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Talk Session 2「これからのキャリア・組織のあり方」須原清貴氏

Future Career Talk Session
これからのキャリア
組織のあり方

聞き手ISSコンサルティング
代表取締役社長
関口真由美

ゲスト公益財団法人 日本サッカー協会
専務理事
須原清貴

ビジネスでの経験を多方面で活かしご活躍のゲストをお迎えし、ゲストの価値観に触れながら、自分自身のキャリア・組織について考える、話し合う、Future Career Talk Session「Be yourself」。

第2回目は、須原清貴氏をお迎えして「これからのキャリア・組織のあり方」について伺いました。Talk Sessionでは、ご自身の数々の失敗談を交えた刺激的なキャリアストーリーを語ってくださいました。その後は、実際に参加者の皆さんが「これからのキャリア・組織のあり方」を考えるワークショップ、Thinking & Sharing Sessionを行いました。ここでは、簡単にポイントを共有させていただきます。
イベント詳細ページ

Guestゲストスピーカー

須原 清貴

公益財団法人 日本サッカー協会 専務理事

須原 清貴

1966年岐阜県生まれ。慶応義塾大学法学部卒業後、住友商事で営業と事業投資に従事。ハーバードビジネススクールでMBA取得後、ボストンコンサルティンググループを経て、英会話学校GABAのCOO 、キンコーズ・ジャパン代表取締役社長、ベネッセホールディングス国内英語カンパニー長、ベルリッツ・ジャパン代表取締役社長、ドミノ・ピザ ジャパン代表取締役 兼 最高執行責任者(COO)と要職を歴任。2018年3月より公益財団法人日本サッカー協会 専務理事就任。

Talk Session「イキイキと働ける組織とは」

ゲスト:公益財団法人 日本サッカー協会 専務理事 須原 清貴氏
聞き手:ISSコンサルティング 代表取締役社長 関口真由美

仮説を持って挑戦すれば、失敗しても得るものがある

photo

関 口:須原さんには、弊社の書籍「外資系トップの英語力」でキャリアについてお伺いさせていただきました。新卒で入社した住友商事でニューヨーク駐在。その後ハーバードビジネススクールで学び、そして、ボストンコンサルティングファームなどを経て、キンコーズ・ジャパンで初めて社長になられたんですよね。

須原氏:そうです。新卒入社2年目でニューヨーク駐在の大抜擢。だけれど、ビジネスがちょうど縮小するタイミングで、2年間、私は30名ほどのアメリカ人社員をひたすらリストラする羽目に。本当に辛い2年でキッチリ2回、胃潰瘍になりました。帰国後、MBA留学を知りすぐに目指すも、「ベトナムでゲームセンターを立ち上げる」という住友商事でなくては経験できない仕事が舞い込み、翌々年、多様性を尊重するハーバードビジネススクールに入学しました。2年間猛勉強しました。その後、ボストンコンサルティンググループで戦略コンサルタント、語学学校COOを経験しました。大失敗をして不眠症になったり、解任されたり、うまくいきませんでした。眼の前で起きていることをすべて事実として素直に受け入れ、その中で出来る最善を尽くすことが大事だという教訓を得た日々でした。

関 口:キンコーズ・ジャパンではどうだったのですか?

須原氏:当時は不況で、ペーパーレスが進み、店舗・機器も老朽化して、キンコーズは苦しんでいました。メンバーは半ば諦めていたのですが、私は「諦めるのはまだ早い。自分たちがコントロールできる範囲で、自分たちに何ができるか考えてみよう」とみんなに呼びかけました。色んな方からのアドバイスを一つ一つ素直に聞き入れ、積極的に行動に移していったら、なんと2年で黒字化に漕ぎ着けることができました。これは自分でも驚きました。

特に大事にしたのは、「自分たちの付加価値は何か?」という問いです。見つけだした答えは、短納期・小ロットの「オンデマンド印刷」でした。その分野では競合がおらず、ビジネスがどんどん伸びていきました。実は、東日本大震災の直後も「地震を言い訳にするのはやめよう」と呼びかけて、メンバーに出社してもらい、店を開き続けました。そうしたときこそ、オンデマンド印刷のニーズがあったからです。おかげで、多くの方から「キンコーズが開いていて助かりました」と言っていただけた。最終的に、その3月の売上は対前年比で90%まで行きました。誰一人言い訳をせず、本当に頑張ってくれました。素晴らしい仲間たちでしたね。

関 口:その後、ベネッセホールディングス、ベルリッツ・ジャパン、ドミノ・ピザ ジャパンを経て、2018年から公益財団法人日本サッカー協会(JFA)に移ったのですね。大胆な転職だと思うのですが、どのような理由があるのですか?

須原氏:私は以前からサッカーの審判をしており、2級審判員の資格を持っています。サッカーの審判を始めたおかげで、私の人生は豊かになりました。実はその縁で、2016年にJFAの理事に就きました。そのうちいろいろと見えてきたので、サッカー界に恩返ししようと、2018年に専務理事を引き受けさせていただきました。

私のミッションは、JFAのヒト・モノ・カネのマネジメントです。職員たちには、「とにかく新しいことにチャレンジしよう」と励まし続けています。チャレンジの8割は失敗するといわれます。でも、挑戦するときに仮説を持っていれば、失敗しても得るものがある。次に繋がる。私はそう思っているので、「仮説をもって挑戦した結果の失敗なら大歓迎だから、どんどんやってこい!」と言っています。その影響かどうかは分かりませんが、最近スポンサーの方々から、「JFAは変わった。今までとはスピードが違う」とおっしゃっていただけています。たとえば、チケットが売れ残った際、すぐにスポンサーのところへ赴いて「こういう仮説のもとで、次はこのようなアクションを取ります」とお伝えしたら、皆さんに驚かれました。そうやって果敢にチャレンジを続け、変わり続けることが、何よりも大切だと考えています。

関 口:成功体験はよく耳にするものの、なかなか失敗談をお聞きする機会はありません。本当に赤裸々に語っていただき、誠にありがとうございました。失敗を恐れずに仮説のもとにチャレンジを繰り返す大切さを感じました。

Thinking & Sharing Session「イキイキと働ける組織とは」

Talk Session後、近くに座った参加者2〜3人の方々で、感想共有、「イキイキと働ける組織とは」についてディスカッションをしていただきました。その後、全体への共有、並びに、ゲスト須原氏へのQ&Aセッションを行いました。 一部ご紹介いたします。

関 口:「イキイキと働ける組織とは」どんな組織だと皆さんお話されたか、また、須原さんのお話を聞いての質問など、順番に発表していっていただけますか?

キャリアの軸は「サービス業」

Aチーム

photoイキイキと働ける組織とは、新しいカルチャーをインストールしていく組織なのかなと感じました。上手くいっていない組織は、何かボトルネックがあり、それは、だいたいマインドセットだと思うんですが、「失敗しても大丈夫。仮説をもってやってこい。」といったコミュニケーションをトップがすることで、組織は変わっていく、それを愚直に須原さんはされてこられたのだと思いました。そして、それが大切なんだろうなと話し合いました。

一番すごいと感じたのが、須原さんのキャリアの選び方です。キャリアの後半は、全部、新参者として、ターンアラウンドのポジションで入られているのかなと感じたのですが、どういう基準でキャリアを選ばれているのでしょうか?逆境感あふれるポジションが多いようにも感じましたが、ぜひ基準を教えていただきたいです。

須原氏:逆境…そうですね、その通りですね。ただ、リスクを選んでというよりは、入社後に当初の話と違うなと気づいたことも何度かあります(笑)。キャリア選びの基準は、振り返ってみると、いくつか軸はあるなあと思います。ひとつは、サービス業という点。キンコーズ以降は、意識してサービス業ばかり選んできました。それは、サービス業は究極の商品が人で、人材育成が極めて重要となるからです。もともと私は教育に関心があり、教育サービスがやりたかったんです。でも、サービス業も常に人材育成が必須で、それを提供するのがお客様か社内かが違うだけで同じなんだなと気づいて以降、私は人材育成に取り組める「サービス業」を軸にしてきました。コピーサービスも英会話スクールも宅配ピザも、コモディティですよね。すでにコモディティとなっているサービス業は、人で違いを出すほかにビジネスを伸ばす方法があまりありません。

ちなみに、私はJFAもサービス業だと認識しています。日本では、約500万人が何らかの形でサッカーを楽しんでいると言われています。JFAは、スポンサーはもちろんのこと、こうした「広義のお客様」に対して、どのようなサービスを提供するかが問われる組織なんだと思うのです。代表監督、プレーヤー、そしてファン・サポーター。サッカーに関わる全員が私たちのお客様なのだという意識で、ビジネスに臨むことが大切だと考えています。

現場を回る、目的を伝え続ける

Bチーム

質問をさせていただきたいのですが、たとえば、同業他社への転職ならば、このチームではこの人はこのように結果を出していってもらえるのだろうと想像しやすいのですが、他業界から、しかもマネジメント層で入り、チームを束ねて結果を出していくには、どのようなチームマネジメントが必要で、そのためにはどのようなスキルが必要なのでしょうか?その人の言うことならついて行こうという、つまり人間力なんでしょうか?!

須原氏:なるほど。外からだろうと内からだろうと、この人の話なら聞こうと思える人とそうでない人がいると思うんですが、皆さんはその差はどういうところだと思いますか?

参加者の声:

  • ・ゴールが一緒でしょうか。ビジョンが共有できているかどうか。
  • ・どれだけ現場のことを知っているか、知った上で語っている様に醸し出しているか。
  • ・消費者を知ろうとしているか。

須原氏:いろんなマネジメントタイプがあると思うんです。それぞれにとって、いろんな戦い方があると思うんですが、私が心がけていることが2つあります。1つは「ひたすら現場を回る」ことです。ほとんどの場合は抜き打ちです。たとえば、ドミノ・ピザでは最終的に、2年間で全国500店舗を2巡以上しました。土日も店舗を回り、現場の従業員たちと話し続けてきたんです。私はほとんどの従業員よりもピザづくりが下手でしたし、デリバリーもうまくできませんでした。でも、そうやって回り続けると、現場も私の存在を無視できなくなってくる。「須原さんの言うことには耳を傾けよう」という雰囲気になってくるんですね。
もう1つは、そうやって回った現場で、「ひたすら同じことを言う」ことです。ドミノ・ピザの場合は、「SELL MORE PIZZA, HAVE MORE FUN!」という創業者の言葉を伝え続けました。ピザを売るのは何よりも自分たちが楽しいから、たとえば、デリバリーした先で子どもたちが喜んでくれると嬉しいよなあ、と毎日繰り返し言い続けました。この言葉は私の言葉ではありませんが、腹の底から共感していたので、ほとんど私の言葉と同じようなものです。もちろん、私自身は、来る日も来る日も言っているのですから、同じメッセージに飽きてきますよ。でも、これを根気良く言い続けることが、現場を変え、会社を変えていくんです。

参加者:Objectiveをクリアにして、言い続けるということが大切だということですね。ありがとうございます。

関 口:重要なのは人間力かなという話にもなったんですよね。

参加者:そうですね。むちゃぶりみたいなことも色々されてきたようにお話をお伺いして、どのように人を巻き込んでらっしゃるのか?!と思い、人間力なのかなという話をしていました。

須原氏:答えになっているのか分からないですが、私が参加する30分から1時間の社内外のミーティングで4〜5回必ず大爆笑が起こるんです。私が笑いを取っているからです(笑)。私と席が近い職員たちは、毎回まただよ、何がそんなに楽しいんだろうと思っているかもしれません。もちろん、やらなきゃいけないことはやらなきゃいけませんから、厳しく接すること、辛辣に語ることもあるんですよ。でも、そういうときですら、何かしら笑いを取るようにしています。住友商事の最初の上司、つまり社会人になってはじめの上司が、実に笑いを大切にする方で、たいがいの失敗は許してくれたのですが、笑いを取らないと怒られました。笑いはコミュニケーションをなんて円滑にするのかと、その上司と一緒にいながら肌で感じました。それ以来、私はずっと笑いを大事にしてきました。最近ようやく、コンスタントに笑いを取れるようになってきました。私は、笑いを活かして人とコミュニケーションをとり、周りを巻き込んでいこうとしていますね。

好きなことを仕事にするために必要な俯瞰目線

Cチーム

どうやったらイキイキして働けるかという一例として話したのは、会社が求めていることと自分が求めていることが一致していることです。そこで、質問なのですが、「好きなことを仕事にする」ことについて、どう思われますか?

photo

須原氏:私の場合、教育にこだわり・思い入れ・持論があるのですが、ビジネスで成功を収めることはできませんでした。逆に、コピーサービスには特別な思い入れはありませんでしたが、キンコーズのビジネスは回復させることができました。

これはなぜかといえば、結局、こだわりや思い入れや持論があることは、それらが企業の考え方とフィットすれば大成功できるのでしょうが、ハマらなければ、私のように大きな失敗をする可能性が高くなるのです。キンコーズでは、自社サービスにもともとの思い入れがない分、俯瞰目線で客観的に、冷静にビジネスや組織を見ることができました。それが成功につながったのでしょう。

JFAに関して言えば、私はサッカーにはそれなりの思い入れがありますが、実はサッカー自体は下手なんです。体育の授業でサッカーのあるときだけ、体育の成績が落ちるくらい、小さな頃からサッカーだけが苦手でした。ですから、思い入れがある一方で、どこかのめり込まずに、冷静に眺めている部分があります。ビジネスとして関わる上では、それがいろいろと良い方向に働いていると感じています。

こうしたことをよく分かった上で、好きなことを仕事にして、無事にビジネスや組織にフィットできているのであれば、それは最高に素晴らしいことだと思います。しかし、こうしたことに気づいていないようなら、むしろ危険じゃないかと思います。ただ、そうしたこととは別に、好きを仕事にすることには難しい部分もありますよね。本当に残念なことなんですが、私はJFAの専務理事についたがために、大好きだったサッカー審判ができなくなってしまいました。専務理事が誤審をしたら、洒落になりませんからね(笑)。そういう意味で、好きなことを仕事にすると、失うものが出てくることもまたよくあるのだろうと思います。

関 口:たしかに、バランスが難しいですよね。

Dチーム

どうやったらイキイキして働けるかという点で、今年出版された本「Teal組織」にもあるような、フラットでみんなが自由に発言できるという様な風土が作れればみんなが働きやすいのではという意見。好きな業界で10年働いてきて、今後どうしようかと考えているのですが、俯瞰的に物事を見て考えるということをしていきたいなと感じたという意見。そんな意見を共有しました。

関 口:Teal組織というお話が出ましたが、実は、ISSコンサルティングもTeal組織のようなフラットな組織を目指して組織改革をしようと動いているところです。もう1点、「好きな業界で10年働いてきて、今後どうしようかと考えている」須原さんはどう思われますか?

須原氏:10年働くと、その業界に対しての相当な知見が溜まってきたと思うんです。そこで得たものが何なのか。色んな軸で棚卸ししてみる。自分の得意技を整理してみる。そうすると、自分の中の軸が新しく見えてくるかもしれないですよね。いろいろ取り組んでみるといいですよね。

Networking Event交流会

最後に、少し交流会を実施し、終了とさせていただきました。
講師の須原様、ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
皆さんの中で新たな気づきがある時間になっていたらうれしいです。

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