部のトップに、会社の目標と事業部の売上・利益目標分担を理解していただき、合意形成を図り、目標に向けて実行していただくのがミッションです。状況に合わせて社長やCFOを巻き込みながら、事業部長と共に目標達成に向けて動いていました。その後は、アジアHQのファイナンス部門に誘っていただき、各国の研究開発費、販管費といった予算のマネージメントを担当しました。

外資系企業は総じて日本企業よりも昇進が速いですが、当時のP&Gはとにかく早く育てる方針を採っており、それが私の背中を押したことは間違いありません。とはいえ、自分でもとにかく主体的に動き、そのときどきの目標を達成することは重視していました。また当時から、将来はCFOになれるといいなと考え、事業部門での経営管理・投資分析だけでなく、会社全体をマネージするために必要な会計・財務・税務などの専門知識を実践から学び、米国公認会計士の資格も取得しました。

また、アジアHQの経営陣、アジア各国のCFO/予算管理担当者ともに働き、たびたびアメリカ本社に赴いて会社全体の経営管理にかかわることで、グローバル環境で仕事をすることができました。たとえば20代後半頃に、フィリピン人女性が上司に就いたことがありました。彼女は、夫とメイドと子ども3人を連れて日本にやってきて、4人目を産むところでした。彼女の話を聞き、姿を見て、私の目の前が開けたのを覚えています。自分もキャリアと子育ての両立に踏み切ろうと思ったのは、彼女のおかげです。

P&Gで得たものは何ですか?

大別して3つのことを得たと考えています。一つ目に、ファイナンス部門が各部署をリードして「企業価値」を高めることを重視する姿勢です。外資系企業のファイナンス部門は、経理財務に加えて、日系企業で言うところの経営企画・戦略策定の役目を担います。企業は企業価値を高め、株価を上げて、株主にできるだけ多くのリターンを返すことが本分です。そのためには、ファイナンスの人が、新商品開発や製品改良などの事業部のプロジェクトに早い段階から関わって、より高いキャッシュフローを生むプロジェクトになるようにサポートします。プロジェクトチームがやるべき仕事に効率よく集中して結果を出すことができ、みんなの行動にムダが少なくなります。また、財務分析資料を作ってチームのみんなにメールするだけではだめで、どこがよくてどこを変えるべきなのか、具体的に指摘してチームを動かす必要があります。これは、私がのちにどの会社に行っても心がけていることです。最近では企業のCFOが会社のROEを向上させるなど、社長の右腕として活躍する例が出てきていますが、P&Gの場合、CFOだけではなく、ファイナンス部門の全員が事業に入って他部署とともに働くという姿勢が確立していました。

二つ目に、長時間働くことがよいことではなく、効率よく結果を出すことが重要であることです。2年目の時に、当時のCFOから、パソコンにばかり向かっていたらいけないと言われていました。実際、私はかなりの残業や休日出勤をして出すべきレポートをきちんと出していたのに、それについては特に褒めてはもらえませんでした。事業計画に変更が入るたびに計算を全部きちんとやり直していたら、いくら時間があっても足りません。大きな視野で結果をイメージしながら仕事をする、省略するところはすることが重要であることを早いうちに学ぶことができました。

三つ目は、男女分け隔てなく仕事をして結果を評価してもらえる職場環境を作ることの重要さです。先に述べましたが、P&Gでは、当時から外国人の女性管理職の方がたくさんいて、その人たちから学ぶものが多くありました。私は「ワークライフ・ブレンディング」という考え方がよいと思っています。無理に仕事と家庭のバランスを取ろうと思わず、両方自然体でやってしまいます。子供の学校の用事も、自分の教養を高める用事も会社のスケジュールに入れて実現し、急ぎの仕事があれば、家で子供と机を並べてやります。今振り返ると、私の場合、出産前に部長職のポジションを得られたのが良かったのだと思いますが、早く管理職につくことで自分の裁量で時間の調整をし易くなりました。

その後のキャリアを教えてください。

上の子供が小学校に上がるタイミングで東京に行こうと考え、日本マクドナルドに転職しました。P&G時代とほぼ同じサイズのファイナンス組織で、CFO直属の経理・財務部長というポジションです。ミッションは、フランチャイズ比率を高めるため、新規・既存フランチャイジーの方々に直営店舗や新規店舗を購入していただくこと。店舗価格の決定、フランチャイジー企業の財務査定、店舗立ち上げ分析などに幅広く関わりました。新鮮だったのは、フランチャイジーさん、サプライヤーさんとマクドナルドの三者で利益を分け合うビジネスモデルだということです。利益をどう分け合えば、三者が最も幸せになれるのかを常に意識していました。フランチャイジーの皆さんとの交流も楽しく、よい想い出がたくさん残っています。

次に、紹介で、レノボ・ジャパンのCFOになりました。先ほども触れたとおり、私はP&G時代からCFOになるための準備を進めており、40代のうちにはCFOになりたいと考えていたので、ちょうどよいタイミングでした。レノボ・ジャパンでは、はじめてB to Bビジネスに携わることができたのが特によい経験になりました。当時、レノボはNECのパソコン部門との合弁事業をスタートし、業務でお会いするNECPCの皆さんから刺激を受けて、中小企業診断士の勉強を始める(2014年登録)など、また新たな世界に触れることができました。

商品開発の最初からファイナンスが関わっていける

なぜ日本ケロッグに転職したのですか?

finance01_05日本ケロッグに転職したのには、いくつか理由があります。お話を伺ってみて、日本ケロッグは食品を扱っているので、外資系グローバル企業の中では比較的ローカルの意向を重視する会社で、各国の文化や環境に合わせたビジネスを行ってきたということがわかりました。ただ、当然これからはグローバル本社が全体最適に力を入れていくだろうという予測もつきました。私はP&Gをはじめとして、そうした会社の経験が長いので、きっとお役に立てることがあるだろうと感じたことが一つの理由です。加えて、P&G時代の上司や同僚がいて、なじみのあるカルチャーだったことも魅力でした。さらに、日本は先進国の割にはシリアル市場が発展途上で、伸び代が大きいこともやりがいに感じたことの一つです。

一番の魅力は、商品開発の最初からファイナンスが関わっていけることです。新商品を開発する際は、ファイナンス部門がチームのひとりとして、会社の目標を達成するのに最適な財務目標を設定し、チームのみんなはそれを理解して業務を進めます。それぞれの人の行動が、会社のキャッシュフローを増やし、企業価値をより高めることができるのです。

もちろん商品開発はトライ&エラーの繰り返しですから、途中でそれらに変更をかけることもありますが、そのときも、市場環境を理解しながら一緒に目標に修正をかけます。健康に良く誇りをもてる商品の開発を、社内のみんなとチームを組んで進めていける。これほど楽しく、ワクワクすることはありません。

今後の目標は何ですか?

日本ケロッグも含めて、多くのグローバル企業には、日本市場で事業を行う際に、日系企業と比べてビジネス上有利な点と不利な点がそれぞれあります。有利な点は、グローバルの購買力や知見を活用できること。不利な点は、製品開発をはじめ、主要なプロジェクトについては本国の承認を取らなければならないので、スピーディーに進めるのが難しい場合もあるといったことです。しかし、日本企業は日本では強いですが、概してグローバルでは大きくなれていない。これは個人的にはとても興味のあるテーマです。日本ケロッグの業績のさらなる発展に貢献していくのが当面の目標ですが、将来的には、日本企業のグローバル化について研究したり、助言したりできるようになりたいと考えています。それもあって、現在は国内MBAの週末コースに通っておもに日本企業の経営について勉強しています。

専門知識と経営視点を速く深められる

日本ケロッグに入社すると、どのようなメリットがあるのでしょうか?

finance01_03大きく三つのメリットがあると思います。一つ目は、職種別採用を行っているので、「専門分野」を思う存分深めて、スペシャリストとして成長していけることです。二つ目は、ファイナンスに限らず、どういった職種で入社しても、自分の専門分野だけにとどまらず、商品やビジネスに深く関わり、「経営視点」をもって働けることです。そして三つ目に、結果を出して自ら成長することを楽しめることです。昨年より今年、今年より来年、ビジネスは進化しますし、自分自身も、自分自身が出す結果も進化し続けなければなりません。成長を楽しめる人には、まわりが全力でサポートをします。

どのような方を求めていますか?

日本ケロッグは、常に進化を続けています。それに合わせて社員一人ひとりも成長する必要があります。会社としては、新たな研修、新たなアサインメントなど、社員一人ひとりが成長できる環境を継続して用意しなければなりません。それが十分でなければ、社員の成長が止まってしまいますし、さらに言えば優秀な人材に来ていただけないからです。

何をすれば自分の目標、会社の目標を達成できるかを考えて仕事をしたい方。企業価値を高めるために自分が何をできるかをよく考え、仕事の枠、自分の枠を主体的に広げていける方。わからないことがあれば素直に周囲に質問し、アドバイスを受けて軌道修正していける方。こうした方なら、きっと活躍できると思います。

池側氏が講師を勤める
ビジネスをドライブする 第1回ワークショップセミナー
「会社と自分の価値を高める仕事の仕方(ROE・利益率)」
2018年9月13日(木)19:00~21:00開催

応募受付中

日本ケロッグ合同会社

ケロッグ社(Kellogg Company)は、人々にとって大切な食品とブランドを通じて、世界に豊かさと楽しさを提供することを使命としています。1894年に米国ミシガン州バトルクリークの保養所において、ケロッグの創設者のW.K.ケロッグと医学博士のJ.H.ケロッグの兄弟が、保養所の人々のために、穀物を材料に、食べやすく栄養が豊富な食品としてシリアルの原形となる「グラノーズ」を発明しました。その後、1898年に世界初の「コーンフレーク」を開発。1906年に「バトルクリーク・トーステット・コーンフレーク・カンパニー」(のちのケロッグ社)を設立し、1世紀以上を経た現在では、180カ国以上で事業を展開する世界的な食品メーカーとなっています。シリアルのメーカーとしては世界第1位、クッキー、クラッカー、スナックのメーカーとしては世界第2位の規模を誇ります。
日本ケロッグは、100年以上にわたって「朝食を通じた心とからだの健康」を研究し続けてきた朝食の専門家「ケロッグ」の基本精神を受け継ぎ、1962年に米国ケロッグ社100%出資の日本法人として設立されました。以来半世紀以上にわたって、太陽と大地の恵みを受けて育った、玄米、小麦、大麦、とうもろこしなどの穀物のエネルギーと、バランスのよい栄養がたっぷり詰まったシリアルを日本の朝の食卓にお届けすることを通じて、お客様の気持ち良い一日のスタートを応援しています。「太陽の恵みで、いい一日をスタート。」というキーメッセージのもと、大人向けには「フルーツグラノラ」「オールブラン」「玄米フレーク」、子ども向けには「フロスティ」「ココくん」など、大人から子ども向けまで、あらゆるターゲットのニーズに応えられるバラエティ豊富な製品ラインナップをご提供しています。

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