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ISSコンサルティング主催キャリアセミナー
『グローバルで活躍するビジネスリーダーとは』セミナーレポート

講演&パネリスト
日時:2013年11月16日(土) 10:30〜13:00
会場:東京 丸の内

■株式会社QVCジャパン
人事総務部門 リクルーティング ディレクター 鈴木 雅則氏

■タイコエレクトロニクスジャパン合同会社
電力製品本部 本部長 安田 真一氏

■ユニリーバ・ジャパン・カスタマーマーケティング株式会社
取締役 副社長 兼 リフレッシュメント担当 マーケティング本部長 音部 大輔氏

グローバルで活躍できるビジネスリーダー

第2部 パネルディスカッション

関口:

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第一部では3人の方々にビジネスリーダーの要素を3点にまとめて語っていただきましたがみなさんいかがでしたか。
鈴木:
お二人のお話しから、それぞれに自分なりの言葉をお持ちだな、と感じました。本から学ぶ理論だけではなく実体験に基づいていますから納得できます。それにまるで人事のリーダーのお話しを聞いているようでした。人事部長でもやっていける方たちだな、と(笑)
音部:
みなさんそれぞれ専門性や経験などによって表現方法は違いますが、文字にすればそう違いはないのだろうと思います。考えをどのように立体感を持たせるか、が異なるのかもしれませんね。概念化しすぎるとわかりにくくなるんじゃないかな。
関口:
それぞれのお話しで示されたポイントを何か具体例やエピソードなどをお聞かせいただけますか。
音部:
私が挙げたリーダーシップの構成要素一つ目の「自分のせいにする」ですが、これは実体験から来ています。私がP&Gでブランド・マネージャーになる直前、6か月くらいでやらなければならない大型プロジェクトで困ったことが起きた時に上司に相談に行ったのですが、上司からは”It’s your fault!”と言われたことがあります。「君が困っているのならば、それは君の問題だ。自分で解決してこい」と。最初はなんとも理不尽にも感じましたが、たしかによく考えると失敗をコントロールできなければ、成功もコントロールできないのだろうと思いましたね。結果的には、自分が困るのは自分の問題なのだから、自分で解決しちゃっていいんだ、と勇気づけられました。
安田:
私も音部さんと似た経験があります。若い頃あるプロジェクトがうまく進まずデリバリーが遅れそうな事態になって上司に相談したら「それを考えるのが君の仕事だろ!」と言われて。それ以来、解決策は自分で考えるようになりました。また、上司も1つのリソースだと思うようになりましたね。上司をどう動かすのかを考えることも必要なのだと。
鈴木:
GE時代には上司にいくつかのオプションを示して決定を上に仰ぐことが多かったのですがGoogleではよくコンセンサス・ベースで意思決定することが求められました。その時、上司からは意思決定は自分で下さなければならないと何度か言われました。そのお陰で、リーダーシップは意思決定であると本当の意味で気付くことができました。

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関口:
リーダーシップの面でGEは強力だと言われますが、実際に働かれてみていかがですか?
鈴木:
第一部の音部さんのお話にもありましたが、人を育てる、組織を育てるなどという感覚はGE的かもしれません。タレントマネジメント(=組織に必要な人材を必要な時に供給する方法)の世界ではメイク(make)型とバイ(buy)型があると言われています。メイク型は組織内で人材を育てるタイプで外資系企業のP&G, IBM, GEなどは皆、資源を重点的に投入してこれを社内で行います。これらの外資系企業が人材輩出企業として知られているのは偶然ではないと思います。一方バイ型は外部から人材を採用することに力を入れます。
安田:
GEに入った時、一枚の紙を渡されましたが、そこにはジャック・ウェルチの言葉として「マネージャーになるな!リーダーになれ!」と書かれていました。GEというのは凄い会社ですし、ツールもリソースもある。崇高な理念もそれを具現化するリーダーシップも大勢います。しかしそこにレバレッジを効かせて自分のものにできるかどうか、は個人の問題だと思います。GEと聞くと人は「おお!」と驚きますが、私はGEブランドに惑わされずに自分の力をつけることが重要だと思いますね。どの会社でも必要なエッセンスは共通だと思います。どこの企業に限らず自分で痛い目を見たりして経験しないとわからないんだと思いますよね。
音部:
企業によって文化的側面は様々だと思います。いいアイディアを思いついたらなんでも「やっちゃっていい」「言わなきゃ駄目だ」と思います。いいアイディアとは誰のものか、というとそれは個人の資産ではなく会社の資産です。それはペイされている時間に、会社の仕事に関連して浮かんだアイディアだからです。そう考えてどんどん発言すべきです。
安田:
日本人は言わない傾向が強いですね。しかしグローバル企業の会議などでは、とんでもない意見を言う人もいるし、非常に鋭い発言も出てくる。多様化された考え方を許容できるコーポレート・カルチャーのある企業がいいと思います。
鈴木:
つまらないアイディアなどはないのだと思います。どんなアイディアでもそこから考えが膨らみます。何しろ発言することです。1つの会議で3回は発言する、と決めて実行するとか。そうすると会議で名前を憶えてもらえる。偉い人が集まる会議で、質問するなり意見を述べると、少なくともその場面ではその人たちと対等の立場にたてるとどこかで聞いたことがあります。懐に飛び込むつもりで発言してみることがグローバルリーダーになるには必要です。
音部:
とは言っても実際は意見を述べにくいですよね。会議では1つは質問する、とか3回は発言する、などいう事を自分にミッションとして課すことが重要です。できれば…では駄目です。例えば、大きなプレゼンテーションなどでは自分の質問を考えながら人の話を聞くといいです。質問は?と聞かれたら真っ先に手を上げられます。真っ先に質問した人物は一同に印象づけられるでしょう。たとえ、その内容がたいしたことがなくても。最初に質問した人物、積極的な人という印象だけは残る。少なくとも、根性があるようには見える(笑)。しかもできれば会議の主題に関して2つは質問できるように考えておくのが重要です。同じようなことを考えている人は絶対いますから、質問被りを回避するためです。
安田:
英語での会話の躊躇もあって、つまらない質問かもしれないなどと思って言い訳していたら上司から、poorな質問やsillyな質問なんてない、と言われました。どんな質問でも誰かの思考に影響を与えるんですよ。恐れずにとにかく質問する、発言することからコミュニケーションははじまります。

それぞれの立場〜HR, エンジニア、マーケッターとしてのリーダーシップとは

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関口:
今日は職種の違う3人の方に来ていただいています。HR, エンジニア、マーケターそれぞれの立場でリーダーシップとはどのようなものかお話しいただけますか。最初は安田さん、いかがですか。
安田:
エンジニアの場合、比較的チームワークの仕事やルーティンワークが多いのでリーダーシップは発揮されにくいかもしれませんね。しかしコスト、納期、クオリティなどを守る、そしてこの組織で何ができるのか、先を読むなどの点ではリーダーシップが発揮できると思います。それは誤りを未然に防いだり、作業の効率を上げたりする上で役立ち、評価されます。それとエンジニア系のアドバンテージとしてロジックを大切にして話す習慣があるかもしれません。エンジニアになる人は大学などの時点からロジックに則って考え、発言するトレーニングを受けています。エンジニアをいう職種は、それ自体ロジックが求められる仕事ですから。
音部:
一般にグローバルな企業はロジカルで日本の企業はロジカルではない、と言われがちです。日本企業では多くの人がネイティブの日本語を話すので意志疎通もしやすい。しかしグローバルな企業で働く人々の共通語は英語ですが、みんながネイティブというわけではありません。そういう企業ではある意味ではロジックに依存しないと意思の疎通がうまく図れないという面があります。再現性を保つためのツールの一つとしてロジックは重要なんですね。
鈴木:
もちろんロジックも重要ですが、これも自己認識に繋がることですが、グローバルな企業では日本の状況を説明しなければならない局面も多いですし、ネタ、面白い話を準備しておくことも重要です。つまり人との関係性の構築にはそういう部分が見落とせないと思います。ロジック半分、感情的なつながりが半分です。Google時代は上司がインドにいるインド人、部下は韓国にいる韓国人などというケースもありました。Googleはリモートで意思伝達できる会議システム、情報共有のシステムなどのウェブ・テクノロジーがかなり整備されていましたが、それでも四半期ごとに顔を合わせる機会を作って気持ちが通じ合うようにしなければなりませんでしたから、感情的なつながりも大事でしたね。
安田:
そうですね、ロジックはスキルの1つですがそれに頼り切ってしまうのではなく、人間としての関係構築が重要です。たとえば外国の来客を受け入れる場合に、大事なのはその相手のことをよく知ること、十分に気を遣う事です。相手がベジタリアンであったりすることもあるし。僕はそういう場合、会議のアジェンダを作ったりするのと同等の時間をそういう接待やパーソナルな事柄の準備に充てます。若い頃、アメリカからの来客を迎える準備で、すき焼きを食べてもらおうとして上司に相談したところ“すき焼き”はいいが”生卵“は食べられないだろう、と言われたことがありました。やり手の上司でしたが、リーダーとしてそこまで考えているのだと印象に残る出来事でした。
関口:
では音部さん、マーケッターとしてはいかがですか
音部:
一度、会議で決まったことが変わってしまう、という事ってありますよね。いつまでも部下のマインド・セットから抜け出せない人っているものです。上司のマインド・セットを持たなければなりません。つまり決定したことを簡単に変えない、ということです。部下のマインド・セットのままだと、上の意向につられて意思決定を覆したくなってしまいます。意思決定といえば、ブランド・マネージャーになった時、上司から受けた薫陶があります。3つのオプションを持ってミーティング・ルームに入り、部屋を出る時にオプションが2つになっていればまあ合格、1つに絞れていれば非常に良い。オプションが3つだったら仕事をしたことにならない。もしも増えていたりしたら、それは無能の証だ、と。リーダーとしてちゃんと意思決定をしろという事ですね。
鈴木:
今の例はオプションを削ってゆくという発想ですね。逆にマーケッターとしてオプションを広げる場合の上司の役割は何でしょうか。
音部:
何を達成したいのか明確にする、という点が重要だと思います。たとえば東京から大阪に移動するという目的に対して、バスなのか新幹線なのか飛行機なのか、さらに飛行機の場合、どこの空港を使うのか、などオプションがありえます。これらのオプションは何を達成したいかによって生まれてくるし、選択されるものでしょう。安くしたいのならばバスだし、時間を守りたいのなら新幹線です。マーケティングにおいても様々な要因による変数が増えることもあるしオプションは増えますが、それは達成したい目的次第です。
鈴木:
上の立場になればなる程、いろいろなオプションを見極めて選択する力が求められますね。マーケッターとして初期にはできなくとも次第にそうしたオプションの複雑性に耐えられるようになっていう事でしょうか。
音部:
経験を積むと目標をどこに定めれば効率がよさそうか、早く見つけられるようになります。それはアクションしやすいように解釈し直す、という事かもしれません。たとえば商品のシェアを2%引き上げることを到達点とします。その場合、新たなユーザーを増やす、ユーザーの利用頻度を高める、価格を上げる、新たな商品を追加する、などのいろいろなオプションが考えられる中で、どれがもっとも有効な方法なのかについて考え、行動しやすいように解釈し直す能力がついていくのでしょう。
安田:
そういった部分はマニュファクチュアリングでも同じです。シナリオの選択ですね。いくつかのシナリオを準備してマネージャーに持ち込み、そこでマネージャーは少し高い次元で情報や経験、人脈や社外とのつながりなども含めて決断する、つまり力量が求められるわけです。
関口:
最後に鈴木さん、人事の点からリーダーシップについていかがですか。
鈴木:
人事という仕事は基本的にサポート・ファンクションです。ちょうど家庭の役割分担で言えば、父親は基本的にビジネスリーダーで「こういうことをやりたい」とはっきりとしたビジョンを持ちビジネスをドライブしていく役割。母親は人事の役割で、その提案を勘案したり、子供(社員)の意見を伝えて必要であれば父親の暴走を止めたり(笑)、会話の機会を持って、みんなで一緒にやろうと促したり、そういった面でのリーダーシップが必要になってきますね。
安田:
HRの力がないと組織の運営は難しいと思います。プロフェッショナルなHRがプロモーションのタイミングやサラリーの問題など適切な指導を受けないと組織は動かないと思います。HRのサポートは非常に重要だと感じます。

グローバルで活躍できるリーダーに必要なリーダーシップの構成要素とは

関口:

グラフ

会場の皆さまからも、グローバルに活躍できる必要なリーダーシップの構成要素についてご意見をいただきました。その中に出てきた「ビジョン」「エンパワーメント」について、もう少し話を深めたいと思います。まずは「ビジョン」について、いかがでしょうか。会場の皆様の中で、「ビジョン」とお答えになった方、どうして「ビジョン」が必要だと考えられましたか?
会場:
会社のビジョンがころころ変わるので、結果として支離滅裂になったり、戦略がまとまらない状況があります。ですから、リーダーシップには明確なビジョンが必要だと感じました。
鈴木:
もしかしたら「ビジョン」と「目標」がごっちゃになっているのかもしれませんね。「ビジョン」と目標は違います。ビジョンは中長期的な視点であり、目標とは1年とか1年半などの短期の目安ですが、これがごっちゃになっている場合があると思います。中長期のビジョンをブレイクダウンして目標設定はなされると思います。また目標は変化する外部環境に対応して変化しなければなりません。
音部:
目的とビジョンは違います。大きなビジョンは変えられないですが、目的は、たとえばこの広告表現がある場合とない場合、このPRプログラムがある場合とない場合とでは世の中にどういう変化があるか、を考えてみるべきです。目的がわかればツールも変わるというのはグローバルでも通用するロジックです。
関口:
それでは、「エンパワーメント」についてはいかがでしょうか。
会場:
新しいリーダーには何が必要かという観点からエンパワーメントが必要だと感じました。デリゲーションに通じるのかもしれませんが。
鈴木:
まずエンパワーメントは内発的な動機付けを与えること、デリゲーションは仕事を移譲する、渡すというようなハードウェアな感じなので別物だと感じています。エンパワーメントはチームメンバーが自分から進んでやりたい事を素直に表現する状態を作り出すことですね。同時に本人自身がそれをできる力を醸成する環境を作った上で、その「やりたい事」をやらせることができる人が良いリーダーだと思います。
関口:
本日はありがとうございました。

『グローバルで活躍するビジネスリーダーとは』というテーマでディスカッションを進めてきました。実際にグローバルで活躍している職種の違う3名の方々から、現場での具体的なエピソードなど、とても興味深いお話を語っていただきました。「明確なビジョンに向かって困難があっても諦めずに続けることが大変に重要」、「リーダーシップは上下関係ではなくても、物事を前に進めようとするパッションがある人物がいれば、その人が実質的なリーダーなのではないか」、「自分が自分をリードできなければ人をリードすることなどできない」等々、大変印象に残ることばをいただきました。また、最後は時間を延長しても、まだまだ質問が途切れないくらい、会場から活発なご意見を多数いただきました。本当にパネリストの3名の方々、また休日にもかかわらずお集まりいただきました会場の皆様に感謝申し上げます。誠にありがとうございました。

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