INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
日本コカ・コーラ株式会社 エリコ・ターリー

人事×経営 〜人事戦略を語る Vol.42

日本コカ・コーラ株式会社

人事本部 副社長

エリコ・ターリー

上智大学を経てアメリカの大学を卒業。アメリカにて大手メーカーの人事、スタートアップのHRマネジャー、ソフトウェアメーカーのHRBPリーダーなどを経験した後、日本へ。アマゾンジャパンのHRディレクター、フェイスブックのAPAC・HRリーダーを経て、2017年より日本コカ・コーラにて現職。


公開日:2019年11月11日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

「組織に革新をもたらしてほしい」と言われ入社を決めた

日本コカ・コーラに入社するまでのご経歴を教えてください。

hr42_02日本で生まれ育ち、大学の途中までは日本で過ごしました。その後、アメリカの大学に移り、それ以降しばらくアメリカにいました。日本に帰ってきたのは12年ほど前のことです。

アメリカで最初に就職したのは大手メーカーで、人事担当役員の秘書となりました。私は本当に幸運な人間で、このときたまたまHRという仕事に巡り合ったんですね。秘書の立場で、私は福利厚生や報酬体系の変革プロジェクトを見ることができました。その後、私は希望してHRスペシャリストとなり、C&Bを担当しました。

次にインターネット系スタートアップに転職して、いきなりHRマネジャーとなりました。部下はたった一人でしたが、それでもマネジャーとしてうまく仕事ができるか不安でした。最初は大変でした。ただ、当時はシリコンバレーが本当にエキサイティングな時期で、日々革命的な変化がいたるところで起こっていました。多くの聡明な方々とワクワクしながら働くことができ、本当に楽しかったですね。ここでは最後HR Directorまでさせて頂きました。

この会社がヤフーに買収されたことを機に、私は6カ月のサバティカル(長期休暇)を取り、その後で次の会社へ移りました。そこもシリコンバレーにあったんですが、その頃には街が発展しすぎて、渋滞が酷くなるなど、日に日に住環境が悪くなっていたんです。それで郊外にあった電話の自動音声応答サービスのソフトウェアを開発する会社に入社しました。ここでは、約20カ国をカバーするHRBPのリーダーを務めました。さまざまな国を訪ねて、各国HRメンバーと話し合ったことで気づいたのは、文化が違っても、人には共通する部分が多いということ。結局、お互いに尊敬の念を持っていれば、みんな気持ちよく働けるし、みんな気持ちよく働くことを望んでいる。その意味で、私たちは誰しもそれほど変わらないんです。世界を飛び回って、それを知ることができたのは大きな収穫でした。

12年ほど前、私は家庭の事情で日本へ帰ってきました。幸運なことにアマゾンジャパンからオファーをいただき、HRディレクターとなりました。当時はまだ300名程度の会社でしたが、7年半後に私が離れるときには3000名規模の会社に成長していましたね。その間、私たち人事チームが最も力を入れたのは、もちろん採用です。採用ニーズがどんどん多様になり、求めるスキルのレベルが急速に高まっていったため、採用は簡単なことではありませんでしたが、そのつど課題を乗り越えていきました。また新鮮だったのは、はじめてグローバル本社ではなく、日本法人という一支社に所属したことです。本社の声を受け止め、日本の声を本社に届ける役割となったことで、これまでとは違う見方ができるようになりました。日本で働きはじめて、私は人間的に成長したと思います。

8年近く働き、更なる成長機会を求めた私は、フェイスブックに移りました。フェイスブックでは、シンガポールと日本を行き来しながら、APACのHRリーダーを務めました。フェイスブックもまたすばらしい会社で、イノベーティブでクリエーティブ、かつオープンな社風。本当に優秀な方ばかりでしたね。APAC内のさまざまな国に赴き、考え方に直接触れることができたのも大きな財産です。

日本コカ・コーラにやってきたのは、「HRのトップとして、組織にイノベーションをもたらしてほしい」と誘って頂いたからです。2017年春にジェームス・クインシーがCEOに着任し、イノベーションを加速させる方針を打ち出していました。私は新たな一員として、組織とビジネスに革新をもたらすチャレンジをすることに魅力を感じました。また、「コカ・コーラ ファミリー」という言葉が使われるほど、人を大切にする温かい会社である点にも惹かれました。それで2017年、私はここにやってきました。

日本市場向けに開発されたユニークな製品群やCoke ON(自販機アプリ)などがグローバルから注目されている

日本コカ・コーラではどのような変革を進めているのですか?

hr42_03グローバル本社および各国から、日本はビッグマーケットであり、日本コカ・コーラと日本のボトラー社は、あらゆる面でイノベーションを起こす組織だと広く認知されています。特に2017年のCEO交代以降、日本コカ・コーラは世界から注目される存在となっているのです。

第一に、「ジョージア®」、「い・ろ・は・す®」、「綾鷹®」など、日本市場向けに開発されたブランドがいくつもあります。外資系企業としては珍しいことでしょうが、コカ・コーラ社では、各国の消費者ニーズにきめ細やかに対応した製品を開発することができるんです。日本コカ・コーラは、原液の供給と製品の企画開発やマーケティング活動を担っています。中でも、製品の味覚設計を担当するR&Dチームは極めて優秀で、その点で非常にすばらしい会社として、世界中のコカ・コーラに知られています。もちろん、現在も新製品開発に力を入れており、優れたオリジナル製品開発と製品ポートフォリオの充実に余念がありません。

第二に、私たちは自動販売機のイノベーションにも精力的です。日本は、自動販売機が至るところにあるという点で、世界的にユニークな市場です。その特性を最大限に活かすため、自動販売機のエネルギー使用量の削減などにも積極的に取り組んでいます。こうした点においては、各ボトラー社の協力が欠かせません。日本には、世界第3位の規模を誇るコカ·コーラ ボトラーズジャパンがあります。彼らをはじめとするボトラー5社と強力なタッグを組み、機敏かつ大胆なビジネスの改善を進めています。HR部門も彼らとの連携を密にしており、定期的にHRミーティングを開いたり、共同で海外のキャリアフォーラムに出展したりしています。

第三に、マーケティング面でもイノベーションを起こしています。特に先進的なのが、自販機アプリ「Coke ON」です。2016年のサービス開始以来、自動販売機と連携したロイヤリティプログラムを実装することでダウンロード数を劇的に増やし、現在は1500万以上のダウンロードを誇る一大アプリとなっています。先日は、東京2020オリンピック 聖火ランナーになるチャンスを提供する「キミ色で、走れ。」キャンペーンも話題となりました。これも日本発の画期的な施策として、本社および世界から注目を集めています。

第四に、サステナビリティの面においても、昨今世界中で問題となっているプラスチックごみ問題について、先駆的な取り組みを進めています。日本では「設計」「回収」「パートナー」の3本の柱から成る「容器の2030年ビジョン」を「World Without Waste(廃棄物ゼロ社会)」とのグローバル目標に基づき定めました。この日本の目標は、グローバル目標よりもさらに高い水準を目指す、日本のコカ・コーラシステム独自のものです。具体的には、①2022年までにリサイクルPET樹脂の使用率50%以上を達成、2030年にはその比率を90%にまで高めること、②2025年までに、日本国内で販売するすべての製品の容器をリサイクル可能な素材へと変更すること、③2030年までに全てのPETボトルを100%サスティナブル素材に切り替え、新たな化石燃料の使用ゼロの実現を目指すことなどの目標を、設定し、実現に向けて動いています。

HR部門ではどのような取り組みを行っていますか?

hr42_04いまコカ・コーラは、グローバルでGrowth Behaviorという行動規範を設けています。「Curious」「Empowered」「Version 1.0, 2.0, 3.0」「Inclusive」の4つです。この4つのGrowth Behaviorを組織に浸透させるのが、HRの大きな仕事の1つです。

「Curious」は文字通り好奇心で、イノベーションを起こす上で欠かせないものです。Curiousに関しては、特にHRメンバーに強調して伝えています。なぜなら、HRはどうしても官僚的なイメージが強く、イノベーティブではないと見られがちだからです。私は、その反対に「HRはイノベーティブな解決策を出すパートナーだ」と社内で広く認知してもらいたいんです。そのためには、一人ひとりが好奇心を持って課題に当たっていく必要がある。だからこそ、私はHRメンバーにCuriosityを強く求めているんですね。

「Empowered」、日本語で言えばエンパワーメント、一人ひとりに権限を移譲し、当事者意識を持って仕事に取り組んでもらうことです。ただ、Empoweredで重要なのは、失敗しても大丈夫というセーフティネットの存在も同時に知らせること。チャレンジには失敗がつきものですから、セーフティネットがなければ、安心して挑戦することができません。コカ・コーラ社には、Empoweredな環境もセーフティネットもある。いま私たちは、そのことを社内に広めている最中でもあります。

「Version 1.0, 2.0, 3.0」とは、完璧でなくてよいから、いったん世の中に出してみて、前に進みながら改善していこう、という意味です。エンジニアがVersion 1.0, 2.0, 3.0…と、試作品のα版を世の中に出して、使ってもらいながら改善していきますが、あれと同じように仕事を進めよう、という呼びかけです。やはり日本には完璧主義の方が多いですから、安心してVersion 1.0, 2.0, 3.0ができる環境を整備し、Version 1.0, 2.0, 3.0を実行するメンバーを増やすことも大切だと考えています。

「Inclusive」は、ダイバーシティを推進しようということです。お互いを尊重しあいながら、さまざまな人を巻き込んでいく意識を、これまで以上に強めてもらいたいと思っています。

私たちHRではこれらを浸透させるため、Growth Behaviorトレーニングを行ったり、Growth Behaviorを体現した社員を表彰したりしています。また、Growth Behaviorは評価軸の1つでもあり、Growth Behaviorの有無が評価・給与を左右する仕組みにもなっています。

また、先日は、女性・世代・LGBTQの3つをテーマにした「社内ダイバーシティイベント」を開催しました。社員の参加義務はなかったのですが、当日は満席で大盛況に終わりました。アンケートも非常に良いスコアが出ています。LGBTQに関しては、外部から何名かの方をお呼びしてパネルディスカッションを行ったのですが、これが特に好評でした。「LGBTQの見方が変わった」という声が多く、私たちもダイバーシティ理解を深めることができたと喜んでいます。私は長くシリコンバレーにいましたが、比較すると東京や日本は、どうしても日常に多様性が少ない。ですが、こうした機会で理解を深めてもらえれば、日本の皆さんも必ず受容性を高めていくと確信しています。その意味で、これらのイベントが今後も重要かもしれません。

HR部門の改革も進めているのですか?

私は、社内の認識を変えて、HRを経営・ファイナンスと横並びの関係に置きたいと思っています。つまり、HRには、経営やファイナンスを変えうる大きな力があるとわかってもらいたいんですね。そのためには、何よりもHRBPが、ビジネスに貢献する力をもっと磨かなくてはなりません。いま私たちは、積極的にBPミーティングを開いたりして、HRBPの実力向上と価値向上につとめています。特に、現在・将来のビジネスアジェンダを深く理解した上で、どのポジションにどのような人材が必要かを察知する力を強化したいと考えています。

Growth Behaviorを体現する方に来ていただきたい

どのような方を求めていますか?

hr42_05やはりGrowth Behaviorを体現する方に入社していただけると嬉しいですね。たとえば最近、私たちは、金曜日は、好奇心を持って学ぶ時間に充てましょうという趣旨のもと、「Curious Friday」というプロジェクトを設けました。社外のあらゆる職種の方々にお越し頂き、私たち社員にとって何らかの学びに繋がるような話をしていただくのです。このように、好奇心旺盛で、時間を有効に使っていただける方に来ていただきたい。ちなみに、私自身は金曜をさまざまな会社のHRを訪問する日にしています。HRのヒューマンネットワークを構築し、多くの方からいろんなお話を伺うことが、私の大きな学びになると考えているからです。

また最近、社内でいくつかの「Agile Team(アジャイルチーム)」を組みました。さまざまな部署のメンバーが横断的に集い、協力してプロジェクトを進めるチームです。これはInclusiveを中心にGrowth Behaviorのすべてが関わる動きですが、こうしたチームにも積極的に関わっていただけるような方が望ましいと思います。

Growth Behaviorを体現する方々にとって、コカ・コーラ社はきっと魅力的な職場です。たとえば、極めてグローバルな会社ですから、世界のコカ・コーラ社で働くチャンスを得ることも十分に可能です。実際、日本コカ・コーラは世界中に人材を輩出しており、また世界中から人材を受け入れています。それは日本コカ・コーラのマネジメントチームを見れば一目瞭然で、現在は日本以外に、メキシコ・インド・アメリカ・オーストラリアなど様々な国籍の人々がその役目を担っています。

Growth Behaviorに共感し、自らを成長させたいと願う方を、私たちは歓迎しています。日本コカ・コーラには様々なポジションがありますから、どこかしらに活躍できるポジションが見つかるはずです。あなたと一緒に働けることを楽しみにしています。

日本コカ・コーラ株式会社

日本コカ・コーラは、世界200以上の国でビジネスを展開しているザ コカ・コーラ カンパニーの日本法人として1957年に設立されました。原液の供給と製品の企画開発やマーケティング活動を担っています。https://www.cocacola.co.jp/(ボトラー社とは、製品の製造・販売などを担います。)

転職のご相談、求人応募・お問い合わせには、
まず無料登録をお願いします。

1分で登録完了転職サポートお申込み

SNS

企業インタビューやセミナー
業界転職情報をお届け!

Arrow