INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
ジョンソンヴィル・ジャパン合同会社 藤森 政哉

成長する企業のビジネス戦略 Vol.34

ジョンソンヴィル・ジャパン合同会社

代表兼ゼネラルマネージャー

藤森 政哉

日系および外資系商社を経て、乳製品貿易で世界最大のフォンテラ・グループに入社。国内大手食品企業との提携戦略全般に携わる。2007年にジョンソンヴィル・ジャパンに入社。マーケティングマネジャーとしての実績を積み、2013年から現職。青山学院大学大学院MBA。

公開日:2017年5月22日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

仕事の真価を学び、マーケットを育てる喜びを実感した20代・30代

これまでのキャリアについて教えてください。

biz_033_06小さい頃は好奇心が旺盛で、図鑑をめくりながら外国の情報に触れることが好きでした。大学卒業後は世界を舞台にするべく、勇み足で商社に入社したものの国内営業がメインでした。30才を目前に思い立ち、北欧資本の外資系商社に転職しました。今でこそ「働き方改革」と叫ばれていますが、北欧の会社は当たり前に2カ月の休暇は取得できるなど、日本では考えられないほど労働時間が短く、極めて生産性が高い事に関心を持ちました。少ないインプットで、アウトプットを最大化するという欧米流の経営の本質を学びたくなり、MBAの取得を目指してビジネススクールに通いはじめたのです。修士を終えた頃にフォンテラからのオファーを受け、同社が取り組んでいた、国内大手食品メーカーとの提携業務に携わることになりました。そこでは様々な人達と関わり、 密度の濃い仕事に取り組むことができ、またそこで得た学びも多く、現在の礎となる経験を積むことができましたね。

ジョンソンヴィル・ジャパンに入社した理由を教えてください。

2007年当時、国内におけるジョンソンヴィルの販路はコストコや一部の高級スーパーなどに限られていて、海外の目新しい食材といったイメージで限られた層を中心に知られるブランドでした。フォンテラ時代の提携の経験をかってもらい、マーケティング・マネージャーとして採用されたのですが、まだ確立されていなかったブランドだっただけに、新しく市場を創ってゆける面白さを感じていました。まず、リサーチから分かった消費者がジョンソンヴィルを購入しない理由は、「サイズが大きすぎる。味が濃すぎる(冷凍していない豚ひき肉100%にスパイスを効かせた欧米好みの味わいのため)。値段が高い。」でした。一方、購入の多くの理由も、ボリューム感がある、味がしっかりしていると、同じことを言っていました。決して日本人好みとは言えないだろうけれど、これがジョンソンヴィルの商品力なのです。国内市場でどうポジショニングを取っていくのか、が課題でした。最初は、現場仕事からのスタートです。試食販売の売場の管理なども行いました。時にはバイヤーさんに「こんなデカくて、味が濃くて、高いの売れないよ」と言われる事もありましたが、諦めずにやってきたからこそ、知恵をふり絞ったアイデアも生まれてきたのでしょうね。

では、そのアイデアとは?

biz_033_03『Mart』(光文社)という30代主婦向けの生活情報誌で、生活感溢れるものというよりは、日常の中でも何かキラキラとした幸せを感じさせる雑誌があります。取り上げるアイテムにしても海外食材や海外のキッチンツールなどが多く、掃除、洗濯、料理などの家事を、いかに楽しくやるかがテーマの雑誌でした。そのMartにジョンソンヴィルの商品が取り上げられていたんです。「うちのユーザーは、この人たちだ!」とぴたりとイメージにはまりましたね。「誌面が喚起するライフスタイルを持つ人たちに、商品を知ってもらうだけではなく、好きになってもらおう」ということで、ターゲットとなる層を絞り込みインサイトを調べ、 辿り着いたキーワードが「プチ贅沢」でした。朝食やお弁当のシーンでなく、どちらかというと夕食やおもてなしなどのプレミアム感を訴求し、そのブランドイメージを確立させるためのコンセプトづくり、キャッチフレーズや言いまわしなどのガイドラインを設けたのです。

ブランド展開において大きな転機になったことはありますか?

プリマハムとパートナーシップが結べたことですね。これにより、販路を拡大することができたため、思い切って投資をする事が可能となりました。提携先を探すにあたり、仕込み、交渉から一任されていましたのですが、当初プリマハムは、独自のプレミアム製品をお持ちでしたから相互補完は難しいと想定していました。様々な食品会社との可能性を模索し、打診を重ねる内に、製品ポートフォリオの相互補完という戦略的視点より、ハイエンドな市場を創りたいという価値観や想いを共有できる相手の方が、うまくいくのではないかと気がつきました。そして、前職のフォンテラ時代の上司が、たまたまプリマハムの役員の方を知っていた事から、縁を取り持って頂き、では一緒にやってみましょうか、となり現在に至っています。ここで得た教訓は大きかったと思っています。まず、物事は、教科書に書いてあるような戦略論のようには行かないという事。そして、人との繋がりというのは、やはり大事であるという事です。

商品を裏打ちする社会貢献への思い。クオリティライフを高める商品への挑戦。

ジョンソンヴィルが全米でソーセージ販売No.1と言われる理由を教えてください。

biz_033_04ジョンソンヴィルの歴史は70年以上になります。米国市場では、ソーセージのブランドとしてNo.1であり、アメリカ以外でも約30カ国で販売されているインターナショナルなブランドです。肉料理の本場である米国で支持される理由は、極めて新鮮な生の豚ひき肉を使用し、選りすぐりのスパイスを絶妙に効かせることで、肉本来のジューシーな旨みを楽しむことができる商品だからです。しかし、商品力が備えていることは成功に向けての単なる出発点に過ぎません。ジョンソヴィルの真の発展の理由は、2代目にあたるラルフ・C・ステイヤー(現会長)のユニークともいえる経営方針でした。社員をメンバーと呼び、メンバーの仕事は成長する事であると定義しました。メンバーが成長する事で、事業も成長するという発想です。そして、上司はボスではなくコーチと呼ばれます。コーチの仕事はメンバーの成長を助ける事です。ジョンソンヴィルでは、担当者へのエンパワーメントを非常に重視しており、メンバー各自がその担当職務においてリーダーシップを発揮するように期待されています。今でこそビジネススクールで学ばれているような経営理論を、40年前からすでに取り入れ実践していたわけですから、当時は随分と画期的な取り組みだったでしょう。

国内市場における今後の可能性は?

アメリカの食品というと、ファーストフードのイメージが強いですが、もちろんそれだけではありません。もっとクオリティの高い食文化があることを、日本の皆さまにも知っていただきたいと思っています。アメリカ料理には肉を美味しく食べるレシピがたくさんあります。ソーセージにしても、ドイツやオーストリアだけでなくアメリカにおいてもその文化が継承されているのです。ジョンソンヴィルが日本で出来ている事は、本来の実力の一割ぐらいだと思っています。可能性がまだまだあるのです。例えばバーベキューですが、ひと昔前は海辺や川原で手頃な焼き肉セットと焼きそばというのが定番でした。今では、こだわりの食材をバーベキューで楽しむ人が増えてきましたね。こうした流れを受け、本物志向が選ぶジョンソンヴィルといった仕掛けを増やしていく予定です。

ブランドにおいて、どのようなポジションをねらっていますか。

biz_033_05ハムソーセージ市場において、日本のメーカーのレベルは非常に高いです。すでに、朝食にソーセージ、弁当にソーセージといった食文化が定着していますが、私たちが提供するべき価値とは、新しい市場をつくることであると考えています。アメリカの質の高い食文化を日本の食卓にお届けする事で、新たな価値を創造したいですね。2017年はワインメーカーやアウトドア大手のコールマンなどとタイアップして、レジャーを演出するツールとしてもイメージアップをはかるなど、新たな試みを計画しています。

目標設定と自らの能力をマッチングさせ、コンフォートゾーンを広げていける人

ジョンソンヴィルで働く魅力を教えてください。

ジョンソンヴィルにおいては、メンバー全員が、仕事を通じて成長することを求められます。それは、ストレスでもありますが、自分が成長することで事業も成長することを経験することは、遣り甲斐にも繋がります。 コーチの仕事はメンバーの成長を助けることですので、私としては、チャレンジし成長の機会をメンバーに促すことを普段から実践しています。成長するためには、自分が思っている心地よい領域、いわゆるコンフォートゾーンを広げなければなりません。そうした機会を積極的にメンバーに提供し、ストレッチした目標を掲げて取り組んでいく―、そうした空気をつくることを大切にしています。これまで英語に苦手意識を持つ社員がTOEICで900点を越えたなど、着実に結果が出てきていますし、なによりメンバー自身が達成感を味わってくれていたら嬉しいことですね。

どのような方が御社で活躍できますか?

それぞれの職務において何をやるべきか、自分の考えにポジションをとり、それを行動できる人でしょうね。それは、つまりリーダーシップという事であり、各メンバーがそれぞれの職務において、それを発揮することを期待されています。そのためには、自分が仕事において創り出している価値とは何なのかということを考える事が大切だと思っています。誰に何の価値を提供するのか それを実現するには、どんな知識やスキルが必要なのか、習得する努力ができるのか。あらゆることに関して準備はできているのかなどを、自問自答し、変化が生じた際には自らアップデートできる人は活躍できると思います。

biz_033_02また、仕事で大きな成果を上げるには、粘り強さや忍耐力が必要です。どんな仕事にも困難は付き物です。責任が大きくなりポジションも上がってくるにつれて、困難の度合いも大きくなります。そうした困難の多くは、人間関係やコミュニケーションの問題に起因する事が多いのではないかと思います。人はついつい「分かっているつもり」になりがちですが、本人が思うほどに、周りには全く伝わっていないことも多々あります。情報や思いをシェアし理解してもらうためには、人との対話が必要です。人と向き合うのは、面倒で、ある意味鬱陶しい事でもありますので、ついつい避けたくなりますが、その努力は怠るべきではないと思います。そうした困難に挑戦し、乗り越えていく事で、人は成長出来ると思います。仕事を通じて成長したいという意欲が旺盛な方は、ジョンソンヴィルで活躍していただけると思います。

ジョンソンヴィル・ジャパン合同会社

全米でソーセージ販売シェアNo.1(※)を誇る、米国の食品会社 (1945年設立)です。 創業の地、ウィスコンシン州はアメリカ屈指の畜産・酪農州で、日本で例えるならば北海道のような風土。ミシガン湖を背景に、四季折々の豊かな自然が育まれ、ジョンソンヴィルが誕生しました。 はじまりは、創業者のステイヤー夫妻が営む小さな精肉店。「世界で一番おいしいソーセージを作りたい」、ソーセージの本場・オーストリアに縁の先祖伝来のレシピをもと、その美味しさは口コミで広がり、今日までの商品力と信頼を築いてきました。そして、「ジョンソンヴィル・ウェイ」のもと、人が集まり会社が発展してきました。1970年代には販売エリアを全米へと広げ、現在、世界30ヶ国・地域で展開。2002年に進出を果たした日本では、コストコやKALDIなどの輸入食品チャネルにおいて販売網を広げてきました。 2010年にはプリマハム株式会社と戦略的業務提携を締結し、スーパーマーケットなど全国的に販路を拡大。30代~50代の女性に「プチ贅沢」を訴求し「プレミアムソーセージ」のイメージをマッチング、2016年、人気俳優のディーン・フジオカをイメージキャラクターに起用し、着実に知名度を上げている外資系ブランドです。最近では他業種とのコラボレーション企画など、新たな食文化の創出とソーセージの市場を広げるべく独自の路線を貫いています。※米ニールセン社調べ

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