INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社 宮原 伸生

成長する企業のビジネス戦略 Vol.38

グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社

取締役相談役

宮原 伸生

1982年東京大学教養学部教養学科(人文地理学)卒業。同年、博報堂に入社しマーケティングプランナーとして働いた後、UCLA Anderson Graduate School of ManagementにてMBAを取得。その後、マッキンゼー・アンド・カンパニー、現・MHD モエ ヘネシー ディアジオ ジャパンマーケティンディレクターを経て、2003年にケロッグ・ジャパン代表取締役社長に就任。2010年にグラクソ・スミスクライン(GSK)に入社。2015年GSKコンシューマー・ヘルスケア・ジャパン設立に伴い代表取締役社長に就任。

公開日:2018年2月20日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

マーケティングプランナーからビジネス全体のマネジメントへ

グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン(GSK CHJ)に入社するまでの職歴を教えてください。

biz38_02大学卒業後、ビジネスだけでなくアートや文化などにも関わりたいと思い、博報堂でマーケティングプランナーになり、7年間、遊園地やペットフード、お酒のマーケティング、自動車メーカーの新製品コンセプト開発などに携わりました。仕事は楽しかったですし、ライフスタイルやアート、文化などについても深く学びましたが、もっとビジネス全体を知りたいと思い始め、休職して自費でアメリカへ飛び、UCLAのMBAで勉強しました。思えば、これが転機でした。MBAではビジネス戦略やファイナンスといった未知の分野を中心に学び、日本帰国後はすっかり数字が好きになっていました。そして新たな挑戦として、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社しました。

マッキンゼー時代4年半は大変鍛えられました。いつもその道のプロに対してバリューを発揮していくのは大変なプレッシャーでした。その後、スキー用品メーカー・ノルディカでマーケティングを担当しました。この時新鮮だったのがトレードマーケティングで、特に返品・値引競争・並行輸入などへの対応は勉強になりました。次に日本コカ・コーラでは新規事業を担当し渋谷に「ジョージアカフェ」を開店したり、自販機マーケティングの新アイデアを出したりしました。それから、当時のジャーディンワインズアンドスピリッツ株式会社(現・MHD モエ ヘネシー ディアジオ ジャパン)のマーケティングでは、これまでとは違う富裕層向けマーケティングとして日本向けウイスキーを開発し、さまざまなチャレンジを経験しました。その後、2003年ケロッグ・ジャパンの代表取締役社長として7年間で製造現場、特に品質問題や危機管理、組織マネジメントを深く学びました。そして2010年GSKにコンシューマーヘルスケア事業本部長として入社し、2015年グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社設立に伴い、代表取締役社長に就任したという次第です。

サイエンスに裏づけされたプレミアムブランドマーケティング

なぜGSKを選んだのでしょう、GSK CHJはどのような会社ですか?

biz38_03「健康」「高齢化社会」というテーマをもっと追求したいという想いがあり、その面で新たなチャレンジができる会社を探していて、GSKに出会いました。GSKが「生きる喜びを、もっと」「世界中の人々がより充実して心身ともに健康で長生きできるよう、生活の質の向上に全力を尽くすこと」という使命を前面に出して活動しているmission-drivenの会社であるところに惹かれたのです。実際、入社後もそのイメージは一切変わることはありません。本当に、ミッションに深く共感し、会議の場などでも日常的に大義や社会性からビジネスを語る社員も多くいます。

GSK CHJの特徴は、大きく3点に集約できます。1点目は、いまお話ししたように「ミッション」に裏打ちされた会社だということです。「生活者の健康に貢献する」ことに対して高い意欲をもって働く社員が非常に多く、この点で全社の意識が統一されていることがさまざまな面でプラスに働いています。

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2点目は、「プレミアムブランド」に特化した会社だということです。ヘルスケア関連の様々なブランドを扱っていますが、「シュミテクト」「ボルタレン」「コンタック」「ポリデント」「ポリグリップ」など、価格も機能もプレミアムな商品・ブランドが大半を占めます。シュミテクトは、知覚過敏症状ケアハミガキとしてカテゴリートップシェアを誇るブランドですし、ポリデントやポリグリップはその高機能性でカテゴリーの代名詞となるような高いシェアを誇っています。もちろん他社製品も追随してくるわけですが、私たちは絶え間なくイノベーションを起こして先へ先へと進む努力を怠らず、商品・ブランドのプレミアム性を維持し続け、特定のセグメント、収益性の高い分野に特化した戦略を進めています。

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3点目は「グローバル」な会社だということです。それも単にグローバルだというだけでなく、日本法人の独自性を保ちつつ、グローバルチームと密接に協力しながらビジネスをしている点が特徴的です。具体的には、私たちは2010年から、ハミガキなどの製品を、日本のパートナーとともに日本独自に製造・開発しています。日本で製造・開発することで、品質、リードタイム、マーケットニーズに合わせた商品が可能となっています。その一方で、日本市場は世界に11カ国しかないGSK CHのプライオリティマーケットの1つに指定されており、R&Dのサポートを優先的に受けています。単に資金が投じられるだけでなく、グローバルと日本のチームが連動して動き、互いに尊敬・信頼してビジネスを進めているのです。

GSK CHJのマーケティングについて教えてください。

biz38_04サイエンス(科学)に裏打ちされたプレミアムで高機能な商品を産み出し、絶え間なくイノベーションをもたらしていくことに注力しています。マーケティングは、グローバルのマーケティングに蓄積された各ブランドの知見を活用しながら、日本マーケットに適した製品開発からTVCM等の消費者コミュニケーションを生み出していきます。もちろんグローバルの知見が日本に100%フィットするわけではないのですが、80%ほどは日本のマーケットにもあてはまります。例えば広告宣伝においても、ブランドに適したCMの制作手法、パッケージデザインなど、参考になる点は多々あります。歯科医や薬剤師など、いわゆるエキスパートを重視するマーケティング、小売店と連携したショッパーマーケティングなどにおいても、私たちはグローバルでの知見を上手に活かして、日本に合った形で自分たちの能力を高めていくチャレンジを続けています。

また、デジタルマーケティングは、GSK CHにおいても最優先課題の1つです。海外の先進的な事例は数多くあり、グローバルから学ぶことが非常に多い領域です。私たちはいま、グローバルのデジタルチームと連携し、コンテンツの開発や評価・デジタルに関するトレーニングを受けたり、日々デジタルIQを高める努力をしている最中です。ブリーズライトやニコチネルなど、E-コマースの売上比率が高い商品も増えており、成果が徐々に出てきています。

さらに私たちは最近シンガポールのアジア本社に店頭での消費者の視線や行動、パッケージのアテンションなどを研究する「ショッパーマーケティングラボ」を立ち上げました。ここにもグローバルの最新ノウハウが随所に入っており、このラボを我々も活用して小売店への提案力を高めていきたいと思います。

今後、どのような会社を目指しているのですか?

biz38_05私たちはGSK CH設立当初より、世界初のFMCH(Fast Moving Consumer Healthcare)」企業になるという目標を掲げてきました。私たちのような医薬品を扱うヘルスケアカンパニーは、ともすれば一般的なFMCG(Fast Moving Consumer Goods、日用消費財)企業と比較すると、R&Dや科学的知見に基づいたユニークネス、コンプライアンスや信頼性などの面では優位性が高いのですが、一方でビジネススピードが遅い、コンシューマーインサイトの面で弱いといった欠点があります。私たちはサイエンスの知見や商品の信頼性を維持しながら、コンシューマーインサイトに根付き、スピード感を持ってビジネスを展開できるような会社になりたいのです。もちろん、ヘルスケアカンパニーとして、様々な規制や遵守すべきこと・慎重であるべきことも多くあり、決して簡単ではないのですが、私たちはFMCH企業いなるために、世界中で一歩一歩前に進んでいます。

グローバルと日本のチームが一体化し、人々の健康に貢献する

どのような方が活躍できる会社ですか?

biz38_06やはり第一に、「健康や高齢化社会に関心のある方」です。エイジング、健康、高齢化問題といったテーマは、世の中に本当に必要とされている大きな社会テーマです。そんな身近なテーマに関われるのがGSK CHJです。関心のある方は、きっとGSK CHJを好きになっていただけると思います。

例えば、私の経験談をお話しすると、GSK CHJに来てから、入れ歯の話をする機会が本当に増えました。しかも、誰もが義歯(入れ歯)について実に楽しそうに話すのです。なぜなら、「お口の健康はからだの健康」であり、入れ歯のケアが高齢者の方々の健康状況に大きく関わっていることを、社員全員がよく知っているからです。きちんとケアされた入れ歯を使っていると、よく食べ、よく話すことができ、全身の健康も改善すること、精神的にもプラスの影響があることは医療の現場でも知られています。GSK CHJの社員はみんな、こうしたことに関心を持ち、そういった知見を広げていきたいと思っています。このような話に興味を持っていただける方には、きっと合っている会社だと思います。また、グローバルとの関わりで言えば、以前、日本でGSKグローバルの「高齢者問題サミット」を開催しました。世界中のGSKメンバーが集い、高齢化社会という世界的な課題にヘルスケアカンパニーとしてどのようにアプローチすべきか、グローバル共通のフレームワークづくりを討論したのです。高齢者と言っても多様です。どのようにセグメンテーションし、それぞれのセグメントに対して例えばどのようなCMや製品を当てるかといったことを共通言語で語りやすくなります。こうしたチャレンジをグローバルで進めているのもGSKならではだと思います。

第二に、私たちは、サイエンス(商品がどのように機能するか)への関心が強く、高度なマーケティング、現場重視のマーケティングにチャレンジしたい方を求めています。私たちは感性とともにデータを深く分析してなるべく科学的に課題へアプローチすることを重視しています。また、会社の風土として現場とのつながりを非常に大切にしています。たとえば私たちはここ数年「現場プロジェクト」なるものをやっています。マーケティング、営業、R&Dなど様々な部門のメンバーが互いの現場を見に行く取り組みで、みんなで店頭を回ってディスプレイの作業を行ったり、お客様相談室に行ってユーザーの声を聞いたり、マーケティングフォーカスグループに営業が参加したり、倉庫に行ったり、工場に行ったりするのです。現場を知ることでユーザーフレンドリーな商品づくりに活かしていけますし、部門間の壁を除くことにも役立ちます。ひとつの切り口ではなくマルチな視点で捉えることができる方、こうした風土に共感していただける方は、きっと活躍していただけると思います。

biz38_07第三に、私たちは、グローバルと一体になって働きたい方、人に興味がある方を求めています。もちろん、普段はメールやテレビ会議がメインですが、こちらから海外に出張したり、グローバルメンバーに日本に集まってもらったり、海外のメンバーと実際に顔を合わせる機会は頻繁です。また、GSK CHJには、海外、特にアジア諸国で働くチャンスが多くあり、グローバルでの経験を積みたい方にも適した職場環境です。韓国と日本は同じビジネスユニットであり、多くの人が頻繁に行き来をしています。グローバルカンパニーの仕事の楽しさの一つは、色々なメンバーと一緒にアイデアを練る、多様な視点をもつ人が刺激しあっていけることだと思います。オープンな職場で、色々な部署の人が混ざり合い仕事をし、楽しい環境を求めて、また自分もそれに貢献したいただける方を期待しています。

グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社

グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケアは世界最大級の一般用ヘルスケアメーカーです。世界中で、主にウェルネス(OTC医薬品)、オーラルヘルス、スキンケア、栄養補助食品の4領域を展開し、OTC医薬品では世界のトップメーカーの一つであり、オーラルケア製品の分野では世界50の市場でリーダーとしての地位を築いています。グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケアは、医療用医薬品と日用消費財(FMCG)の特長を組み合わせ、科学に根差した高品質の製品をより多くの皆さまにお届けする、「世界初で最高のFMCH (Fast Moving Consumer Healthcare)」企業になることを目指しています。グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社は、2015年3月、グラクソ・スミスクライン株式会社のコンシューマーヘルスケア事業とノバルティス ファーマのOTC事業を統合し、運営を開始しました。

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