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 企業インタビュー
ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社 前納 有紀子

Marketer's Note:外資系マーケターが伝える仕事の魅力 Vol.06

ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社

マーケティング-ホーム&パーソナル ケア

メンズグルーミング シニア ブランドマネジャー -ジャパン

前納 有紀子

大学卒業後、新卒でロレアルに入社し、百貨店化粧品ブランドの製品開発やビジュアル開発を経験。2010年にユニリーバ・ジャパンに入社し、ダヴ、ポンズといったブランドのメイク落としやボディウォッシュ製品のマーケティングを担当。2016年10月より、男性パーソナルケアブランドに異動し、アックス、ダヴ メン+ケア、クリアなどの長期戦略策定・製品開発・コミュニケーション開発を担当している。


公開日:2020年1月14日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

 

外資系企業でマーケターとしてご活躍の方々に「仕事の魅力」「キャリア」についてお伺いしていくインタビュー。今回は、世界有数の一般消費財メーカー『ユニリーバ』でシニア ブランドマネジャーとして活躍されている、前納有紀子さんです。(聞き手:鈴木秀和

社員の人柄の良さがユニリーバへの転職の決め手

ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティングに入社するまでのご経歴を教えてください。

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大学時代は、誰もが使う日用品の製品企画か、あるいは誰もが観るようなテレビ番組の制作をやってみたいと思っていました。そうした目線で就職活動を行っていたら、ロレアルに出会ったんです。コスメに強い興味があったわけではありませんが、コスメの中ではロレアル社のブランドが好きでした。何よりも、入社1年目から製品企画・マーケティング企画に携われることに大きな魅力を感じ、入社を決めました。

ロレアルには5年ほど務めました。日本発の世界的メイクアップブランド「シュウ ウエムラ」新製品の企画と企画書づくり、コンセプトやキービジュアルの制作、グローバルカンファレンスの企画・運営などに総合的に携わりました。社内外の優れたマーケターやトップクリエイターの皆さんと仕事ができたのは本当に楽しく、さまざまな面で学ぶこと、刺激になることがありましたね。それから、自分の企画した製品を店頭で手にとって買ってもらえることが、何よりも嬉しかった。続ければ続けるほど、マーケティングは面白く、奥深い仕事だと感じるようになりました。

ただ、経験を積むに従って、ラグジュアリーコスメ業界に対する興味を長期的に持ち続けられるか心配になってきました。大学時代に考えていたとおり、日用品のマスマーケティングに関わりたい、という気持ちが強くなってきたんです。ラグジュアリーコスメのスペシャリストを目指す道もありましたが、私はそちらではないと思ったんですね。それで転職を考え、最終的にユニリーバを選びました。

転職活動時は、日系企業も含めてFMCGの企業を広く吟味しました。そのなかでユニリーバに決めたのは、ひとえに面接で出会った人事や社員の人柄が良かったからです。いつも穏やかで飾らない人が多く、誰もがどこまでも対等に接してくれたんです。入社してさらに驚いたのは、どの部署も多くの社員がそうしたタイプだということです。それどころか、イギリスもアメリカも中国も、どの国のユニリーバも同じような社風で、同じような人柄の社員が多いんですね。その大きな理由は、誠実さ、レジリエンス、社会によりよい未来のための変化を起こすことなど、ユニリーバが大切にしていることを全員が共有しているからだと思います。

正直に言えば、ユニリーバに転職するか、そのままロレアルに留まるかで迷いました。新卒で入ったロレアルには愛着がありましたから。最終的には、たまたま取った1週間の休暇の最中に「自分を試してみよう!」と決断し、2010年にユニリーバに入りました。

ユニリーバに入ってからについて簡単に教えて下さい。

最初の3~4年は、 アシスタントブランドマネジャーとして、ダヴ フェイスケアと、クリームクレンジングブランドのポンズを担当しました。主なテーマはプレミアム感の強化で、ロゴデザイン・パッケージデザインの刷新などを行いました。次に、2~3年ほど、ダヴ ボディウォッシュ&バスタイムのマーケティングに関わりました。その間にブランドマネジャーとなり、ピープルマネジメントや予算管理を行うように。その後、2016年からはアックス、ダヴ メン+ケア、クリアといったメンズグルーミング製品の担当に変わり、シニアブランドマネジャーとなっていまに至ります。

なお、アシスタントブランドマネジャーはいわばプレイヤーで、自分主体で考え、行動する役割ですが、ブランドマネジャーはP/L責任を持ち、チームメンバーをマネジメントします。個人的には、自分が動いて結果を出すアシスタントブランドマネジャーよりも、メンバーの才能を引き出して結果につなげていくブランドマネジャーのほうが楽しいですね。

マーケターとして極めて広い視野を手に入れられる

ユニリーバのマーケティングの特徴は何ですか?

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一番の特徴は、「権限範疇が広い」ことです。ユニリーバのブランドマネジャーは、PR、商品開発、テレビCM・ポスター広告などのコミュニケーション開発、販促企画、店頭ボード制作など、上流から下流までのすべてに主体的に関わります。ブランドマネジャーが一人でここまで広く携わる会社は、おそらく他になかなかないのではないでしょうか。もちろん大変な面もありますが、それだけ全体に関わって、はじめて見えてくるものがあるんです。極めて広い視野を手に入れられるのは、キャリア上の大きなメリットだと思います。

また、ユニリーバは多くの場合、ボトムアップで合意形成をする会社です。合意形成さえ取れれば、自分がチャレンジしたいと思ったことをどんどん提案し、形にしていくことができるんですね。もちろん、最先端のデジタルマーケティングなどにも積極的にアプローチできます。イニシアチブを取って行動したい方にはうってつけの環境ではないでしょうか。

グローバルカンパニーであることは強みにつながっているのでしょうか?

グローバルのネットワークを活かしたダイナミックな仕事ができる点も、大きな特徴です。たとえば、私がダヴ ボディウォッシュ&バスタイムを担当していた頃、「ダヴ リアルビューティー スケッチ」というキャンペーン動画が世界的にヒットしました。これは、米国連邦捜査局(FBI)の似顔絵捜査官ジル・ザモラ氏に、女性の似顔絵を2枚ずつ描いてもらうという実験動画です。まず、ひとりの女性に自分の容姿を描写してもらい、それに基づいてザモラ氏に似顔絵を描いてもらいました。ザモラ氏に女性の姿は見えません。次に、第三者の説明に基づいてザモラ氏が似顔絵を描き、本人と第三者の説明がどう違うのかを観察してみました。その結果できあがったのは、2枚のまったく異なる似顔絵でした。第三者の描写に基づく似顔絵のほうが、美しく、幸せそうで、事実に近い姿を表現していたんですね。「すべての女性は自分が思っている以上に美しいということに気付いてほしい」というメッセージを込めて制作した動画です。いまも見ることができますから、ぜひご覧になってください。

 

 

これは、世界的に見ても動画マーケティングの先駆けとなったキャンペーンで、当時はかなり話題になりました。社内でもグローバルレベルで相当に盛り上がったんです。私はそのなかで、日本担当として、すぐに日本語字幕をつけたり、このキャンペーンを活かした日本独自のコミュニケーションを開発したりしました。

 

 

こうしたグローバルのダイナミズムを感じられるチャンスがあるのは、ユニリーバならではだと思います。

また、エージェンシーやデザイナーなどを世界中から選べるのも、大きな強みです。たとえば、アックスではいままさに「シティデザイン」というキャンペーンを展開しています。ロンドン・ニューヨーク・パリ・ソウルなどの各都市をモチーフにしたグラフィティ的なデザインを創造し、それを製品パッケージ・テレビCM・Webサイト・店頭ボードなどに一貫して展開しています。実は、このシティデザインは、グラフィティの本場・ロンドンのデザイナーに依頼しました。一度も対面せず、すべて電話会議でやり取りして制作してもらいました。ユニリーバには世界中のエージェンシーやデザイナーとのコネクションがありますから、こうしたチャレンジも決して難しくありません。

それから、このシティデザインが典型的ですが、最近は特に、日本マーケットの特性を踏まえた日本独自の製品・コミュニケーションが増えています。それどころか、その製品やコミュニケーションが、日本発で世界に広まっていくことも少なくありません。その背景には、日本市場特有の難しさがあります。ご存知の通り、日本は競合の多い厳しい市場です。だからこそ、私たちはイノベーションを起こさなくてはなりません。最近は、グローバルでもそのことがよく認知され、私たちのイノベーションの価値を認めてくれているんですね。つまり、日本独自のチャレンジがしやすく、それが日本発でグローバルに広まる可能性も十分にあるんです。

もちろん、各ブランドのグローバルガイドラインは存在します。ガイドラインが厳しくて大変そうだ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。ただ、少なくとも私は、ガイドラインがあるからこそ、できることがあると思っています。なぜなら、「自由は、制限されたなかにしか存在しない」からです。実際、ガイドラインの制約が厳しいからこそ、優れたクリエイティビティが生まれることもよくあるんですね。ガイドラインは、マーケターの敵ではないんです。

自分の人生やキャリアも本質的に捉えるようになる

ユニリーバの組織上の特徴を教えてください。

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いろいろと面白い取り組みをしている会社です。たとえば、私たちは2018年から「ユニリーバベンチャー」という社内ベンチャー制度を始めました。私たちは、この制度に本気で取り組んでおり、その証拠に、早くも2019年に、ユニリーバベンチャーから生まれたパーソナライズ・シャンプー「Laborica(ラボリカ)」をローンチしました。また、アイデアを生み出す仕掛けとして、R&D主導の「アイデアジェネレーションセッション」も動いています。これは、「いま日本に、世界に、こういうものがあったらいいのに」というアイデアから、新プロジェクトを立ち上げようとする試みです。手を挙げれば、こうした場にどんどん参加することができます。

人事制度では、毎週金曜日の午後は原則会議なしで自己成長に使う時間「U-Time」となっており、私も読みたかった本を読んだり、未知の情報を調べたりする時間に充てています。また、働く場所・時間を社員が自由に選べる「WAA」という制度などもあって、さまざまな面で働きやすい環境が用意されています。

どのような方を求めていますか?

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一言で言えば、「こうすれば、ビジネスをこう変えられるはずだ」と自分なりにアイデアを生み出す姿勢を持った方です。この姿勢さえあれば、発言やプレゼンテーションなどは、必ずしも上手である必要はありません。なぜなら、それらは入社後に上達していけるからです。

私はマネジャーとして、一人ひとりの発言やプレゼンテーションのスキルを鍛え、才能や強みを引き出すことを心がけています。たとえば、会議などではあまり積極的に発言しないけれど、実は自分なりのアイデアを持っているタイプがよくいます。こうしたタイプのメンバーに対して、私は「あなたはどう思う?」と、さまざまな角度から問いを投げかけるようにしています。それを続けていくと、発言することに少しずつ慣れていくんですね。そのうち、自分のアイデアを自ら発信していけるようになります。また、メンバーのプレゼンテーションの様子を撮影し、その動画を見て改善点を考えてもらうこともあります。そうしたことを重ねれば、プレゼンスキルも身についていきます。

そうすると、次第に一人ひとりの「強み」が見えてきます。あるメンバーは勝つことに貪欲で「こうしよう」と周囲に伝えるパッションが強く、リーダーシップがあります。他のあるメンバーは周囲から分析スキルを吸収し、あっという間にデータ分析が得意になりました。こうした強みは、一人ひとり違ったほうがよいと思っています。さまざまな得意を持った多様なメンバーが集まったチームのほうが強いからです。

最後にお伝えしたいのは、ユニリーバは「ルートイシュー(本質的な問題)」を極めて重視する会社だということです。会議などの場では、ルートイシューに絞って議論するのが習慣となっています。そうすると、議論を効率的に無駄なく進められるからです。それだけでなく、ルートイシューに注目する習慣を身につけると、自分の人生やキャリアも本質的に捉えるようになります。「自分は何がしたいのか?」「どんな人生を送りたいのか?」といつも考えるようになるんですね。そうして、いつしか自分の好きなこと、得意なこと、やりたいことに没頭するようになり、自分なりの強みやキャリアの道筋が見えてくる。もしかすると、これがユニリーバに入社する一番のメリットかもしれません。

ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社

ユニリーバは、英国・オランダに本社を置き、約190カ国にブランドを展開している、世界最大級の消費財メーカーです。代表的なブランドには、ラックス、ダヴ、アックス、クリア、リプトンなどがあります。
「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」。それがユニリーバのパーパス(目的・存在意義)です。そのはじまりは、ビクトリア時代の英国に生まれた1つの石鹸「サンライト」。その箱には、こんな文章が記されています。「この製品を使う方々にとって、清潔があたりまえになるように。女性の負担が減るように。健康を守り、魅力を引き出せるように。暮らしがより楽しく、充実したものになるように」。それは、衛生状態の悪かった当時の英国を憂えた創始者、リーバ卿の願いでした。小さな石鹸に込められた創始者の想いは、人々に「きれいになる」「きれいな家に住む」という新しいよろこびを届け、英国の暮らしを大きく変えていきました。小さなものや、小さな行動が、暮らしを変え、よりよい明日につながる大きな力になる―これは、創業以来受け継がれてきた信念です。「サンライト」石鹸が生まれてから100年あまり。ユニリーバは世界最大級の消費財メーカーに成長しました。現在は約190カ国にブランドを展開し、毎日25億人ものお客様に選ばれています。
また、現在のニーズを満たすだけではなく、環境負荷を減らし、社会に貢献できるようなブランド・企業戦略を強化。日本でも、国内の全事業所で使用する電力を100%自然エネルギーに切り替える※、再生プラスチックを最大95%使用したパッケージを順次採用する、フェアトレード認証の原材料を使うといった取り組みを行っています。
※日本国内の全事業所および主力協力工場で使用する電力約1,295万kWh分を、グリーン電力証書を利用して100% 自然エネルギーに切替。使用電力量は2018年実績に基づき算出。

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