「常に疑う」ことが大事
なぜBCGに入社したのですか?
本当に偶然の出会いでした。大学時代、私はラクロス部のマネジャー、テニスサークルの練習、小さい頃から続けていた声楽のレッスン等に一生懸命でした。そして、就職活動はマスコミ業界に絞って回りました。父親の仕事の関係でブラジルに住んでいた際、通っていた小学校の近くにあった貧民街の凄まじい状況にショックを受けたことがあり、そうした問題を広く報じることで世の中に一石を投じる事ができるのではないかと思ったからです。しかし、残念ながらご縁がありませんでした。
その後、一生懸命勉強できるチャンスはもう人生で二度と来ないかもしれないと一念発起して、大学4年生の夏は勉強に集中する事にしました。何か目標がある方が良いと考え大学院を受験したのですが、運良く合格することができましたので進学することに。大学院では、高齢者の生涯教育におけるeラーニングの可能性を研究し、日本とノルウェーの高齢者をテレビ会議等で繋ぎ交流していただくことで、気持ちや生活にどのような変化が起こるかを調べる研究を行いました。
大学院修了時の2回目の就職活動は、メーカーや商社などを考えていました。その前哨戦と考えて受けたのが、他企業に先行して実施されていたBCGのウィンタージョブです。それまでコンサルティングの仕事についてはよく知らなかったのですが、1週間のケーススタディに参加してみると、まずコンサルティングの問題解決プロセスに予想以上の面白さを感じました。加えて、夜遅くまでボランタリーで学生の議論に付き合ってくれる社員の方が何人もいらっしゃいました。面倒見の良い、熱意のある方が多く、それまで持っていた「外資系コンサルティング」のイメージが大きく変わりました。また、自己満足な知的好奇心の充足ではなく、社会をより良く変革できる実感が持てる点も、非常に魅力的に感じました。そうこうしていると、入社しませんかとお声がけいただき、そのまま入社を決めたというわけです。
入社後はいかがでしたか?
BCGでは、新人にも当たり前のようにリーダーシップが求められます。1年目からプロジェクトの一部分を任され、その任された部分に関しては責任を持って、お客様や周囲を自らリードしていく必要があります。大学院を出たばかりの若者が、入社していきなりそうした責任ある仕事を任せてもらい、大企業の経営層の方々と議論させていただけることは、やりがいがある一方で、日々緊張の連続でした。
それから当然のことですが、スキルが未熟でした。時間をかけてプレゼンテーション資料を作ってシニアなコンサルタントに見せると、いつも指摘で真っ赤になるか、全く違うものになって返ってきました。実際にその方の資料で説明した方が、圧倒的にクライアントの納得度が高いのです。
課題の捉え方や深掘りの仕方も、プロジェクトリーダーやメンバーから様々な指摘を受けながら少しずつ鍛えられました。特に私は「常に疑問を持つ」ことを大事にしています。例えば、クライアントの課題を因数分解していくと、当初、問題があると思われていた点とは全く違うところに真因が見つかる事もよくあります。このようにして常識や思い込みを疑い、真の課題を見極めていくスキルが、最初の頃はありませんでした。これは一朝一夕にできる事ではなく、その精度やスピードを、時間をかけて磨いてきました。
そうして4年ほど経験を積んだ後、社内の留学制度に手を挙げて、2年間スタンフォード大学に通いMBAを取得しました。MBA留学はもちろんとても良い経験で、本質を伝える力を身に付けることができたと思っています。ただ、最初の頃は英語環境で思うように発言できず、苦労しました。半年くらいトライアンドエラーを重ねるうちに、自分がその場で貢献できることに貢献しよう。言うべきことは言っておこう。自分は自分でいいのだ。そう思えるようになって、一気に楽しくなりました。授業では、タイムリーなビジネストピックをケーススタディで扱ったり、大企業やスタートアップのCEOと直接議論したり、多彩で他では得がたい経験ができました。また、今までの経験や将来の夢について、腹を割って話せる仲間も得ることができ、2年の留学を経て、自分の視野を広げることができたと感じています。
出産して時間の使い方が変わった
出産を経て、2016年に復帰したばかりと伺っています。
2015年7月に長女を出産しました。実は、出産したら数カ月で職場復帰するつもりだったのですが、産んだら何とも可愛く、彼女の成長をぜひ目に留めておきたい、離乳食を自分で食べさせたいし、立つ瞬間も見たいし、等、さまざまな想いが芽生えたことや、現実的な保育園事情も相まって、結果として1年近くお休みすることとなりました。とはいえ、子育てと仕事を両立したかったので、2016年4月には復帰して、現在は勤務時間を短縮するフレックスタイム制度を活用して勤務をしています。子育てと仕事の両立については、同じように両立している先輩女性社員の方々を見ていて、自分の気持ちと働き方次第で十分に可能だと分かっていたので、迷いはありませんでした。BCGは会社として社員のさまざまな働き方を大事にしているし、周りの仲間も温かくサポートしてくれます。
保育園の送り迎えをして、夕飯を作り、夜は一緒に遊んで寝かしつけると、仕事ができる時間は限られてきます。そのため、復帰後は仕事の時間の使い方が変わりました。週の頭に1週間分のスケジュールを決め、ゴールとそこに至るまでのプロセスを緻密に設計して、より効率的に行動するようになりました。生産性を上げて仕事をすることで、同じ仕事量を以前の2/3程度の時間で行えるようになったのです。
また、リモートワークも活用しています。コンサルティングは場所に限定されにくい仕事ということもあって、電話会議等、リモートでの仕事環境が整っています。チームメンバーも、子どもが病気の時はいつでも仕事を任せてほしいと声をかけてくれます。その気持ちに応えるためにも、前倒しで工数や状況を読んで、不測の事態に備えるよう心がけています。こういう環境を提供してくれる会社にも、サポートしてくれる同僚にも本当に感謝しています。
いつまでも青臭い集団
どのような方がBCGで活躍できますか?
誠実で素直な方だと思います。自分の強みと弱みを正しく認識し、どのように成長カーブを高められるかが重要です。特に自分の弱みを受け入れ、周りの人から素直に学べる方がどんどん伸びていきます。
私が思うBCGの良いところは、いつまで経っても青臭く世の中を変えたいと思っている集団であることです。誰もが、世の中を少しでも良くしたい、そのためには自分の力を惜しみなく使いたい、と思っているのです。そういう方にとってBCGは素晴らしい環境だと思いますし、いくらでも活躍のチャンスが広がっています。
最後に、読者にメッセージをお願いします。
BCGはグローバルファームとして、世界48カ国に展開しています。様々な国のメンバーで構成されるグローバルなプロジェクトもありますし、日本のプロジェクトでも、海外オフィスのエキスパートに意見を求めたり、はたまたクライアントとの議論に参加してもらったり、ということも珍しくありません。海外オフィスへの異動や各種の派遣制度等も整っており、グローバルな職場環境を求めている方には、絶好の場所だと思います。
また、BCGには「多様性からの連帯」という理念があります。国籍や性別はもちろんのこと、バックグラウンドも多様で、例えばBCGジャパンには、事業会社出身者の他に、前職が医師や弁護士だった者等も在籍しており、これまでのスキルや経験を活かしてさまざまなコンサルタントが活躍しています。私たちはクライアントのビジネスを成功に導き、ひいては、その業界や産業をも変革していくための支援を行っています。一緒に社会をより良くしていこうという想いがある方は、ぜひ一度BCGの門を叩いてみてください。