2008年-2009年のUCLA-MBA入学生について、どのような人が集まってきているのかお聞かせください。
学生の平均年齢は27?8歳で、98%が就職の経験があります。出身の学部別で見ますと、ビジネス、エコノミー系で約40%になりますが、エンジニア系出身者も20%ほど占めています。全体360名の3分の1が留学生です。例年日本からは約100名の応募がありますが、内20名程を受け入れています。日本からの留学生は、リーダー育成のため企業がスポンサーして入学してくるケースも多く見受けられます。
2009年度のGPA平均は3.6、GMAT平均は704。学生は全米から入学してきます。マイノリティが全体の24%、女性が34%という数値をみても、とてもオープンな校風だということが現れているとかと思います。
UCLA-MBAの生徒が就職先として興味をもっている業界はどこでしょうか。また、全体と留学生との違いはあるのでしょうか。
一般的にMBAでは、金融関連、コンサルティング、マーケティング業界に興味をもつ学生が大半を占めていると思いますが、私どもUCLA-MBAの学生の場合、興味の対象は多岐に渡っています。UCLA-MBAは、起業に興味をもっている学生が多いのも大きな特徴でしょう。
9月12日付当校における2007年度の統計によりますと、就職先として最も関心の高かった業界としては、インベストメントバンキング、コンサルティング、リアルエステート、メディア/エンターテイメント業界という結果です。これを留学生に限って見てみると、インベストメントバンキング、コンサルティングに次いで、ハードウエア・テクノロジー、インターネットサービス、インベストメントマネージメント業界が上位にあがってきます。
また、全体の就職先職種別統計を見ると、1位:コンサルティング、2位:インベストメントバンキング、3位:コーポレートファイナンスとなっています。留学生のみの統計になると、人気の1位と2位が入れ替わっていますが、Top3は全体と変わりません。
主な業界別就職先統計をみると、28.6%がファイナンシャルサービス、13.7%がテクノロジー、12.9%がコンサルティングという結果です。留学生のみの統計では、43.8%がファイナンシャルサービス、18.8%がコンサルティング、16.7%がテクノロジーに進路を決めています。
卒業生全体の、89.4%がアメリカ国内に就職していますが、留学生のうち、アメリカに就職した方の割合は58.3%と、全体に比べると低い数値になっています。
留学生が興味を持つ業界と実際に就職できる業界が違うのはなぜでしょうか。また、その課題にどのような対応をしているのでしょうか。
留学生のなかにはコンサルティングやマーケティングに興味を持つ方々が数多くいらっしゃいます。しかし、留学生が卒業後、アメリカ国内でこういった職につくことは厳しいものです。なぜかといえば、その国の「文化」というものは、そこで育ってきたからこそ身についているものですから、商品ひとつ販売するにしても、アメリカ文化を本当に理解していないと難しいのです。
そこで、コンサルティングに興味をもっている日本人留学生には、まず日本でコンサルティングの職を求めるようにアドバイスしています。どうしてもアメリカでコンサルティングを、ということであれば、ある程度在日の外資系企業で経験を積み、これだったら競合していけるという自分の強みを日本で見極めたうえでアメリカに転任の希望を出すという方向性もあるというお話をしています。
同時に、「まず言語をしっかり学び、アメリカ文化に浸ってください」という指導もしています。履歴書をアメリカ人のように書くこと、アメリカ的なネットワーキングを学ぶこと、ケースインタビューをすること、ソーシャル的なイベントでアメリカ人のように交流すること、そういったことができるようになることが指針になるかと思います。
学部でも就職先でもテクニカルだった方が、MBAでビジネスセンスを身につけようと入学して来られます。テクニカルとビジネスの両方に精通している人材への評価は当然高くなるわけです。ご自身が既に身につけている「強み」というものがあるはずですから、それを最大限に活かせるような仕事はなにかをキーポイントに就職のアドバイスをしています。
卒業生の就職活動へのサポートは、どのようなことをしていますか?
UCLA-Andersonには、学生および卒業生のための「Parker CMC(Career Management Center)」という就職サポートセンターがあります。
企業からのリクルートの対応、学生への情報提供などはもちろん、どういう風に仕事を探すか、自分の決断が果たして企業に合っているのかなど、実際に仕事を探す上で役に立つテーマのもと、さまざまなワークショップの開催をしています。留学生に向けた特別なワークショップもありますから、こちらで文化や言語の違いによる不安を解消していただけると思います。
また、これらのワークショップとは別に、模擬インタビューや履歴書の書き方などに対応する45分の個人セッションも設けています。
カウンセラースタッフも年1回のカンファレンスを行い、学生たちへのよりよいバックアップについて意見交換をしています。
日本には同窓生たちで組織されたグループがあり、入学相談、在米期間中の生活、そして就職と幅広く私どものサポートをしてくれています。彼らの活動のおかげで、MBAのなかでもUCLA?MBAを選んでもらえることもあり、大変ありがたい存在です。
どのような学生がMBAを経て転職に成功しているのでしょうか。
私どものアドバイスを忠実に守り実行する学生は必ず成功しますよ(笑)
やるべきことに対して努力する方はもちろんですが、その方が企業の欲しいバックグラウンドを持っているかどうかも、大きな成功の鍵になり得ます。
ファーマーだった方が、インベストメントバンカーになられた実例もあります。彼は学業もしっかり修めましたが、とにかくいろいろな方と話をして、たくさんのリサーチをして、結果成功を手に入れることができたのです。MBAプログラムで、いかに多くのことを学ぶ姿勢があるか、これが成功のカギではないかと思います。
ありがとうございました。