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『テクノロジーで進化するビジネス』セミナーレポート

社会が大きく変化する時代、いかにビジネスを進化させていくのか。どのような共創(Co-Creation)が、今までにない新しいビジネスを生みだすのか。技術革新は、どんなイノベーションを生みだすのか。セミナーでは、注目の各分野をリードする5企業の登壇者と共に、2つの共創型パネルディスカッションを行いました。

セミナー実施時2019年10月5日の御所属・役職名にて記載させて頂いております。

第1部
テクノロジーで進化するビジネス2020

第1部パネルディスカッション「テクノロジーで進化するビジネス2020」

第1部では、これまで、そして、いま取り組まれているビジネスについて、5名のパネリストの皆様にお話頂きました。ディスカッションのハイライトをご紹介させて頂きます。

INTRODUCTION

《 はじめに:2020年に向けてのビジネス 》

関口まずは本日登壇のパネリストの皆様から、自己紹介として、現在取り組まれているビジネスについてご紹介していただきたいと思います。豊浦さんからお願いいたします。

日本コカ・コーラ株式会社 豊浦 洋祐氏

Coke ON成功のポイントは
「デジタル×フィジカル」

日本コカ・コーラ株式会社

マーケティング本部 IMC iマーケティング 統括部長

豊浦 洋祐

インタビュー
「コカ・コーラのデジタルマーケティング戦略」
2001年P&G Japan入社、デジタルマーケティング・ブランドマーケティングなどを経験。2009年にナイキ・ジャパンへ移り、デジタルマーケティングの責任者を経て、ランニングカテゴリーの広告クリエイティブ、メディア、デジタル全般の消費者コミュニケーション開発を担当。2013年より日本コカ・コーラのiマーケティング統括部長として、オウンドメディア・ソーシャルメディアを含むデジタルマーケティング全般を統括。

私はいま、日本コカ・コーラのiマーケティング統括部長として、デジタルでマーケティングをアップグレードするというミッションを推進しています。日本コカ・コーラは「コカ・コーラ」だけでなく、「ジョージア」、「い・ろ・は・す」、「綾鷹」などの幅広い製品ポートフォリオを持つトータルビバレッジカンパニーです。

私たちのチームの大きな取り組みとして、スマートフォンアプリ「Coke ON」があります。「Coke ON」対応の自動販売機でコカ・コーラ製品を買うとポイントが貯まる、というのがCoke ONの基本的な仕組みです。Coke ONは、2016年4月にリリースして以来、順調にユーザー数を増やしており、2019年10月には1600万ダウンロードを達成しました。ポイントは「デジタル×フィジカル」で、歩くだけでもポイントを得られる「Coke ONウォーク」、カメラでボトルのオリンピック応援マークを読み取ることで聖火ランナーに応募できるキャンペーンなどのサービスを追加し、人気をより高めています。

株式会社セールスフォース・ドットコム 笹 俊文氏

CRMプラットフォームは
活用してこそ意味がある

株式会社セールスフォース・ドットコム

専務執行役員 ジェネラルマネージャー
デジタルマーケティング・ビジネスユニット
兼 クラウドセールス 兼 韓国リージョン

笹 俊文

インタビュー
「Salesforceマーケティング・クラウドの優位性」
1990年プライス・ウォーターハウス入社。JD Edwards(現・日本オラクル)、日本アリバ(現・SAP Ariba)、インフォアジャパンなどを経て、2011年よりセールスフォース・ドットコムに参画。公共・金融業界を担当する営業技術部を統括し、2014年6月よりMarketing Cloud本部を立ち上げ、現在はB2C Digital Marketingのソリューションのみならず、すべての製品営業部を統括。

私は、セールスフォース・ドットコムの日本・韓国の製品営業チームを束ねています。セールスフォース・ドットコムは2019年現在、世界第4位のソフトウェアベンダーで、業界過去最速の成長を実現してきました。私たちの主力製品は、顧客に関するあらゆる情報を扱う統合CRMプラットフォームです。約9年前に入社するまでは、私は主にバックエンドシステムのERPを扱っていました。だからかもしれませんが、現在はフロントエンドシステムのCRMで顧客の成長にコミットする重要性を日々強く感じています。

私たちのCRMプラットフォームの基盤にソフトウェアのバージョンは1つしかありません。ただ基盤の中身、CRMデータは各社違い、分析できること、その後のアクションは違ってきます。CRMプラットフォームを活用してどう次のアクションを創り出していくのか。お客様のことをより深く広く知っていき、そしてOne to One の優れたカスタマージャーニーを実現していただくことが大切になってきます。CRMプラットフォームは活用してこそ意味があります。

PwCコンサルティング合同会社 外村 慶氏

サイバーセキュリティ
=デジタルトラストの時代

PwCコンサルティング合同会社

パートナー

外村 慶

IT業界にてソフトウェア、サービスおよびコンサルティングビジネスに関して25年以上の実務経験を有し、10年以上の情報セキュリティ市場に特化した経歴を持つ。現在は大手顧客へのコンサルティングに加え、パートナー企業とのセキュリティビジネスアライアンスの推進をリードする。大学卒業後、大手外資系コンピューター企業にてキャリアをスタートし、ソフトウェアの開発、販売、役員補佐を歴任。入社以前は、大手外資系セキュリティソフトウェア会社にて日本法人COOとして日本市場におけるセキュリティビジネスの戦略と実行を担当。2017年より現職。

私は、PwCコンサルティングの「デジタルトラスト」チームをマネジメントするパートナーをしています。実は、私たちのチームは、2019年3月までは「サイバーセキュリティ&プライバシー」という名前でした。なぜ改名したかと言えば、私たちはまさに「信頼」を扱っているからです。いまやサイバーセキュリティは、ビジネス上の信頼に大きく関わっています。

たとえば自動車は、今後は車検にソフトウェアチェックが必要になると感じるほど、ITと切り離せない製品となりました。今後、サイバーセキュリティが十分でない自動車はユーザーに信用されなくなるでしょう。自動車だけでなく、あらゆる製品・あらゆる業界で同様の変化が起きています。まさに、サイバーセキュリティ=デジタルトラストの時代がやってきています。

株式会社メルペイ 外村 慶氏

ミッションは「信用を創造して、
なめらかな社会を創る」

株式会社メルペイ

執行役員CBO

山本 真人

インタビュー
「メルペイのキャッシュレス決済戦略」
2004年 東京大学大学院 学際情報学府 修士課程修了。NTTドコモを経て、2008年よりGoogle JapanのEnterprise部門 Head of Partner Salesを務める。2014年にはSquare JapanにてHead of Business Development and Sales、2016年からはApple JapanにてApple Pay 加盟店事業統括責任者を務める。2018年4月より現職。

メルペイは、2019年2月にサービスを立ち上げたばかりのベンチャー企業です。皆さんご存知の通り、2019年には「●●ペイ」が一気に増えました。いま日本には、すでに40種以上のスマートフォン向け決済サービスがあります。そのなかで私たちは、他社との差別化ポイントと協力ポイントを分けて考えながら推進しています。不正対策や加盟店の拡大戦略のような点は、スマホ決済のインフラを作るため、できるだけオープンに他社と協力するようにしています。たとえば、私たちはいま、スマホ決済各社とアライアンスを組んだり、総務省の推進する統一QR「JPQR」普及事業へ参画するなど、連携することで「メルペイ」を使える店舗を増やしています。一方で、ベースにあるサービスとのシナジーは、各社が差別化すべきポイントです。メルペイの場合は、「メルカリとの連携」がそれに当たります。国内流通額が5000億円に迫るほどのビジネス規模を誇るメルカリと連携した独自の決済サービスを推進していきます。メルカリで不用品を売って得たお金をそのまま使えるだけでなく、将来的にはメルペイで買ったものをメルカリで簡単に売れる仕組みづくりを進め、1次流通と2次流通の間を橋渡しする存在になりたいと考えています。

株式会社メルペイ 外村 慶氏

各地域の健康課題に寄り添い
ソリューションを創出する

株式会社フィリップス・ジャパン

ソリューション事業推進部長

川嶋 孝宣

インタビュー
「ヘルステック企業フィリップスの戦略」
帝人株式会社、新日本監査法人、日本IBMにて、化学・ヘルスケア分野を中心に研究・臨床開発・営業・マーケティング・新規事業・コンサルティングを経験したのち、2017年11月より現職。現在、ヘルステック新規事業開発や自治体との健康まちづくりプロジェクトをリード。

フィリップスは、ヘルステック分野の世界的なリーディングカンパニーです。MRI・CTなどの病院向けソリューション、睡眠時無呼吸症候群などを治療する在宅医療向けソリューション、AED、そして電動歯ブラシ「ソニッケアー」や美顔器・電動洗顔ブラシ「ビザピュア」など、健康・予防・診断・治療、そしてホームケアといった私たちが経験する一連のヘルスケアプロセスすべてにソリューションを展開しています。私たちもデジタル、ヘルステックを極めて重視しており、たとえば「ソニッケアー」はガイドブラッシング機能とあわせて日々の歯磨きデータをスマホに記録できるタイプもすでに展開しています。

私のミッションは主に2つで、1つは、フィリップスのグローバルだけに依存せず、日本発のソリューションを創出することを目的に、現在、国立循環器病研究センターや東北大学、名古屋大学などと連携しています。もう1つは、各地域の健康課題に寄り添い、地域課題解決に寄与するソリューションを創出する仕組みをつくり、実際に新しいソリューションを創っていくこと。具体的には、青森市とは「ヘルステックを核とした健康まちづくり連携協定」を締結しプロジェクトを進めています。また、日本初のイノベーションの拠点として、今年5月、仙台市に「Philips Co-Creation Center」を立ち上げました。

PANEL DISCUSSION

《 パネルディスカッション 》

今後は「情報銀行」サービスが普及するだろう

関口今回のセミナーのサブテーマにも挙げている「共創(Co-Creation)」が新しいビジネスを創造するうえでとても重要になってきています。パネリストの皆様方が「共創(Co-Creation)」したら、どんな可能性があるのでしょうか。

川嶋先日家族が、「Coke ONはデザインが良く、歩くだけでポイントがもらえる素晴らしいアプリだ」と絶賛していました。私たちが取り組む自治体とのプロジェクトでも、高齢者の方々が外出し、もっと歩いたり運動したりすることにつながる行動変容が課題の1つとなっているので、ぜひ連携したいと思いました。素晴らしいアイデアですね。

豊浦ありがとうございます。実は私たちもいま、社外連携がホットトピックになりつつあります。なぜなら、私たちの購買データをより有効に使えば、飲食店の食事に合った飲料を提案するといった新サービス・新ビジネスをいろいろと創出できると感じているためです。

そうした企業コラボレーションが増えていますよね。そこで難しいのが、個人情報の扱いです。ユーザーは企業コラボがシームレスであるほど心地よいわけですが、個人情報の受け渡しが難しいために、現状はなかなかシームレスとはいきません。

山本個人情報は広く使ってもらうほど価値が高まりますが、そうするとセキュリティ面で怖い部分があります。その課題を解決するには、個人が自分の個人情報を管理できる場所が必要です。「情報銀行」ですね。今後5〜10年で、情報銀行サービスが普及するのではと感じています。

外村そのとき、1つの情報銀行で一元管理するのは、監視社会・管理社会につながる怖さがあります。会社用のID、趣味用のIDなど、いくつかのIDがあったほうがよいと思います。ところで、この話と関係すると思うのですが、メルペイさんの「信用を創造して、なめらかな社会を創る」というミッションが気になっています。「なめらかになる」というのは「成長する」「進化する」ということですよね。ここをもう少し詳しく教えて下さい。

山本なめらかな社会は、メルカリの社外取締役だった鈴木健さん(スマートニュース株式会社代表取締役会長)の著書『なめらかな社会とその敵』(勁草書房)の言葉で、ごく簡単に言うと、「『持っている人だけができて、持っていない人はできない』、というゼロイチ状態が少ない社会」という意味です。金融でいうと、「お金をもっている人はできる、持っていない人はできない」が、なめらかではない状態です。メルカリはモノからお金を生み出す仕組みをつくりましたがで、メルペイはお金がいま手元になくても、なにかが実現できるような社会をつくり、なめらかな社会を実現していきたいと思っています。

関口会場の皆さんからの質問にも答えていきたいと思います。

中小企業は総じて、サイバーセキュリティへの関心があまり高くない印象があります。
どうしたら関心を高められると思いますか?

外村サイバーセキュリティをコストと考えず、品質と捉えることが重要です。サイバーセキュリティに注力することが、自社製品のブランド価値を高めることに繋がるとお伝えしたら、多くの企業が興味を示していただけるはずです。

山本私たちにとってセキュリティは欠かせませんが、1社だけで、万全なセキュリティ対策を行うのは簡単ではありません。そこで2019年9月から、私たちはPayPayさん、LINE Payさんと不正利用対策で連携を始めました。セキュリティインフラは、こうやって業界内で協力して高めていく必要があると考えています。

私たちにとっても、セキュリティは屋台骨です。私の見方では、セキュリティ上の問題の多くは人的ミスで起こっています。セールスフォースでは、全社員が四半期に一度、セキュリティテストを受けているのですが、こうした取り組みなどによって、社内にセキュリティを重視する文化を根づかせることが大事でしょう。文化の醸成は、規模が小さい分、むしろ中小企業のほうがやりやすいはずです。

デジタルで解決するニーズ・課題を捉えるために
どのようなことをしていますか?

川嶋自治体との取り組みの中では、地域にどのような健康課題やアンメットニーズがあるのかということを可視化するために、自治体各部署を横断的に集め、デザインシンキングを取り入れたワークショップを提案しています。実際にワークショップを行うと、住民の立場でニーズや課題を認識し、自分の言葉で話してくださる。様々なステークホルダーと一緒になって地域健康課題の解決を進めていくには、このプロセスが重要だと感じています。このプロセスがあることで、その後の事業推進もとてもスムーズになります。

セールスフォースでも、「カスタマージャーニーワークショップ」をよく開催します。お客様企業の中でユーザーと接点のあるすべての部署の方に集まっていただき、ユーザーにどのようなカスタマージャーニーを用意するのがよいのか、一緒になって考えていただくんです。そうすると、CRMプラットフォームの活用が一気に進むことが多いですね。

豊浦徹底的な消費者の理解は本当に大切だと思います。「Coke ON」に関していえば、データを見ていると、使わなくなった方の人数も認識できるわけですね。そこで使わなくなった方をお呼びしたインタビューを実施したことがあります。そこから得たインサイトは目からうろこでした。そのインサイトをもとに新サービスを生み出しました。 また課題の捉え方ですが、解決したい課題の解決策を試行錯誤することが大切だと思っています。アプリを活用したロイヤリティプログラム「Coke ON」は、利益率の高い販売チャネル“自動販売機”の売上低迷の解決策を模索している中で生まれました。その後も新たな課題、たとえば、アプリ認知をどう高めるのか、アプリのアクティブユーザーをどう増やすのかといった課題がうまれるわけですが、広告配信の改善、新たなサービス「Coke ONウォーク」を考案するなど、その都度試行錯誤しながら進めてきました。

関口皆様、ありがとうございました。第1部パネルディスカッションはこちらで終了とさせて頂きます。

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