INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
DHLサプライチェーン株式会社 小林諭史

業界のLeading Company Vol.10

DHLサプライチェーン株式会社

ライフサイエンス&ヘルスケア事業本部

執行役員

小林諭史

ライフサイエンス&ヘルスケア事業本部

ジェネラルマネージャー 兼 品質マネージャー 薬剤師

大貫瑞臣

世界各地へのエクスプレス輸送、飛行機、トラック、船舶および鉄道を利用した貨物輸送、保管だけでなく梱包から修理まで行う倉庫サービス、国際メール便配送、カスタマイズおよび特殊発送まで対応する輸送サービス-つまり、ロジスティクスの全て、それがDHLです。そのなかでも、包括的なサービスを提供し、真の意味でロジスティクスソリューションのワンストップ化を実現すること。そして常にあらゆる場所でお客様の期待を超え、ロジスティクス業界を変革すること。これこそがDHLサプライチェーンの目指すものです。

公開日:2017年11月8日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

ライフサイエンス専門部署があるグローバル物流企業

小林さんのプロフィールを簡単に教えてください。

lc_10_1_02小林 大学では都市工学、特に環境衛生工学を専門に学び、卒業後はエンジニアリング会社の土木建築部門にて、大規模の化学プラント建設プロジェクトを担当しました。次第に安価な外国勢が勢いを増し、企業としても新しい分野に進出するなか、顧客であるメーカーのサプライチェーンプロジェクトも担当しました。その後、コンサルティングファームに転職しました。当時、ITを中心としたERP導入が盛んになり始めており、私はコンサルタントとして、ERPパッケージ導入プロジェクトなどをいくつもリードしました。企業の基幹システム構築という、お客様企業の重要プロジェクトに関わらせて頂けたことで、会社全体を俯瞰して見られるようになりました。その後、オフショア・ビジネスが非常に高まってきたなかで、シンガポール発の外資系ITベンチャー企業に移りました。病院で使われる医療消耗品、例えばペースメーカー、カテーテルなど薬以外の全ての物の在庫管理をし、患者様に何が使われたのかまでトラッキングするシステムの開発を手掛ける会社でした。私はそこで病院の方にシステムを説明し、導入をリードする仕事を、日本とイギリス、ロンドンでしました。イギリスの大規模有名病院でのプロジェクトに携わりながら、イギリスと日本では看護師や医療従事者の方々が働く環境や制度に差異があることを知ることができました。実は、このプロジェクトで、私はDHLサプライチェーンと協業していました。その時、DHLサプライチェーンに対して好印象を抱いたことが、転職の後押しにもなりました。その後、企業が買収されることになり、日本に帰国。別のIT企業を経て、2013年からDHLサプライチェーンで働いています。グローバルな環境で、大きな組織でマネジメント経験を積みたいと思い入社しました。現在はライフサイエンス&ヘルスケア事業本部全般のマネジメントを行っています。

やり始めたら最後までやりたい、仕事をしながら専門性をより高めていきたい、と一貫した想いがあります。これまで、エンジニアリング会社在職中に建築士資格を、コンサルティングファーム在職中に中小企業診断士の資格を、IT企業在職中にMBAを取得しました。また、一緒に働きたいと思える人がいるかどうか、それも私にとって大切な要素でした。

DHLサプライチェーンのライフサイエンス&ヘルスケア事業の特徴を教えてください。

lc_10_1_03小林 DHLサプライチェーンでは、お客様の産業毎に事業部が分かれています。私たちライフサイエンス&ヘルスケア事業本部は、薬・医療機器・治験薬を取り扱っています。事業本部全体では現在90名ほどの社員がいます。私たちにとってのお客様は、製薬メーカー、医療機関の方々、間接的にはなりますが薬を待つ患者様であり、非常に高い専門性が必要となります。その他製品を扱う物流企業や他部署と、私たちに求められるものは、非常に異なります。私たちライフサイエンス&ヘルスケア事業部の特徴は、高い専門性と、グローバルの知見があるという点です。

まず、1つ目の特徴である高い専門性は、お客様から新たにこんなことをしたいとご相談を受けた際、お客様の言われることを理解して話を進めていくために必須となります。薬もどんどん新しい製品が開発されています。薬の保管は常温(15-25度)、冷蔵(2-8度)が通常であるが、最近は生物の細胞を使った新薬の開発などが進み、化学的性質としての安定性が弱く凍らせた状態で形が崩れないようにする必要がある薬もあります。以前、-50度で保管・輸送をするご依頼を頂いたことがあります。冷凍庫に入れて保管するだけなら難しくはないのですが、そこからいったん出し、梱包作業をし、配送するという過程において、-50度を保つために、どうしたらよいか。お客様のご要望にお答えするため、情報を収集し、起こりうるリスクと回避方法、可能となる保管・輸送案を考えだします。薬と物流の高い専門知識で、お客様のご要望にお応えできる体制を作っています。

次に、2つ目の特徴は、DHLサプライチェーンのライフサイエンス&ヘルスケア事業部が、グローバル全体で連携しており、グローバルの知見がある点です。特にグローバル製薬メーカーのお客様などに優れたサービスを提供しようと思うと、専門家同士がグローバルで連携することは欠かせません。海外には、ライフサイエンス&ヘルスケア分野の物流を担当して30年というベテラン社員も少なくありません。彼らの知見がお客様との信頼関係を構築する上でものを言います。製薬メーカーに満足して頂ける品質を保つため、グローバルで品質管理体制を仕組み化し、そのための投資も行っています。グローバルの知見があることで、お客様に満足頂ける品質をご提供できます。

今後の事業構想や戦略を教えてください。

小林 5カ年事業計画がありますが、大きく5つの構想があります。

1つ目に、すでにロジスティクス業界での売上は世界一なのですが、より専門性を高めて、売上だけでなく「品質でもグローバルNo.1」になることを目指していきます。そのために、品質部門の一層の強化を図っていきます。2つ目に、これまで以上に「お客様志向」になることです。3カ月に一度、大規模なお客様満足度調査を実施しています。経営層から現場の方々まで、さまざまなお客様にご意見をいただき、それを真摯に受け止めて組織を変革し続けようとしています。3つ目に、「グローバル間の連携」をより強化していきます。実は、いくつかの日本企業を買収して成長してきた経緯もあって、現状の日本のDHLサプライチェーンはドメスティックな側面が比較的強い組織なのですが、今後は、グローバルで培った知識・サービスを提供できる体制を本格的に整えていきます。4つ目に、物流業界では労働力不足が深刻となってきていますが、「サービスレベル」を向上させるため、ルーティン業務の自動化などテクノロジーを活用したイノベーションの強化も進めていきます。

さらに言えば、長期的に見て、私たちが薬の知識も持つ物流のプロとして、医療業界に貢献できる余地はまだまだ大きいと考えています。そのために、医療業界に関する知識が豊富な「薬剤師」の方々が活躍する場を拡張し、人材の募集もしていきます。続けて、現在ライフサイエンス&ヘルスケア事業本部の品質部門のリーダーとして活躍の薬剤師資格をもつ大貫さんに、薬剤師として物流業界で働いてみて感じたことを話してもらいますので、是非薬剤師の皆さんに知って頂ければと思います。

薬剤師の新しいキャリアパスがある

大貫さんのプロフィールを簡単に教えてください。

lc_10_1_04大貫 私は、大学で薬学の勉強をして、修士では脂質代謝の酵素とその役割に関する研究を行った後、日系製薬メーカーに入社しました。この会社がちょうど高脂血症防止の新薬を発売する直前で、私が研究していた分野の人材採用を強化していたこともあり、縁あって入社を決めました。最初は品質管理部門で、原料や完成品の試験、製造方法を変えた場合のそれぞれの工程での製品成分検証などを担当しました。次第に、会社の全体の動きを知った上でダイナミックな仕事をしたいと思うようになっていた頃、薬事法が変わり、製造を外部に委託できる範囲が従来よりも広がりました。その際、外注取引を管理する事業部の立上げがされ、その部署へ異動しました。サプライヤー管理、流通改革プロジェクト、M&A後の工場・物流センター統合プロジェクトなど、ダイナミックな仕事に次々と関わることができ、ただただ面白く、とても勉強になる日々を過ごしました。特に、自分が手がけた変革によって実際に現場が変わり、成果が上がっている様子が目に見えることが大きなやりがいに繋がりました。また、サプライチェーンに深く関わり、サプライチェーンが文字通り組織の各部署を繋げる役割を担う必要があることを知ったのも、今に活きています。

DHLサプライチェーンに転職しようと思ったのは、勤めていた製薬メーカーが海外戦略を進めるなかで、上司からDHLのビジネスのダイナミックさを聞いたのがきっかけでした。グローバルなサービスプロバイダーで働き、視点を世界レベルに広げることができれば、これから自分がやるべきことが見えてくるのではないかと考えたのです。そこで、DHLサプライチェーンに移ることを決め、2011年に入社しました。その後、実は一度退職しているのですが、2017年に復帰して今に至ります。

薬学のプロとしてDHLサプライチェーンでどのようなことを担当してきたのでしょうか?

lc_10_1_05大貫 2011年の入社後に担当したのは、「お客様の満足度を上げるための仕組みづくり」です。私が入社した当時、多くのお客様が私たちのサービスレベルに不満を抱いていました。そこで私は、薬学の知識と製薬メーカーでの経験を活かして、製薬メーカー・病院の方々と同じ目線で当社を見渡した際に感じる改善点を解決していきました。

まずは、物流現場スタッフに、高い品質でお客様に満足頂けるようにするためのマインドセットをしていきました。患者様の安全を守るため、製品の品質を守るためには、確認を徹底していく必要があること。治験薬や医薬品・医療機器を待っている患者様に製品を届けられない場合、患者様が健康を害する可能性もあること。など基本から始まり、手順書の改定・メンバーの教育方法の改善・運送会社の再選定・ドライバー教育の強化などを進めていきました。その結果、2年後には、お客様から褒められるケースが確実に増え、お客様の高い品質基準に応えられる組織にすることができました。

また、2017年に復帰した後は、グローバル製薬メーカーの品質要求・日本の医療業界の品質要求・日本の法令要求の3つを擦り合わせていくことが、私のミッションとなっています。たとえば、病院への治験薬や医薬品の配達時間の厳格さについては、日本特有の慣例です。そのため、配送の前に受取者と様々な事前調整が必要となるのですが、こういった手間やコストについてグローバル製薬メーカーの日本法人は、そのことをグローバル本社に説明し、理解を得なくてはなりません。そこで我々DHLがロジスティクスの専門家として、お客様に代わり、お客様のグローバル本社に日本の状況を説明することもあるのです。

正直に言って、入社前は、医療従事者である薬剤師がロジスティクス企業に入社するというのは、かなりチャレンジングな行為だと思っていました。しかし、実際に入ってみると、私がビジネスに貢献できることは予想以上にたくさんありました。なぜなら、ロジスティクス企業は当初薬学の専門知識が欠けているために、業界・顧客の要求が十分に理解できないまま必要以上にサービスの質を高めたり、逆に質の低いサービスを提供したりしようとしていたからです。ロジスティクス企業での薬剤師のオポチュニティは、実はかなり大きいのです。ここには、薬剤師の新しいキャリアパスがあります。

今後はどのようなことにチャレンジしたいと思っていますか?

大貫 1つ目に、DHLサプライチェーンのサービスをより多くのお客様に知っていただき、その優位性を理解していただいて、お客様との繋がりを増やすことに貢献したいと思っています。

2つ目に、実際に作業する倉庫のメンバーたちのストレスを減らし、彼らにとってより楽しい職場を実現したいと思っています。そのためには、今の組織目標は何なのか、何のためにルールを改善しようとしているのかといったことをこまめに共有し、より高いモチベーションで働いていただくことが大事だと考えています。

3つ目に、ここにはすでにグローバルなコミュニケーションが豊富にあり、グローバルレベルのロジスティクス品質を日々感じられる環境があるのですが、その点を一層強化したいという想いがあります。グローバルの一員であるという意識を、組織全体にもっと広めたいのです。

もっと新しいことに挑戦したい薬剤師の方へ

お二人に伺います。どのような方を求めていますか?

lc_10_1_06小林 一言で言えば、多くのメンバーと関わりながら仕事をするのが好きな方です。この会社には、薬局勤めだった薬剤師、CROに所属していた薬剤師のメンバーもいますし、私のようなエンジニアリング会社出身者もいれば、IT企業出身者、運送会社の元社長、飲料メーカー経験者なども在籍しています。さまざまなメンバーが各自の専門性を持ち寄って、多面的にアイデアを出しながら、チームで楽しく仕事をするというのが私たちのやり方です。なぜなら、お客様の要望を一人で解決するのは難しいから。みんなで力を合わせなければ、レベルの高いお客様のご要望には対応できないのです。さらに言えば、海外メンバーとコミュニケーションする機会も数多くあります。こうした環境を楽しめる方に来ていただきたいという想いがあります。

大貫 薬剤師の方のなかには、薬局やCROで専門知識を深めるだけでなく、専門知識を活かし新しいことに挑戦したい方がいらっしゃるのではないかと思います。そうした方に、ぜひ飛び込んできていただきたいと思います。なかでも、薬学以外にも広く知識を得たい方、マネジメントに関わってみたい方、多様なメンバーと働くなかで自分の強みを見出したい方、グローバルな環境で働いてみたい方には、ぜひお勧めしたい環境です。

たとえば、我々DHLのある海外法人では象で荷物を運ぶオペレーションがあります。他国の薬事法令は日本とは違いますし、日本では象で荷物を運ぶ機会はないと思いますが、DHLにいると、色々なアイデアが実際に具体化されており、世界が広いことを日々痛感します。そうした広いフィールドから刺激を得たい方にとって、これ以上の職場はないはずです。

最後にメッセージをいただければと思います。

小林 この会社では、サプライチェーンに関わることなら、何でも仕事にすることができます。その点、かなり自由度の高い職場です。やりたいことを見つけたら、どんどんトライしていただいてかまいません。未知の世界に飛び込んで、新たなものを創り出してみたい方をお待ちしています。

大貫 この記事を通して、薬学の専門家が医療に貢献する道は、薬局と製薬メーカー以外にもあることがおわかりいただけたのではないかと思います。新たな形で医療に貢献したい方、ぜひ一緒に働きましょう。お待ちしています。

小林諭史氏 プロフィール

大学卒業後、エンジニアリング会社に入社し、化学プラントの建築に携わる。その後、大手コンサルティングファームに転職し、コンサルタントとして活躍。次に外資系ベンチャーのソフトウェアベンダーに転じて、日本・イギリスで自社ソフトウェアの導入を担当。帰国後、IT企業を経て、2013年にDHLサプライチェーンに転職して現職。1級建築士。

大貫瑞臣氏 プロフィール

大学院修了後、日系製薬メーカーに入社。原料・完成品の試験、製造方法の検証、サプライヤー管理、流通改革プロジェクト、M&A後の工場・物流センター統合プロジェクトなどに関わる。その後、2011年にDHLサプライチェーンに入社し、薬学の知識と製薬メーカーでの経験を活かして、社内の業務改善・仕組み改善などに従事。いったん転職するが、2017年に復帰して現職。

DHLサプライチェーン株式会社

ライフサイエンス専門部署があるグローバル物流企業 小林さんのプロフィールを簡単に教えてください。 小林 大学では都市工学、特に環境衛生工学を専門に学び、卒業後はエンジニアリング会社の土木建築部門にて、大規模の化学プラント...

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