INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
マース ジャパン リミテッド 児玉 恵津子

マーケティング×経営 ~マーケティング戦略を語る Vol.3

マース ジャパン リミテッド

マーケティングディレクター

『カルカン®キャットフードのロングセラー カルカンねこ、まっしぐら♪』

児玉 恵津子

日本では30年以上の歴史を持ち、世界30カ国以上で愛されているカルカン® 。 子ねこからシニア猫用まで、全てのライフステージの猫を、健康でハッピーに!

公開日:2014年3月17日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

成功を信じられることが大事

カルカンとはどのような製品ブランドでしょうか。

カルカンは親しみやすい毎日のごはんというイメージを大事にした、子猫からシニア猫まで全てのライフステージを対象としたキャットフードブランドです。日本では歴史の長いブランドで、「ねこ、まっしぐら」のキャッチコピーと共にキャットフードブランドの代名詞としても定着しています。

日本では、ペットフードは1960年代ごろにドッグフードからはじまりました。最近は小型犬が増えてそうでもない種類もありますが、猫と比べて比較的犬は食いムラがありません。しかし猫は飽きっぽくて好き嫌いがあると言われます。ペットオーナー目線でそう感じるのかもしれませんが、一般的に猫は味にうるさいと言われています。そういう猫が喜んで飛んできて食べる、というイメージを表すのがカルカンのキャッチコピー「ねこ、まっしぐら」だったんです。

カルカンはここ数年で再注目されていると伺いました。

そうですね、おかげさまでウェットフードはカテゴリーのリーダー的存在ですが、ドライフードは過去、苦しい時期もありました。2011年にカルカンドライは再スタートを切り、それ以降シェアを倍に伸ばしています。現在のマース ジャパンの成長の柱がカルカンになるほど、再成長できたのです。

カルカンドライの再起にかけては、原点に戻ろう、とカルカンの強みを活かした戦略を採りました。カルカンの強みは全てのライフステージ、つまりあらゆる年代の猫に対応できる製品を揃えていて、猫の一生をサポートできるブランドであるということです。カルカンはカリカリのドライフード、パウチや缶のウェットフードがあり、特に成長しているパウチタイプは子猫からシニア猫まで、ライフステージのコンセプトに従って40種類近くの製品が揃っています。ここまでそろっているブランドはカルカンだけです。もちろん、味の種類も豊富に揃えているので選びやすいんですね。

マース ジャパンは特に子猫ターゲットの製品に強く、シェアも高いです。子猫用のウェットフード製品は市場でも種類がそう多くはありません。マースは子猫の栄養バランスなどの研究も、自社研究機関である英国のウォルサム研究所で、長く行っており、子猫に必要な栄養バランス、総合的な栄養価なども考えた製品開発を行ってきました。それが功を奏して「子猫にはカルカンだよね!」とペットオーナーの皆様におっしゃっていただいていますが、これは他社にはない強みです。子猫用の製品比率は全体の10%くらいですが、子猫の時代に食べさせていた安心感というのは大きな強みで、そのイメージは成猫、シニア猫含めたブランド全体にも大きな影響があります。そこで日本では子猫のシーズンである5月頃から、その時期に合わせて子猫専用のテレビCMを展開しています。

あわせて、食べ易さなども考えて改良を行いました。開発には実際に猫を飼っているオーナーさんのご自宅に訪問し、ご意見を伺ったりもして、猫が求める食感、味、そしてオーナーさんの気持ちを理解することを大事にしています。また、毎日のごはんですから価格帯も重要です。製造からサプライチェーンのことまですべての段階で細かい検討を加えました。

パッケージに関しても変更を行いました。マース ジャパンのオフィスには模擬の商品棚があって何度もリアルな売り場での置き方などテストを繰り返します。お客様は商品棚を見て何を購入するか決定します。システマチックにパッケージを設計することもできますが、私たちは原始的な方法ではありますが、細部にこだわって実際に棚に置かれたパッケージを確認することを重要視しています。

こういった再スタートの販売開始後3か月くらいで効果が見え始め、現在まで順調に成長し続けられています。

2011年の再スタートの苦労はどんなところにありましたか

悪いスパイラルに入った時期は社内の意欲の向上、このブランドが復活して欲しいという愛着など、気持ちを揃えるのが大変です。再起するには、成功を信じられることが大事でした。それぞれがプロですから自分たちが描きたいと願う姿を想像して、復活を信じられる気持ちになれれば、自然とチームは動き出します。

そこで「ビジョニング・セッション」という、みんなで復活した姿を思い出すようなミーティングを重ねました。ブランドの最高の状態を想像できなくなると決して実現しません。たとえば「カルカンのテレビCMの曲を子供たちが歌っている」とか、「うちの子はカルカンしか食べない」と言われるとか。最初は妄想から入って(笑)しだいに具体的なイメージがはっきりしてくるのです。

2011年の再スタート以降、おかげさまで順調に成長し続けていますが、2年間に成し遂げたことの大きさをいつも思い出してこれからもいい製品を提供していきたいと思います。

“フード”はペットとのコミュニケーション・ツール

ペットフードカテゴリ全体のマーケティング戦略についてお聞かせください

インタビュー写真1

現在ブランドは8ブランドあります。日本のペットフード市場は非常に多様なのでブランドポートフォリオを組んで新しいニーズに対応し、よりペットオーナーに喜ばれる製品戦略が求められます。例えば、毎日食べるごはんのブランド、ご褒美的な高級ブランド、そして健康志向のブランドといった形です。競合には1つのブランドを軸にしている会社もありますが、マースは“Serve More Pets”という考え方を持っています。1匹でも多くの愛犬、愛猫の多様なニーズに応えるためにブランド数を増やしてきました。

ペットオーナーの方々は複数のペットフードブランドを使われます。毎日のごはんがあるから特別な食事の意味も出てきます。例えば、毎日のごはんであるカルカンに対して、シーバはよりおいしく、高級感を出して猫とオーナーの気持ちや喜びを気づかいます。

今やペットは家族の一員、“コンパニオン・アニマル(伴侶動物)”です。ペットフードは愛犬・愛猫とのコミュニケーション・ツールとなります。ペットフードはペットと暮らす喜びを感じるツールになり、我々はそれを提供しているのです。

ペットフード市場でなにを目指されていますか。

我々はもちろん、「ダントツのトップ」を目指しています。しかし、シェアだけを重要視しているわけではありません。ペットフード市場は競合も多く、市場自体も成熟しています。この厳しい環境では私たちだけで勝っても長続きしません。お得意様、ペットオーナーの皆様、そしてペットたちも、ともに感じられる喜びが必要です。

また、社内に対しても同様です。マーケティング、セールス、管理部門、またタイ、オーストラリア、カナダにある工場やサプライサイド全て含めて、全員がハッピーになれる勝ち方が必要です。ブランドを成長させるのはマーケティングだけではありません。部門を超えた努力を行うことがブランドの成長に繋がります。チームプレイでの努力で、カルカンは復活しましたし、ペットフード全体でも大きく成長し上位に返り咲くことができたのです。これだけ成熟した市場で復活したことに興味を持ち、最近はアジア太平洋地域、ヨーロッパ、アメリカなど、世界中のマースから日本の市場を見に来ます。昨年は延べ1,000人が来日しました。

マースのグローバル企業としての優位性についてお聞かせください

ドッグフードのプロマネージは日本独自のブランドですが、それ以外のカルカンやシーバ、シーザーそしてペディグリーはすべてグローバルブランドです。もちろんグローバルブランドの知名度もそうですが、製造におけるスケールも有利です。ペットへのインサイトはグローバル共通のものです。ペットをケアする気持ちと栄養バランスのとれたペットフードを与えるという点が一体化していますので、ブランディングの力、開発、製造についてグローバルブランドとしての強みを最大限に引き出しやすいことが強みであり、優位性であると考えています。

部門を超えてチームとして働けないとブランドの成長はあり得ない

児玉さんにとってブランドとは何でしょうか。

インタビュー写真4

ブランドとは感情とのコネクションであると考えています。一般的に、ブランドとは製品名、商品名を指すことが多いと思いますが、マースにとってブランドは感情価値を加え、高めるものだと理解しています。

猫を飼う喜びは、猫でないと与えられません。一見、気まぐれでわがままに見えますが、そんな猫をなぜ飼うのか、それはふとした猫と触れ合う瞬間の喜びだと思います。日々、何となく猫と寄り添う生活の中に喜びがあるんです。マースのペットフードブランドは、そういった喜びに「ペットをケアする喜び」「ペットとコミュニケーションをとる喜び」といった感情価値を提供するものだと考えています。ペットとの生活は幸せなものです。そういう幸せをペットオーナーの皆様と分かち合える、私たちの仕事はそういう幸せなものだと思います。

では最後にマースへの転職に興味を持たれている方へのメッセージをお願いします

マースは部門を超えてチームとして働き、同じビジョンを持って向かい合っていける職場です。ビジネスを全体的に包括して捉え、部門を超えてチームとして働けないとブランドの成長はあり得ませんから。そしてそれを実現するために、チームメイトとしてお互いに支え合い、切磋琢磨できる連帯感や信頼感があります。

我々の扱う製品はペットフードもチョコレートも人に喜びや楽しみを与えるものです。そういった製品を扱い、ペットオーナーや消費者の喜びを支える仕事がしたい、そういう方と一緒に働きたいですね。

マース ジャパン リミテッド
マース ジャパン リミテッド

インタビュー写真6マースは、世界をリードする食品会社として、信頼できる数多くの有名ブランドのチョコレート、キャンディー、ペットケア、食品、ドリンク製品で知られています。

マーケティングディレクター 児玉 恵津子氏 プロフィール:

大学卒業後、飲料メーカーに入社。大学院留学後、インターネットベンチャー、高級消費財ブランドのマーケティングマネージャーを経て2006年にマース ジャパン入社。

キャットフードのブランドマネジャー、カテゴリーマネジャーを経て、2012年より現職。

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マース ジャパン リミテッド
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マースは、世界をリードする食品会社として、信頼できる数多くの有名ブランドのチョコレート、キャンディー、ペットケア、食品、ドリンク製品で知られています。

マーケティングディレクター 児玉 恵津子氏 プロフィール:

大学卒業後、飲料メーカーに入社。大学院留学後、インターネットベンチャー、高級消費財ブランドのマーケティングマネージャーを経て2006年にマース ジャパン入社。

キャットフードのブランドマネジャー、カテゴリーマネジャーを経て、2012年より現職。

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