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ISSコンサルティング主催セミナー
『第2回 ブランドからみえるマーケティング戦略』セミナーレポート

ユニリーバ・ジャパン

MHD モエヘネシーディアジオ 株式会社

ジョンソン・エンド・ジョンソン 株式会社

第2部 パネルディスカッション

第2部ではISSコンサルティング 代表取締役社長 関口 真由美がファシリテーターとなり、第1部講演に関してのそれぞれのご意見をお伺いしたり、ブランドについて、キャリアについてディスカッションを展開しました。

関口:
第2部では、先程のプレゼンテーションを踏まえ、皆さまの考えをさらに深くお聞きしたいと思います。まず、東海林さんのプレゼンテーションについてご感想をお聞かせください。
中川:
今回のADのキャンペーンでは、従来のブランドイメージを大胆に変えられていて驚きました。日用雑貨は生活必需品ですが、嗜好品はお酒を飲まない人もいますし飲む量もマネージできるので、そのあたりはどうされているのか興味があります。
東海林:
今日、帰りがけにドラッグストアに寄っておふたりの会社の商品を買われる方がいる可能性は高いですが、シャンパンは買って帰ろうと思ってもらえるまでに時間がかかるんですね。モエの愛飲者の平均年齢38歳の人たちへのアプローチも5年くらいかけていますし、今後、若い人たちにも継続的にコミュニケーションし続け、ブランド体験を日常に落としてもらうためにオケージョンを増やさなければいけないというのがあります。
シーチャウ:
若い人があまりお酒を飲まなくなったこともあり、どのようにオケージョンを作っていくかは本当に大事だと思います。OTC(一般用医薬品)ブランドには胃薬がありますが、お酒の消費量が減ると胃薬の売り上げも下がりますから(笑)、いろんなカテゴリーの共通の課題ですね。
関口:
続いて、中川さんのプレゼンテーションはいかがでしたか?
シーチャウ:
日用雑貨は地味なものが多いなか、消費者のインサイトを掘り起こしてブランディングに繋げているのが印象的でした。ユニリーバさんのようにブランディングに対して意識を高くもち、コミュニケーションし続けているのは素晴らしいですね。
東海林:
「Brand Purpose」において、そのブランドがあることで生活がどう変わるかを意識されているとのことですが、私たちのブランドも同じで、やはりコミュニケーションすることが重要だと改めて思いました。
関口:
では、シーチャウさんのプレゼンテーションについてのご感想をお願いします。
東海林:
カテゴリーチャレンジをどう広げていくかについては、私たちも同じミッションを抱えているのでとても参考になりました。モエの場合は、お店の方にも理解していただきながらブランド体験を提案するのがカテゴリーに繋がると思っています。
シーチャウ:
実は今回、リステリンのキャンペーンを展開したタイミングで競合も伸びているんです。競合のシェアが下がることもなく、カテゴリー全体が成長しているのを実感しています。今後、日本も人口が減るという状況ではあるのですが、まだまだ伸ばせると思っています。
関口:
購買に繋げるために、どのような工夫をされていらっしゃいますか?
シーチャウ:
ブランドのステージによっても違うと思います。リステリンのように効果が立証されているブランドに関しては売り上げに繋げやすいですが、イメージが先行するブランドは何をしたら購買につながるか難しいところがありますね。リステリンの場合はやはり歯医者さんが大事で、プロフェッショナルに対してマーケティングをするチームがあります。
東海林:
モエの場合、例えばお店のディスプレイなどで想起させたり、「最初の乾杯はシャンパンにされますか?」とモエを勧めてもらえるよう、グラス1杯から飲めるコミュニケーションをしたりといったことをやっています。
中川:
年初の予算づくりをする時に短期の売り上げを期待しないでブランディングに使い、残った分で利益を出していく方法がよかったです。ロイヤリティやブランドで選ぶようになっていけば理論上はコミュニケーション効率がよくなっていくはずですが、なかなか数値化できないので切り分けるしかないというのが正直なところです。

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ブランドを強くするためには捨てることも大事

関口:
会場の皆さんに「あなたが考えるブランドの強さを教えてください」というアンケートをとったところ、多い順に「信頼感」「イメージ」「ストーリー」、あとは「歴史」「戦略」「価格」「価値」「認知度」「継続性」などが出ましたが、いかがですか?
中川:
面白いなと思ったのは「イメージ」のところで「記号」という表現があったことです。よくブランドって大層なもののように語られますが、実はブランド自体にそれほど意味はなく、究極的にはただの記号でしかない。そこにどう価値を付与させていくかに尽きると思っています。そういう意味では、どこまで広くブランドイメージに影響を与えるかは、マーケティングをする人によって変わってくるところでしょう。100人いて全員が好きなブランドなんておそらくないでしょうし、嫌いな人がいるブランドじゃないと好きな人もいないと思います。
シーチャウ:
それはまさに共感するところで、戦略性って「何を選ぶか」より「何を捨てるか」だと思っています。あるブランドが嫌いな人がいることで、好きな人の「なぜそれが好きなのか」がはっきりしてきます。リステリンなどキャラが明確な方が、ビジネスの結果に繋がるケースが多いですね。ただ、アンケートの結果を見て思ったのは、限られたリソースで期待されていることを回していくのは自分の日々の仕事だということです(笑)。
東海林:
ひとつだけ取り上げても難しいものがありますし、いくつかのミクスチャーのような気がします。それを時代に合ったものにどう仕掛けていくかはマーケティングの醍醐味でもありますね。シャンパンも認知度が上がらないと選んでもらえないので、いかに付加価値をつけるかが大事です。ですから、チャンネルやカテゴリーによっては売り場を捨てる、そこに来ている人たちを捨てる。そういう捨て方を私たちはやっています。
関口:
「人」という部分についてはいかがでしょう。
中川:
先程、講演でお話した「Put People First」は個人的にすごいと思っています。やはり仕事なので、キャンペーンにしても何にしても普通の人間としてどう見えるかを日々意識しながらやるのは大変です。あくまで消費者を観察している場だという見方を忘れるとリスキーだと思いますね。
東海林:
私たちはモエを飲んでもらいたい層に向けてコミュニケーションし、ブランドづくりをしていますが、飲んでもらうために「どうするのか」ではなく、「どういう人たちにこちらに来てもらうか」がラグジュアリーマーケティングをする上では重要です。
シーチャウ:
FMCGはやりすぎてしまう部分もあって、消費者リサーチのコンクルージョンが最終的にコミュニケーションをダメにすることもあるので、そのバランスが難しいですね。
関口:
デジタルのマーケティングについてはどう捉えていらっしゃいますか?
東海林:
私たちの世代ですらテレビや雑誌離れが増えているので、やはりデジタルを駆使しないとプラットフォームとしてうまくいかないですね。モエには「MOET.JP」というオウンドメディアがあるので、それを活用しています。
中川:
数年前まではテレビ偏重でしたが、今は媒体が先に決まり、次にコンテンツを考えるという順番になっています。最近はスマホをいじりながらテレビを観る方も多いので、両方観ている前提でのメディアプランニングをベースにしています。
シーチャウ:
今まではCMに95%投資していたのですが、去年メディアミックスを変えました。デジタルはテレビのように勝ちパターンがまだはっきりしていませんが、デジタルだからこそこだわらなければいけないところがあるので、これからいろいろな企業がインプルーブしていくと期待しています。

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やりたいことを楽しむことがキャリアに繋がる

関口:
最後になりますが、今のポジションに至るまでにお仕事をする上で大切にされてきたことは何でしょう。
中川:
昔は「何年までにこれをやる」などと夢を描いていましが、今はあまりそういうことを考えなくなって、やっていて楽しいことをやり、刺激を受ける人と仕事をしながら、目の前のことを一生懸命やるという感じです。私の場合は、それが結果としてキャリアにも繋がりました。意外にやりたいことをオーセンティックにやっていれば、帳尻が合うのが人生だなと最近は感じています。
東海林:
私は衣食住に関するマーケティングをやりたいという漠然とした思いでドールに入社したのですが、最終的に自分の好きなブランドで働きたいと思うようになりました。そうすると、どうやってビジネスを拡大していこうかといったことを日常で自然に考えているんですね。それが自分の仕事に繋がっています。
シーチャウ:
私もみなさんと似ていて、日々仕事のなかで楽しむことを大切にしています。私にとって何が楽しいかというと、とにかくブランドの売り上げを2倍にしたいという気持ちがすごく強いんです。ビジネスの数字をどう伸ばしていくかは個人的な趣味でもありますね。

―Q&A―

Q:
皆さまから見た本社とローカルの役割をお話いただければと思います。
東海林:
メゾンが打ち出しているものをいかにローカライズするかというのが私たちの役割です。日本のマーケットは特殊なので、いかにビジネスとして維持していくかというのをメゾンにコミュニケーションしています。また、認知度のリサーチはグローバルでやっていますが、私たちも足繁く出かけてマーケット情報を掴むようにし、メゾンと共有するようにしています。
中川:
どのマーケットでもどのカテゴリーでも絶対にある勝ちパターンを、要因を含めて本社に説明するのがローカルの役割だと思っています。それと、相手の意図を理解することです。相手を説得しようと思ってリサーチするとだいたい見透かされますし、相手は納得しないでしょう。
シーチャウ:
弊社はグローバルで共通のコンセプトに基づくCMを作り、それを幾つかの国で共有して流そうということになっています。基本的にリステリンやバンドエイドのように、日本のビジネスが大きいものは、日本で作ることを合意しています。ですから、お互いの理解が何よりも大事で、日本風にしすぎると他の国で使えなくなってしまうので、相手の立場に立って違いをコミュニケーションしています。
Q:
マーケティング以外に特に重視されていることはありますか?
シーチャウ:
やはり一番は人なので、チームのモチベーションを重視しています。実は今年、やりたいプロジェクトをやろうと一部のバジェットをコンピレーションにしたところ、クオリティの高いものが出来ました。こういった変化がきっかけで、自分のポテンシャルにも気づいていくのではないでしょうか。
中川:
環境づくりとモデライズです。私は環境が良くないとビジネスは絶対に伸びないと思っています。職場はもちろん、プロセスという意味での環境もそうですね。モデライズは「その人だからこそできる」という部分を個人に頼らず、できるだけ仕組み化してくということです。
東海林:
私のチームは8〜9人ですが、なるべくコミュニケーションの場を作るようにしています。中川さんもおっしゃるようにチームの環境が良くないとプロアクティブに意見も出てこないので、皆が前向きになれる環境づくりを心掛けていますね。
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