INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
SAS Institute Japan株式会社 林 敏

人事×経営 〜人事戦略を語る Vol.5

SAS Institute Japan株式会社

執行役員 管理本部長

林 敏

大学卒業後、日系の商社で人事のキャリアをスタート。その後、外資系の保険会社、IT企業、日系の金融機関で人事の専門領域を極めるとともに、経理を含む管理部門の統括責任者としてM&AやLBOも手掛ける。2008年よりSAS Institute Japanに勤務し、現職。働く環境の向上や人材育成に取り組みつつ、ビジネスの推進に力を注いでいる。

公開日:2014年8月25日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

組織における人事の役割そのものが、組織にとって非常に影響力を持つ

SAS Institute Japanに入社するまでのキャリアをお聞かせください。

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大学卒業後、グローバルな環境で仕事がしたいと考え、日系の商社に入社しました。そこで最初に人事に配属されたことがきっかけで、一貫して人事に関係した領域で仕事をしてきました。最初の会社は3年間勤めましたが、給与計算から始まり、採用、教育等一通りの人事的なスキルをここで身につけました。その後、外資系大手保険会社に転職しました。当時はまだまだ転職が一般的ではなかったのですが、グローバルな環境で人事の経験を活かした仕事ができるという期待から、思い切って転職を決めました。非常に多忙ではありましたが、給与制度の改革やグローバルに展開する大きな組織の中での人事業務について、幅広くかつ深く、さまざまな経験をさせてもらいました。大きな組織における人材マネジメントというものを、実務レベルで一通り経験できた点は仕事上の大きな自信に繋がりました。

その後、30歳代半ばのうちに人事全体の責任者という立場で仕事をしたい、という思いで日本の人事と総務の責任者という立場で外資系のIT企業に移りました。やがて人事・総務の業務のみならず、法務や情報システム部、そして経理も担当し、バックオフィス業務全般を通じてマネジメントにも携わり、M&AやLBOを手掛けるなど、様々な経験を得ることができました。その後、日系の証券会社でのグローバル人事の担当や合併等の戦略人事の担当を経て、縁あってSASへ入社することになりました。

一貫して「人事」の仕事に携わってこられたわけですが、人事の面白さはどのようなところにあると思われますか。

人事は専門領域で、非常に奥が深いと思います。また、仕事相手が各ラインの責任者であることが多く、業務内容もマネジメントに関わる部分が多いので、人事の役割そのものは、組織にとって非常に影響力を持ちます。たとえば、給与制度の大幅な改革を実施するという場合、単に実務上ルールを作って導入するだけでは目的を果たしません。その制度を導入した後の社員への影響やモチベーション等を考慮し、最終的に改革の目指す大きな目的を遂行するという考え方が重要になります。法律改正等により社内ルールの変更が必要となった場合も、単純に規定の変更という業務に留まらず、その変更を会社が向かうベクトルに沿ってどう活かしていけるか等、幅広く深く戦略的に考えて実行するということも、人事には重要なミッションとして求められています。

これに気が付くことができたのは、業務部門の責任者として会社全体が見えるポジションにいたこともありますが、キャリアの浅い時期から人事という会社のマネジメントに近いところで仕事ができる環境にいたことが大きかったと思っています。

SASが専門領域としてきたことが徐々に本流と認知されてきた

SAS Instituteはどのような会社でしょうか。

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昨今、メディアでもよく取り上げられている「ビッグデータ」に関わるビジネスを、SAS Japanは約30年の間専門領域として取り組んできています。現在、企業や人が日々の活動の中で生み出すデータは非常に膨大なものであり、それらのデータはビジネスにとって極めて貴重な宝の山です。そのデータをどう活用していくかということが重要視されています。SASでは、統計解析の専門的な技術手法を用いてデータを分析し、モデリングを行って将来予測や不正検知等のビジネスアナリティクスのソリューションを企業のお客様に最適な形で提供しています。日本の企業が熾烈なグローバル競争に勝っていく為には、従来の人の経験則や勘に頼ってきた領域を、データ分析に基づくより精緻なものに変えていくことにより企業競争力を高めていくことが不可欠で、SASはその為のビッグデータソリューションを日本のお客様のニーズに応える形で提供しています。

ビッグデータが注目されることで、参入してくる企業も多くあると思いますが、御社の優位性は、どのようなところにあるのでしょうか。

日本の市場において、ビジネスインテリジェンスを標榜し、分析ツールを扱う企業はありますが、ビジネスアナリティクスをメインのビジネスとして、独立した形でソリューションとしてビジネスを行っている会社はSAS以外には無いと思います。最近、市場のニーズに呼応して、大手のIT企業はどこもかしこも「アナリティクス」を提供できると言い始めています。実際に、フリーのBIツールで「アナリティクスできます」と言って安価にお客様に勧めるケースがあるようですが、その内容はデータ活用を企業競争力に変えるソリューションとはほど遠い、バリューの小さいものなのだと思います。正しいビジネスアナリティクスをお客様に理解して頂き、SASが長く研鑽してきたバリューの大きなソリューションに対して正しく投資して頂くためにも、SASの認知度を高め、市場への訴求をスピーディーにしっかり行い、少しでも多くのお客様に我々がリーチしていく事が重要と考えています。

全体を俯瞰して将来をイメージすることで人生は変わってくる

人事戦略として取り組んでおられることについてお聞かせください。

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当社においては、「Great Place to Workを実現する」ことを人事戦略のキーワードにしています。ビジネスでキーとなるのは「人材」です。良い人材を採用し、その人材に成果を発揮しながら長く勤務してもらう為にも、良い働く環境を常に提供できる会社にしていく事は極めて重要な事です。この本質的に働きがいのある会社にしていく為にはどうしたら良いのか、ということを常に考え、その施策を実践しています。

「良い会社にしていく」という「良い会社」の定義はさまざまあると思います。例えば、SASのUS本社では、Campusと呼ばれる広大な敷地にホテルやレストラン、医療センターや託児施設等が社員利用の為に用意されています。また医療費補助等の福利厚生も充実しており、社員にとってはまさに至れり尽くせりの職場環境になっていて、それはSASの社員にとっての「良い会社」という定義のひとつと考えてよいのだと思います。一方で、本社のある米国以外の各国のSASにおいては、それぞれの国における「Great Place to Workの実現」を目標に「良い会社」になることを目指していろいろ努力しています。日本においては、福利厚生の充実を図る目的で、ベネフィットプログラムを選択できる大型のカフェテリアプランを導入して、社員の家族旅行や子育て支援、健康の増進に向けた補助や自己啓発支援等、幅広くサポートできる制度を導入して、本社に負けない福利厚生制度による環境づくりに取り組んでいます。ただ、これは「良い会社」となる定義の前提に過ぎなくて、やはり個人的には、「ビジネスを通じて社員自身の成長が実現されること」が、社員にとっての「良い会社」になる為の必要条件のひとつだと考えています。その為には、頑張っている社員が経験を通じて成長し、その役割責任の拡大や成果に基づいた報酬でしっかり報いていく、そのようなパフォーマンスオリエンテッドなカルチャーがビジネスを成長させ、社員のパフォーマンスを上げ、組織を成長させていける、そのような環境を組織の中に作っていけるよう、人事と各ラインは日々努力しています。

SASは中途採用が中心ですが、教育には時間をかけています。特に営業社員については、しっかりソリューションをお客様に提供できるように、現場のOJTも含め、レビュープロセスまで6カ月間みっちりと教育をしていきます。ビジネスの成果と本人のキャリアやモチベーションのバランスをしっかりと保っていけることが重要で、それが社員から見た時の「良い会社」であることに繋がると思っています。これを実施していこうとする中で、最も重要なのはマネージャーの存在です。人事は、社内のパフォーマンスマネジントのイニシアティブをとり、良い会社にする為の全体活動は行います。しかし本質的な部分で、社員一人ひとりが日々仕事をし、一方で将来のキャリアをどうつくっていこうかと考えていくことに対して、会社としての対応を行えるのは、もっとも本人の近くで現場を見ているマネージャーです、ビジネスと本人のキャリアの方向づけをしっかりと手助けしてあげられれば、社員の満足度も一番満たされると思うのです。その為にもキーとなるマネージャーの育成が大変重要になっています。

マネージャーに求められる能力とはどのようなことだとお考えですか。

マネージャーの役割は社員の管理と組織運営、と一言で言えばそうなるのかもしれませんが、もっと分かりやすく言うと、人と組織を成長させることだと考えています。社員は、去年よりも今年、今年よりも来年に向けて当然スキルも経験も成長していくことが求められます。組織も同じで、組織改編等の大きな変更が無い限りにおいて、組織も去年より今年、そして来年に向けてその時間の経過と共に組織の経験や能力は高まっていなければいけません。その組織の成長に役割責任を持っているのが組織の長としてのマネージャーです。社員の成長と併せて組織を成長させていくこと、これを可能にする能力は極めて重要だと思います。組織の成長とは単に人数が増えたり、ビジネスのボリュームが増えるだけでなく、組織がより一層強くなり、より能力が高くなることも重要です。これを推進できるリーダーシップがマネージャーに求められます。多くのマネージャーは、多忙な日々の業務に追われ、目の前のことへの対応がやっとで、全体を俯瞰してみる、或いは振返ってみる、別の角度でみる、ということは簡単なようでなかなかできません。但しこれをやらないと、組織として成長する為の改善すべきポイントや、進めるべき方向が見えなくなってしまいます。

全体を俯瞰する能力と、日々起こっている物事を抽象化する能力は、マネージャーにとって重要なスキルだと思います。常に問題意識を持ち、何が問題で何が課題なのかを抽象化してとらえ、必要なことを特定したうえで具体的なアクションをデザインして実行していく。簡単なようで、実は難しいことです。日々の業務だけに追われてしまうと、気づくことはできません。当然、実行に対する行動力やリーダーシップも必要になり、これは強いリーダーに求められる能力のひとつだと思います。

SASで働くことの醍醐味を教えていただけますか。

高品質な製品と最先端の技術力、それらを高レベルのソリューションとしてお客様にご提供する環境、どのエリアにおいても一流の対応が求められ、そのような職場環境がレベルの高い社員のキャリアを作っていけるのだと思います。それとSASがサービスを提供する日本のお客様は、市場における一流のお客様が揃っています。それら一流で厳しいお客様とのSASのビジネスは、社員を大きく育てる機会を日々提供しています。そういった環境で働きながら、非常に高いレベルの経験と最先端の知識を得られるということです。すばらしい環境中で働き、遺憾なく力を発揮しながら、自分のキャリアをつくっていける、これは、間違いなくメリットだと思います。

もう一つは、「グローバルな環境」です。

SASでは事例の共有や日々の業務内容が当たり前のようにグローバルで共有されています。例えば、日本の社員が韓国でワークショップに参加したり、台湾に日本のソリューション事例を教える為に出張する、各国の優秀な営業社員を日本に集めてトレーニングを実施し、トレーニングが終わった後、食事をしながら交流したりというようなことが日常で行われます。

多くの外資系企業では、本社からエクスパットと呼ばれる幹部社員が派遣されるケースが多くみられますが、SASではそのような制度は一切無く、各国のオペレーションに対して多くの権限が委譲されています。更にSASの中では、同じSASの中で国を跨いでキャリアが形成できるようにする為、仕事の定義や職種、グレード等が共通になっており、どこの国のスタッフであっても、どんな仕事をしているのか、どんな職種なのかがわかるようになっています。このように、SASにおいては、グローバルな経験や知識の共有が圧倒的に進んでおり、グローバルな広い視点をもって、自分のキャリアをつくっていきたいと考える人にとっては、非常に良い職場だと思います。

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