INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
グラクソ・スミスクライン株式会社 髙橋 英人

人事×経営 〜人事戦略を語る Vol.21

グラクソ・スミスクライン株式会社

HRビジネスパートナー ディレクター

髙橋 英人

1987年に上智大学を卒業後、大手学習塾に就職。1989年に日系システム会社へ転職し、人事部に配属される。その後は人事一筋で、モトローラ、マイクロソフト等、外資系ITおよび医療機器メーカーで人事マネジャー・人事シニアマネジャーを経験し、2014年グラクソ・スミスクライン(GSK)に入社。

公開日:2017年7月10日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

人事がビジネスに貢献できることを知って仕事感が変わった

GSKに入社するまでの経緯を教えてください。

hr_021_02大学では心理学を学びました。なぜ私たちの行動と気持ちの間にズレが起こるのか、なぜ私たちはやりたいと思ったことをしないことがあるのか、等、行動心理学や社会心理学を通して人間を理解したいという強い興味があったからです。データや事実に基づいて人の心を分析する手法を学び、「私たちの意思や判断には錯覚・誤解・他者の意見が大きく影響している」「悲しいから泣くのではなく泣くから悲しいのだ」等、多くの発見がありました。思えば、この学びが、現在の人間理解のアプローチのベースになっていると感じます。

新卒で大手学習塾に入社し、浪人生のクラス担任の仕事に就きました。様々な不安やプレッシャーと一人で戦わなくてはならない浪人生に、寄り添い励まし元気づけるのは、とてもやりがいのある仕事でした。ただ、次第にもっと専門的なスキルや知識を身につけて誰かの役に立ちたいという気持ちが強くなり、SEを目指して日系システム会社に転職しました。

ところが、3カ月のプログラミング研修が終わった後、配属されたのは人事部採用課でした。正直ガッカリしましたが、いざやってみると全国を飛び回って学生と話をするのは、とても面白いもので、結果的に現在のキャリアの基盤となる人事のいろはを学ぶことができました。その後、縁あって1995年に外資系コンピューターメーカーに転職しました。そこで驚いたのは、一人ひとりの裁量が大きく、仕事のやり方の自由度が高いことでした。前職では社内通達を一つ出すのにも数多くの上司の承認を得なければなりませんでしたが、外資系コンピューターメーカーでは、私が作成した文章を上司が一瞬目を通しただけで、そのまま全社員に送ってよいと言われました。全社にメールを発信する時、送信のエンターキーを押す指が震えたのを今もはっきり覚えています。ミスにより時には大失敗してしまうこともありましたが、自分のアイデアを提案し、現場の問題解決や社員のモチベーション向上につながった時の達成感は何物にも代えがたいものでした。モトローラ、フィリップス、マイクロソフトで採用や人材育成、HRビジネスパートナーの経験を積み、2014年にGSKに入社しました。

価値観を最優先する会社

GSKはどのような会社ですか?

hr_021_03まずお伝えしたいのは、GSKは「生きる喜びを、もっと」をより多くの人々に届けられるよう、何よりも「患者さん中心」を第一に活動している会社だということです。売上や利益はもちろん重要ですが、「患者さん中心」の実現はそれらすべてに優先します。価値観や方向性に共感する社員にとって、とても居心地が良い会社だと思います。

呼吸器を中心にした革新的な新薬パイプライン、そしてエボラ出血熱・マラリアワクチンへの取り組み、全世界で100万人の子供たちの命を救うことを目標とした国際子ども支援NGOセーブ・ザ・チルドレンとのパードナーシップ、稀少疾患への取り組みはGSKの特徴といえるでしょう。これらの施策を通じて10年、20年、30年先を見据え、患者さんの生きる喜びのために貢献できることを一歩ずつ進めています。

こうした会社であり続けるために最も重要なのはトップマネジメントのコミットメントです。そして、もう1つ重要なものを挙げるとするならば、社員一人一人が持つ価値観の実践力ではないでしょうか。GSKには、「患者さん中心」「透明性の高い活動」「相手を尊重する姿勢」「品位ある行動」という4つの価値観があり、社員一人一人がこれらの価値観を毎日の活動の中で積極的に実践することを期待されています。価値観を実践するために日々の業務の中で何をすべきか?何をしてはいけないのか?といったことが職場レベルで繰り返し議論されてきました。こういった積み重ねがGSKのミッションの実現に大きく貢献しているのは間違いありません。

「患者さん中心」の実現に向けた取り組み

GSKといえばMRの新しい評価制度の導入が話題になりました

hr_021_04MRの新しい評価制度の導入は、「患者さん中心」の実現を最優先するための取り組みです。GSKにとって営業目標を達成することはもちろん重要ですが、新評価制度では、MRを売上実績ではなく、製品・疾患に関する専門的な知識、顧客からの評価、そして情報提供の質と量といった項目を組み合わせることによって評価します。

この制度の導入が決定した際の全社の雰囲気は、良いものではありませんでした。売上目標を達成できないのでは?MRのモチベーションが著しく低下するのでは?離職者が増えるのでは?ビジネスに影響がでるのでは?といった不安が社内にありました。しかし、結論から言えば、雨降って地固まる、つまり杞憂に終わりました。全社を挙げてこの変革を乗り越えることができたのです。2015年以降もビジネスは堅調ですし、MRのモチベーションや向上心、チームの雰囲気はむしろ高まっているのではないでしょうか。

なぜMRのモチベーションや向上心が高まっているかと言えば、「MRとしての専門性」を上げることが最重要課題になったことが挙げられます。製品・疾患に関する専門知識、顧客からの評価、そして情報提供の質と量といった項目が評価されることになり、より信頼されるMRになるために学ぶことや行動の「プロセス」が重要視されるようになりました。そのため、マネジャーが月に一度メンバー一人ひとりの営業活動に同行して、フィードバックやアドバイスを行う、またメンバーとコミュニケーションする際には、「○○をやれ」といった一方的な指示を行うのではなく、「先月、なぜ売上が伸びなかったのか?」といった課題をメンバーが自ら考えることができるためにコーチングも徹底されるようになりました。マネジャーがメンバーの人材育成に多くの時間を割くようになったことと、営業所単位でお互いから学び合う、そしてチーム単位で表彰されることによって、組織の風通しや一体感が高まっていると思います。

hr_021_06こうした新たな評価制度の導入やマネジャーの努力の結果、「GSKのMRは常にこちらのことを考えてくれる」「GSKのMRは本当に頑張っている」という先生方の声が、少しずつ届くようになってきました。これはMR一人ひとりが一生懸命に学び、難易度の高い質問にも積極的に対応するといった不断の努力の賜物です。MRの努力には、本当に頭が下がります。

もちろんまだまだ多くの課題がありますが、新しい評価制度の導入により、私たちは本当に大事なものを手に入れることができたと感じています。これだけ価値観が多様化した時代にあって、モチベーションの源泉は様々です。売上実績よりも「成長」にやりがいを見出し、「患者さん中心」を実現するために自分たちのレベルを上げていこうと前向きに考えるMRが今後も増えてほしいと思います。また、そのような人を育てられる組織が増えつつあることが、ここ数年の私たちの最大の成果かもしれません。

グラクソ・スミスクライン株式会社

グラクソ・スミスクライン(以下、GSK)は科学に根ざしたグローバルヘルスケア企業として、「生きる喜びを、もっと」をより多くの人々に届けられるよう、世界中の人々がより充実して心身ともに健康で長生きできるよう、生活の質の向上に尽くすため、世界約150カ国の国と地域でビジネスを展開しています。社員数は全世界で約10万人。コアビジネスとして、医療用医薬品、ワクチン、コンシューマーヘルスケア製品の研究開発、輸入、製造、販売に取り組んでいる。

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