INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
GEヘルスケア・ジャパン株式会社 毛受 義雄

ビジネスを変革する デジタル戦略 Vol.11

GEヘルスケア・ジャパン株式会社

執行役員 イメージング本部長 兼 東日本統括本部長

毛受 義雄

1986年立教大学教育学部卒業後、GE横河メディカルシステム入社(現GEヘルスケア・ジャパン)。管理部門、ロジスティクス、輸出入ライセンス等の経験を経て、画像診断営業部へ異動。松山地域を担当後、東京エリアを担当。1998年より福岡エリアへ異動し、ブランチマネジャーとしてグリーンベルト取得。2003年には全国8リージョンの内、九州地区リージョナルマネージャーに昇進。2006年よりCTセールス・マーケティング事業部部長としてCT事業部初の200億円売上げ達成にチームを牽引。その後、モルキュラーイメージング/CTセールス・マーケティング事業部統括部長を経て、2017年よりGE ヘルスケア・ジャパンの執行役員、イメージング本部長として部門統括、並びに東日本統括本部長。

公開日:2017年9月15日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

製品の良さを見せる営業の力

まず、毛受さんの入社からこれまでの職歴を簡単に伺えたらと思います。

digital010_02若い頃は先生になりたいと思っていて、大学では教育学部に進学しました。希望する小学校で教員になることを目指しましたが、残念ながら空きがなく、進路を再度考えていた際、知人にGE横河メディカルシステム(現:GEヘルスケア・ジャパン)を勧められ、入社を決めました。それ以来、ずっとこの会社にいます。

入社して最初の5年は、管理部門、ロジステックス、輸出入ライセンス業務に携わっていました。ロジステックスにいた当時、お客様に製品をタイムリーにデリバリーするため、営業や生産の方々とよくコミュニケーションを取っていたのですが、よく営業部の方々から、「営業は楽しいから、毛受くんも営業部においでよ」と声をかけていただいていました。このことがきっかけで次第に営業に興味を持つようになり、1991年、私は自ら希望して画像診断営業部(当時)に異動しました。

最初の4年は松山営業所に赴任し、愛媛県南部エリアのお客様にCTやMRIなどの製品を販売しました。思い返すと、本当に楽しい日々でした。右も左もわからないまま、お客様へのレスポンスを速くすることと誠実な対応に気をつけていたら、幸運なことに1年目から売上トップの成績を上げることができたのです。また、遠いところにある病院だと片道3時間以上をかけて伺うのですが、そうした病院に訪問すると、私が顔を見せるだけでも喜んでいただける。やりがいのある環境でした。もちろん失敗や学ぶこともいろいろとあったのですが、総じてみれば、営業の最初の一歩を良い形で踏み出すことができたと思います。

次に東京へ戻ってきて、中央区・品川区・大田区・江東区エリアを受け持ち、大学病院・大学の医学部・大規模病院などをいくつも担当することになりました。そこではこれまで以上に高度な知識を身につける必要がありました。しかし、お客様の課題や要望をきちんと伺った上で、誠実にスピーディーに、一生懸命に対応するという営業の基本はまったく一緒でした。扱う製品そのものは営業の力では変えられませんが、製品の見え方は、営業の対応によって大きく変わってきます。医師の先生方にどんな製品と知っていただくかは、営業の力なのです。できるだけ製品の良さを伝えられるよう、私は力を尽くしました。

福岡時代には、ブランチマネジャーとして初めて部下を持ちました。面白かったのは、一人ひとりの営業スタイルの違いが見えたことです。私以上に先生方の懐に入っていくメンバーもいれば、理知的に攻めていくタイプのメンバーもいました。さまざまな営業スタイルを間近で見られたのは、現在も大きな糧になっています。たとえば、詳しくは後ほどお話ししますが、私たちはいま、営業の行動パターンを分析し、一人ひとりの強み・弱みを明確にする「営業のサイエンス」を進めているのですが、こうした試みの際に、さまざまな営業スタイルを見てきた経験が活きます。そして現在は、営業部のみならず、CT、MRIなど大型機器を主に扱うイメージング本部と東日本統括本部の全体を見ています。

GEデジタルでお客様の経営効率を高める

GEヘルスケアのビジネス方針を教えてください。

digital010_04私たちがいま最も注力しているのは、「Brilliant Hospital(ブリリアント・ホスピタル)」やそれを構成する「Brilliant RaDi(ブリリアント・ラディ)」、「Applied Intelligence(アプライド・インテリジェンス)」といったデジタルサービス及びサービス体系です。

Brilliant Hospitalとは、ごく簡単に言えば、病院に「最新デジタル環境」を提供するサービス体系です。医療機器や医療データ、医療従事者や院内業務など、院内のあらゆる「人・モノ・情報」をネットワークで接続し、そこから収集したビッグデータを一元的に高度分析した上で、医療現場に活用することで、各診療科はもちろん、医療従事者や経営者に新たな知見を提供していく構想です。

その第一歩が、Brilliant RaDiです。Brilliant RaDiとは、私たちが販売しているCT、MRIなどの医療機器の稼働率向上を目指すサービスです。CTやMRIの稼働データをネットワークで収集し、一元的に監視・分析することで、一つひとつの機器が故障する時期やリスクレベルを予測し、そのリスクレベルに応じて予防対応を実施するのです。また、Applied Intelligenceとは、医療データ分析サービスです。医療機関が保有するデータをベースにして、課題解決に必要な業務指標、経営指標を可視化し、経営改善にむけたコンサルティングサービスを提供します。このサービスを活用すれば、業界や地域とのデータ比較をしながら、その病院にとってどの経営課題が最も重要なのか、どこに経営のオポチュニティ(機会)があるのかを明確にすることができます。

なぜいま、私たちがBrilliant Hospital構想に力を入れているかと言えば、一つには、多くの病院がさまざまな経営課題を抱えているからです。たとえば、診察の待ち時間が長い病院がいまも数多くあります。GEのデジタルサービスを使うことで、看護師さんの対応アプローチを変えたり、予約の集中を防いで診察の待ち時間を短くすることができたら、患者さんにとっても病院にとっても、ひいては地域や国などにとっても良いことでしょう。私たちはデジタルを駆使して、これらの経営課題の解決を実現し、お客様と一緒により多くの喜びを分かち合っていきたいと考えているのです。

また、Brilliant RaDiやApplied Intelligenceなどによって、病院経営やサービスの効率化を図れたら、その分だけ資金の余裕ができ、CT・MRIをはじめとする大型機器の購入に資金を回すことができるようになります。つまり、これらのデジタルサービスは、回り回って、私たちが長らく行ってきた医療機器ビジネスを成長させる上でも意味があるのです。これが、私たちがデジタルサービスに力を入れる第二の理由です。実はいま、日本の税収減と医療費上昇を背景に、医療分野の規制が進んできており、医療マーケットは厳しい状況にあります。そのため、多くの病院が大型機器の購入を控えるようになってきています。そこで、私たちはデジタルを駆使してお客様の生産性アップに貢献し、業界全体の景気を押し上げることで、医療機器の売上アップも目指しているのです。

デジタルサービスでのGEヘルスケアの強みは何ですか?

digital010_03GEが独自開発した産業用IoTプラットフォーム「Predix」。それも活用し生産性向上を可能としたスマート工場「Brilliant Factory」とその頂点「Best Brilliant Factory(2016)」の称号を得ている日野工場。これらGEの最先端の技術や知見を活かし、病院向けサービスに活かしていけるのがGEヘルスケアの強みです。

それぞれを少し説明させていただくと、まず、Predixは、産業用機器の“成果”の最大化を目的としたプラットフォームです。その95%が、オープンソースソフトウェアによって構成されている点も新しいと言えるでしょう。このPredixを使うと、機械学習アルゴリズムを変えるなどして、一つの産業用機器につき1000種類近い予測モデルを作成し、予測精度を高めることができます。しかも、Predixは現場の誰もが使うことができる点が必要に有用です。

また、私たちの機器を作っている日野工場は、世界に450あるGEの自社工場のなかで7つ選ばれた”ブリリアント・ファクトリー“の中でも最も高い評価を得ています。ブリリアント・ファクトリーに選ばれたのは日本からは日野工場だけであり、またGEヘルスケアでも日野工場が唯一です。さまざまな面でデジタル化・最適化を図り、デジタル化によって生まれた余剰時間を本来の焦点であるカイゼンに使って、ムダのない生産方式を実践しています。このシステムを病院向けサービスに活かしていくのが「Brilliant Hospital」構想ですが、それを伝えるために日野工場は最適です。病院関係者の方々に日野工場を見学していただくと、ほとんどのお客様が「私たちの病院でも、まさにこれを実現したいんだ!」とおっしゃいます。自分たちがいち早くデジタルに投資し、デジタルによって効率化を実現し、経営を改善している姿を見ていただくと、信頼度も一気に増していると感じます。

それから、最後に、医療機器を作るメーカーとして、機器の故障の予知など、機器に対する深い知識がなくてはできないサービスを実現していくことができる点も、当社の大きな強みです。

日々のフィードバックが得られる会社

そのなかで、営業はどのような役割を果たしているのでしょうか?

digital010_05私が常日頃から営業メンバーに伝えているのは、「Face to Faceの時代」が来たということです。デジタルサービスを販売する上でも、やはり「血の通ったコミュニケーション」がなくてはなりません。営業が誠実にスピーディーに対応し、課題や要望を深く理解してお客様と信頼関係を築き、お客様にサービスの良さをしっかりと理解していただかなければ、デジタルサービスといえども売上は上がりません。また、電話やメールだけでなく、Skypeなどのコミュニケーションツールが増えてきた現代では、むしろ対面コミュニケーションの力が一層強くなってきています。お客様に直接どんどん会いに行く営業の力が、血の通ったコミュニケーションを実現し、信頼関係を築く一番の近道なのです。

とはいえ、1人の営業がお客様に会える機会は物理的に限られています。そこで、私たちは「デジタルコンテンツ」を有効に活用しています。営業が、お客様のメールアドレスにデジタルコンテンツを定期的にお送りすることで、対面コミュニケーションをサポートしているのです。

営業の働く環境はどのようになっていますか?

ご存じの方も多いと思いますが、私たちは2016年から「No Rating(ノーレイティング、従業員の年次評価を廃止する制度)」を導入しました。No Ratingの一番の特徴は、年次評価を止める代わりに、日々の有効なコミュニケーションを増やすことです。実際、私たちのマネジャーは日々、メンバーに質問を投げかける、フィードバックを伝える努力を重ねており、継続的に成長していきたい方には、うってつけの環境があると思います。加えて、私が統括する営業部では、営業一人ひとりの行動データを分析して、どこに強みがあり、どこに弱点があるのかを見極め、一人ひとりの進化を促しています。営業活動にはもちろんアート(経験や勘)も必要ですが、こうした「営業のサイエンス」にも力を入れて、フィードバックの精度を高める工夫をしています。また、たとえば北海道と九州では、病院の置かれた状況や風土、課題などが大きく違い、それに合わせて営業戦略も変えていかなくてはなりません。そうした違いを明確にして、それぞれの地で一人ひとりが売上を高めるには、地域や個人の違いを全面に出すことが欠かせないのです。そのため、現場の営業一人ひとりの声や想いを重視した「ボトムアップ型の営業組織」にしています。

一方で、もちろん「働き方改革」も進めています。たとえば、営業のテレワークやテレビ会議の利用は、もはや当たり前になってきています。現在は、営業メンバーが家族を介護しながら働ける体制づくりや、育休社員のカバーリングなどにチャレンジしている最中です。今後は、さらにさまざまな社員のサポートを充実させていきたいと考えています。

どのような方がGEヘルスケアに適していますか?

digital010_06一言で言えば、「パッション」と「チャレンジ精神」がある方です。私たちは、コンフォートゾーンに留まらず、情熱を持って、次のステップにチャレンジし続けられる方を求めています。いつも自分の能力の「ちょっと上」を目指していただきたいのです。もちろん、チャレンジに必要な課題を提供するのはこちらの務めです。たとえば、自分の能力とやっている仕事の難易度、そのバランスが非常に重要となってくると考え、少し難易度を挙げたプロジェクトの機会提供をしています。山登りでいくと、今平坦な道なのか、少し傾斜のある山を登っているのか。登っている最中は筋肉痛にもなり厳しいが、それを続けると筋肉はつき、次の山は軽々越えられるようになる。そんな対話をしながら、「ちょっと上」の経験をし、成長を促しています。「ちょっと上」のチャレンジをしたい方、ぜひ私たちと一緒に、一歩先へ進み続けませんか。

GEヘルスケア・ジャパン株式会社

GEヘルスケア・ジャパンは、日本の医療課題の解決に取り組むヘルスケアカンパニーです。1982年、トーマス・エジソンが設立したエジソン・ゼネラル・エレクトリックカンパニー(GE)と
横河電機との合弁会社「横河メディカルシステム」の設立により、その日本での歴史が始まりました。以来、「世界がいま本当に必要としているものを創るのだ」というエジソンの発明の精神を受け継ぎ、35年にわたり、日本の医療課題解決のために取り組んでいます。GEヘルスケアの中核拠点の1つとして、グローバル企業としての強みを取り入れつつ、国内に有する開発、製造から販売、サービスまでの一貫した機能を活かし、質の高い持続的な医療の提供を目指しています。

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