多くの人の命を救う医薬品の世界で、私の経験を生かせることに大きな魅力を感じた
フィッシャークリニカルサービシズジャパンに入社するまでのご経歴を教えてください。

京都外国語大学では学園祭の委員長などを務め、忙しい学生生活を送りました。大学では中国語を専攻し、卒業後は大阪の貿易会社に就職して、入社1年目から中国に何度か出張するなど、語学力を生かしました。2年ほど働いた後、シンガポールに渡り現地の部品メーカーに入社し、携帯電話部品などのセールスエンジニアの職に就きました。当時のシンガポールでは、日本語のできる人材は日系クライアント担当として重宝されました。当然ながら日本人社員は少なく、中国系・インド系・マレー系などが働くダイバーシティな環境で、楽しい日々でした。当時から多様性・ダイバーシティな環境を楽しめる性格だったのだと思います。一人ひとりが特殊・ユニークであることを理解し、相手を尊重してオープンに接することが、多様性に満ちた職場でのびのびと働く秘訣だと思います。
2002年に帰国しグローリーに入社しました。その後中国語が話せることを買われて、中国工場立ち上げチームの一員になりました。4年間ほど中国に駐在し、チームで中国工場を軌道に乗せました。はじめは道も何もないような場所に数名で駐在し、最終的に数百名以上が働く工場をつくりあげました。会議の通訳、訪問者のアテンド、人材採用、制度設計、給与計算など、工場立ち上げに必要なありとあらゆることに携わることができました。圧倒的な仕事量で、最初はどうしてよいのか全く分かりませんでしたが、日系企業のネットワークや、現地のメンバーに助けてもらいながら成し遂げました。工場が立ち上がった後は生産管理を担当し、生産管理システムの設計・導入などを行いました。
中国の方の仕事の進め方は日本人とかなり違います。どちらかというとドライで、自分の管轄外の仕事を自ら担当することはありませんでした。日本人のように空気を読むことはありませんから、何事も言葉にして伝えていく必要があります。また、完璧主義の傾向があり、自分の役割はきっちりと果たしますが、昇給などの主張もしっかりと行います。そして一度親しくなった後はとても面倒見がよく、頼りになる人たちです。彼ら彼女たちと関わることは、私にとって大きな学びになりました。
帰国後は海外部門に所属して海外営業などに携わりました。中国だけでなく、ヨーロッパや東南アジア、中南米など、さまざまな国の企業に対して営業や提案をしました。世界中を飛び回って、それぞれの国の文化に驚くことも多かったです。
グローリーで20年近く働きましたが、最後に担当したのはサプライチェーンマネジメント(SCM)のマネジャーです。グローリーは2012年にイギリスの会社を買収し、私のミッションは、この会社とSCMシステムを統合し、より良い運用を実現させることでした。日々コミュニケーションを重ね、数年間で十数回もの出張を重ねたことで、最終的にはメンバーの一体感が生まれ、両社一丸となってSCMシステムを効率よく運用できるようになりました。
グローリーでは、チームワークの素晴らしさ、先入観を持たずに相手を尊重して接することの大切さ、相手に伝わるように伝えるコミュニケーションなど、社会人として非常に必要なことを学びました。また、私はグローリー在職中に、青山学院大学大学院国際マネジメント研究科(MBA)に通う機会を得ることができました。ちょうど出産・子育てと重なりましたが、何とか修了できました。統計学のような新しい分野を学ぶことができて、かけがえのない時間でした。
なぜフィッシャークリニカルサービシズジャパンを選んだのですか?
私の経験を生かしてこれまでと違う形で社会に貢献できる場所はないだろうか、と探していました。治験は専門外で、サーモフィッシャーのことも、フィッシャークリニカルサービシズジャパンのことも全く知りませんでした。詳しく話を聞いてみると、私の知見が役に立ちそうだと思いましたし、何よりも、患者さんのために医薬品の世界で私の経験を生かせることに大きな魅力を感じました。思い切ってチャレンジすることを決めて、2021年にフィッシャークリニカルサービシズジャパンに入社しました。
強みはグローバル治験のノウハウと社員のプロ意識
今はどのような仕事に就いていますか?

クライアントサービシズマネジャーとして、治験薬の2次包装・保管・配送などを製薬会社様にご提供する窓口業務を行うチームを束ねています。私たちのチームのミッションは、ごく簡単に言いますと当社のお客さまである製薬会社様の被験者である患者さんに治験薬をお届けすることです。治験薬の配送は、他の物品と異なり、適切な温度、適切な包装で、適切な時間・場所に間違いなく届ける必要があります。そしてお客さまや薬品の性質によっては、さまざまなルールや制約が加わります。当然ですが、保管にも細心の注意が求められます。一つでもミスがあれば、その治験薬は使えないということが珍しくありません。毎日、気を引き締めて仕事に取り組んでいます。
また、私たちはお客さまへのご提案も積極的に行っています。お客さまはそれぞれ社内ルールなどをお持ちですが、それらをよく理解した上で、できる限りスタンダードな方法を提案していくことにより、ミスを起きにくくすることができると考えるからです。例えば、書類を標準的な書式に合わせることや、温度計をスタンダードなものに替える提案を行うことがあります。そうすることがお客さまにとってメリットになると考えるからです。
マネジャーとしては、1on1ミーティングでチームメンバーの悩みやアイデアをしっかりと聞き出し、一人ひとりのモチベーションを高めることを心がけています。育児などプライベートの相談や、5年後・10年後のキャリア相談に乗ることもあります。私の方が、メンバーの皆さんから学ぶことも多くあります。メンバー全員とコミュニケーションをよく取って、皆の経験や知識を生かし合いながら、より良いチームをつくっていきたいと思います。
フィッシャークリニカルサービシズジャパンの強みを教えてください。
最大の強みは、グローバルネットワークのもとでノウハウを豊富に蓄積していることです。このビジネスにおいて、私たちはグローバルで最も大きな組織の1つであり、グローバル治験の2次包装・保管・配送について最も詳しい集団だと自負しています。特にグローバル規模の製薬会社様にとって、私たちのノウハウは有益だと認識しています。また、社員のプロ意識が強く主体的に行動できることも強みだと思います。お客さまのさまざまなご要望に対して一人ひとりが自ら適切に判断し、迅速に行動に移せるメンバーが揃っています。
お客さまの大事な治験薬を配送することに責任感を持って働ける人を
求めている
どのような社風ですか?

やらされ感で働くのではなく、自分で考えて行動を起こすことができる社員がいる会社です。また、先ほども言いましたが、プロ意識の強い個性的なメンバーが揃っています。治験薬に関わることで社会に貢献しようとする意識の高さは、皆さん共通していると思います。また、全員で組織を良くしようとする気持ちのあるメンバーが多いです。
どんな人を求めていますか?
自分主体で行動できる人を求めます。加えて、自分が周囲をリードするという意気込みのある人だと嬉しいです。たとえば、自分から会議の場を設けたり、積極的に現場で問題解決したりするような行動を期待します。
また、この仕事はお客さまだけでなく社内他部署やサードパーティの方々とも深く関わりながら進めていく必要があります。場合によっては、海外とのコミュニケーションも頻繁に起こります。相手が何を求めているかを察知して全員で前向きに進んでいける人を採用したいです。
お客さまの大事な治験薬を配送することについて責任感を持って働くことのできる方、治験薬の配送を通じて社会に貢献したいと希望される方のご応募をお待ちしています。
Photo by ikuko
Text by 米川青馬
Edit by ISSコンサルティング