INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
フェラガモ・ジャパン株式会社 得能 摩利子

成長する企業のビジネス戦略 Vol.10

フェラガモ・ジャパン株式会社

代表取締役社長兼CEO

得能 摩利子

東京大学卒業後、1978年東京銀行入社 し1981年に結婚に伴い退社。1993年、州立ブリティッシュコロンビア大学にてMBA取得後、1994年ルイ・ヴィトンジャパン入社。2004年ティファニージャパンに営業統括 ヴァイスプレジデントとして転職し、その後、クリスチャンディオールジャパン代表取締役社長を経て、2013年7月よりハピネット株式会社社外取締役就任。 同年9月よりフェラガモ・ジャパン株式会社CEO兼任、現在に至る。

公開日:2015年1月13日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

結婚退職後にMBAを取得 ラグジュアリー業界でキャリアを積む

これまでのキャリアについてお聞かせください。

cg_058_03大学卒業後、当時、女性の登用で有名だった東京銀行に就職しました。入社後は本店の営業部に配属されました。社会人としての基礎を身につけると同時に、輸出保証などの面白い仕事に携わることができましたね。その後、結婚をきっかけに退職を決めました。しかし、結婚でいったん仕事を辞めたものの、どこかでタイミングがあえば社会に戻るつもりでいましたので、夫のカナダ赴任を活用して州立ブリティッシュコロンビア大学に入学し、MBAを取得しました。

帰国後、1994年にルイ・ヴィトンジャパンに入社、社長室に配属されました。会社が非常に伸びている時期であり、社内のどの部署にも所属しないような、独立型の新しい仕事を任されていました。人事部と協働しての中間管理職研修の企画・実行といった仕事をはじめ、日本の旗艦店の立ち上げや、アウトレットを扱う会社の立ち上げなどのスケールの大きな仕事を任されるチャンスに恵まれました。その後、営業統括部のトップを経験後、仕事の範囲をさらに広げたい、営業だけでなく、マーケティングやマーチャンダイジングといった様々な部署を全て見られるブランド全体のマネージメントに携わりたいと考え、ティファニーを経てクリスチャンディオール代表取締役社長に就任しました。2年半ほど勤めた後、「もう十分やっただろう」と考えて退職しました。

退職後にも仕事のお誘いをいただきましたが、お断りしてゴルフ三昧の生活を送っていました(笑)。しかし3か月ほど経って、ふと、これからどうしようかな、と迷いがでてきたのです。そこでゴルフの仲間に相談したところ、「迷うのは完全燃焼してないからだよ」と言われたのです。その一言で「そうか、私はまだ完全燃焼していなかった。まだやり尽くしていなかったんだ」と感じ、ハピネット株式会社社外取締役となり、2013年9月にフェラガモ・ジャパンCEOに就任しました。

御社の魅力や他社との違いはどこにあると思われますか?

cg_058_02「フェラガモ」はサルヴァトーレ・フェラガモが創始したブランドで、現在の社長はサルヴァトーレの息子です。創始者の名前を冠したブランドであり、株式上場はしておりますが今もその息子が統率している会社だということが、他のブランドにはあまりない特殊な点だと思います。フェラガモのDNAとは、クラフトマンシップとラグジュアリー感が組み合わさったものです。他のブランドも同じようにクラフトマンシップや質を大事にしていますが、自分の父親がやってきたことを、近くでずっと見てきた子供が受け継ぐ場合は、また気持ちの部分が違ってきますよね。また、フェラガモに入社するということはそのファミリーの一員になったという感覚があります。そこが何よりも我が社とほかの会社が違う点であり、魅力に繋がっているのだと思います。

フェラガモのDNAを日本のマーケットに伝える それが私たちの使命

今後の戦略をお聞かせください。

cg_058_04私たちフェラガモ・ジャパンの使命は、ブランドのアイデンティティ、メッセージを日本のマーケットにきちんと正しい形で伝えることです。メッセージの伝え方は時代によって変わっていきますが、今の時代に必要とされる形に変えながらメッセージを伝えていかなくてはなりません。そのためには広告も大切ですが、お客様にとってはショップでの時間が一番大きな体験になりますからショップのレイアウトやPR、プレゼンテーションでブランドの良さをしっかり語れることが必要です。特にスタッフがアンバサダーとして商品の成り立ちや良さを伝えられることを非常に重要視しています。

そのためイタリアから講師を呼んで「フェラガモとはどんなブランドか」「どういうところが他のブランドと違うのか」など教育する機会を作っており、さらに来年からは店長研修として、店長をイタリアに送る予定です。スタッフにはやはり本国イタリアでフェラガモに触れてほしい。百聞は一見にしかずといいますが、イタリアに行くと皆、人が変わったようになります。日本では職人がどのように製作しているかを見ることができませんが、それを実際に見ることでスタッフは劇的に変化するのです。そのような経験を通じて成長した集団が、フェラガモを語ったときの力強さは全然違います。ブランドのコアとなる部分をスタッフがきちんと身につけられる環境を作り、彼らと一緒にフェラガモのブランドメッセージを伝えていきたい。そのためにも社員教育に力を入れていきたいと考えています。

今後、フェラガモをどのような会社にしていきたいとお考えですか。

これまでの経験から何が会社を動かしているのか、業績を良くするためには何が必要なのかを見ていくと、結局ポイントは「人」であり、その「人」の繋がりから構築される「組織」であるということに行き着きました。売上が芳しくなかった店舗の仕組みを整え、チームの人間関係を改善することで売上が急上昇するというのはよくある話です。ですから、現在は特に「人」や「部署」を繋げ、いかに信頼感を構築できるかということに力を注いでいます。また、今日の数字を作っている部署と明日の数字を作っている部署が別々なように、全ての部署がそれぞれの機能を持ち、それぞれの役割を担っています。部署ごとに持っている機能や知識、手法などを横に繋ぎ、自発的に動けるようにすることで組織全体を一つの強い有機的なかたまりにしていきたい。これは非常に奥が深いですがそういう組織の体質をつくっていくことが今後の会社の成長に繋がると確信しています。

そして、社員が満足して、有効な時間を過ごせる会社にするべく、さらに環境を整えていきたいと考えています。満足感を得るには色々な要素がありますが、なかでも大切なのが「自分が学べる、成長していける職場であること」です。フェラガモにいると成長できる、次のステップに行けると感じることができる会社にするため、様々な新しいチャレンジをしていきたいですね。

御社で活躍されている方はどのような方でしょうか?

cg_058_05人が見ている、見ていないに関わらず、どんどん工夫をしていって常に自分の仕事のクオリティを上げていこうとしている人ですね。知らないうちにものすごく伸びていて、あなたすごいじゃないってびっくりすると、「わかってくれますか、ありがとうございます」って(笑)。そういう人は客観的に自分のやっていることを見ながら、必要に応じて変化し切磋琢磨できる柔軟性があると思います。

また、相手の話を聞ける人です。ポジティブな話だけでなく、ネガティブな話も一旦自分の中に受け入れて咀嚼することが出来る人は間違いなく伸びますし、活躍していますね。反論するな、という意味ではないのですが、人間って攻撃されたら条件反射的に反撃するかブロックしてしまうじゃないですか。それをせずにまずは相手からの意見を受けいれて、考える。反論するならそれから反論する。このプロセスが出来る人はすごく優秀な人だと思います。

最後に転職を考えている方にメッセージをお願いします。

私は「会社のミッションとは社員を幸せにすることである」と思っています。社員は一日のほとんどの時間会社のために使っています。だからこそ社員が心地よく働き、成長できる環境を整えていくことが重要です。組織の中で自分自身が成長できる、会社の成長と自分の成長は同じであると感じて欲しい。フェラガモ・ジャパンは今後どんどん新しいチャレンジをしていきます。一緒に成長していきましょう。

フェラガモ・ジャパン株式会社

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