INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
レキットベンキーザー・ジャパン株式会社 アリソン・ラドフォード

成長する企業のビジネス戦略 Vol.20

レキットベンキーザー・ジャパン株式会社

代表取締役

アリソン・ラドフォード

イギリス出身。1996年にケンブリッジ大学を卒業し、イギリスで新卒社員トレーニングプログラムにてRECKITT & COLMAN(現レキットベンキーザー)に入社。パーソナルケア製品のマーケティングマネージャーを経験した後、2001年10月にリージョナルマーケティングマネージャーとしてブラジルに赴任。その後はアメリカ、ブラジルでのマーケティングディレクターを経てイギリス本社でグローバルカテゴリーディレクターとして着任。育児休業復帰後、2015年9月に日本法人の代表取締役社長に就任。

公開日:2016年2月29日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

他国で働くことが大きなメリットに

これまでのキャリアについて教えていただけますか?

cg_064_031996年にイギリスのケンブリッジ大学を卒業後、当時のレキット&コールマン社に入社しました。その4年後の2000年にベンキーザー社と合併し、レキットベンキーザー社(以下RB)になりました。RBを志望したのは、消費者から親しまれているビッグブランドを複数持っており、そのマーケティングに興味があったこと。もうひとつは企業文化です。事業収益などビジネス面にしっかり焦点をあてているのはもちろん、人材に対する想いも熱く、会社として業績を上げつつ一人ひとりの人材を大切にするといったカルチャーが気に入りました。

新卒で入社後、マーケティングとセールスを担当しました。そして今年で20年になりますが、イギリス以外にもブラジルやアメリカなど、さまざまな国に赴任しました。海外赴任や転籍というのは当社のカルチャーの一部であり、それを理由にRBを志望する方もかなりいらっしゃいます。個人のキャリアを考えた場合、ひとつの国、ひとつの市場で仕事をし続けるというのは成長にも限界があると思いますし、私自身、他国で働いた経験が大きなメリットになっていると思います。現に2015年9月からRBジャパンのトップとして働く機会を得ることができました。日本への赴任が決まったときは、女性がトップに立つことを日本ではどう受けとめられるか不安な気持ちもありましたが、それ以上に素晴らしいチャンスだと感じました。南アメリカで幼少時代を過ごした経験はありますが、アジアは未知の世界でしたし、日本も訪れたことがなかったのでワクワクしましたね。

数カ月日本で暮らしてみて、今、日本のことをどう見ていらっしゃいますか?

来日当初はまるで他の惑星に来たような気分でした(笑)。日本語が全く読めないので食料品もろくに買えず、最初の2?3カ月は本当に大変でしたね。ですが落ち着いてくると、だんだん日本がおもしろくなってきて、いろんな発見や探検をしてみたいと思うようになりました。日本へ来る前は、「日本人の考え方は独特だから」といった話もいろいろ耳にしていました。確かに日本特有のものもありますが、私にとってはそれほど問題ではありません。要はしっかりとした組織と、従業員が企業文化に満足しながら楽しく仕事ができる環境を作りさえすれば、他の国と全く同じです。とは言いましても、やはり日本語が全く話せないというのはネックになりますし、ちょっとしたニュアンスの違いなど言葉の壁はどうしてもあります。うまく伝えきれない部分こそ重要だと思っていますので、少しずつですが日本語を学んでいきたいと思います。今は週1回日本語のレッスンを受けています。

マーケティングマネージャー時代では、どのブランドがとくに印象に残っていますか?

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たくさんあるので選ぶのは非常に難しいのですが……あえて申しますと「ライゾール」でしょうか。アメリカの除菌剤のブランドで、2004年から2008年まで4年間担当しました。アメリカで「ライゾール」といえば除菌剤ではナンバー1といえるほど人気のあるブランドで、物を除菌するときには誰もが「ライゾールしましょう」と言うほど代名詞的な存在です。「ライゾール」はとても多岐に渡ったブランドで、手指の除菌剤から浴室やキッチンのクリーナーまでさまざまな商品を展開しています。ですから、次にどういった製品を出すかといった戦略的な部分でも選択肢が豊富で、とても面白いブランドでした。

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マーケティングの手法についていえば、グローバルで統一された基本的なものはあるのですが、市場によって少しずつ違った形でアプローチしていますし、ブランドによっても変わってきます。たとえば「ベルベットスムーズ」という商品はどの国でも同じようなマーケティング手法ですが、当初日本でのみ販売していた「メディキュット」は、欧州で発売するにあたって日本での手法を学びつつ、それぞれの市場に合わせたアプローチで臨みます。このように、消費者のニーズなどを見極めながら市場ごと、ブランドごとに手法を変えていくこともやりがいのある部分です。

完璧よりもスピードを重視

日本での業績が好調な要因と、今後の戦略についてお聞かせください

cg_064_02主な理由としましては、マーケティングとセールスがしっかりと協力体制を敷くことで、連携が上手くとれているからだと思います。オペレーションモデルに関しましても部門間の意思疎通がスムーズにできるようになっていますし、戦略面でも協力し合えるので効果が倍増しています。あとはイノベーションですね。日本はイノベーションに長けているので、それなしに会社の成長は測れないと思います。

日本にある日系・外資の大手競合他社と比較した場合、RBジャパンは、規模は小さくても買収を重ね、組織の拡大成長を続けてここまで来ました。その中でもひとつ継続して実行しているのが、常にスピード感をもって機敏に意思決定をすること。グローバルの意思決定には効率的なシステムがあり、たとえば「ベルベットスムーズ」はドイツで上市したものですが、12か月後には世界16か国で発売されています。このようなスピーディさもRBの大きな強みだと思っております。大手企業のほうが秀でている部分はもちろんありますが、規模が大きいと意思決定をするにも時間がかかりがちです。我々としてはリスクがあっても、そこから利益が生まれるのであれば、素早く意思決定をして市場に出すようにしています。このことも成功のひとつの要因だと思います。

次に今後の戦略についてですが、イギリスではリテイラーは5社ほどしかないので、そこへ卸せばいいのですが、日本の小売業界は細分化され複雑な仕組みなので、セールス面でも事務的な処理や顧客訪問といった作業が膨大になってきます。他の国に比べてこの部分が非常に大きいですね。その中でいかに目標をクリアにして成長を産む部分を見極めるかが重要です。さまざまなブランドがある中で「どのブランドが成長しているのか、成長する可能性があるのか」、一方で「どのブランドが成長していないか、それはなぜなのか」といったことをしっかり検証したうえで、どこへ投資し、どのようなイノベーションが必要なのかを考えなくてはいけません。今はヘルスケアの分野が二桁成長していますから、ここから焦点をあてるブランドを決定し、適切な投資をしていきたいと考えております。「ベルベットスムーズ」のヒットが「ドクター・ショール」というブランドを大きく変えたように、ひとつの製品によってブランド自体の認識が変わることがありますし、イノベーション次第でブランドの価値を上げることができるのです。

成功を導き出すためにあるRBの特徴はどのようなものでしょうか?

cg_064_04それは、4つのコアバリュー、「Achievement(達成)」「Entrepreneurship(企業家精神)」「Ownership(オーナーシップ)」「Partnership(パートナーシップ)」にあります。

「Achievement(達成)」はしっかりと結果を出すということです。私どもが成功した理由は、結果を出してきたからです。達成したものに対しては報酬システムで裏付けをする。それにより社員のモチベーションも上がります。次に、戦略に基づいてチャレンジを恐れず実行し達成するという仕組み、これが「Entrepreneurship(企業家精神)」の部分です。「Ownership(オーナーシップ)」は、自分のアイデアにオーナーとして責任を持ち、結果を出していくこと。さらに、その一連の流れは他の社員との「Partnership(パートナーシップ)」があるからこそできる。このように、4つはジグソーパズルのピースのように全てが揃ってはじめて完成するのです。

また、先程もお話しましたが当社のモットーのひとつとして「スピード感をもつ」というものがあります。「完璧でなくても他社よりも早く市場に出すことが有利である」と考えているわけですが、もしかしたらこの部分は日本の方には理解するのはなかなか難しいかもしれません。日本の考え方では、「完璧になってから市場に出したい」という想いが強いでしょうから、抵抗感を覚える方が多いのはうなずけます。もちろん、イギリスやドイツにもそういった考え方はありますが、とくに日本は完璧なものを出したいと考える傾向が強いと思いますね。

自分のアイデアを実現できる環境がある

御社が求めている人材像を教えてください

cg_064_08私どもでは、自分の考えを持って仕事に臨む、意気込みのある人材を集めることが大きな成長につながると考えています。しっかりとしたビジネスへの提案を作り上げればそれを実現できる環境ですから、当社の企業文化を理解していただき、「会社を変えたい」「自分のアイデアを実現したい」という情熱のある方に来ていただきたいですね。

当社が重要視していることのひとつにダイバーシティがあります。現在、RBジャパンには約10カ国の従業員が働いておりますが、単に国籍だけではなく、さまざまな価値観や能力を持った方たちに集まっていただきたいと考えております。いろんな経験を積み、多様な見方ができる人材が集まってこそ、物事を包括的に捕らえることができるのです。海外赴任や転籍が多いというのもまさにダイバーシティに関連するもので、Aという国で働いた経験が次の赴任先であるBという国で活かせます。このようなダイバーシティによって完全なビジネスの絵が描けると考えているわけです。

個人的な意見ですが、日本人はしっかりとした考えやオーナーシップを持っていても、それをあまり表に見せないところがあるように感じます。海外では自分がやりたいことを他の人にしっかり伝えます。カルチャーが違うと言ってしまえばそれまでなのですが、日本の方は内に秘めやすい傾向があるのではないでしょうか。当社にはさまざまな国籍の従業員がおりますし、自分の考えやアイデアを実現しやすい環境も整っていますから、臆せず積極的にチャレンジしていただきたいですね。

育児休暇後、復帰する女性社員も多いそうですね

私自身も育児休業から復帰しておりますし、RBジャパンにおいても昨年度育児休業を取得した従業員は100%復職しております。復職後はこれまでと同じ勤務形態で働くことが難しい人もいるかもしれませんので、メンターをつけたり、勤務時間をフレキシブルにしたりといったサポートが重要であると考えます。私どもではこういった様々な支援システムを導入しており、自身のペースで働ける環境を提供できるように心掛けております。RBジャパンは女性の管理職の割合も他国に比べて高いのですが、それは日本の女性は非常にタフで、自分が「何をしたいか」という明確な目標を持っているからだと感じます。ですから、復職後さらにキャリアを積んでいただく機会も十分あると思います。

最後に、転職を考えている方へアドバイスをお願いします

cg_064_05転職の理由が「こういう仕事がしたいから」といったポジティブなものなら、自分がやりたいことが明確にわかっているということですので背中を押してあげたいですね。逆に、「今やっている仕事が嫌だから転職を考えている」という場合は危険だと思います。何がしたくないかではなく、何をしたいかを考え、それがはっきりしてから転職を考えたほうがいいでしょう。それから一番重要なポイントとして、希望する会社のカルチャーをしっかりと見極めることです。そのためには、興味のある企業の社員に話を聞いてみるなどして、自分に合っているかどうか時間をかけて検討してみる。早々に判断して、入社してから「合わない」となると長続きしませんから、転職先は慎重に選んでいただきたいです。

日本の市場は大きく、その分、可能性があると感じています。会社をさらに成長させていくことはもちろんですが、日本で外資系企業やブランドが大きく成長するのはなかなか難しいのも事実です。競合がたくさんいる中でいかにビジネスを拡大させていくか、挑戦的な目標を達成するためにはどうしたらいいのかを考えなければいけない。 だからこそ、RBジャパンへの転職を考えている方には、まずしっかりした志望動機を持っていただきたいですね。当社は非常に自由な社風ですし、常に何か新しいことをやりたいという方、結果を出すということに対して情熱を持てる方に向いている会社だと思います。企業家精神のもとにプロジェクトに対してしっかりとオーナーシップを持っていただき、自分のアイデアを実現したいという気持ちが必要です。 そういう人たちと一緒に次の段階へ飛躍していきたいと思います。

レキットベンキーザー・ジャパン株式会社
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レキットベンキーザー・ジャパン(RB)は世界60カ国に事業所を置き、約37,000人の社員を有するグローバル企業です。約200カ国において、その製品が店頭に並び、約1,500万個、多いときには2,000万個が毎日お客様の手に渡っていっています。
RBジャパンは、グローバルで展開しているパワーブランドと合わせて、日本のお客様の多様なニーズに応えた確かな製品を提供するべく、日々活動しています。
多数のパワーブランドがグローバルにおいてNO1,NO2になっている背景には、RBがダイバシティーを推進し、働き成長していく場を作り、常に新しいものを生み出す姿勢があります。

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