INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
スワロフスキー・ジャパン株式会社 ヴァンサン・ネリアス(Vincent Nelias)

成長する企業のビジネス戦略 Vol.17

スワロフスキー・ジャパン株式会社

Managing Director

ヴァンサン・ネリアス(Vincent Nelias)

1968年フランス、ブルターニュ生まれ。92年にビジネススクールのインターンシップにて初来日。輸出入及びマネージメントの分野で修士号を取得後、95年にオーシャン(Auchan Japan)日本事務所のセールスマネージャーとして再来日。以後20年間、日本の外資系企業にて、セールス、マーケティング、プロモーションなどキャリアアップを重ね、2012年より現職。就任以来、時計事業では50%超の売り上げアップを実現するなど、スワロフスキー・ジャパンの好調を支える。

公開日:2015年10月19日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

全てを吸収しようという姿勢で、日本での経営スキルを身につけていった

これまでのキャリアについて、来日の経緯など含めて教えて頂けますか?

cg_061_02フランスのビジネススクールで、国際的なビジネス情勢、貿易、アジアの経済情勢などを学ぶなかで、インターンシップで1992年に初来日しました。修士号取得後の95年に、オーシャン(Auchan Japan)の日本事務所の営業課長を務めたことを手始めに、以来20年間、日本でキャリアを築いています。日本でのカルチャーショックについて尋ねられることがありますが、当時の私は若くして来日し、全てを吸収しようという姿勢でいました。ですからカルチャーショックというより、向上するために何を学ぼうかという思いの方が強く、楽しかったですね。

オーシャンではワインの販売を担当しました。応募当時はワインの知識もなく、日本語も話せませんでしたが、私の出身地であるブルターニュの伝統的かつ保守的な土地柄は日本と似ており、また日本の企業が多数進出していたため、サービスや会社の組織、一生懸命働くスタイルなどに馴染みがあったことが採用に繋がったのだと思います。26歳の私がこの仕事を得て、来日できたことは本当に幸運でしたね。オーシャンには30歳まで勤めました。フランスのワインの製造業者を、サントリー、メルシャン、アサヒを始めとする日本の大手飲料会社に紹介するなどしてセールスの拡大に貢献しました。

セールスからマーケティングへ、職種をシフトしながらキャリアアップされた経緯など教えて下さい。

30歳の時、セールスではなくマーケティングセクションのプロダクトマネジャーとして、ペリノ・リカール(Pernod Ricard)というワイン飲料市場で世界第二位の会社に移りました。仕事内容は、世界中からワインを調達し販売するセールスチームのサポート、更には、プロモーションやポスター作成など様々なマーケティング業務です。セールスからマーケティングにシフトして経験を積めたことは、私のキャリアに有意義だったと思います。

マーケティング未経験だった私が、なぜマーケティングのポジションで採用してもらえたかというと、ワインのエキスパートという共通のバックグラウンドがあったことが一番大きいでしょう。日本語力も少し向上して、ワイン業界のジャーナリストやメディアとの繋がりもできていました。プロモーションに有利な人材だと思って頂けたのだと思います。

ワイン業界で9年間勤めた後、カルティエ(Cartier)のマーケティングセクションにてプロダクトマネジャーになりました。ペリノ・リカールとカルティエでは業種が全く違いますが、当時のジェネラルマネージャーが、ワイン・スピリット業界出身という縁にも恵まれました。カルティエではウォッチ担当でしたが、ペリノ・リカールのときと多くの共通点があって面白いと感じましたね。ワインにしても、時計にしても、メーカーがあって専用のジャーナリストがいて、その熱狂的なユーザー、ファンがそれぞれにいる。その構造は似ていて、同じ世界だと思いました。カルティエでの仕事は投資も大きく、ニューコレクションのお披露目イベントなどの規模も大きくて、ビジネスもプロモーションも非常にエキサイティングでした。

次にヴァン・クリーフ&アーぺル(Van Cleef & Arpels)にセールス・ダイレクターとして移りました。そこではデパート展開を任されたのですが、当時の私はデパート業界の経験も知識もありませんでした。しかし、当時の社長が一年半かけて、日本のセールス・ダイレクターとして必要なスキルが身に付くよう教育してくださったのです。全国出張も数多くこなしながら、5年間で1000名以上の採用面接にも携わり、人事、店舗開発、ビジュアルマーケティングなど、セールスやマーケティングといった枠に囚われずに、広い視野で日本での経営が何たるかを学びました。

その後、フランスで社長をやらないかというお話をいただいたのですが、当時の私のゴールは、日本の大きな組織でトップに立つことでしたから、これを辞退し、同じ頃に声をかけてくださっていたスワロフスキー・ジャパンのトップとして働く道を選びました。正直なところ、当初はそれほどスワロフスキー・ジャパンに興味を持っていなかったのですが、面接を重ねるにつれて興味が高まって、是非この会社のビジネスに携わりたい、と思いました。そして、2011年12月に契約を結び、翌年3月に入社し現在に至ります。非常に大胆な決断だったと思います。

ファッションジュエリーブランドのトップとして更なる進化を目指す

具体的にスワロフスキー・ジャパンに転職なさった決め手は何でしたか? 御社の強みと共に教えて下さい。

cg_061_04スワロフスキーを選んだ理由は4つあります。まず一つ目は、世界的にみて非常に速く成長し拡大しているダイナミズムに惹かれました。スワロフスキーは、120年前に世界で初めて高品質なクリスタルの精密カット・研磨技術を開発した会社ですが、今もイノベーションを重ねて力強く発展中です。二つ目は、スワロフスキーがファミリービジネスであり、会社の目的自体が短期的な株価に左右されることなく、長期的視野に立って経営の安定性や人材育成にフォーカスしていることです。イノベーションを繰り返しながらも、各世代を繋ぐ一本のラインが通っていて、心地良い、働きやすい会社だと思いました。三つ目の理由は、スワロフスキーへの転職は新しいチャレンジでありながら、私のこれまでの経験を活かすことができると思ったからです。ヴァン・クリーフ&アーペルでセールス・ダイレクターとして経験を積んでいましたから、全体的なジュエリー市場も、百貨店など日本の流通も知っています。これまでに培ってきたコネクションも活かせると思いました。四つ目の理由は、自分の資質能力を更に伸ばせる機会であるということです。スワロフスキーのような消費財を扱う業界にいると、マスマーケットにまでもリーチする機会ができます。実際にファッションや化粧品などのマスマーケットにリーチすることは、会社と共に自分自身も成長できるということだと感じたからです。

スワロフスキーには沢山の強みがあります。歴史があり、ファッション・ジュエリー企業として知名度を確立しており、製品の品質も高い。クリスタルの色、クリスタル・カット等の生産技術もしっかりしています。また、顧客分析を通して、お客様が今どういった製品を求めていて、何を提供すればそれに応えることができるのかなど、お客様本位の品揃えやサービスを常に工夫しています。お客様に選んでいただける理由の一つとして、スワロフスキーの製品は価格帯がリーズナブルだ、ということもあると思いますが、何より、製品自体がキラキラと輝いて美しいです。是非、日々の装いなど、生活の中に取り入れて頂きたいですね。

スワロフスキーは、2020年までにグローバルマーケットリーダーになるとのヴィジョンを掲げていらっしゃると伺いました。そのビジネス戦略を教えて下さい。

スワロフスキーは現在、世界各国に2,500店舗以上を展開しています。将来的なグローバル全体の戦略について、ポイントは二つあります。一つは顧客中心戦略、もうひとつは製品戦略です。前者については、世界的規模で顧客動向を分析し、顧客満足度を高めるためのサービスの向上を図り、オンライン、DM、テレビ、雑誌などを活用した顧客毎への最適なアプローチに取り組んでいます。後者については、ジュエリー、時計、オブジェの3つの柱を据えています。

日本では、生産性の向上に重点を置いています。1店舗あたりの売上を伸ばしていくために、日本の消費者が求める製品の品揃えを充実させていくこと、顧客との関係を構築し顧客満足度を向上させること、製品の特徴を視覚的に演出し顧客の注目を得ることが大切です。

また、製品開発において注力しているのが時計ビジネスです。日本の時計ビジネスは、急速に成長しています。私自身、時計が好きで思い入れがありますし、2012年に時計のデザインや価格帯のオファー提案が広がり、その好機を捉えて売り出すことができました。お陰様で、時計事業は高成長を遂げて、今年は50%以上の成長率を見込んでいます。

また、大きな柱の一つである、クリスタルのオブジェに関しても、既存および新しい顧客層の拡大をすべく、再注力を図りビジネスを拡大していく予定です。

ミッションを理解し、4つの大切なバリューを持つ人には活躍の舞台が開ける

御社ではどんな候補者を求めていらっしゃいますか?

cg_061_03スワロフスキーには、4つの大切なバリューがあります。責任感、情熱、活力、創造力です。また、我々が掲げるミッションは「人々の生活に輝きを与える」ことです。お客様に活力や輝きを与えて、感性の部分でもそれらを感じて頂きたい。ですから、このミッションを理解し、かつ4つのバリューをお持ちの方々が候補者になります。特に、情熱が一番大事ですね。加えて、リテール、カスタマーを知っている方は非常に望ましいですし、セールス経験のある方も歓迎です。セールスからお客様への理解が深まりますし、セールスこそ店舗で働くとは何たるかを理解しているからです。セールスからオフィス側へ、現場の情報を的確に伝える役割もできると思います。ポジションにもよりますが、英語も話せるといいですね。日本でもマネージャー職では英語が必須ですので、英語が話せる方にチャンスの広がりがあります。

最近では、採用の状況も変化しており、とりわけお客様との関係性を築ける人を重視しています。お客様にお買い求め頂き、さらにリピートして頂くところまでの細やかなケアができるスペシャリストを採用、育成したいと考えています。完璧なキャリアパスの例を挙げるとするならば、まずセールスを経験し、30歳、35歳には店舗マネージャーに昇進。それからエリアマネージャーになることでしょうか。そうすれば、そこからプロモーションや、トレーニング(人材育成)をしたり、セールス・ディレクター等、幅広いポジションへの機会に恵まれます。さらに英語力があれば、日本だけではなく、海外にも活躍の場を得ることが可能です。

実際にどのような方々が活躍されていらっしゃいますか?

毎年の人事評価では、先ほどの4つのバリューに基づいて従業員を評価しています。昇進昇格には、優れた資質なり能力があること、且つ「自分はこうしたい」という情熱やエネルギーがあることが求められます。一例をあげると、2010年に新卒採用した方で、4年間店舗で働き、2014年に社内公募を経てトレーニングのポジションについた女性がいます。彼女は、店舗での販売や顧客対応の経験があるものの、トレーニングについては全く知識がありませんでした。しかしインタビューで、自分は学びたい、このポジションで活躍したい、というエネルギーを非常に強く感じたので、彼女の店舗経験がトレーナーを務めるのに十分だろうと信じて、トレーニングポジションに任命しました。結果、大成功でした。彼女は現在も我々の期待以上に大変頑張っていて、非常に速いスピードで成長し続けています。

最後に、転職を考えていらっしゃる方にアドバイスをお願いします。

日本企業ではなく外資系企業で働くことを、怖がる方がいらっしゃるかもしれません。ですが、そういった方々にも是非、チャレンジしていただきたいと思いますね。自分の最初の印象から、実際に会って話すことで考えが変わることは多々あります。私自身、スワロフスキーの方々に最初にお会いした時と、その後は考えが変わっていきました。ですから恐れずに応募して頂きたいと思います。

スワロフスキーは日本で42年の歴史がありますし、世界では120年の歴史がある企業です。英語が学びたい、海外へ行きたい、という希望に対しても沢山の機会があります。多様な能力を持ち、さらに世界に羽ばたきたいとの志のある方には、そういった機会を多く提供できる会社です。とにかく応募して一歩を踏み出して頂きたいですね。

スワロフスキー・ジャパン株式会社

スワロフスキーはクリスタルのカット・研磨に革命をもたらすマシンを発明した創業者、ダニエル・スワロフスキーI世により、スワロフスキーは1895年にオーストリアで設立されました。以来、伝統と技術を継承しながら、高い創造性でクリスタルの世界に新たな可能性を生み出しています。1976年にはコンシューマー・グッズ事業の幕開けとなるクリスタル・オブジェの第1号が誕生。これは今も多くの愛好家を魅了するクリスタル・フィギュリンのサクセス・ストーリーの始まりであり、その後のファッション・ジュエリーでの成功と併せ、カットクリスタルのトップブランドとしての地位を大きく飛躍させた出来事です。現在は世界170ヵ国以上に拠点を持ち、パリ・ロンドン・ミラノ・ニューヨーク・東京など主要都市を中心にショップを展開しています。

1895年の設立以来、スワロフスキー社を支えてきたものはクリスタル・カットにおける創設者ダニエル・スワロフスキーの匠の技です。技術革新とデザインへのあくなき情熱によって、世界随一のジュエリー&アクセサリー・ブランドへと発展しました。今日も、全世界の女性の毎日に特別な輝きをもたらす伝統を創業者一族が担っています。

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