INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
株式会社 QVC ジャパン 鈴木 雅則

グローバルで活躍するビジネスリーダー

株式会社 QVC ジャパン

人事総務部門 リクルーティング ディレクター

鈴木 雅則

QVCジャパン 人事総務部門 リクルーティング ディレクター
(米)コーネル大学 人材マネジメント・組織行動学修士。
GEとグーグルで採用やリーダーシップ開発業務などに携わる。グーグルでは、日本における新卒採用の立ち上げ及びアジア太平洋地域のリーダーシッププログラムの企画・実施を担当する。2011年、人事コンサルタントとして独立し、主に日本企業に対してリーダーシップ研修や人事コンサルティングを実施する。2013年3月より現職。

公開日:2013年8月19日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

リーダーシップを発揮するには、まず自分を知ることが必要

まずは鈴木さんのキャリアについて、大学時代のお話からお聞かせいただけますか?

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高校時代から好きだった英語をマスターしようと、卒業後はアメリカ西海岸の大学に行きました。田舎町にある学校で、日本の情報から隔絶された環境で4年間過ごしました。おかげでアメリカの文化や人々の考え方を肌で感じ取ることができましたし、英語でのコミュニケーションもほぼ不自由なくできるようになりました。卒業後は日本に帰って教育関係の仕事に就きましたが、自分の専門領域を確立したいという気持ちが次第に強くなり、以前から興味のあった人や組織の問題について勉強しようと、その分野で定評のあるコーネル大学に再留学しました。

コーネル大学大学院には優秀な教授陣が揃っていましたし、毎週のように有名企業の人事部長の講演を聴けました。また、当時としては最新のウェブ技術を使った授業や、企業と学生の協働プロジェクトなど、いろいろエキサイティングな経験もできましたね。修士号を取得した後、そのまま大学に残ってドクターコースに進む道もありましたが、理論と実務がどう関わりあっているのか実践してみたいという希望があったのと、実業の世界で自分を試してみたいとの思いが強かったので、卒業後は就職を選びました。

それで2003年にGEに入社されたのですね。

日本のGEで働くか、中国のGE(BPO部門)で働くかとても悩みました。当時は中国が伸び始めてきた時期で、漠然とした興味があったことと、アメリカと日本だけでなく、もう1カ国ぐらい知ることで、世の中のことを複眼的に見られるようになるんじゃないかという狙いで中国に飛び込むことを決めました。

実際に行ってみてまず思ったのは、経済が急速に発展する過程で人々の意識が変わりつつあり、アメリカとは違う大変さがありそうだということでした。また、日本と中国の間には歴史的に難しい問題があって、日本人というだけでマイナスのバイアスをかけられてしまう。そこをなんとかしなくては、きちんとした仕事はできないだろうと思いました。実際、日本人として扱われているうちはうまくいきませんでしたね。日本人ではなく、個人、つまりファーストネームで呼ばれるような信頼関係を築いてやっとうまくコミュニケーションがとれて物事が思うように進み始めました。

信頼関係を築くために意識したのは、相手の話をきちんと聞くことと、とにかく自分らしくいることです。決して嘘をつかないとか、人によって態度を変えない、できるだけ本音ベースで話すといった本当に基本的なことばかりですが、現地で信頼関係を築くためにはそれが必要なのだと実感しました。

GEには能力が高い人が多く、上司や先輩がロールモデルとなって、彼らの成長につられて自分も成長していく、お互いに影響し合っているという環境でした。限られた範囲だけで考えていると、自分はそこそこできる人材なんじゃないかと勘違いしてしまうこともありますが、外を見るともっとすごい人が沢山いるんですね。例えば、上海でリーダーシップ研修を受けましたが、それに参加している中国人の優秀さには驚きました。中国全土から集まってくるのですが、みんな留学経験もないのに英語が堪能でプレゼンやファシリテーションもうまい。人を巻き込んでチームを動かす力が非常に高いのです。その方面は自分も好きで、得意な分野だと思って自信を持っていましたが、彼らの能力の高さに衝撃を受けて、自分も更に成長しなければ、とても彼らと競争できないなと発奮しました。

その後GEを退社して、日本でGoogleに入社されていますね。

GEのBPOビジネスがスピンオフされることになったので日本のGEキャピタルのビジネスに移りました。優秀な人材も多く、非常に勉強になりましたね。また在籍していた間にネットワーキングのチャンスを沢山もらえて、GEジャパンのほとんどの人事リーダーたちと繋がりを持つことが出来て非常に刺激的でした。

日本に戻ってしばらくしてGoogleジャパンで自分のチームをゼロから立ち上げるというチャンスが浮上しました。当時アメリカでは急成長企業としてすでにとても有名でしたが、日本ではまだまだ認知度が低かった。本格的にグローバル展開を進めるところだったので、私にもできることが多くあるのではないか、入社しました。また、GEとGoogleは全く性格の違う会社です。GEで関わり、学んできたリーダーシップの実践理論を、違う環境でもっと究めたいと考えました。

Googleは本社や支社という枠を超えて、世界中のGoogleが1つのチームという意識が強い会社でした。権限が個々人に移譲されていて、1人1人がリーダーとして、自分で考えて実行していました。Googleはやりたいことをやっている人が多いのですが、ベクトル的に向いている方向は同じです。全く新しいことを思いついても、会社の方向性とひどく違わなければ、「とりあえずトライしてみよう」とポジティブに考えます。周りの人間もいいアイデアだと思えば協力を惜しみません。そのうえ、優秀な人材が集まって仕事を心から楽しんでいるから、エネルギーレベルが非常に高い。個人的な意見ですが、そういう人が大勢集まって相互作用したからこそ、短期間でこれほど大きな影響を与える会社になったのだと思います。私も、自分のしたいことを追求しながら、組織に対して個として何ができるかを考えるようになりましたね。

Googleを辞められた後は独立されていますが、何がきっかけだったのでしょうか。

直接的なきっかけは2011.3.11の東日本大震災です。そのときはシリコンバレーに出張中でしたが、強いショックを受けました。小学生のころに福島にいたので身近な土地だったということもありますが、とにかくどうしていいのかわからず、翌日のミーティングにも出席できなかったほどでした。そして、人生はいつ終わりが来るかわからない、いま自分がやりたいことをやっておかなければ、そのときになって後悔する、と、強く思い、Googleは刺激的な会社で、仕事も面白いけれど、ここはいったんリセットしようと決めました。

リセットしてどうするかですが、自分の専門分野にしようとコーネル大で学んだ人や組織のこと、GEやGoogleという企業で見聞したり、経験したりしたリーダーシップや働き方について、社会に何らかの形で発信したい、日本の企業人に伝えたいという気持ちがあったので、コンサルタントとして独立することにしました。

独立後に『リーダーは弱みを見せろ GE、グーグル 最強のリーダーシップ』というリーダーシップに関する本を執筆・出版する機会をいただき、独立のきっかけであった「リーダーシップに関して自分が得てきた理論と実践知を社会に何らかの形で発信したい」という目的を実現することができました。また、出版後は読んでくださった会社から研修の依頼が来たりもして、非常に充実した2年間があっという間に過ぎました。しかしこの仕事を自分が10年、20年と続けているイメージが湧いてこなかったのです。何かが違うと。また、自分自身の巻き込む力、影響力がまだまだ足りない、とも思いました。もう一度、自分が本当にやりたいことは何かを考え、悩んで、自分が本当にやりたいことは、いろいろな能力を持つ人たちが集まったチームで、社会に役立つ成果を出していくことだという結論を出しました。企業というのは1つのプラットフォームで、そこにあるリソースを使っていろいろなチームが活動しています。個人はそれぞれ自分の強み・弱みを出したり引っ込めたりしながら、同じく強み・弱みを持つ仲間と力を合わせることで、大きなことができるんだと気が付き、もう一度そういう場で自分を成長させたいと考えて、QVCジャパンに入りました。

QVCジャパンに入社されて約半年ですがいかがですか。

独立したことで、自分が何をやりたいのか、どんな働き方をしたいのか、という価値観がかなり明確になりました。そういう価値観を持った自分を受け入れてくれる会社じゃないと難しいだろうと思っていたのですが、QVCでは自分を偽らず、自分らしさをそのまま出すことができています。やりたいことをやらせてもらっていますし、非常によい環境だと思っています。まだまだ成長途上の会社ですからみんなで成長していく楽しみがある。そしてその中で自分がどう役に立っていくか、ということも新しいチャレンジですしそこから自分が得られる成長も大きいと思います。新しいことが好きな自分には、エキサイティングな環境です。

リーダーシップは努力次第で誰でも身につけられるもの

リーダーシップに対する鈴木さんのお考えをうかがいたいのですが、ご著書では「自分を知る」ことの大切さを強く説いておられますね。

qvc_2_03リーダーシップを発揮するには、まず自分を知ることが必要です。自分のしてきたことを定期的に振り返って「自分はこういう人間だ」と強みや価値観を自己認識するんです。振り返る為に人からフィードバックをもらうことも効果があります。私の場合、GEにいたときの上司が「あなたってこういうところがあるよね」「周りにこんな影響を与えているよ」といった感じで頻繁にフィードバックしてくれたんです。それをきっかけにして自分を振り返り、自分はどういう人間なのか、強みや弱みが何なのか気が付くことが出来ました。

自分を知ることで、自分の強みが明確化してどう活かせばいいか見えてくるし、逆に弱みをどうカバーすればいいか考える。また、その価値観や強みをベースに、自分の本当のやりたいことを見つけ、ビジョンとして表現できるようになるのです。言葉として周囲に説明できれば、周りもそれを理解して動きやすくなります。

独立してわかったのですが完全に1人でできることというのは非常に限られています。社会にインパクトを与える為には、自分が持っていない強みを持っている人といかに組んでいくか、ということが重要なのです。リーダーだって、1人で全てのことはできません。周りから助けてもらわなければ、物事を前に進めることはできないのです。だから自分を知り、謙虚になって必要なときに助けを求める。それが、本来の大きな目的を達成するためには必要なことですし、それを自然にできる人のほうが、より多くの協力を得られて、大きなインパクトを与えられると思います。

そしてそのプロセスの中で得た新たな発見を糧にして自分が成長し、それを周りに伝えることで周りも成長してもらうというのが、リーダーシップの基本だと思うんです。自分のチーム運営を振り返っても、学ぶことが楽しい、成長することが楽しいというのをメンバーに伝えるというか、感じてもらってお互い成長していくようにしています。だから相乗効果ですよね。自分が成長していな人に成長しろと言われても、説得力がないですから。

鈴木さんが考えるリーダーシップの構成要素、3つを教えてください。

1つは、いま言った自分を知ること、つまり自己認識力ですね。自分を知り、自分の専門領域について周りに説明できることが大切です。2つめがビジョン構築力で、自分のやりたいことを考えつめて、組織やチームの未来図を描く力です。そして3つめが、部下やチームメンバーを巻き込む力。相手の強み、弱みを理解したうえで、チームとして機能させ、ビジョンを実現していくために必要です。

これらの力を十分に発揮するためには、コミュニケーションスキルが不可欠です。自分のことをしっかり考えるIモード、相手の考え方を理解し、相手の視点で考えるYOUモード、自分と相手の両方の視点でチームに焦点を合わせるWEモードの3つのスキルを駆使して周りを巻き込み、動かしていく。ある場面では自分がリーダーシップ発揮していることもあれば、ある場面では部下がリーダーシップを発揮して、自分がフォロワーとしてついていくこともある。そういう曖昧性を前提に、謙虚な気持ちで繋がることが大切だと思います。

最後に、リーダーを目指すビジネスパーソンにメッセージをお願いします。

リーダーシップは一部の優秀な人たちに生まれつき備わったものではなく、努力次第で誰でも身につけられるものです。やる気さえあればどんな人でも学ぶことができる技術・思考体系であり、実戦経験の積み重ねの中でその本質を掴み取るものです。「日本人はリーダーシップを発揮するのが苦手である」という思い込みを捨てて、リーダーシップを身に着け、前向きに仕事に取り組みませんか?そして、Be the best leader we can be !


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