INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
コグニザントジャパン株式会社 竹内友章

成長する企業のビジネス戦略 Vol.39

コグニザントジャパン株式会社

代表取締役社長

竹内友章

1983年に慶應義塾大学商学部を卒業。2007年にコグニザントに入社し、2008年4月にコグニザントジャパン株式会社を設立。設立後は代表取締役社長として、国内における営業・デリバリー活動全般を統括。コグニザント入社以前は、一貫して外資系のIT業界で20年以上活躍し、富士ゼロックス、Apple、Sun Microsystems並びにEDSで主に国内営業とマーケティングのマネジメントを担当。

公開日:2018年3月20日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

米コグニザントの経営戦略、日本を熟知したITエンジニア採用と新規市場開拓

日本での知名度が低いからこそチャンス

コグニザントに入社するまでの経緯を教えてください。

biz39_02大学卒業後、アメリカ系企業・ハネウェル(現:ハネウェルジャパン)に入社しました。システムエンジニアを希望し入社したのですが、研修後に配属されたのは営業部でした。同僚たちとともに、汎用コンピューターを「テレックスサポートシステム」として売り出した功績で、私は入社2年目にセールス・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。営業の仕方について「いろは」から勉強できた良い機会でした。

その後、富士ゼロックスでAIビジネスに関わってから、アップルジャパンで2人目の「エバンジェリスト」になりました。ソフトウェアや周辺機器を開発するディベロッパーの皆さんに対して、Macの良さや将来性などをアピールし、Mac向けのソフトウェア・周辺機器を開発してもらう「伝道師」の役割です。当時のMacは、特にグラフィックや音楽に強く、ディベロッパーもクリエイティブな方々がたくさんいらっしゃいました。社内にはシリコンバレーの自由で多様な風土が根づき、社外で会うのは日本中に散らばるクリエイティブな方々ばかり。あまり仕事という感じのしない楽しい仕事でした。

次に、サン・マイクロシステムズでJavaを普及させるエバンジェリストとなりましたが、これは苦労しました。英語の情報しかなかったからです。そのとき、中国では学生たちがJavaでどんどんソフトウェアを開発していることを知りました。上海に行くと、彼らは英語を苦にせず、いち早く翻訳して、中国語の最新テキストを揃えていたのです。このとき、私は中国の可能性の大きさを知りました。彼らの好奇心とパワーは素晴らしいものでした。そして、私は思いきって、2005年に友人とともに中国・大連を拠点に、日本企業向けの人事経理といった管理業務アウトソーシングビジネスを始めました。しかし、現在はこうしたビジネスが一般的ですが、当時はおそらくビジネスとして早すぎたのでしょう。なかなかうまくいきませんでした。私はビジネスを畳んで、ITアウトソーシング大手のEDSジャパンに入り、次いで2007年にコグニザントに移ったという次第です。

世界のIT工場・インドの優位性を活かしたビジネス拡大

なぜコグニザントを選んだのですか?

biz39_05端的に言えば、外資系企業の日本法人の責任者を一度やってみたかったからです。そして、コグニザントは私にそのチャンスを与えてくれました。私にチャンスを与えてくれたコグニザントには、今も感謝しています。私は2007年6月に入社し日本法人立上げ準備をし、2008年4月にコグニザントジャパン株式会社を立ち上げました。設立当時、社員は10名ほどで、現在の規模にまで成長するとはまったく想像していませんでした。お恥ずかしい話ですが、それまでに何年もアウトソーシングビジネスの世界に身を置いてきた私でも、当時はコグニザントのことを知らなかったくらい、日本での知名度が低い会社でした。だからこそ、やり方次第では大きくできるチャンスがある、伸びしろのある会社だと感じました。

どのようにビジネスを拡大してきたのでしょうか?

その話の前提として、コグニザントについて簡単にご紹介させてください。コグニザントは、アメリカに本社を置くグローバルなオフショア・アウトソーシング会社で、経営陣の多くがインド人もしくはインド系アメリカ人です。社員数は26万人(2017年第四 四半期現在)で、主要な開発拠点であるインドに70%強のITエンジニアが働いており、毎年1万人規模の新卒者が入社しています。

biz39_03特徴的なのは、彼らがまるで製造業の現場で働く社員のようにソフトウェアを開発していることです。製造工程のなかで、一人ひとりが決まった領域を受け持ち、そのなかで創意工夫をしながら、毎日規則正しく働いています。北米・欧州など世界中にいる顧客側の時間に合わせた勤務時間体制が設けられており、日本のシステム開発現場の環境とはまったく違った、驚くほどシステマティックになっています。給与が良く、オフィスが美しく、実力をつければ海外に赴任したり、転職したりするチャンスもある。インドではITエンジニアは大変人気の職業です。若いITエンジニア達は、モチベーションが非常に高く、優れた品質のソフトウェアを高速で開発する実力を持っています。「インドは世界のIT工場」と言われているのは多くの方がご存じだと思いますが、まさしくそのとおりで、欧米の名だたる企業がこうしたインドのITエンジニアのパワーを活かした事業展開をしています。事実、コグニザントは北米金融機関トップ20社のうち15社、欧州銀行トップ10行のうち9行と業務提携しています。それに比べると、日本企業はあまりインドの優秀なITエンジニアのパワーをビジネス活用しきれていません。私は、日本企業に世界のIT工場・インドの優位性をもっと知っていただき、ビジネス発展に繋げるお手伝いができればという想いで、取り組んできました。

コグニザントジャパン設立から約10年経ちましたが、これまでは主に「保険」「製薬」という2つの業界に注力してきました。この2つを選んだのは、どちらもコグニザントが得意としていて、なおかつ日本では珍しく外資系企業が活躍している業界だったからです。外資系企業であれば、本社や他国で、すでにコグニザントを活用していただいており、私たちの能力や強みを十分にわかってくださっているケースが多く、入りやすい業界と考えました。この戦略が成功して現在も、私たちの全ビジネスに占める80%ほどをこの2業界で展開しています。例えば、製薬業界ではR&D領域を中心にして、クリニカルデータマネジメントや安全性管理など、フルラインナップでビジネスを展開しています。

今後のビジネス展開について教えてください。

biz39_06まずグローバルでいえば、「デジタル」が最大のキーワードです。2018年は、間違いなく昨年以上にデジタル投資の勢いが増します。特に各社とも、フィンテックやデジタルマーケティングなどの新分野に資金を注ぎ込む動きを加速させています。こうした新分野で特徴的なのは、営業・事業企画・マーケティング・経営企画などに関するITシステムが多いことです。従来のITシステムは、大きく見れば「守りのIT」で、情報システム部や研究開発部といったコストセンターが私たちの主なお客様でした。ところがいまは、営業・事業企画・マーケティング・経営企画といった部署が私たちの新たなお客様となってきており、私たちは「攻めのIT」を求められています。「攻めのIT」システムは、利益率、マーケットシェア、売上などに直接貢献しなくてはなりません。つまり、これまでとは評価の尺度がかなり違うのです。この点で、いまはお客様もIT企業も戸惑っているというのが現状ですが、だからこそ私たちは、そこにビジネスチャンスがあると考えています。私たちは、「攻めのIT」でどんどん進めていくつもりです。

また、日本のマーケットでいえば、金融業界にフォーカスしたいと考えています。実際、2017年2月には、みずほフィナンシャルグループ様と共同で、ブロックチェーン技術を使用した新しいアプリケーションを完成させましたが、今後はこうしたビジネスに一層力を入れていきます。なぜなら、日本の金融機関のお客様が大きく変わってきているからです。例えば、2017年11月、みずほフィナンシャルグループ様は、今後国内拠点の20%に当たる約100店舗を削減し、2026年度末までにグループの従業員を1万9000人減らす方針を打ち出しました。そして、その代わりにフィンテックやAI、ロボットなどを活用すると明言されたのです。これは劇的な変化です。トップマネジメントだけでなく、現場も大きく変わりつつあります。例えば、私たちが現場で直接お付き合いしている金融機関の方々は20~30代の若手の方が中心で、金融ビジネスに加えてITに詳しく、英語も堪能で、海外エンジニアとも直接議論できる方たちばかりです。さらに、これから日系金融機関は、国内マーケットの縮小を受けて、各社とも海外進出を加速させる方針を採っていますが、先ほども触れたとおり、海外で競合相手となる北米金融機関や欧州銀行の多くは、コグニザントと業務提携しています。私たちには、グローバル金融機関の悩みを一足先に解決してきた実績とノウハウがあります。これは、日本の金融機関のお客様にとって大きな魅力になると考えています。10年前、5年前に比べると、あらゆる面で、私たちが日系金融機関のお客様とビジネスしやすい環境ができあがってきています。ビジネスチャンスは十分にあると確信しています。

日本のニーズを熟知しているエンジニアを求む

現在はどのような方を求めていますか?

biz39_04一言でいえば、「日本のマーケットニーズを熟知しているエンジニア」を求めています。なぜなら、私たちが日本で成功を収めるには、日本のマーケット知識や文化的なセンスを持ったエンジニアが数多く必要だからです。例えば、インドでは一時期、日本の電機メーカーがテレビの市場で苦戦していましたが、その大きな理由は「空の色」にありました。多くの日本人は、テレビでもリアルな空の色を見たいと思っているのですが、多くのインド人は実際よりもくっきりとした空の色が好きです。そうしたインド人の求める発色ができるようになって、日本のテレビは初めて売れるようになりました。これはインドだけのことではありませんし、同じことがWebやメディアなど、さまざまなことに当てはまります。ですから今後、例えば私たちが日本でデジタルマーケティングに注力するには、日本特有のマーケット知識と文化的なセンスを持つエンジニアの必要性が高くなります。

そこで私たちは、2017年3月に株式会社ブリリアントサービスというインテリジェント製品とソリューションを提供する会社を買収しました。ここには、Android/iOSアプリケーション、組み込みソフトウェア、ユーザーエクスペリエンスデザイン、O2Oサービスなどを得意とする優秀なエンジニアが在籍しています。日本のマーケット知識と文化的なセンスをもつ彼らと共に、新たに日本市場の開拓にチャレンジしていきます。

まとめとして、私たちがいま最も必要としている人材は、日本の市場に求められるビジネスセンスを活かした、日本のマーケットに受け入れられるITシステムを企画し、自分のつくったITシステムを日本中にスケールさせたいと思っているITエンジニアです。実際のシステム開発は、インドの優秀なエンジニアと共に動く体制になっています。すでに英語ができるとさらに良いですが、グローバルなIT技術のベースを基に、共に仕事を通して英語は学んでいただくということでもまったく構いません。前向きで活発なエンジニアの方々が社内に増え、よりグローバルな職場環境を基に、さらに日本の市場にてグローバル規模のソリューション提供ができる企業に成長していきたいと思います。

コグニザントジャパン株式会社

コグニザント(Cognizant Technology Solutions Corporation NASDAQ: CTSH)は、世界をリードするプロフェッショナルサービスプロバイダとして、数多くのクライアント企業の業務やテクノロジーモデルの変革を通じて、本格的なデジタル時代への対応を強力にサポートしています。業種別に特化されたコグニザント独自のコンサルティングアプローチは、クライアント企業の未来の成長に向けたビジョンを形づくり、これまで以上に斬新かつ効率性に優れたビジネスの実践を支援します。コグニザントジャパン株式会社は、米国コグニザントの日本法人です。

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