INTERVIEW
企業インタビュー

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ヴイエムウェア株式会社 三木 泰雄

その他 外資系トップインタビュー

ヴイエムウェア株式会社

ヴイエムウェア株式会社 代表取締役社長

三木 泰雄

1977年、大阪大学工学部通信工学科卒業。卒業後、日本電気株式会社(NEC)に入社。化学、繊維、医薬、食品等の製造業へのコンピュータハードウェア、ソフトウェア及び業務システムの販売を指揮。2005年10月よりヴイエムウェア株式会社代表取締役社長として日本でのビジネスを統括している。

公開日:2013年10月28日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

設立10周年、お客様にソリューションが受け入れられたから成長し続けてこられた

2013年5月でヴイエムウェア日本法人である御社は設立10周年を迎えられました。この10年で御社は飛躍的に成長されましたが、その要因は何だとお考えですか?

インタビュー写真1

我々ヴイエムウェアの提供する新しいソリューションがお客様のビジネスに貢献し結果を出したことで、お客様に受け入れられたのだと思います。私が社長に就任した2005年ごろは、まだ「仮想化」と言ってもほとんどの人たちが「それって何?」という状況でした(笑)。ですから、とにかくヴイエムウェアのソリューションの良さを知ってもらおう、実際に体験してもらおうと、頻繁にセミナーやイベントを開催するなど、さまざまな工夫をしてきましたね。

我々のソリューションそのものは既にグローバルで結果を出していて、十分に通用するテクノロジーであることは間違いないわけですから、それを日本のマーケットにどう出していくかが課題でした。もともと日本人は新しいテクノロジーに対しては慎重で、受け入れてもらうまでに時間がかかる。売上げがすぐには伸びず、当初は日本よりもマーケットの規模が小さいオーストラリアが上回っていたりして、肩身の狭い思いもしました。本社からのプレッシャーもかなりきつかったですよ。

それでも、時間をかけて製品の良さをきちんと知ってもらえれば、日本でも必ず受け入れられるという信念がありましたし、実際に受け入れられた。やってきたことすべてが正解だとは言いませんが、中長期の視点で正しいことを行ってきたから結果を残せたと思っています。

10年の間に戦略上の力点などが変わってきていますか?

当初はお客様の社内にあるサーバーの台数を減らすといったことでのコスト削減を訴求していましたが、次の段階では全社的にインフラを見直して効率的に使えるようにすることを、そして今は、より高度なビジネス課題のソリューションとして活用するというところにフォーカスしてお客様にアピールしています。

従って我々も、お客様に高度な提案、プロフェッショナルなサービスを提供できるように、コンサルティングサービスの領域を強化しているところです。仮想化ソリューションの活用度はアメリカに比べればまだまだですが、日本でも確実に広まってきて、すでに当たり前のテクノロジーとして使うユーザーも増えています。それでも、自動化機能の活用などでさらに有効利用できる余地がまだたくさんある。それを伝えていくためにもコンサルティングサービスを強化して、お客様に利便性を提供していきたいと考えています。

御社が目指している次のステップは、どのようなものですか?

グローバルな戦略でもありますが、ヴイエムウェアがリーディングカンパニーとして提案している、「ソフトウエア・ディファインド・データセンター(Software-Defined Data Center:SDDC)」を広めていくことですね。これまではサーバーの仮想化にフォーカスしてきましたが、SDDCはそれをさらに進めて、ネットワーク、ストレージ、セキュリティなども統合してデータセンター全体を仮想化し、もっと高度に自動化して効率よく動かせるようにするものです。

もうひとつはエンドユーザー・コンピューティングの世界で、モバイルやBYODを推進し、ワークスタイルを変革すること。いまでは1人がPCだけでなく、タブレットやスマホなど複数の端末を持つようになっていますが、それらを有効活用するためにデスクトップを仮想化し、アプリケーションやデータを一元管理することです。既に日本でも多くの企業や公共機関で我々のソリューションが普及し始めています。

その戦略を実行するために、どういった組織力を高めていこうとお考えですか?

我々はソフトウェアを売るだけの会社ではなく、お客様やパートナーから、信頼して相談できるアドバイザー、頼もしいビジネスパートナーだと思われる組織、そして個人にならなくてはいけないと考えています。

また、ソリューションの幅は広がり続けていますから、提案していくにしても、1人の人間で全てをカバーするのはなかなか難しい。まずはお客様の課題を正しく理解し、それぞれの専門領域を持ったチームのメンバーが課題を解決するソリューションの提案に取り組んでいくようにしています。会社全体でお客様やパートナーをサポートしていくことができる、このことがこれからは大きな強みになると考えています。

当社は2倍にも3倍にもなるポテンシャルを持っているから、これからも飽きずにやっていける

三木さんが社長に就任されて8年になりますが、これまでご苦労なさったのはどんなところですか?

インタビュー写真2

そんなに苦労はなかったですよ(笑)。ただ、外資系には短期志向の人が多いですよね。それで最初のうちは、「なぜ日本はなかなか結果を出せないんだ」と、よく本社に言われました。こちらとしては、「日本は短期ではなく長期的にマーケットに浸透していく特性があるんだから我慢してくれ」と言い続けていました(笑)。

私は日本の会社に長くいたこともあって、ある程度長いレンジで物事を見るほうなんです。そこは外資系の価値観と異なりますし、日本のマーケットではグローバルのやり方に全てを合わすのではなく、日本人の価値観や考え方をふまえたビジネスのやり方をすべきだと考えています。例えばアメリカでは官公庁が新しいテクノロジーの導入に積極的で、このマーケットでのビジネスが成功しているからといって、日本で同じことをやろうとすれば失敗するんですよ。日本では民間企業のマーケットが立ち上がって、後から官公庁がついてくる。それは日本のマーケット独自の傾向で、外国人にはわかりづらい。ですからずっと、日本のマーケットの特徴やビジネスの慣習などを本社に伝え続けてきました。幸い、徐々に良い結果が出てきて信頼関係もできたので、いまは我々の意見を聞いてもらえますし、非常にやりやすくなっています。

外資系のトップは2、3年で代わることが多いようですが、三木さんが8年も続けていられる秘訣は何でしょうか?

良いメンバーに恵まれたことと、日本の市場で結果を出して本社と信頼関係を築けたことが挙げられます。それに本社のほうも、トップは3代目ですが、ナンバー2にあたるCOOは10年以上変わっていない。実は「日本は結果が出るのが遅い」と言っていたのは彼なんですが、いまでは日本のマーケットをよく理解して、全面的に任せてくれています。そういうこともラッキーだったと思いますよ。トップが頻繁に代わると、組織もそれだけ変わっていきますから長年続けることは難しい場合もあります。

私自身としては、この8年間、組織を拡大し、新しいマーケットの立ち上げに携わって市場やビジネスの変化を経験してきましたが、その間ずっと楽しんで仕事をしてこられました。楽しいから飽きないんですよ。このことも続けられている秘訣でしょうね。これから先を見ても、SDDCをはじめまだまだ大きく伸びる新しい領域がたくさんあります。そう考えると、当社はまだ2倍にも3倍にもなるポテンシャルを持っているわけで、これからも飽きずにやっていけるだろうと楽観しています(笑)。

組織づくりにおいて心がけてこられたこと、取り組んでおられることは何でしょうか?

外資系企業のよいところは、それぞれの役割が明確に決められていて、その役割の中で目標を定め、達成し、評価される仕組みがきちんとつくられていることです。しかし、それぞれの役割の間にどうしても隙間ができてしまう。その隙間を各人が積極的に埋める組織は強いと思いますし、そういう組織・人材づくりを目指してやってきました。

たとえばお客様のシステムにトラブルが発生したとき、営業担当者が「売るまでが自分の仕事で、後のことはサポート部隊の仕事です」と言ったらどうでしょうか。アメリカでは通用しますが、日本のお客様に信頼されるわけがありません。各人が担当の枠を越えても、お客様を第一に考えて対応する。そういう人が多くいる組織はお客様に信頼され、結果強くなると思うのです。

幸い、会社の中を見回しても、みんな協力的に仕事を進めていますし、それは私の仕事ではないと言う人はまずいません。以前、当社のトラブル対応についてあるお客様から、「正直、外資系の会社でここまでやってくれるとは思わなかった」と言われて非常に嬉しかった覚えがありますが、こういうお客様からの信頼が組織を支えるんです。それが会社の文化だと思いますよ。まだ、設立10周年を迎えたばかりでこれがうちの文化だと言えるほどの歴史もありませんが、そういうことが徐々にできてきているのかなという気がします。

我々は設立当初は数十名から始まりましたが、現在は数百名のメンバーが働いています。会社規模が大きくなるとどうしてもフットワークが鈍くなります。知名度が上がり、お客様の数も増えてくると、コンプライアンスがさらに重要になって、動き方が慎重になる面もある。しかし、いくら会社が大きくなっても、我々の強みであるベンチャー独特の勢いとか、アグレッシブなところ、新しいことに挑戦する心は失わないようにしたい。そのあたりのバランスには、気をつけていきたいと思っています。

また、組織が大きくなると、部下をしっかりマネージできるリーダーが必要になりますが、若い会社ですから正直なところそのへんがまだ強化が必要です。そこを埋めてくれる人材が必要ですし、若い人にどんどんチャンスを与えて育てていきたいと思っています。

経済性だけでビジネスを考えるのではなく、ソリューションを通して社会に貢献する

ヴイエムウェアが今後求めるのはどのような人材でしょうか?

たとえばセールスの場合、以前はサーバーの仮想化に関するソフトウェアの知識が重要視されていましたが、いまは提案できるソリューションの幅が広がってきていますから、お客様の環境を理解し、お客様が何に困っているか、お客様の話をしっかり聞き、そこからお客様の本当のニーズや課題を見定めた上でこういうソリューションをこう使うと課題が解決できますよ、と提案できなくてはいけない。そういうアドバイザーになれる人を求めています。

また、ソリューションの提案は担当セールス1人でできるわけではなく、社内のエンジニアやパートナーをうまくコーディネートしてチームとして対処しなくてはいけません。トラブル時の対応も含め、我々のお客様は社内のリソースをうまく使いこなして自分たちのニーズにちゃんと応えてくれるコーディネート力を担当セールスに求めていて、その期待にしっかり応えることが信頼感に繋がってくるはずです。

エンジニアに関しては、これまではサーバーの技術に詳しいことが第一条件でしたが、こちらも技術の幅が広がってきているので、ネットワークやストレージなどについても知識を持っていることが求められますし、自分の専門領域以外でも対応できるマルチな技術力が必要ですね。

人物面では、先ほど言った役割の隙間を進んで埋められる人。そして仕事に対する使命感や会社への愛着心を持って、仕事にアグレッシブに向かっていける人です。経済性だけでビジネスを考えるのではなく、ソリューションを通して社会に貢献するという当社の価値観を共有できる人に来ていただきたいですね。

ヴイエムウェアで働くことの魅力はどこにあると思われますか?

ITという先端分野の中でも、最先端で仕事ができるところでしょう。ITの世界も何年かおきに大きく変わっていますが、いまSDDCなど我々がやろうとしていることは、世の中に10年か20年に一度の大きな変革をもたらす程インパクトの大きいものです。それによってデータセンターが自動化され、コンピュータを10倍も100倍も効率的に使えるようになると、これまで考えられなかったような新しいビジネスモデルが登場してくるでしょう。

コンピュータの能力が飛躍的に拡大したことで、FacebookやTwitterといったSNSが登場してきましたし、ビッグデータの活用が大きなビジネスチャンスを生み出しています。そういう、これまでになかった新しいものが登場してくる舞台づくり、新しいビジネスを支えるインフラの部分を我々は先頭切ってやっているんです。これはとてもエキサイティングなことですし、社会貢献の面から見てもやりがいのある仕事だと思いますよ。

外資系への転職を考えている人たちへのメッセージをお願いします。

外資系はシビアだからと、日系企業からの転職に二の足を踏む人も多いようですが、何も恐れることはありません。きちんと仕事をすれば成功するチャンスは必ずありますし、様々な経験をすることで自身の成長が加速するメリットもあるので、ぜひチャレンジしてほしいと思います。

外資系企業では、人が動くことを前提に仕事のフレームワークがシステマチックにつくられているので、日系企業では体験できない仕事のやり方やスピード感を学べます。それに、業界の先頭を走っているような企業には世界中から優秀な人材が集まっていますから、そういう人たちと日々一緒に仕事ができる。その経験は自分のキャリアにとって、必ずプラスになるはずです。日系企業と外資系の間を人材がどんどん行き来してビジネスが活性化されればいいと思いますね。

ヴイエムウェア株式会社

設立10周年、お客様にソリューションが受け入れられたから成長し続けてこられた 2013年5月でヴイエムウェア日本法人である御社は設立10周年を迎えられました。この10年で御社は飛躍的に成長されましたが、その要因は何だとお...

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