新たなグローバリゼーション時代、
社員が幸せに働ける環境をつくる
粘り強くコミュニケーションすることの重要性を知った
ジョンソンに入社するまでの経緯を教えてください。
高校時代にオーストラリアにホームステイしたり、アメリカの高校に1年間交換留学に行ったりしたこともあって、異文化に接したいという想いは学生時代から強くありました。ただ、大学生活は日本で送りたかったので、帰国子女や外国人留学生の多いICUを選びました。最初は通訳を目指して勉強していたのですが、そのうちに英語を使って、さまざまな人を巻き込みながら何かをつくっていくほうがより楽しそうだと思うようになりました。また大学でコミュニケーション学や心理学を学ぶ中で、全ての事柄を「人」を軸として考えて進めていきたいという想いが強くなり、人事関連の職に就きたいと考え、人事系戦略コンサルティングファームなどを中心に就職活動を行いました。一方、学生時代の居酒屋でのアルバイトがとにかく好きで、日々お客様(エンドユーザー)と直接接することができるような飲食店への就職もまじめに考えていました。
そのなかで最終的に選んだのがP&Gでした。最大の決め手は、いまでも珍しいHR(人事統括)の職種別採用を当時から行っており、最短距離で人事職に就けると思ったからです。またそれに加えて、説明会で登場する先輩が非常に優秀な方ばかりで、最先端の考え方を導入しながら、さまざまな人事戦略ツールを使って多様な成果を残しておられました。そういったことにも憧れて入社を決めました。
最初の3年は、採用チームに配属になり、職種別新卒採用を担当しました。私の考え方は「量より質」で、母集団を増やすことよりも優秀な人材を増やすことに力を入れ、会社と触れ合う機会がいかに学生にとって素晴らしい時間となるかを考え、自分の学生時代の経験も踏まえながら、最大限考え努力しました。そうした工夫が実って、3年間で特に理系職種の学生の内定受諾率を大きく改善することに成功しました。次に、エンプロイーサービスと呼ばれる、給与・福利厚生・転勤・出張・データ管理などに代表される社員へのサービス業務全般について、日本と韓国を統括管理する業務に就きました。実業務を委託している海外の会社のサービスの正確性が一向に上がらず苦労しましたが、「人事」の業務の裏側を集中して知ることができたのは、いまでも非常に大きな財産です。
入社6年目には、滋賀工場のHRグループマネジャー職に就きました。当時の滋賀工場の目標は、P&Gグローバル共通で持っている各工場の評価基準で、世界に10%弱しかない「最高レベル」の称号を得ることでした。「生産性向上」のために、様々な改善が必要でしたが、私は工場全体の戦略構築をリードしながら、「いま工場が何を目指していて、そのために各自が何をしなくてはならないか」を各レベル・職種ごとに粘り強く浸透させていきました。全社目標と個人の業務プランが繋がっていることが見えると、各自がより高いモチベーションで業務に打ち込めるようになるからです。私の赴任後、約1年半で工場は最高レベルに認定されました。その認定の瞬間は、私の今までの社会人人生で最高の瞬間であったと、今でも胸を張って言える経験です。
そして2012年、私は東京に移り、「Wella」ブランドのビジネスパートナー職に就きました。P&Gが「Wella」社を買収したのは2003年でしたが、日本法人の統合は2010年。私は、組織統合のフォローアップとビジネスの立て直しにHRの立場から関わりました。美容業界も、日本のマーケットは世界と比べて様々な特殊性を持っています。例えば各メーカーは、必ず代理店さんを経由して各美容室さんとやりとりを行うことであったり、美容室でカット・カラー・シャンプーを完全分業で行うような業態は、世界を見ても日本だけです。実際に自分も営業同行などをしながらビジネスを理解したうえで、その違いを本国に伝えていきました。最終的にはそういった「違い」が認められ、「アジア」ではなく「日本単体」で1つのリージョン組織という位置づけにすることに成功し、日本向けの製品開発を進めることが可能となり、売り上げ改善に繋がりました。その後、2016年に「Wella」含めて多くのブランドがCOTY社に買収され、私も皆と一緒にCOTY社に転籍し、買収前後の2年で会社の切り離し・新会社の基幹人事システムの立ち上げを行った後、2017年9月に自らの意思でジョンソンに転職しました。
社員が幸せになることに貢献できないか
なぜジョンソンを選んだのですか?
1つ目の理由は、自分の経験、特に「Wella」のHRビジネスパートナーとしての経験が役に立つと思ったからです。ジョンソンは数年前からグローバリゼーションに舵を切るという新しい方向に動き出したと聞いていました。その状況下で日本の社員がどういった状況にあるか、そしてその士気を高める事がどれだけ重要なことであるかを、私は前職での「Wella」立て直しの経験から学びました。私ならその経験を活かして、社員の皆さんが幸せになるために多少でも貢献できるのではないかと思い入社を決意しました。
2つ目に、鷲津雅広さんという尊敬できるリーダーが社長に就いていたことがあります。それまでに鷲津さんの噂をいろいろと耳にしていましたが、その噂の多くが、意志決定が速く、言うべきことを言うべきタイミングで的確に言えるリーダーだといったものでした。そんなリーダーの下で働くことで、私自身学ぶべきことが多いだろうという想いがあったことが挙げられます。
3つ目に、私は以前からジョンソンの製品が好きでした。「スクラビングバブル 流せるトイレブラシ」や「トイレスタンプクリーナー」などの画期的な製品がいくつも自宅にも実家にもあり、実に重宝していたのです。自社の製品を好きになれるかどうかは自分の中で大きな判断軸でしたので、その点も入社を決めるにあたって大きかったです。
最後に、将来的に日本を出て海外で働いてみたいという自身のキャリア構想もあり、ジョンソンならその想いが叶いそうだという事も大きな要因となりました。
ジョンソンの現状をどう考えていますか?
まず、社員の中には、現状の会社の方向性に対して納得感を持っていない方がいることがわかりました。そのため、ここ数年はビジネスが伸びているにもかかわらず(2018年現在、12年連続で売上高を伸ばし、2017年度は史上最高益を達成いたしました)、社員満足度は低い状態が続いています。ただ一方で、十分に納得できなくても、本社の意向を受け入れて、改革を少しずつ前に進めてきていることも事実です。その中で私が今行うべきことは、P&Gの滋賀工場時代と同じように、情報共有を強化することと考えています。グローバル全体、日本法人全体でいま何が起きていて、どのような方向に向かっており、今後はどういったことが起こりそうなのか。これらを踏まえた上で、いま私たちは何をすべきなのかを皆で考え浸透させていくことです。その中で、グローバル側に働きかける部分と我々で受け入れる部分をより社員にわかりやすく明確にし、日本の経営陣と社員の約束として、日本ジョンソンとしての行動指針にまで落とし込んでいきたいと思っています。
そして日々各社員と接する、マネージャーの育成スキルも高めていきたいと考えています。彼らのコーチング能力をさらに高めていくことで、全社への情報共有と浸透が加速すると思っています。そして彼らを一緒に巻き込みながら、組織や人材の「理想像」(コンピテンシー)もより具体的なものにしていきたいと思っています。
新たなグローバリゼーション時代に、変化を楽しめる方を求めています
どのような方を求めていますか?
私から見ると、これからのジョンソン社員には3つのことが大切だと思います。1つ目は、「この会社の製品が好きであるか・情熱を傾けられるか」ということです。ジョンソンの社員は、誰もが会社や製品のことを愛していて、自分たちと同じようにジョンソン製品を愛する仲間を求めています。また、ジョンソンは「ファミリー・カンパニー」で、いわゆる家族経営を19世紀から行っています。(今のグローバル社長は、5代目ジョンソンです。)そこからわかるように、社員みんなで協力して働くことをいつも重視しており、そこで得た利益をコミュニティや地域社会、社員に還元しています。日本でも過去4年間で3億円以上を、主に地域のコミュニティ(養護施設や、障がい者のスポーツ活動支援)に寄付しています。私たちは、こうしたことに共感できる方を求めています。
2つ目は、「変化が楽しめること」です。先ほども少し触れた通り、いまジョンソンはグローバリゼーションを進めている最中で、今後もさまざまな面で会社やビジネスは大きく変わっていくでしょう。地球環境にも責任を持ちながら、消費者が必要とする製品を世界に届けるといったビジネスの根本は変わりませんが、具体的な戦略は、グローバル単位で日々進化していく可能性が大きい時期にあります。そうした変化を楽しめる方に入社いただきたいと思います。
3つ目は、「周囲を巻き込んで主体的に物事を進められること」です。そのためには、コミュニケーションや戦略的思考が得意であったり、外部にも目を向けて市場の動きに敏感である必要があります。是非そういったことを楽しんで行える方に入社頂き、リーダーとして周囲をインスパイアしながら、私たちと一緒にビジネスを推進していただければと思います。