INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
日本ヒルズ・コルゲート株式会社 坪田 明晃

マーケティング×経営 ~マーケティング戦略を語る Vol.15

日本ヒルズ・コルゲート株式会社

マーケティング本部長

坪田 明晃

ヒルズの「プリスクリプション・ダイエット」は、病気のペットの治療を助けるために臨床栄養学をもとに開発された「特別療法食」です。特別療法食とは、特定の疾患等に栄養的に対処するために成分の制限等を行い、獣医師の専門的なアドバイスや処方に従って与えることを意図としたペットフードのことです。

公開日:2016年7月11日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

遺伝子レベルで研究を進める犬・猫用の「特別療法食」

「プリスクリプション・ダイエット」はどのようなブランドでしょうか?

cg_071_04「プリスクリプション・ダイエット」は、病気になった愛犬、愛猫用の「特別療養食」です。人間は病気になったり、入院したりすると、病状に合わせて食事管理をします。病気や手術を受けたペットにも、同じように専門的な食事療法が必要なのです。病状に適した栄養を摂ることによって、病気の回復・生体機能の正常化を助けます。食事管理は、薬品の処方や外科的処置などとともに、獣医学的診療体系を構成する重要な分野なのです。

プリスクリプション・ダイエットは病状に応じて栄養組織を組み立て、病気の治療に役立つ食事です。さまざまな病気の特別な要求に対応できるよう成分を調整してあり、一般のペットフードとは大きく異なります。現在は肥満、皮膚疾患、下部尿路疾患、消化器疾患など、症状に応じて多くの製品を揃えています。

「プリスクリプション・ダイエット」の特徴はどこにありますか?

たとえば「プリスクリプション・ダイエット」ブランドの「メタボリックス(TM)」という製品は、ヒルズ独自の画期的なものの一つです。体重管理の食事療法に役立つフードで、低カロリーはもちろんのこと、犬・猫を遺伝子レベルで研究した上で、健康的なエネルギーの代謝に役立ちムリなく減量ができるように、遺伝子栄養学に基づき一つ一つの栄養の組み合わせに配慮しつくられています。しっかりとした研究開発を行い、臨床的に効果が証明された製品を生み出していくのが、ヒルズの特徴です。ペットフード分野で最先端の遺伝子研究まで行っているメーカーは極めて限られていると思います。こうした最先端の研究開発力が、ヒルズの価値の源泉です。

私たちのミッションは、人とペットの深い絆を、より豊かに、より永らえることに貢献すること。また、そのために世界中のペットオーナーさま、獣医師さま、その他ペットの栄養管理の専門家に対し、最善かつ最先端のペット栄養学、製品および専門知識を提供することです。単に食いつきが良いだけの製品を作るのは、実は簡単です。しかし、それが本当にペットの身体に良いものとは限りません。私たちが注力しているのは、あくまでもミッションに基づいた研究開発。ペットが健康に長生きするために最良の製品を作ることです。

プリスクリプション・ダイエットでは、それぞれの病状に合わせて必要となる栄養を過不足なく提供でき、そのうえで、いかにおいしく食べてもらえるかを追求しています。そして、ペットとペットオーナーさまの関係を一日でも長くすることを目指しているのです。少し大げさかもしれませんが、社会的な影響も与えうる製品だと考えています。「ヒルズの製品のおかげで、うちの愛犬たちは、皆健康で長生きです」といったユーザーの方々の声をお聞きするたびに、大きな喜びとやりがいを感じます。

獣医師の皆さまにご推奨いただくためのマーケティング

どのようなマーケティング戦略をとっているのでしょうか?

cg_071_03プリスクリプション・ダイエットは、獣医師さまの管理のもとに疾病を栄養学的にサポートすることを目的としたペットフード。ですから、獣医師さまや動物看護師さまといった獣医療関係者の皆さまにご推奨いただくことが最も重要になります。マーケティング活動の多くは獣医療関係者さまに向けたものです。具体的には、日々のディテーリングやセミナーなどを通して、皆さまに私たちの製品をご理解いただき、ペットオーナーさまにご推奨いただけるように活動いたします。

派手な広告をつくってプロモーションするという商材ではありません。一人一人の獣医師さまのご理解と信頼を着実に一つ一つ積み上げていけるようなマーケティングが求められます。そのためには、さまざまな工夫、クリエイティビティが必要です。たとえば、現代のペットの大きな課題に「肥満」があります。食べ過ぎや運動不足で、体重管理が必要な愛犬、愛猫が日本には数多くいます。人間と一緒ですね。しかし、肥満の解消は手間と労力がかかるため、積極的に行おうとしないオーナーさまが少なくありません。また、それ以前に、肥満状態にもかかわらず、我が家のペットが肥満だという自覚に乏しいオーナーさまもたくさんいらっしゃいます。これも、人間と一緒なんですね。そのようなペットオーナーさまに体重管理を提案することは獣医師さまにとってもなかなかハードルが高いことです。

そこで私たちは、獣医師さま向けの「サポートツール」を用意しました。お使いいただくことで、ペットの肥満に悩むオーナーさま、あるいはペットの肥満を自覚していないオーナーさまに、この先生と一緒に「よし体重管理をはじめてみよう」と思っていただくのに役立つようなものを考えました。それに加えて、「減量応援ホームページ」をつくり、オーナーの方々と動物病院の方々とで一緒に楽しく取り組んでいただくキャンペーン「脱メタボ★コンテスト」もWeb上で開催しています。製品そのものだけでなく、ペットの減量に成功いただける環境を整えることで、獣医医療関係の皆さまにもペットオーナーのみなさまに喜んでいただいています。

ヒルズのほかのブランドはいかがですか?

ヒルズには、「プリスクリプション・ダイエット」のほかに、「サイエンス・ダイエット」「サイエンス・ダイエット〈プロ〉」の2ブランドがあります。どちらも健康な愛犬、愛猫用のフードですが、「サイエンス・ダイエット」はホームセンターやGMSなどの量販店などで広く取り扱っていただき、マス・マーケティングも積極的に行っています。愛犬、愛猫の健康の維持を目的したブランドになります。「サイエンス・ダイエット〈プロ〉」はペット専門店や動物病院で取り扱っていいただき、予防を目的としたブランドとなります。愛犬・愛猫の健康寿命をより意識した製品です。「人とペットの深い絆を、より豊かに、より永らえることに貢献する」という私たちのミッションを達成するために、いずれも欠かせないブランドです。

プリスクリプション・ダイエットのマーケティングの醍醐味はどこにあるのでしょうか?

営業・学術・マーケティング一体になって、獣医師の皆さまと少しずつ信頼関係を高め、ご推奨いただける先生を増やしていくプロセスが、面白いところでもあり、難しいところでもあります。短期間でマーケットシェアがいきなり急激に伸びたり落ちたりするような商材ではありません。しかし、1年後・2年後には、活動の成果が確実に表れてくる。そうしたタイプのビジネスです。拠りどころになるのは、ヒルズの製品が間違いなく圧倒的に優れているという事実です。われわれはその点に確信を強く持てるので、自信をもって一つ一つ積み上げていくマーケティング活動を遂行できるのです。

それから、先ほども少し触れましたが、「社会的な意義」もやりがいにつながっています。私自身、それが日本ヒルズ・コルゲートに転職を決めた大きな理由の一つでした。ヒルズの質の高い製品がこれまで以上に広まれば、愛犬、愛猫の健康寿命は確実に伸びるでしょう。そして、ペットとペットオーナーの関係をより長くすることができるでしょう。日々、自分の行動が世の中にプラスの効果をもたらすと感じることができるような仕事はやはりうれしいものです。

ブランドオーナーの意識を持ち、運営できる方を求めている

御社のマーケターにはどのような能力が求められますか?

cg_071_02各ブランド担当者には、自分がブランドのビジネスオーナーだという気概をもって、マーケティングの活動だけでなく、売上と利益の両方に意識をもって、ブランドを運営していただいています。ですので、一つ目は、ビジネスマインドをもって、マーケティングを行える方です。

マーケティングだけで完結するような仕事はあまりありません。二つ目は、社内の他部署、社外のビジネスパートナーあるいはグローバル本社、いろんなステークフォルダーをうまく巻き込みながら、あるいはうまく巻き込まれながら、物事を促進する力がある方ですね。

三つ目は変化に柔軟に対応できる方です。競合ブランドも強力ですし、市場環境もやさしくはありません。計画どおりに行かないことや急に変更せざるをえないこともあります。そういった場合でも、新しい前提条件の中で、止まることなく手を考え、打つことのできる方ですね。

この数年、日本ヒルズ・コルゲートは大きな組織変革を進めてきました。従来のやり方にこだわることなく、新しいやり方を柔軟に、積極的に受け入れる態勢が整っています。また、私たちのマーケティング組織もまだまだ発展途上です。まだ試すことができていない打ち手、十分に取り組めていない課題もたくさんあります。ですので、私たちと一緒にそれらにチャレンジしていただける方を探しています。

インタビュー:『成長する企業のビジネス戦略』Vol.21 日本ヒルズ・コルゲート株式会社はこちら

日本ヒルズ・コルゲート株式会社

ヒルズはペットが長く健康な一生を全うできるよう、最新の小動物臨床栄養学を基にペットフードの研究開発を続けている世界のリーディングカンパニーです。人とペットのハピネスを目指し、互いが共生できるより良い環境や社会を実現するために、ヒルズはたゆまぬ企業努力を続けています。愛犬用、愛猫用ともに、「サイエンス・ダイエット」「サイエンス・ダイエット〈プロ〉」「プリスクリプション・ダイエット」の3ブランドを展開。人とペットの深い絆を、より豊かに、より永らえることに貢献することを目指し、世界中のペットオーナー、獣医師、その他ペットの栄養管理の専門家に対し、最善かつ最先端の、ペット栄養学、製品および専門知識を提供しています。

日本ヒルズ・コルゲート株式会社
マーケティング本部長
坪田 明晃氏:

同志社大学卒業後、1996年に東食(現:カーギルジャパン)に入社し、大豆・菜種などの油糧原料の輸入業務に携わる。イリノイ大学でMBAを取得後、2002年にジョンソン・エンド・ジョンソン入社。キズケア製品やコンタクトレンズ製品のマーケティングを担当した後、シニアマネジャーとして、デジタルマーケティング統括、コンシューマー・マーケティング統括を歴任。2015年、日本ヒルズ・コルゲート株式会社にマーケティング本部長として入社。

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