Talk Session 1「自分らしく生きるためのLife Design」松永エリック・匡史氏
Future Career Talk Session第1回
自分らしく生きるための
Life Design
聞き手ISSコンサルティング
代表取締役社長
関口真由美
ゲストアバナード(株)
デジタル最高顧問
松永 エリック・匡史氏
ビジネスでの経験を多方面で活かしご活躍のゲストをお迎えし、ゲストの価値観に触れながら、自分自身のキャリア・組織について考える、話し合う、Future Career Talk Session「Be yourself」。
第1回目は、松永 エリック・匡史氏をお迎えして「自分らしく生きるためのLife Design」のお話を伺いました。Talk Sessionでは、笑いが絶えないとても楽しいセッションになりました。その後は、実際に参加者の皆さんが「自分らしく生きるためのLife Design」について考えるワークショップ、Thinking & Sharing Sessionを行いました。ここでは、簡単にポイントを共有させていただきます。(イベント詳細ページ)
Guestゲストスピーカー
アバナード株式会社 デジタル最高顧問
ONE+NATION Degital&Media Inc. 代表取締役 CEO/Producer
松永 エリック・匡史 氏
ビジネスコンサルタントでありながら、バークリー音楽院出身のプロミュージシャンという異色の経歴を持ち、アーティストとしても活躍する異才。メディア&エンターテイメント業界コンサルタントのパイオニアとして、アクセンチュア、野村総合研究所、日本IBM、デロイト トーマツ コンサルティング メディアセクターアジア統括パートナーを経験。 またPwCでは、デジタルサービス日本統括パートナーとしてデジタル分野をリードしてきた。現在はONE+NATION Digital& Media Inc. CEOとして、デジタル事業のプロヂューサーとして活躍中。人間の欲求と官能を引き出すデザインに基づき未来をリードする独自の超右脳系理論はデジタル関係者をも唸らせ、異彩を放ち続けている。
Talk Sessionトークセッション
ゲスト:アバナード(株)デジタル最高顧問 松永 エリック・匡史氏
聞き手:ISSコンサルティング 代表取締役社長 関口真由美
自分らしく生きるためのLife Designとは?
関 口:「WORK SHIFT」「LIFE SHIFT」で有名なリンダ・グラットン氏と講演会でご一緒だったんですよね。
松永氏:そうなんです。その時、彼女と話したことは、人事評価制度とライフデザインについてです。
私はコンサルティングファームで働いた経験が長いのですが、評価制度については、通常のコンサルティングファームであれば、MBAホルダーなどのいわゆる優秀な人材がたくさんいて、モチベーションは「出世」すること、評価は売上と稼働率です。しかしながら、企業のデジタルトランスフォーメーションを支援するチームにいた際は、メンバーは、美術系の大学を出て絵を描いていた人など、モチベーションは「おもしろい仕事」ができることでした。その際、私は評価制度をNo Rating(※1)に変えました。リンダ氏と評価制度の話をすると、役員向けの360度評価やKPIなどは時代と合っていないため、廃止した企業も多いとの話しになりました。
また、ライフデザインについて、彼女は、自分が「主体で働く」ことが大切だと。今までは会社(上司)が社員を評価していたけれども、徐々に社員が会社(上司)を評価する時代になってきています。そして、上司の指示を待つ、上司の都合で動くのではなく、自分が主体で判断して動く時代になっています。
(※1)No Ratingとは、会社規定の点数付け評価制度を行わない人事評価制度です。
関 口:人生100年時代のキャリアをどのように考えたらいいのでしょうか?
松永氏:高度成長期は、国民全員が国や会社のために働き、永久雇用され、60歳になれば豊かな生活が待っているというように、すべて会社がコントロールしてきました。しかし、現在はその前提が崩れてきて、永久雇用が保障されるわけでもなく、60歳になっても年金が払われるわけでもなく、会社が社員のキャリアを考えてくれるわけでもない時代になってきています。だからこそ、自分で生き方を考える、必要に応じて変える必要があります。私は、ライフチェンジを前向きに考え、自分らしく豊かに生きるセカンドライフを考えています。以前、「大手企業を辞めて転職するのは犯罪者だ!」と言われた時代がありましたが、私自身は自分の価値観を大切にこれまできました。
関 口:エリックさんの本(※2)に、「外資系の就職を考えることは、理想的な人生を実現するための選択肢が広がり、夢を形にすることがより可能になる」と書かれていますが、実際に外資系企業で働くってどうですか?
松永氏:外資系企業で働くのは、すっごく面白いし、人間味があると思います。なぜならば、マネージャークラスでの権限があるので、自由度があり、自分でコントロールすることができます。また、バリューを示して、どのように利益につながるのかを説明すれば、ヒエラルキーの一つ飛びができます。エグゼクティブが来日すると普通はめんどくさいとか思いがちですが、説明が足りないだけで、先にこちらから説明をして、やりたいことの期限・数字・何ができるのかを示せば、自分のしたい幅が広がります。また、海外のエグゼクティブとの日本での食事も大切で、ただ高級レストランで食事をするのではなく、例えば、Vegi-sushiに行ったり、皇居に行ったりして、その際に解説をして思い出をつくってあげると、奥さんや同僚に自慢ができると、差別化した印象を残すことができます。
(※2)「外資系トップコンサルタントが教える 英文履歴書完全マニュアル」松永エリック・匡史+門田裕次=著
関 口:エリックさんの自分らしさを教えて下さい。
松永氏:ミュージシャン⇒エンジニア⇒コンサルタント⇒研究者・育成者へ。私のキャリアは、「人が大好き」という価値観で繋がっています。何でこの人生なんだろうと考え、ぶれないものを持って、自分がワクワクすることをしてきました。そして、ミュージシャンでもコンサルでも、ひとつひとつ突き詰めてきました。突き詰めたり、勉強したりするのは大変だけれども、とても楽しいです。単純に、「何それ、スゴクない!」と相手が喜ぶ顔を見たいのです。自分自身のモチベーションは喜ぶ人の顔をみたい、つまり人が好きという価値観を持っています。リンダ氏も言っていましたが、個人の価値観が一番大切で、人によって価値観は違います。楽しければ努力し、努力すればスキルが上がり、スキルが上がれば認められます。頑張れるか、頑張れないかは自分自身の価値観がわかっていることで、成功した人は楽しそうであり、努力もしています。そして、よく働き、よく遊んでいます、人間は時間が余ると何もしなくなるのです。
関 口:ありがとうございました。Talk Session 「本当に楽しかった!」の一言です。ぶれない価値観を持ち、楽しく生きるために、真剣に考え、作戦を立てて、努力しながら地道に実行して。最終的には自分のほしかったモノを手に入れていく、そんなエリックさんの自分らしく生きるためのLife Designを聞かせていただきました。 ご参加のみなさんも大満足のセッションとなり幸いです。ありがとうございました。
Thinking & Sharing Sessionシンキング&シェアリング セッション
自分らしく生きるためのLife Designを描く
松永氏より、冒頭10分ほど、自分らしく生きるLife Designを描くためのポイントを教えていただきました。
ゴール思考から、コンパス思考へ
ビル・バーネット氏が「LIFE DESIGNスタンフォード式最高の人生設計」の中で、大きなゴールの設定をするのではなく、コンパス思考にと言われています。人生のゴールを決めるといった大きなゴール設定ではなく、常に熱中できるものを探そうとすること、大きな流れの中で、自分の中でぶれない何か(コンパス)を大切にすることです。それが人生を豊かにすることに繋がるのだと思います。
自分の熱量を知る
すごくシンプルな3つ、『学校・仕事(生産活動)』 『趣味』 『家族・パートナー・ペット(コミュニケーション)』、これを多くの人は全部バランスよく、上手くしなければいけないと思い込んでいる気がします。かっこいい会社に入って、ライフワークバランスとり、土日は家族との時間をとり、趣味もして。人によって大切にしたいもの、状況は違います。自分の熱量をかけたい事は何かをまずは知ってみてください。因みに、周りを意識して嘘をついてもいいと思いますが、自分に嘘をついて、自分の価値観喪失に繋がらないようにしてほしいと思います。
自分の熱中を分析、コンパス思考のパワー源は熱中
熱中=高い熱量は、絶えず変化します。たとえば仕事では、ブランド、地位、収入、社会貢献など、あなたが何を大切にしたいか、何に熱中しているのか分析してみてください。ぜひ、ノートに書きだすことをお勧めします。頭が整理されます。
松永氏の説明を聞いた後は、自分の熱量を知るために、個別ワークの時間をとりました。
その後、周りの方と3名ほどの小グループになり、自分の熱量バランス、熱中したこと/していることを共有しあいました。初対面ということもあり、初めは緊張しながらも、他の人の熱中を聞く楽しさに、皆さん時間を忘れSharingされていました。
Networking Event交流会
最後に、30分ほどの交流会(名刺交換会)を実施し、イベントは終了となりました。交流会では、講師松永氏に今日の感想や質問したり、参加者同士で今日の感想共有をしあったりと、あちらこちらで、会話に花が咲いていました。
講師の松永様、ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
《 参加者の皆様からいただいた
コメント(一部)》
- ●話のテンポがよく、気持ちよく聞けました。ヒントがあり、自分の好きなことに気づき、気持ちよく終わりました。
- ●Ericさんのお話がとてもよかったです。「人生を豊かにするコンパスを探し続けること」という言葉が心に残りました。
- ●自分が何を大切にしていて、熱中できていて、熱量をささげているものは何かを考えるきっかけになり、とても満足しています。固定概念で「誰かに認められる自分」にならなければと思っていましたが、それもとっぱらっていいのだと思えました。
- ●悩んで立ち止まるのではなく、Actionが大事という気づきが改めて得られました。
- ●非常に相互に意見を言えて、自身が考えている物事に対するヒントとなる話が聞けた。
- ●Group Sharingで人の話が聞けて楽しかった。このイベントにこられている方は面白い方が多いと感じました。エリックさんが最後にご紹介された映画「バケットリスト」を観てみたいと思いました。
- ●エリックさんのお話の内容がよかったです。自分に素直に生きている人は、やっぱり素敵なパワーがあると感じました。