INTERVIEW
企業インタビュー

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ボシュロム・ジャパン株式会社 井上 隆久

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ボシュロム・ジャパン株式会社

代表取締役社長

井上 隆久

ボシュロム・ジャパン株式会社 代表取締役社長
1959年、鹿児島県生まれ。大阪外国語大学外国語学部卒。83年、花王入社。ニベア花王、Kao Corporate of Americaを経て90年、日本リーバ(現ユニ・リーバジャパン)入社。マーケティング・マネージャー、ヘアケアのトータルマネージャーを経て93年、ブリストル・マイヤーズ スクイブ入社。米国本社シニア・マーケティング・ディレクターを経て、2000年、ボシュロム・ジャパン入社。ビジョンケア・マーケティング部長。2003年、常務取締役。2005年より現職。

公開日:2008年11月6日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

マーケティングというのは、唯一無二の価値の創造。他が真似をできない唯一無二のバリューがあるかどうかが、その商品の力になる。

まずは日系大手の花王からキャリアをスタートしていらっしゃるんですね?

hc_008_01実は企業に就職するつもりはなかったんです。外交官になるつもりだったから、大学時代はいろいろな分野を独学で勉強しました。でも、国家上級、落ちましてね(笑)。外語大で企業に就職というと、普通は商社。でも、ある人から、花王という成長力がある会社があると勧めていただいて。実はその後もキャリアなんて考えたこともないんです。考えていたのは、与えられたものを着実にやり抜いていくこと、それだけです。今もそうですよ。だから、若い人たちがこういう仕事に就くべきだ、こっちの会社のほうがいい、なんて言っているのを聞くと、むしろ戸惑ってしまう(笑)。面白い仕事というのは、探して簡単に手に入るものではなくて、人に認められて、人から与えられるものだと思っていますから。

花王では、マーケターとして大きな成果をだされますが、成功のポイントは?

ちょうどPOSが入ったばかりの頃で、売り場で単品管理ができるようになったんです。そこでPOSに基づいて、売り場の最大効率化を目指してみた。例えば、売れる商品をゴールデンラインと呼ばれる場所に並べる。品切れや品薄が起こらないようにフェイス数を管理する。売れない商品はカットする。売り場の活性化ですね。これを九州のあるスーパーマーケットでやってみたら、あっという間に売上が5割くらい上がったんです。お店の売り場というのは、消費者との最終接点なんですね。ここが充実していると、やっぱり商品は売れるんです。目につくところ、選びやすくて、取りやすくて、見やすくて、そういうところに商品があることが大事。店頭って、物言わない推奨の場。そこにおけるプレゼンスが強ければ、商品は売れるんです。

その後アメリカに転勤されますが、退職され、日本リーバに転職されたんですよね。

会社に入って5年目にアメリカに行くことになったんです。当時の花王は欧米のビジネス強化のために、海外で活躍できる人材を育てようとしてたんですね。2年半の駐在後、事情があって花王を退職しました。 その後、縁あってリーバに入社することになり、最初に任されたのが、ヘアケアブランドの「ラックス」でした。当時30歳。こだわったのは2つです。これは花王で学んだことでしたけど、商品の改良を徹底して続けていったこと。そしてもうひとつ、これはリーバで学んだことでしたが、ブランドを作るということです。マーケティングというのは、唯一無二の価値の創造なんです。他が真似をできない唯一無二のバリューがあるかどうかが、その商品の力になるんです。目に見えるものであれ、目に見えないものであれ。目に見えるものとは製品のパフォーマンス。そこに、目に見えない部分のバリューを付加していくことによって、強いブランドになっていくわけです。

実際、これをシンプルに極めていったら、市場で勝っていくことができた。これは自信になりました。企業の規模なんて関係ない。マーケティングは、もしかしたら、それを陵駕するビジネス上の技術なんじゃないかと思いました。

外資系企業で働く魅力の一つは、若くして重要な仕事を任される可能性が大きいこと。

次にブリストル・マイヤーズ スクイブ、ボシュロムと移られますが、経緯をお聞かせ頂けますか?

hc_008_02リーバは3年半で退職しました。たまたま偶然、当時のイギリス人の上司が退職して、ブリストル・マイヤーズのコンシューマ事業のトップになることになって。彼が、どうしても来てほしいと請うてくれました。いい人物だったんですよね。そこまで言ってくれるなら、と受けることにしたんです。小さな事業でしたけどね。それも後に大きくなりました。ただ、コンシューマ事業が売却されてしまうことになって。

次のご縁はいくつかありました。でも、ボシュロムの当時の日本法人の社長と会って、とてもいい人だな、と思ったんですね。アメリカ人だったんですけど。マーケティング部長というポジションは、実は前職より下がっているんです。しかも、給料も下がってて(笑)。でも、別に気にならなかったですね。一緒に働く人がいい人かどうか、来て欲しいと請われたかどうかが、僕の一番の選択基準だったから。

そして、入社から6年で社長に抜擢されるわけですね?

社長になっても、やっていることは変わりないです。仕事は連続しているんです。そもそも仕事って常識ですから。常識で考えてみたとき、こうやるべきだと思ったことを、勇気を持ってやり抜けるかどうかの話なんです。奇抜なことが必要であったりしない。すごいアイディアだね、やり抜けるかな、というのも時にはあるけれど、ほとんどのことは常識に照らし合わせてみたときに結論は出るんです。とんでもなく難しいことになりうるのは、結果として利害関係者にとってマイナスになることがあったりして、正しいことができなくなるときでしょう。道を逸らされてしまうとき、といってもいいかもしれない。

そういうことをさせられるなら、僕はすぐに辞めます。ずっとそうだったし、今もそう。

外資系企業で働く魅力はどんなところにあるとお考えですか?

これは全部の会社にいえることではないけれど、ひとつ言えるとすれば、若くして重要な仕事を任される可能性が大きい、ということじゃないかと思っています。日本の企業というのは、組織で仕事が成り立っている面が大きい。だから、組織が強いんです。かなりの年齢になっても、組織の一員という意識が強いし、一人がポンと抜けても会社が傾くようなことはない。でも、外資系というのは、組織ができていない会社もあるわけですね。それは弱さでもあるけれど、反面で個性が生きるともいえる。若くして重要な仕事が任されると言ったのは、そのためです。歯車にならない良さがある。重要な仕事を任されるチャンスがある。それが外資系の魅力だと僕は思っています。

ありがとうございました。

(書籍では、井上氏に関するさらに詳しい内容を掲載しています)

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