広告業界から保険業界へ
Chubb 損害保険(チャブ)に入社するまでの経緯を教えてください。
大学卒業後、小さな広告プロダクションなどを経て、1993年に歴史のある広告代理店・廣告社に入りました。ここでは新規開発営業を任され、当時日本に入ってきていたIT・コンピュータ業界のお客様を増やしていきました。このとき、あるコンペで大手広告代理店に負けたことが、キャリアの大きな転換点となりました。マーケティングを極めてみたいと思うようになったのです。
それで、1997年に東急エージェンシーインターナショナル(現・フロンテッジ)に転職し、マーケティングプランナーとなりました。数年間、大手電機メーカーのマーケティングを担当し、マーケティングの基礎を吸収しました。2000年からはレオ・バーネット(現・ビーコン・コミュニケーションズ)で、大手飲料メーカーのさまざまな広告を担当。世界的な広告クリエイターと一緒に仕事をするなど、刺激的な毎日でした。また、広告だけでなく、ドラマや映画、CDなどの制作にも関わることができ、広告マーケターとしてのスキルを多様に伸ばすことができました。
2007年、私はアメリカンホーム保険に移りました。40歳前後は、広告パーソンがそのまま広告業界に残るか、事業会社に進むかの分かれ道と言われます。私は事業会社、それも広告出身者が比較的少ない保険業界を選びました。自分の力を活かせる余白が大きいのではないかと思ったからです。ダイレクトマーケティング部長(後にはマーケティング本部長)として、CM・広告制作に携わりました。最初につくったCMでコールセンターにかかる電話を2倍以上に増やすことができ、社内での信頼を一気に高めることができました。キレイで雰囲気の良いコールセンターを前面に押し出すCMをつくったことが、功を奏しました。また、マーケティング本部長になってからは、お客様を増やす新規スキームの構築にも携わりました。
そして、2015年、チャブに入社しました。チャブは、ビジネスも組織もまだ創っていく段階であり、そこがとても魅力的でした。私の経験を注ぎ込んだら、きっと面白いことができるのではないかと考えました。
54ヶ国で事業を展開、世界最大級の損害保険会社
チャブはどのような会社ですか?
チャブは、54ヶ国で事業を展開する世界最大級の損害保険会社で、アメリカを中心に海外では広く知られている会社です。特に法人・団体向け保険に強く、日本でもその分野が順調に伸びています。開催時間の分だけかけられる「マラソン保険」や、日本では珍しい「GLTD(団体長期障害所得補償保険)」など、特徴のある商品、競争優位性の高い商品を数多く扱っており、私が入社した2015年以来、日本でも右肩上がりで成長を続けています。チャレンジしがいのある環境です。
組織的には、外資系企業らしく「世界的なネットワーク」があり、「フラットな組織」であることがチャブの強みです。フラットな組織であるがゆえに、世界中の誰もが、プロフェッショナルとして価値の高い情報を持っており、彼ら一人ひとりから有益なサポートを得ることができます。無駄なレポートなども必要ありません。私自身の例を挙げれば、日本CEOのブラッド・ベネットと毎週1on1ミーティングをする中で、確固たる信頼関係を築いてきました。その結果、現在は基本的にすべてを任せてもらっています。主体的に動きたい方にとって、これほど物事が進めやすい環境は他にそれほどないのではないでしょうか。
チャブではどのような役割を担われていますか?
私が統括するA&Hとは、傷害保険・医療保険・旅行保険などの「人に関する保険」のすべてを扱う部署です。私はこのA&Hのマネジメントを任され、お客様の増加や売上アップを目指しています。
入社した私は、まずはダイレクトマーケティングのスキームを強化しました。提携会社とのコミュニケーションを増やすとともに、コールセンターを東京から地方へ移し、また別地域に新設し、キャパシティを増強していきました。これによりお客様を順調に増やすことに成功しました。
また、私が入社したときには、ディストリビューター(代理店)を持っていなかったのですが、2018年1月からディストリビューター制を導入しました。今後はお互いが儲かる仕組みを構築して、ディストリビューターをもっと増やしていきたいと考えています。その一方で、保険業界ではテレビCMがいまだに有効ですから、こちらもそのうち推進していくつもりです。このようにしてマーケティング施策を強化していくことでお客様を増やすのが、私の大きな仕事の1つです。
これから手がけていきたいことは何ですか?
一言で言えば、A&Hの組織の「チームワーク」を高めたいと考えています。今はそのために、「一人ひとりが自分なりの戦略を持って動こう」「いつも目的ベースで考えよう」とメンバーに言い続けています。メンバー全員が、お客様と売上を増やすという目的を常に見据えながら、自分の役割を主体的に担っていけば、お互いに自分の持ち場をはみ出して、協力的に働けるようになると考えています。そうやってメンバーのマインドセットが変わっていけば、売上は自然と伸びていくはずです。私が粘り強く言い続けてきた結果でしょうか、社内外の協力体制がうまく立ち上がる事例が増えてきています。今後は、そうした事例をメンバーに共有しながら、皆の目線を同じ方向に合わせていきたいと考えています。
また、マーケティング的な観点で言えば、必ずしもメンバー全員が難しいことをできるようになる必要はありません。それよりも、3C分析のようなベーシックなマーケティング手法をしっかりと使いこなしながら、お客様の声に耳を澄まし、お客様の求めているものを確実に提供できるメンバーを増やしていきたいです。
チャブの名が日本にも知れ渡っているようにしたい
将来的に、チャブをどのようにしていきたいと考えていますか?
最終的には、チャブの名が日本にも知れ渡っているようにできたらと思っています。現在の営業の悩みは、お客様に「チャブってどんな会社?」と言われることで、それをなくすことが大きな目標の1つです。
どのような方を求めていますか?
自らリスクを取って、自分で考え、主体的に行動できる方です。そうした方にとって、チャブはチャレンジできるチャンスが間違いなく多い会社だと思います。ビジネス的にも組織的にも白地が多く、何かしらやりたいことを自ら企画し、実現することは難しくありません。また、業界内のしがらみが少ないからこそ、自分たちで独自の団体を立ち上げることができるといったメリットもあります。それから、メンバーが少ないため、誰もがある程度広い領域を任せてもらえます。広い領域を一人で見ることが好きな方、そんな経験をつけたい方にとって、働きやすい職場ではないかと思います。
私は、売上を今の2倍にすることは決して難しいことではないと思っています。その目標を、楽しみながら一緒に目指してくれる仲間を求めています。