生化学からデザイン、そしてファイナンスへ──一見すると異なる領域を横断しながらキャリアを築いてきたレノボ・ジャパン合同会社 執行役員であり、ソリューション&サービス事業を率いる山口仁史氏。P&Gで培ったロジカルな事業分析力を基盤に、ブランドの事業再生、さらにはファイナンスや企業の代表としての組織変革を経て、現在はDX・AI時代における新たな価値創出に挑み続けています。
そのキャリアに一貫して流れているのは、「構造を捉え、本質から変える」という視点、そして「人を起点にビジネスを動かす」という思想でした。
事業を再生するとは何か。組織を動かすリーダーに求められる覚悟とは何か──「正解は与えられるものではなく、自らつくり続けるもの」と語る山口氏に、キャリアの原点から現在、そして未来への展望までを伺いました。
「偶然」と「意志」が導いたキャリアの原点
学生時代は生化学を専攻されていたのですね。
もともと父が医師であったこともあり、幼い頃から「人の命」や「人そのもの」に関わる領域には関心がありました。そんな背景もあり、大学では生化学を選びましたが、実は同時にデザインやクリエイティブにも強く惹かれていました。ロゴ制作をしたり、イベントを企画したり、ファッションショーのプロデュースをする機会もありました。振り返ると、計画していたというよりは「やってみたら広がっていった」という感覚に近いですね。
理系とデザイン、異なる領域を同時に追求されていたのですね。
そうですね。当時は白衣を着て研究をしている自分と、デザインの仕事をしている自分の間にギャップを感じていました。ただ、その違和感こそが自分にとっては重要だったと思っています。
大学院に進む際は、同時に起業も検討しており、実際に企業と連携して事業化するような話もありました。ただ、当時はまだスタートアップの環境も今ほど整っておらず、リスクも大きいと感じていました。そこで一度立ち止まり、大学院で2年間しっかりと力をつけようと進学を選択しました。
そして大学院では色彩学という分野を選ばれていますね。
はい。これはある意味偶然の流れでしたが、自分にとっては非常に大きな転機でした。色彩が人の感情や行動にどのような影響を与えるかを、統計的に分析する研究を行っていました。例えば、水色を見ると人は爽やかさを感じる、といったような感性をデータとして扱う試みです。
企業との共同研究も行い、スポーツウェアにおける色の影響などをデータベース化しました。数百人規模の被験者データを自分たちで収集・分析し、最終的にはソフトウェアとして形にしました。国際学会で発表する機会もいただき、学術とビジネスの両方に触れる貴重な経験になりました。
その経験は現在のキャリアにもつながっていますか。
非常につながっていると思います。論理と感性、データとクリエイティブをどう結びつけるかという視点は、その後のキャリアでも一貫しています。経営においても、数字だけでなく人の感情や文化を理解することが重要ですから。
また、この頃から「偶然」をどう捉えるかという感覚も形成されました。自分でコントロールできる部分と、そうでない部分がある中で、チャンスが来たときにどう向き合うか。それがキャリアを大きく左右すると思っています。
その後、P&Gへの入社を決められた背景についても教えてください。
実は、大学時代に一度P&Gの選考を受けたことがあり、その過程で「こんなにフェアに人を評価する会社があるのか」と強く印象に残りました。
実際に、学歴やバックグラウンドではなく、その場での思考力やロジックによって評価される環境であり、仕事におけるプロセスや成果そのものを正当に見てもらえる点に強い魅力を感じました。ここであれば自分の力を高められると確信したのです。
加えて、当時は英語力に課題があったこともあり、語学習得への意欲が非常に高まっていました。グローバルな環境でビジネススキルを磨きたいという思いも重なり、最終的にP&Gへの入社を決意しました。
振り返ってみて、キャリア初期において大切にされていたことは何でしょうか。
一言で言うと、「自分の違和感を大事にすること」だと思います。周りと同じ道を選ぶことよりも、自分が本当に興味を持てるかどうか。その感覚に正直でいることが結果的に次のチャンスにつながっていきました。
あとは、偶然の出会いや機会を無駄にしないことですね。意図していなかったことでも、そこに意味を見出して取り組むことで、自分の中で一本の軸ができていく。今振り返ると、その積み重ねが現在のキャリアにつながっていると感じています。

P&Gで培われた「ロジック」と「仮説思考」──経営の基礎を形づくった10年間
P&Gでのご経験についてお伺いさせてください。特にファイナンス領域に入られた当初はいかがでしたか。
最初の1年は正直かなり苦しかったですね。ファイナンスの知識がほとんどなかったので、何を見ても理解できないという状態でした。ただ、無我夢中にひとつひとつこなしていくことで1年を過ぎたあたりから、徐々に点と点がつながっていく感覚がありました。まさに頭の中でシナプスがつながるようなイメージです。
それまでは断片的だった知識が、ある瞬間から構造として理解できるようになり、そこから一気に面白くなりました。
実際にはどのような業務を担当されていたのでしょうか。
主に製造や物流に関わるファイナンスを担当していました。例えば紙おむつや生理用品といった製品の原価構造や、工場ごとのコスト、物流費などを分析していました。
面白かったのは、数字から“なぜ”を突き詰めていくプロセスです。例えば、同じ製品を作っているはずの工場でコストに差がある場合、その理由を分解していく。さらに競合製品と比較する際には、実際に製品を分解して素材や構造を分析し、どのような製造プロセスで作られているのかを仮説ベースで組み立てていきます。
最終的には「この製品はこのコストで作られているはずだ」というところまで逆算していく。この一連のプロセスは、研究に近い感覚でしたし、ファイナンスの醍醐味だと感じていました。
非常にロジカルな思考が求められる環境だったのですね。
そうですね。ただ、単にデータを分析するというよりは、「データがなければ仮説を作り、逆算していく」という文化が強かったと思います。P&Gでは、仮説の質をどれだけ高められるかに非常に重きが置かれていました。
仮説を立てて、実際のデータが出てきたらその差分を分析し、さらに仮説をブラッシュアップしていく。このサイクルを徹底的に回していくのです。重要なのは、最初の仮説をどれだけ丁寧にロジックで組み立てられるかだと思っています。
いわゆるテンプレートに基づく分析が中心だったのでしょうか。
意外かもしれませんが、テンプレートやフレームワークに頼る場面はそこまで多くありませんでした。もちろん基本的な型はありますが、それよりも「どう考えればこの問題を解けるか」という思考プロセス自体が重視されていました。
一方で、非常に特徴的だったのが「ワンページでまとめる文化」です。新しい施策やプロジェクトを提案する際には、必ず背景、戦略、ファイナンス、アクションを整理し、限られたページ数の中で結論から示す。いわゆる“Conclusion First(コンクルージョンファースト)”の徹底です。
読み手が短時間で意思決定できるように設計されている点が非常に優れていたと思います。
P&Gでの10年間の中で、大きな転機となった経験はありますか。
色々ありますが、一つ大きかったのは、営業の最前線に近いチームに入った経験です。マーケティング、ファイナンス、ロジスティクス、市場調査といった複数の機能が一体となり、顧客と向き合う“マルチファンクション”のチームでした。
この経験を通じて、「本社で考えた戦略だけではビジネスは動かない」ということを強く実感しました。実際の売り場で何が起きているのか、顧客が何を求めているのかを理解しない限り、本質的な意思決定はできません。
その経験は、その後の経営にどのように活きていますか。
大きく二つあると思っています。一つは「現実に基づいた戦略設計」です。理論的に正しいだけではなく、実行可能な道筋を描くことが重要です。例えば、現状が20点の状態であれば、いきなり100点を目指すのではなく、まず60点を取りにいく。その積み重ねが最終的な成果につながります。
もう一つは、「人を巻き込む力」です。ビジネスは自分一人では完結しません。社内外のステークホルダーを巻き込み、同じ方向を向いてもらう必要があります。そのためには、ロジックだけでなく、相手の視点や感情を理解することも欠かせません。
非常に実践的な経験を積まれていますね。
そうですね。戦略を描くだけでなく、自分自身が現場に出て説明し、議論し、納得してもらう。そのプロセスを何度も経験しました。
結果として、単なる分析や提案にとどまらず、「実際にビジネスを動かすとはどういうことか」を体感できたことが、今の経営における意思決定の土台になっていると思います。

事業再生のリアリティ──ブランド再建に見る「構造改革」と「覚悟」
P&G時代の中でも、あるブランドの事業再生は非常に大きなチャレンジだったと伺っています。どのような背景から始まったのでしょうか。
非常にシンプルなミッションでした。「売上が下がり続けている」「利益率も低い」、この状態を何とかしろ、というものです。
ただし、このプロジェクトはかなり機密性が高く、ブランド側の主要メンバーにも詳細を共有できない状況で進める必要がありました。そのため、限られた情報の中で、徹底的にデータを分析し、何が本質的な課題なのかを特定するところからスタートしました。
課題の特定はどのように進められたのでしょうか。
まずは売上が落ちている理由と、利益率が低い理由を分解しました。その上で、「どこにレバーをかければ改善できるのか」を考えました。
重要だったのは、いきなり施策に入るのではなく、「投資原資をどう作るか」という点です。マーケティングに投資したくても、そのための資金がなければ何もできません。では、どこからその原資を捻出するのか。分析の結果、最もインパクトが大きいのは流通と人件費の構造だと判断しました。
そこから具体的な施策へとつながっていくのですね。
はい。まず大きく手を入れたのが流通モデルです。それまで直販中心だったモデルを、卸を活用した形へと切り替えました。さらに営業体制も見直し、大規模だった組織を少数精鋭化しました。
その結果として生まれたコストを、マーケティング投資やブランド強化に再配分しました。固定費を変動費化し、事業の柔軟性を高めるという意味でも、ファイナンス観点から非常に合理的な構造に変えることができたと思います。
非常に大胆な改革ですが、社内外の反応はいかがでしたか。
正直、かなりの抵抗はありました。グローバルのトップからも「やりすぎではないか」という声はありましたし、自分自身もリスクは強く認識していました。
ただ、その時は「もし失敗したら辞める」という覚悟で取り組んでいました。それくらいの意思決定でなければ、構造そのものを変えることはできないと思っています。結果として、長く低迷していた事業は数年で回復軌道に乗せることができました。
流通戦略の設計においては、どのような思考プロセスを踏まれたのでしょうか。
すべての選択肢を一度フラットに並べました。直販を維持するのか、卸に切り替えるのか、あるいは総代理店モデルにするのか。それぞれのメリット・デメリット、コスト構造、マージンへの影響などを徹底的に比較しました。
その上で、当時の事業規模やブランドポジションに最も適したモデルを選択しました。また、卸に業務を移管する場合でも、単に任せるのではなく、成果に応じたインセンティブ設計を導入しました。これにより、双方にとって持続可能な形を作ることができたと思います。
事業再生のプロセスにおいて、特に重要だと感じたポイントは何でしょうか。
大きく2つあります。一つは「大きな絵を描くこと」です。部分最適ではなく、全体としてどのように価値を生み出すのかを最初に設計することが重要です。その上で、細部に落とし込んでいく。
もう一つは、「現場と向き合うこと」です。私は戦略を作るだけでなく、実際に取引先やパートナーのもとに足を運び、自分の言葉で説明することを大切にしていました。その中で信頼関係が生まれ、結果的に協力を得られるケースも多かったです。
印象的なエピソードがあれば教えてください。
ある取引先の経営層に提案をした際、非常に厳しい議論になることを覚悟していたのですが、最終的には「ここまで考えているなら一緒にやろう」と言っていただけたことがありました。
その時に感じたのは、表面的なロジックだけでなく、「本気で事業を良くしようとしているかどうか」は必ず伝わるということです。結果的に、その方からはその後も多くの示唆をいただき、長く関係が続くことになりました。
このご経験が現在の経営観にどのようにつながっているとお考えですか。
ファイナンスは単なる数字の管理ではなく、「ビジネスにおけるすべての領域にアクセスできる機能」だと考えています。だからこそ、自分の担当領域に閉じるのではなく、ビジネス全体に影響を与える存在であるべきだと。
この考え方は、当時の上司から教わったものですが、今でも自分の中の原点になっています。経営においても、部分ではなく全体を見て意思決定する。その重要性を、この経験から学びました。

DX・AI時代における競争優位──レノボの挑戦と、これからのリーダー像
現在、レノボで取り組まれているSSG(Solutions & Services Group)について教えてください。
SSG(Solutions & Services Group)は、レノボにおける「第三の柱」として立ち上がったビジネスユニットです。これまでのPCやサーバーといったハードウェア中心の事業に加えて、「TruScale」に代表されるサブスクリプション型(as-a-Service)サービス、ソリューションやサービスを組み合わせた新たな価値提供を目指しています。
ポイントは、「ハードウェアがあるからこそできるソリューション」であることです。単なるSIerではなく、エッジからクラウドまで一貫したポートフォリオを持つ我々だからこそ提供できる価値があります。
日本市場におけるSSGの現状と課題についてはいかがでしょうか。
正直に言うと、まだ認知は十分ではありません。ThinkPadのように確立されたブランドとは異なり、未だ「レノボ=ハードウェア」というイメージが強いのが現状です。
そのため、まずは実績を積み重ねていくことが重要だと考えています。お客様に対して一つひとつ誠実に価値提供を行い、信頼を積み上げていく。その結果として、「ソリューションもレノボに任せられる」という認識に変えていくフェーズにあります。
AI領域におけるレノボの戦略についてもお聞かせください。
AIについては、大きく2つの軸があります。一つはAI PC、もう一つはインフラ領域です。特に我々が強みを持つのは、ハードウェアとAIを組み合わせた「ハイブリッドAI」の領域です。
例えば、水冷サーバーとAIを組み合わせることで、電力消費を最適化する取り組みなども進めています。日本は電力需給の課題を抱えているため、この領域での貢献は非常に意義があると考えています。
また、AIの活用方法も一様ではありません。クラウドで処理すべきものと、オンプレミスで扱うべきもの。それぞれの用途やデータの性質に応じて最適な組み合わせを提供できる点も、我々の強みの一つです。
ご自身が、このポジションで発揮されている価値はどのような点にあるとお考えですか。
一つは「素人目線を持ち続けること」だと思っています。ITの専門家ではない立場だからこそ、お客様視点で「本当に必要なものは何か」を考え続けることができる。専門性が高くなりすぎると、どうしてもプロダクトアウトになりがちなので、そのバランスは常に意識しています。
もう一つは、組織全体を横断して見ることができる点です。セールス、デリバリー、サポートまで含めて全体を俯瞰しながら意思決定できるポジションにいるので、その強みを活かして組織を作っていくことが求められていると感じています。
SSGを今後どのような組織・事業にしていきたいとお考えですか。
最終的には、「レノボにすべて任せればいい」と思っていただける存在になることが目標です。PCやサーバーだけでなく、その先のサービスやソリューションまで含めて、一気通貫で価値提供できる企業になることですね。
また、組織としてはまだスタートアップに近いフェーズでもあります。外部からの人材と内部の人材が混ざり合いながら、スピード感を持って成長している段階です。この流れを止めず、さらにスケールさせていきたいと考えています。
組織を成長させる上で、特に意識されていることはありますか。
社内と社外、両方の視点を持つことです。社内においては「どんな役割を果たす組織なのか」、社外に対しては「どう見られたいのか」。この2つを常に意識しています。
また、組織運営においては、「それは自分の仕事ではない」という考え方を排除することも重要です。お客様から見れば、組織の区分は関係ありません。どうすればできるのか、どうすれば価値を出せるのかを考える文化を作ることが、成長の鍵だと思っています。

リーダーシップの本質──人を動かす力と、組織を変える覚悟
これまで複数の経営ポジションを経験される中で、リーダーとして大切にされている考え方について教えてください。
シンプルですが、「ビジネスは人である」ということに尽きると思っています。同じ品質の商品やサービスであっても、誰から買うかで意思決定は変わります。極端な話、信頼している人からであれば、多少高くても選ばれることはありますよね。
だからこそ、戦略やプロダクトだけでなく、「誰がどう関わるか」が非常に重要だと考えています。
CFOから代表、そしてCOOと役割が変わる中で、ご自身の意識の変化はありましたか。
大きく変わったのは「覚悟」ですね。CFOの時も責任は当然重いのですが、会社の代表になると、会社の意思決定がそのまま社員やその家族の人生に直結するという感覚が強くなります。
例えば、事業撤退や組織再編といった意思決定も現実的に選択肢として存在します。その一つひとつに対して、「自分が背負う」という覚悟が求められる。これは実際に経験して初めて分かる重みでした。
会社の代表としての経験の中で、ご自身の行動が変わったと感じる点はありますか。
ありますね。例えば、メディアに出ることに対する意識は大きく変わりました。もともとあまり好きではなかったのですが、会社を代表する立場として、外部に対して発信することも重要な役割だと認識するようになりました。
発言一つひとつの重みも違いますし、「個人として何を言うか」ではなく、「会社として何を伝えるか」を常に意識するようになりました。
組織を率いる上で、特に重視されていることは何でしょうか。
一番は「共通の目標をつくること」です。組織がバラバラの方向を向いていては、どんなに優秀な人材がいても成果は出ません。
前職の経営に携わった際も、最初に時間をかけたのはビジョンの共有でした。「自分たちはどこを目指すのか」を明確にし、それに向かってすべての施策がつながっている状態をつくることを意識しました。
また、ビジョンだけでなく、具体的なアクションまで落とし込むことも重要です。言葉だけではなく、「何をやるのか」を明確にすることで、初めて組織は動き出します。
組織変革においては、モチベーションの再構築も重要なテーマかと思います。
おっしゃる通りで、特に過去に苦戦してきた組織ほど、モチベーションの再構築は難しいテーマです。「変わらなければいけない」と頭では理解していても、「どう変わればいいのか分からない」という状態にあるケースが多い。
そうした中で重要なのは、変化の方向性を示すだけでなく、「一緒にやっていく」という姿勢を見せることだと思っています。外から来た人間が一方的に変革を押し付けるのではなく、同じ目線で向き合い、信頼関係を築いていくことが不可欠です。
ご自身のキャリア選択においても、「人」の要素は大きかったのでしょうか。
非常に大きいですね。例えば転職の意思決定においても、「誰と働くか」は重要な判断軸でした。戦友とも言えるような存在から声をかけてもらったことが、新しいチャレンジに踏み出すきっかけになったこともあります。
また、メンターの存在も大きかったです。自分のキャリアに悩んだときに相談できる存在がいることは、非常に心強いですし、意思決定の質にも大きく影響します。
最後に、これからの時代を担うビジネスパーソンへのメッセージをお願いします。
伝えたいことはいろいろあります(笑)。
まずお伝えしたいのは、「すべてを最初から完璧に理解しなくても大丈夫」ということです。私自身も、はじめから何でも分かっていたわけではなく、むしろ分からないことの方が多い中で仕事をしてきました。だからこそ、「分からないことがある前提で、どう向き合うか」がとても大事だと思っています。自分の得意な領域だけにとどまらず、少しずつでも他の分野に踏み込んでいく。その積み重ねが、自然とキャリアの幅を広げてくれます。
それと同じくらい大切にしてほしいのが、「人との関係」です。仕事は最終的に人と人とのつながりの中で進んでいくものなので、日々の出会いやご縁を大事にすることが、後々大きな力になっていくと感じています。
そして、「よく働き、よく遊ぶ」というシンプルなバランスも、意外と大切です。しっかり仕事に向き合いながらも、自分の時間や楽しみも大切にすることで、視野や引き出しが広がっていきます。
若くても若くなくても(笑)、ぜひいろいろなことにチャレンジしてみてほしいと思います。大変だなと思うことほど、後から振り返ると自分を成長させてくれた経験になっていることが多いです。私自身も、「やったことがないこと」にあえて挑戦することを大事にしてきました。
キャリアは一直線に進むものではなく、その時々の選択の積み重ねで形づくられていくものです。その一つひとつが、きっと自分の可能性を少しずつ広げてくれると思います。
ありがとうございました

Photo by ikuko
Text&Edit by ISSコンサルティング 安齋陽子


