INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
メルクグループ万有製薬株式会社 吉田 英策

その他 万有製薬研究開発インタビュー

メルクグループ万有製薬株式会社

メルクグループ 万有製薬株式会社 研究開発企画統合部門 ディレクター 農学博士

吉田 英策

グローバルカンパニー 米国メルクグループの一員として、画期的な医療用医薬品の研究開発から販売を行っている万有製薬株式会社。その研究開発企画統合部門のディレクター 吉田 英策氏に、医薬品研究開発を円滑に進めていく役割であるプロジェクトマネジメントの魅力について伺った。

公開日:2006年12月7日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

研究開発企画統合部門ディレクターに聞く、
プロジェクトマネジメントの魅力とは

2年前、Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.の100%日本法人になり、社長も交代されました。社内の変化はいかがですか。

大いに変わりました。Merck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.との提携関係は実は約50年近くあります。資本提携関係もかねてよりありました。しかし、100%グループの企業になって組織や運営の方法、仕事の進め方が一層グローバルなやり方になってきています。会社同士の壁が非常に低くなり、スピードアップしながら一緒に進んでいく感じが出てきました。 組織、運営、あるいは人材交流など、新しいスタイルが取り入れられ、社員全員が「さあこれから」という意気込みで取り組んでいます。

研究開発でも、万有のメンバーとグローバルのメンバーが一緒に進める形が増えているということですか?

そうです。基礎研究は、プロジェクトを日本だけで進めていくのではなく、世界中の研究所と協働して進めています。 日本で臨床開発を行う段階になると、規制の関係もあって、プロジェクトの具体的な活動は日本中心になってきますが、開発方針や計画は米国のチームと一緒に決めています。最近は基礎研究と同様に、グローバルな取り組みも増えつつあります。いずれにしても連絡を密に取り、相談をしながら、海外データも活用して効率よく研究開発に取り組んでいます。

経営方針について、ご説明ください。

経営方針は、とても明確です。私たちのホームページでも示されていますが、「Where patients come first/すべては“患者さんのために”」が我々の原理原則です。これは非常にわかりやすく、壁にぶつかった時、何か問題があった時には、そこに立ち返って考えることができます。

新薬開発の方針についてはいかがでしょうか。

基本的には、「Unmet Medical Needs(満たされない医療ニーズ)」に応えるべく、良い治療法があまりない病気、治療薬のない分野をターゲットに研究しています。具体的には、ガン、糖尿病などの治療領域に力を入れており、臨床開発中の新薬候補がすでにいくつかあります。また、予防医薬であるワクチンに取り組んでいるのも当社の特徴です。

日本における研究開発では、つくば研究所の役割が大きいように思いますが、いかがでしょうか。

つくば研究所は、それまで日本各地に分散していた研究開発部門を1カ所に集め、1992年に誕生しました。施設が一気にリニューアルされただけでなく、研究開発スタッフが一同に集まり、お互いのコミュニケーションが密にとれるようになったことが大きなメリットです。いまや、基礎分野ではグローバル全体で不可欠の存在になっており、実際に数多くの優秀な開発候補品を創出しています。

他の製薬企業と万有製薬との違いはどのあたりにあるとお考えですか。

一番大きいのは、新薬候補の開発パイプラインでしょう。ガン、糖尿病をはじめ臨床開発段階のものが多く、開発担当者は非常にやりがいのある仕事ができると思います。 また、外資系でここまで大きな基礎研究所を国内に置いているところは珍しいといえます。日本に有力な研究所があるので、国内の大学や研究機関などとのパイプを築きやすく、また有機合成化学など日本が得意とする分野で貢献することができます。

吉田さんご自身のバックグラウンドを教えてください。

hc_005_01私は京都大学の農学部出身で、1979年に万有製薬に研究職として入社しました。途中で財団法人癌研究会 癌研究所に国内留学する機会を得、そこでウイルスの分子生物学をテーマに、いろいろな知識と技術を学びました。万有製薬へ戻ってからは、主に抗癌剤候補物質の探索や評価に携わり、メルクとの協力体制の中で研究を進めてきました。

その後、社内の組織改革、機構改革などにも関わり、96年から臨床開発部門へ異動して企画運営関係の仕事に就きました。医薬品の基礎研究は、トンネルをこつこつと掘り進んでいるようなところがあるのですが、そこから急に明るいところへ連れ出されたような印象でしたね。以来、臨床開発、経営企画、また古巣の研究開発など様々な部門の企画運営業務を経験し今に至っています。

医薬品の研究開発は膨大な時間と資金、そしてスタッフの労力が投入されます。昔ならピラミッドを造営するような、壮大なプロジェクトです。これまで担当した業務を通じて、その全容を見渡すことができ、また各部門の人と知り合うことができたのは、幸せだったと思います。

また、現在は、国内における臨床開発の各プロジェクトを担当するプロジェクトマネジャーたちを統括するのが私の役割です。先ほども申し上げたように、当社は新薬のパイプラインに恵まれており、いかに効率的に臨床開発を進めるかが会社全体の重要課題になっています。その最前線を指揮することになりますので、これには非常にやりがいを感じています。

臨床開発のプロジェクトマネジメントについて、もう少し教えていただけますか。

医薬品の研究開発は、基礎研究、前臨床研究、さらに臨床開発のステージへと進み、最後は規制当局から新薬としての承認を得ます。その間には膨大なステップがあり、特に前臨床段階からは、これをやったら次はこれ、というふうに複数のステップが連続的かつ同時並行的に進みます。そのどれか1つでも遅れた場合、開発プロジェクト全体の遅れにつながります。この一連のプロセスをタイミングよく全てのステップが適切に予定通りに進むようにコントロールするのがプロジェクトマネジャーの役割です。

医薬品の研究開発プロセスには、様々な専門スタッフが関係します。例えば臨床開発では、プロジェクトリーダーのもと、社内で治験計画を立てるスタッフもいれば、治験に協力していただく医療機関に出向いて担当してくださるお医者様に治験の内容を説明したり、データを集めたりするモニタリング担当者や、統計解析の専門家など、さまざまな専門分野のスタッフがいます。

この様々な専門スタッフが開発プロジェクトの縦糸だとすれば、プロジェクトマネジャーは横糸です。各専門スタッフを横につないでその効率的な連携をサポートし、プロジェクトを円滑に動かしていく役割なのです。

そこで一番求められるのは、やはりコミュニケーション能力ですね。関係する全ての部門やスタッフと連絡を取り合い、計画の立案から進捗状況の確認、サポートなどきめ細かい対応が必要になります。

さらに、新薬の承認を得るまでには相応の年月が必要ですので、根気強さと粘り強さは不可欠の素養です。

今回、新たにプロジェクトマネジャーを募集されているわけですが、同じような仕事をしていらっしゃる方は部署に何名いらっしゃるのですか。また、どのようなバックグラウンドをお持ちですか。

現時点では8名です。1人が2?3のプロジェクトを動かし、全体で20ぐらいのプロジェクトが動いています。

彼らのバックグラウンドは様々です。私と同じように基礎研究の出身者もいますし、当然、臨床開発の経験者もいます。年齢的には30歳前後からの中堅どころが多く、他社で10年以上やってきた人、社内でキャリアを5年?10年ぐらい積んでプロジェクトマネジメントの仕事に移った人も少なくありません。

もう少し具体的に、求める人財についてお聞かせください。

この仕事は、やはりこれまでに薬の研究開発に携わったことがある方が適していると思います。さらにプロジェクトマネジメントの経験があれば申し分ありません。 また、適性も重要です。知識だけではなく、いわゆる「人間力」が備わっている方が、プロジェクトマネジメントに向いていると思います。たまには、相手が嫌がることも言わなくてはいけません。そういうことを感情的にならずにきちんと伝え、納得してもらわなくてはならないのです。「あの人が言うなら協力しよう」というようになれば理想的です。

どのような人財に来てほしいですか。

hc_005_02一番大切な要件は、人とコミュニケーションを取るのが好きで、かつ正直な人ですね。 人に信頼されるということは、研究開発においてもとても大事なことです。口八丁手八丁ということではなく、しっかりと状況を理解し、適切な意見を述べ、それに見合った仕事もきちんとやる。それが周囲の信頼につながります。

また、専門職ですから、特にミッドキャリアの方であれば、ある程度、薬の研究開発に関する知識や全体の流れに関する理解があればいいと思います。

さらに、英語力は必要です。グローバル企業ですのでこれは避けて通れません。ただ、それほど難しいことではなく、メールなどで簡明な文章が書け、相手の言っていることが分かり、ゆっくりでもいいので自分の意見を言えれば大丈夫です。かくいう私も、実は英語力はそうたいしたことはありません。

新薬を生み出すことが製薬会社の生命線であり、それに貢献することのできるプロジェクトマネジメントは、とてもやりがいのある仕事です。それに加えぜひ強調したいのは、プロジェクトマネジメントは、アッパーマネジメント(経営陣)にとても近い仕事だということです。アッパーマネジメントの発想や決断を身近で体験することができます。また、会社全体の役割分担とか会社の仕組みも、とてもよく見えると思います。

私たちはMerck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.という世界でも指折りの製薬企業の中で重要な仕事を担っているという誇りがあります。情報にしてもトレーニングにしても、グローバルのものにアクセスできます。向上心があり、よりレベルの高い、ダイナミックな環境で自分を試してみたいという方にはとても良い環境だと思います。

最後に、ご自身の今後の夢をお聞かせください。

プロジェクトマネジメントに関連して、ひとつ夢があります。私たちはMerck & Co., Inc., Whitehouse Station, N.J., U.S.A.の100%グループ企業となったわけですから、米国のプロジェクトマネジメントグループとの連携を進め、国境を越えて同じように敬意を受けられる部署になりたいと思っています。時差があり、言語が違い、働く国は違いますが、同じ会社の中でプロジェクトマネジメントを担うものとして、誇りをもって仕事に取り組めるチームをつくりあげることが、私の最大の夢です。

メルクグループ万有製薬株式会社

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