事業内容及び商品
1976年の設立以来、当社は、マースインコーポレイテッド(以下マース)ブランドの製品を日本に流通させるビジネスを行なってきました。 代表的な製品としては、「カルカン」「ぺティグリー」で知られるペットフード、「スニッカーズ」「M&M’s」といった菓子が挙げられます。
現在、ペットフード業界においてトップシェアを誇っている当社ですが、成功の最大の要因は、消費者が求めるニーズとマッチした商品を提供し続けてきたことに尽きるのではないかと考えています。 イギリスのウォルサム研究所にて、犬や猫の栄養要求や消化率、栄養バランスなどを徹底研究し、 数万のデータを元に最適なペットフードを開発しているのですが、その過程では一切の妥協を許しません。 その努力の成果が商品に表われ、ユーザーの満足へとつながっているのだと自負しています。
一方、近年は消費者のニーズがハイレベルに、そして多様化してきました。そこで、よりターゲットを絞ったマーケティング、さらには日本独自の商品開発にも力を注いでいます。 たとえば、犬種別のペットフード「パーフェクトフィット」。一つひとつの犬種には、それぞれに固有の性質があります。 それぞれの犬種の特徴に合わせたフードで、大切なペットの健康管理に役立てていただきたいという考えを元に、商品化を実現させました。 菓子分野で言えば、昨年の秋に発売された「DOVE(ダヴ)」もその一つ。 これは、働く女性の「既存のチョコレートよりも美味しいチョコレートを手軽に食べたい」というニーズに応えるべく、 海外製品のみを輸入販売していた当社が、初めて日本独自の商品を作ったという試みでした。
コーポレートビジョン
今後のビジョンとして、当社では、現在の売上を3倍にまで成長させることを目標に掲げています。 具体的な内訳は、ペットフード分野を2倍に、菓子分野を10倍以上に伸ばすことです。 現在、菓子市場はシェアの取り合いが激しく、また、商品サイクルが目まぐるしく変わっているのが現状です。 そうした状況を戦っていくには、従来どおり既存の製品を提供すると共に、「DOVE」のような新しい製品も打ち出していく必要があるのです。
新たな商品開発には苦労が付き物です。 しかし、当社にはアグレッシブなチャレンジをし続けるという精神が根付いています。新たなビジネスフィールドを切り拓いていくことへの挑戦が、 消費者に喜びを与え、ひいてはマーケット拡大、ユーザー増加につながるのだと思っています。
また当社では、海外に優秀な人材を送り出し、グローバルな貢献を目指したいという考えを持っています。 マース全体の中で、アジア地域の売上はまだまだ少ないのですが、その中で大きな売上を占めているのが日本。 その技術、消費力、何より「人」の力をアジアに送り出し、ビジネスを成功させてグローバルに貢献することが、今後の課題です。
企業カルチャー
マスターフーズには、世界共有の三つのカルチャーが存在します。それは、「アソシエイト」「オープン」「チャレンジ」の三つです。
まず、当社には「従業員・被雇用者」という言葉はなく、どんな地位にあろうが、働くすべての人は同じ「アソシエイト」として尊重されます。 また、すべてのアソシエイトは平等である、という考えも持っています。 たとえば、出張先が海外なら新入社員であろうとビジネスクラスを利用しますし、国内であれば社長であろうとエコノミーを利用するといった具合に、純粋に距離に応じてチケットを予約するのです。 地位に応じて待遇を変えるなどということは決してありません。 これは、マスターフーズを構成しているのは私たち一人ひとりであり、どの人も大切であるという考えの表われなのです。
また、アソシエイト個々が積極的にイニシアチブを取り、周囲と意見交換をしながらビジネスの成功に結び付けていくというのも当社の理念の一つです。 オフィスにはパーテーションがなく、マネジャーのための個室などもありません。 それも、お互いが自由にコミュニケーションできる環境を重視しているからです。
そして「チャレンジ」。当社では、現状を変えることに対して怖がらず、常に新しいことに挑戦することが求められています。 たとえば、マース全体で「Make The Difference」というイベントがあるのですが、これは自分が行なった仕事の中で変えたこと、新たなアイデアを出したことなどを持ち寄り、ローカル大会、アジア大会、世界大会…とプレゼンを進めていくものです。 じつは、日本はアジア大会においてトップを二回取っているんです。その一つは、それまで難しいとされていた「スニッカーズ」を日本人好みに変えたこと。 「スニッカーズ」というのは、何十年も続くロングセラー商品ではありますが、日本人には大きすぎるなどの理由から難しさもありました。 そこで、日本人好みにサイズを小さく、ピーナッツをライス・パフに、チョコレートの量などを変えたものを提案したのです。 結局、グローバル的に「これはスニッカーズのコンセプトと違っている」ということで「スニッカーズ」を変えるまでには至りませんでしたが、チャレンジしたことに対しては多大な評価をいただけたというわけです。
こうした企業カルチャーが、アソシエイト個々の力をさらに高め、ひいては会社の成長へと導いているのです。
求められる人材・人事制度
当社が求めている人材は、何よりチャレンジ精神が旺盛な人です。前述したように、当社では失敗を怖がらず、常に前へ前へ進もうとする人を評価します。 また、コミュニケーション能力があること、常に問題意識を持ち改良のための提案ができること。これらは、どのセクションにも共通して言えることです。
加えて、営業ではきちんと自己管理のできる人が求められます。当社の営業担当は、効率の良さを重視し、直行直帰で営業している人がほとんどです。オフィスには営業担当者用のデスクもありません。 ということは、ルーズにもなるし、24時間仕事をすることも可能なわけです。そうしたなか、オンとオフを上手く使い分けられる自己管理能力がないと、決して良い成果は上げられないでしょう。 マーケティングに関して言えば、確たる信念を持ち、周囲を説得させる能力があることがポイントになります。 たとえば、前述の「スニッカーズ マイルドクリスプ」を商品化に導いた人は、自身の信念に基き何と4年越で周囲を説得し続け、日本独自の商品を生み出すことに成功しているのです。
また、自身のキャリアプランが明確な人は、採用側から見て魅力的です。自分はどうしていきたいのか。それがはっきりしていなければ、成長はもちろん、キャリアなど身に付くわけがありません。 マスターフーズは、アソシエイト個々のキャリア実現のため、環境を提供している会社だと思っています。ですから、キャリアプランが確立している人にとっては、自分を成長させる絶好の場所なのです。
一方、人事制度に関しては、たとえば昇進を決めるときには、性別・年齢といった個人の能力に無関係な要素で判断することはありません。 すべて、マスターフーズで定めたコンピテンシーの基準に照らし合わせて判断しています。 異動においても、社内で空きポジションが発生したときなどは、すぐに外部からの採用をと考えるのではなく、自身を成長・発展させ活躍の場を広げたいというアソシエイトのために、まずは必ず社内公募を行ないます。 さらに、海外ユニットで活躍したいと考えているアソシエイトは、グローバルデータベースから自由に空きポジションへの応募が可能です。 当社では、会社全体の利益を視野に入れた幅広い観点から会社の成長を導き出せる人材を育成し、将来的にマースの海外ユニットでも活躍できるアソシエイトを海外に送り出すことを目指しているのです。
現在、当社は「日本ペットケア市場でのリーディングカンパニー」という地位を確立していますが、そのことに決して満足せず、さらなる飛躍を目指していくことが重要だと考えています。 そのためには、飽くなきチャレンジ、そして常に新たな提案を仕掛けていくアグレッシブな行動力のある人が、マスターフーズには必要なのです。