• LINEで送る

『外資系トップの英語力』出版記念セミナーレポート

講演&パネリスト
日時:2012年1月21日(土)14:00 - 17:00
会場:六本木アカデミーヒルズ49「オーディトリアム」

日本クラフトフーズ株式会社 代表取締役 井上 ゆかり氏

シーメンス株式会社 代表取締役兼CEO 織畠 潤一氏

アクセンチュア株式会社 代表取締役社長 程 近智

ビジネスキャリア書籍「外資系トップの英語力〜経営プロフェッショナルはいかに最強ツールを手にしたか〜」の出版を記念し、加速するグローバル環境のなかで、日本からのビジネスリーダーを輩出していくために何が必要であるかを、書籍に登場していただいた「外資系トップ」をスピーカーとしてお招きし、「グローバルで活躍できるビジネスリーダーの条件」をテーマにご講演いただきました。

グローバルで活躍できるビジネスリーダー

第一部講演者をパネリストに迎え パネル ディスカッションを展開 。
ファシリテーター:ISSコンサルティング 代表取締役社長 関口真由美

・「経営トップ(グローバルリーダー)の仕事」

・「グローバルで活躍できるビジネスリーダーの3条件」

・「グローバルリーダーを目指すために」

上記のステップで本テーマの具体像を浮き彫りにしていきます。

「経営トップ(グローバルリーダー)の仕事」

関口:

写真

グローバル企業の経営トップとしてどのようなミッションを持ち、どのようなお仕事をなさっているのか、それぞれにおうかがいします。
織畠 氏:
大きく分けて言うと、1つは多様なステークホルダーとコミュニケーションをとることです。日本では上場していませんから株主とのコミュニケーションはありませんが、顧客、本社、従業員、パートナーとは現場、社内で密にコミュニケーションをとっています。二つ目は判断、決断すること。そして三つ目はいろいろなプロセス、プロジェクトの管理です。
井上 氏:
クラフトフーズのビジョンは「Make Today Delicious(今日をおいしく)」で、お客様だけでなくステークホルダーの皆様の毎日をおいしく、楽しく、充実したものにすることが私たちのミッションです。それに加えて、私は日本法人のビジョンをつくりました。日本で最も優れた、成長著しい菓子メーカーになり、ガムとキャンディでNo.1になる、というものです。このビジョンを達成するために必要な戦略を考え、社員の気持ちを1つにまとめてエナジャイズし、成果を出すことが私の仕事です。本社に対しては、我々の戦略をプレゼンして支持を取りつけ、日本への長期的な投資を継続してもらうことが仕事になります。
程 氏:
仕事としてはだいたい同じことをしていますが、日本がいま国としてなかなか成長できない中で、我々のオペレーションを成長させることが一番のミッションです。そのための戦略を考えたり、新規顧客を開拓したり。グローバルの社内シェアを上げることも大切で、6年前に私が社長に就任したときは10位でしたが、いまは4位に上がっています。

写真

織畠 氏:
本社の目を日本に向けさせることは大切な仕事ですね。私も、日本市場は成熟しているもののシーメンスには大きな成長機会があることをアピールする、本社と一緒にサプライチェーンの強化・拡充を図るなど、日本のプレゼンスを高めるように心掛けています。
井上 氏:
日本のプレゼンスを上げるには、毎年、利益を伴った成長を続けることが一番有効だと思います。成長率や利益率にはグローバルなベンチマークとなる指標がありますので、とにかくそれをクリアするべく努力する。また、日本で開発した商品やプロモーションのノウハウなどを積極的に海外に発信して、グローバルのベストプラクティスとなるようにアピールしています。それらを実現する大前提は優れた人材力ですから、社内のケイパビリティを高めていくために日々注力しています。
関口:
社員のモチベーションを高めたり、コミュニケーションを活性化したりするうえで何か工夫をなさってらっしゃいますか。
井上 氏:
社長になって7年間、いろいろ試しました。お誕生日会もやりましたよ(笑)。社内のポータルを立ち上げて私のメッセージを送ったり、幹部からのレポートにパーソナルに返事を出したりと、いろいろやっていますが、どれが効果を上げているのか検証するのは難しいですねぇ。いいアイデアがあれば教えてください。
織畠 氏:
私が心掛けているのは、人財(ヒューマン・キャピタル)の成長なくして事業の成長はなく、事業の成長がなければ人財の成長もない、ということを会社の基本的な考えとして繰り返しアナウンスすることですね。先ほど井上さんからキャン・ドゥ・アティテュードの話がありましたが、社員が前向きな気持ちで攻めの姿勢を持てるようにすることが大切だと思っています。
程 氏:
外資系は「バリュー」がグローバルできちんと決められているんですが、うちでは僕を含む10名ほどの経営幹部が考える会社の価値観、バリューを小冊子にして、マネジャーたちに配っています。それを使って私塾を開いているんです。社員はレポートラインに関係なくどの幹部の私塾に入ってもよく、テーマも塾長によってバラバラ。政治家への提案をテーマにする塾もあれば、飲み会中心の塾もある。僕の塾では塾生個々にテーマを設定し、それをどう実現するか一緒に考えるということをやっています。最初のセッションでは『和魂偉才』と題したテキストを使っています。参加は自由ですが、けっこう人気ですよ。
井上 氏:
中間管理職の人たちと直接コミュニケーションをとることはとても大事ですよね。当社でもエクステンディッド・リーダーシップといって、25人のシニアマネジャーと経営幹部が経営課題について直接話し合う取り組みを始めました。
関口:
経営トップとして仕事をしていて、楽しいことは何ですか?
織畠 氏:
会社や事業内容も含め、いまやっている仕事が好きですから、自分が価値を生み出していると実感できるときはうれしいし、楽しいですね。
井上 氏:
社長になって2、3年間は、毎日売上げを見るのが楽しくって(笑)、自分の成績を見るように見ていました。でも、次第に一喜一憂しなくなって、ここ数年は、社員が育っていることを実感したときに一番感動するようになりました。社員一人ひとりの成長を何かで感じると、社長になってよかったなと思います。
程 氏:
社長になって顕著に変わったことは、会う人の数がものすごく増えたことです。企業経営者はもちろんのこと、政治家からスポーツ選手まで、さまざまな分野の人たちと会って話をする機会がすごく増えた。そういう多方面とのつながりを持てることが楽しいですし、大切にしたいと思っています。

「グローバルで活躍できるビジネスリーダーの3条件」

関口:
会場の皆さまからも、グローバルに活躍できるリーダーの条件についてお話をうかがいました。その中に出てきた「コミュニケーション」「ダイバーシティ」「決断力」について、もう少し話を深めたいと思います。まず、コミュニケーションの必要性についてですが、程さんはどのようにお考えですか。
程 氏:
とくに外資系で仕事をするうえで、コミュニケーションは大事ですね。日本人が好きな「以心伝心」「暗黙の了解」といったことは、海外ではまったく通用しませんから。郷に入れば郷に従えで、それぞれの国の文化に立脚したコミュニケーションを取れるようにすることが必要です。
関口:
ダイバーシティについて、井上さんはどのようにお考えでしょうか。
井上 氏:
ダイバーシティを理解するというと、その人がどういう文化、バックグラウンドを持って生きてきたか、どのような価値観を持ち、どのように考えるか、といったことを理解しなさいと言われます。たしかにそうですが、同じ国の人でもまったく異なる考え方をする人もいる。だから、個人の性格や思考の癖といったことまで知る必要がある。そのうえで、その人に合った対応を柔軟に取れるようになれば一番ですね。
織畠 氏:
いまの仕事は責任範囲としては日本のみですが、社員には多様な人種がいますし、前職(コヴィディエン インターナショナル社長)では欧米以外の100カ国を担当しましたから、ダイバーシティの必要性は強く感じています。そこで求められるのは、ステレオタイプ化された対応ではなく、文化や宗教を理解したうえで個を尊重した対応ですね。飲みニケーションも含めて、フェース・トゥ・フェースのコミュニケーションをいかに多く設けるかが大切になると思います。
関口:
リーダーの決断力についてはどうでしょうか。
織畠 氏:
リーダーの資質として、タフな決断ができるかどうかが問われると思います。ときには非情な決断もしなければなりませんから。的確な状況判断に基づいて自分が最終的に決断するという気構えを持つことが必要です。
程 氏:

写真

僕はさっき、グローバルに活躍するための条件としてリスクを楽しめることを挙げましたが、実のところ僕自身は、意思決定のたびにドキドキするんです(笑)。これで本当にいいのだろうかと不安にもなる。それでもトップとして決断しなければなりません。それを支えてくれるのは、自分は最終ラインだという意識だと思います。部門長のときは、決断して失敗したら会社を辞めればいいという腹のくくり方ができましたが、社長になったらそうはいかない。社員とその家族、取引先に対して責任を取らなくてはいけませんし、会社のブランドを傷つけるわけにもいきません。だから、決断がとても慎重になりました。

「グローバルリーダーを目指すために」

関口:
三番目のテーマに移って、グローバルリーダーを目指すためにいま何を考え、何をしなければならないか、ご提言をいただけますか。
織畠 氏:
私が外資系のトップになったのは39歳のときですが、若い頃からトップを目指していたわけではありません。面白い人と面白い仕事をしたい、やるからには成果を出したい、という思いでやってきたらトップに行き着きました。その間、転職も留学もした。それはリスクテイクでもありましたが、前向きに成長の機会と捉えていました。みなさんもリスクを取って、ストレッチするような機会にチャレンジしていかれるとよいと思います。
井上 氏:
一番大事なものは自信だと思うんです。自分にはできると信じられるかどうかで、取り組むプロジェクトも、インパクトも違ってきます。だから、自信を持つことにとにかく集中してほしい。最も効果的なことは、いま取り組んでいる仕事、任されているプロジェクトを、誰よりもうまく仕上げることですね。それをすれば必ず認めてもらえ、自信につながります。それを積み重ねていけば素晴らしいビジネスリーダーになるでしょうし、グローバルでも活躍できるようになると思います。
それから、自分が力を発揮できるファンクションでエキスパートになることも大事です。外資系で上を目指すなら、誰にも負けないファンクショナルスキルを持ったうえでコミュニケーション力や決断力、リーダーシップに磨きをかけていくようにすべきです。
程 氏:
世界に出ていくにせよ、日本をベースに頑張るにしても、自分がどうなりたいのか、どの位置まで行きたいのかというマクロ観を、30代ぐらいで作ることが大事だと思います。そして、そこに行くためにいま何をすべきかを考える。僕は自分なりに決めた目標を3年で達成し、次の目標に進むというステップでやってきました。3年にこだわる必要はありませんが、自分で決めた期間で確実に達成することが大事。それが、井上さんがおっしゃったような自信につながると思います。
転職のご相談、求人への応募・問合せには、まず無料登録をお願いいたします。 業界に特化したコンサルタントが転職のサポートをさせて頂きます。無料登録
  • 無料登録

求人検索

  • 管理部門の転職情報
  • ISSコンサルティング採用情報
  • オンライン登録

このページの先頭へ

Arrow