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ISSコンサルティング主催セミナー
『第2回 ブランドからみえるマーケティング戦略』セミナーレポート

ユニリーバ・ジャパン

MHD モエヘネシーディアジオ 株式会社

ジョンソン・エンド・ジョンソン 株式会社

2016年4月16日(土)にユニリーバ・ジャパン、MHD モエヘネシーディアジオ、ジョンソン・エンド・ジョンソンのマーケティングキーパーソンをお招きして、第2回となるマーケティングセミナーを開催いたしました。
「ブランドからみえるマーケティング戦略」のインタビューシリーズを元に企画・開催された本セミナーは、特に各業界でトップを誇るブランドを擁する企業の方にご登壇いただいています。マーケティングの方のみならず、経営企画、事業企画、コンサルティングなどに携わる様々な方にご参加を頂き、好評をいただいています。本レポートはサマリーとなりますが、十分に当日の内容が伝わるものとなっています。今後のキャリア構築にお役立てください。

第1部 講演
ヒット商品を生み出すマーケッターが考える「ブランド」とは何か

ヘアケア、シャンパン、マウスケア、それぞれの業界でトップブランドを多数持つ3社のマーケティングキーパーソンをお迎えし、各社の「ブランドの強み」についてご講演いただきました。

中川 晋太郎 氏

ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社
マーケティング ダイレクター
ヘア・メール グルーミング

消費者ではなく人として捉えたマーケティングを

中川 晋太郎 氏

新卒でP&Gのマーケティングを6年ほど勤めた後、焼肉チェーンを展開しているレインズインターナショナルの再生支援をマーケティングの側面から約2年やらせていただき、2009年にユニリーバに転職しました。2014年からは「LUX」や「Dove」といったヘアケアのブランドと、「AXE」など男性用化粧品のカテゴリーのダイレクターをさせていただいております。

弊社ではグローバルに共通のマーケティングを活用しており、「Crafting Brands for Life」つまり「人生に欠かすことのできないブランドを作る」ことを掲げています。大きな柱として「Put People First」「Build Brand Love」「Unlock the Magic」の3つのフレームワークがありますが、本日は最初の2つについてご説明させていただきます。

「Put People First」は誰をターゲットにしてプランニングするかということですが、特徴的なのが「People」という言葉です。とくにFMCG業界では「People」ではなく「Consumer=消費者」としてマーケティングを設定していることが多いと思います。確かに消費者の視点やニーズを理解するのは大事ですが、私たちは消費者としてではなく「人」として生活しており、特定のカテゴリーの「消費者」としての側面があるというだけです。つまり、消費者ではなく人として捉えることで見えてくるニーズやインサイトがあると言えるのではないか。それを理解した上で、我々が伝えたいメッセージを届けるためにはどうすればいいかを考えています。「Build Brand Love」は愛されるブランドを作るということで、「このブランドだから買った」と言われるのが究極の夢です。そのために大事なのがブランドの存在意義である「Brand Purpose」で、「世の中にあることで人の生活や価値観がどう変わるか、明確に定義づけられていることが愛されるブランドである」という考え方に基づいています。

中川 晋太郎 氏

このフレームワークをどう活かしているかというと、例えば2014年4月に発売した頭皮ケアのブランド「CLEAR」には男女両方のラインがあります。男女それぞれのマーケティング戦略を展開していますが、女性向けのブランドが多い業界のため、男性用に対する知見が相対的に限られていました。その結果、発売から数ヶ月後に新規のトライアルが伸び悩み始めた。そこで、「Put People First」を改めて見直し、消費者としてではなく人として捉えたところ、男性特有の強いこだわりやファン心理をブランド愛に繋げる活動ができないかという話になりました。一般的に男性はスポーツ観戦が好きですから、野球なら各球団の特徴を捉えた形での広告展開を意識するといったことをやっています。

以上、手前味噌かもしれませんが、この3つの切り口はマーケティングでも営業でも人とコミュニケーションをとる限りは使えるものだと思いますので、何かしらお役に立てれば幸いです。

東海林 ミカ 氏

MHD モエ ヘネシー ディアジオ株式会社
マーケティングマネジャー

ミレニアルズに向けたコミュニケーションで蘇りを図る

東海林 ミカ氏

私はオレゴン大学を卒業後、食品企業、広告代理店を経て、2012年からMHD モエ ヘネシー ディアジオで働いています。「ヴーヴ・クリコ」を3年半、「ルイナール」をその3年半の最初の1年ヴーヴ・クリコとともに担当し、昨年9月に「モエ・エ・シャンドン(以下モエ)」のマーケティングマネジャーに着任しました。MHDは1859年にジャーディン・マセソンという会社でスタートし、1988年に今のモエ ヘネシーというブランドとディアジオ社と3社の合弁会社になりました。私も聞いて驚いたのですが、日本で最初の外資系企業だということです。その後、2009年にヴーヴ・クリコジャパンが入ったのを機に、シャンパンのバブルビジネスを主流にビジネスをしています。

シャンパンのマーケットがどのように日本で展開されているか少しお話できればと思います。シャンパンはここ数年、毎年昨対約+15%の伸び率を誇っています。シャンパンというのはカテゴリーとディフィニションが決まっていて、シャンパーニュ地方で採れた3種類のブドウを使い、瓶内二次発酵という醸造法で作ったものしか「シャンパン」とは呼べません。ブランドも多く、ドン ペリニヨンやクリュッグなど高価格帯の「ウルトラプレミアムカテゴリー」と、モエやヴーヴ・クリコ、ルイナールといったクラスの価格帯「スーパープレミアムカテゴリー」に分けられます。この両カテゴリーにおいてMHDのブランドが60〜70%を占め、日本ではモエ、ヴーヴ・クリコ、ドン ペリニヨンがトップ3です。なかでもモエは1秒に1本開けられているモンスターブランドで、昨年18%伸びたスーパープレミアムカテゴリーのなかでも50%以上を占めるボリュームです。

そのモエですが、1743年に創業されたシャンパンブランドで、270年以上続く歴史あるメゾンです。ブランドには「SUCCESS」「GLAMOUR」「GRANDEUR」「GENEROSITY」の4つのDNAがあり、マーケティングの手法をとる時もこのDNAに立ち返って全てのアクティベーションを行っています。現在はイベントやお祝い事の場だけでなく、幅広いオケージョンでモエを飲んでいただく「モエモーメント」を作るキャンペーンを行っています。モエをご愛飲いただいているお客様の平均年齢は38歳ですが、今年から2000年以降に成人を迎えた「ミレニアルズ」という世代をターゲットに追加し、広告やイベント、メディアのエクスポージャーに加えてデジタルのコミュニケーションも増やしています。

東海林 ミカ氏

私はもともとシャンパンが好きでしたが、入社してますます好きになり、今はとても誇らしく思っています。歴史あるブランドであるがゆえに難しいところもあるのですが、キャンペーンを変え、皆さんに良い意味での違和感を与えることによってブランドとして蘇りを測っています。今後もビジネスをさらに拡大して、ライフスタイルのなかに入っていけるブランドになれるよう努力していきたいと思います。

リュウ・ シーチャウ 氏

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
コンシューマー カンパニー
マーケティング本部 本部長

ブランドチャレンジはマウスウォッシュのカテゴリーを伸ばすこと

リュウ シーチャウ氏

新卒でP&Gに入社し、レキットベンキーザー・ジャパンを経て、昨年6月にジョンソン・エンド・ジョンソン コンシューマー カンパニーに移りました。現在、バンドエイド、リステリン、ニュートロジーナのほか、ニコレットなどのOTC(一般用医薬品)ブランドにも携わっております。当社は昨年イノベーションを起こし、日本に対してグローバルが投資を強化することで大幅な成長を実現しました。そのひとつの事例として「リステリン」が今どういったキャンペーンを展開しているか、ブランドをどのように伸ばしているのかをご紹介させてください。

リステリンはもともと手術用の消毒液として開発され、その後、世界初のマウスウォッシュとして発売しました。アルコールによる独特の刺激と殺菌効果が非常に高く、世界で圧倒的シェアを誇るパワーのあるブランドです。私たちは毎日歯ブラシで歯磨きをしても、表面積で捉えると、実は口の中の25%しか磨いていません。あとの75%は放置しているんですね。ですから、マウスウォッシュは口内の健康を維持するのに必要なものです。それにも関わらず、日本人の25%、4人に1人しかマウスウォッシュを使っていません。購入している方でも年間2.5本、3日に1回の使用頻度です。このことから、私たちにとってのブランドチャレンジは、リステリンという以前にマウスウォッシュというカテゴリーを伸ばすことにあります。

今までリステリンのCMでは「バイオフィルム」や「歯肉炎」といった言葉が使われていたのですが、それだとどうしても使用者が限定されてしまい、カテゴリー全体を伸ばすためにはコミュニケーションを変えなければいけませんでした。それまではブランドの機能価値を中心に啓発し、テレビをメインに投資をしていましたが、現在のストラテジーはオーラルケアそのものに注力し、カテゴリー全体の価値を啓発して、テレビ以外でも消費者とのエンゲージメントを高めていくことです。具体的には歯医者さんでリステリンを勧めもらうという努力とPR、この2つの領域を強化しています。

リュウ シーチャウ氏

実は、私たちがグローバルで実施した調査から、リステリンを使っている人は、使っていない人に比べて大胆であることがわかりました。それを今回のキャンペーンアイデアとし、これまで90%がテレビだったマーケティングミックスもガラリと変え、Twitterなどでもキャンペーンを展開したところ、スタートして10日後には、なんとビジネスが約10%近く伸びました。Twitterには5日間で2200リツイートがあり、「#リステリンで大胆になれるか」というハッシュタグで多くの消費者に遊んでいただきました。このキャンペーンをきっかけに、バイオフィルムや歯肉炎など、リステリンの機能に対しては興味のなかった方にも、リステリンやマウスウォッシュに関心を持っていただけるようになったと思います。

第2部 パネルディスカッションはこちら
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