INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
日本トイザらス株式会社 飯田健作

成長する企業のビジネス戦略 Vol.23

日本トイザらス株式会社

執行役員 eコマース本部本部長

飯田健作

上智大学経済学部経済学科卒業。イェール大学国際関係大学院修了(MA)。在アメリカ合衆国日本国大使館、アクセンチュア株式会社、ウォルマート・ジャパン・ホールディングス合同会社/合同会社西友eコマース担当バイス・プレジデントを経て、2014年日本トイザらスに入社。現在はeコマース活動全般を統括している。

公開日:2016年9月26日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

グローバルアセットで社内変革を進める力が強み

日本トイザらスに入社するまでの経緯を教えてください。

インタビュー写真1大学卒業後の4年間、外務省のプログラムで在米国日本大使館に勤務し、国会議員の方々のアテンドやサミットの準備など、ありとあらゆるアドミニストレーション業務を担当しました。そこで、外務省やワシントンDCの同世代の優秀な方々のパッションや考えに触れるとともに、仕事をやりきる姿勢を学びました。その後、国連勤務を目指してイェール大学大学院修士課程に進学し、世界中から学生が集まる多様な環境で、世界最高レベル、最先端の授業を日々受けました。今や世界中のパブリックセクターやNPOなどで活躍する仲間たちとともに学んだ日々は大変刺激的で、現在もその学びがおおいに役立っています。

大学院在学中の国連インターンを経て、ある国連機関からオファーをいただいたのですが、最終的にはアクセンチュアに就職しました。大学院での学びがそのままコンサルティングに活かせたことが大きかったかもしれませんが、コンサルタントの仕事は本当に楽しくて仕方がありませんでした。約8年間、アクセンチュアで公共セクター、リテール業者、証券業、リース業界、保険業界担当のコンサルタントとして、さまざまな企業の戦略を描き、実行を支援しました。

しかし、コンサルタントとして働くうちに、自らビジネスを推進する側に立ちたくなっていたんです。特に小売業に興味がありました。そこで2009年、ウォルマート・ジャパン・ホールディングス合同会社/合同会社西友に転職しました。クロスファンクションプロジェクトを推進するチームの立ち上げ、マーチャンダイジングプランニングチームの立ち上げ、eコマースチームの変革などをリードしました。いずれのポジションでも、コンサルタントスキルと英語でのビジネスコミュニケーション能力を活かし、ウォルマートのグローバルアセットを上手に利用しながら、西友の社内改革を進めるのが私の役割でした。そして約5年、ウォルマート/西友で働いた後、2014年に日本トイザらスに転職して、現在に至ります。

なぜ日本トイザらスを選んだのでしょうか?

ウォルマート/西友で働いてみて、改めて、自分はお店が好き、小売業が好きなのだということがよくわかり、次も小売業に関わりたいと思っていました。また、先ほども触れましたが、その企業のグローバルアセットを使って、日本法人のビジネス変革を進めるスキルが、私の一番の強み。そのスキルを最大限に活かせるのは、外資系企業です。外資系リテーラーのなかでユニークなポジションを築いており成長ポテンシャルの高い1社が、日本トイザらスでした。特に、eコマース部門のトップに立ち、自ら社内変革をリードできる点に興味を持ちました。

「シームレス・リテーリング」で買いものをもっと楽しくしたい

日本トイザらスのeコマース戦略を教えてください。

インタビュー写真2現在の日本トイザらスを一言でいえば、トイ・ベビー領域の「シームレス・リテーリング」のスペシャルティリテイラーです。より良いシームレス・リテーリングの推進が、日本トイザらス全体の、そして私たちeコマース本部のミッションです。

「シームレス・リテーリング」という言葉は、まだ聞きなれない方が多いのではないかと思いますが、お客様が実店舗とeコマースをストレスなく行き来できる状態を指します。いわゆるオムニチャネルです。例えば、現在、eコマース利用者の多くがモバイルを利用しています。多くのお客様が、通勤電車の中などでモバイルECサイトを見て、商品をチェックしているのです。その上で、週末にお子様と一緒に店舗にいらっしゃって、モバイルでチェックした商品を確認しながら買い物を楽しむというケースがとても多いことがわかっています。

これはおもちゃ業界に限ったことではありません。世界的に、小売業の世界ではeコマースで見て、実店舗で買うお客様が増えているのです。これを「Webインフルエンストセールス」と言います。私たちはWebインフルエンストセールスをKPIの1つに掲げ、実店舗とeコマースの総力戦を行っているのです。

なぜシームレス・リテーリングを推進しているのですか?

インタビュー写真3一言でいえば、お客様に、トイザらスとベビーザらスをもっと好きになっていただきたいから、トイザらス、ベビーザらスでの買い物をもっと楽しんでいただきたいからです。インターネットでさまざまな商品を調べるのも楽しいし、その後、実店舗で実物を見て、店舗スタッフの丁寧な説明を受けられるのも楽しい。そう感じていただきたいのです。最終的には、「あの店舗のあのスタッフさんから買いたい」と思っていただけたら最高です。ロイヤルカスタマーの増加、お客様のロイヤリティのアップが、シームレス・リテーリングの最大の狙いです。「おもちゃ屋といえば、トイザらス」というブランドアセットは十分にあります。シームレス・リテーリングを加速することで、お客様の期待に応えていけば、さらにブランド価値を高めることができると考えています。

ですから、eコマースの売上を伸ばすことが私たちのミッションではありません。むしろ、ECサイトの売上だけが伸びるのは、サステナブルではないと考えています。私たちがeコマースを進化させることで実現したいのは、より良いシームレス・リテーリングと、ロイヤルカスタマーの増加、トータルの売上アップなのです。

競合企業との違いはどこですか?

インタビュー写真4変革の実現スピードだと考えています。なぜかといえば、シームレス・リテーリングのほとんどは、競合企業でも構想できるからです。例えば、私たちは、シームレス・リテーリングの一環として物流センターを強化しました。その結果、欠品を大きく減らすことができ、お客様に「この商品はこの店舗にはありませんが、すぐにご自宅に直接お送りすることができます」とお伝えできるようになったのです。技術的にはオープンですから、おそらくは競合企業も遅かれ早かれこの仕組みを構築するはずです。このようにして、いずれはどの小売りも質の高いシームレス・リテーリングを実現するでしょう。そのときには、違いはもはや会社のビジョン、ミッション、品揃え、価格など「その企業らしさ」以外になくなるはずです。ですから、私たちにとって重要なのは、実現できるかどうかではなく、「いつ実現するか」なのです。どの企業よりもシームレス・リテーリング改革を速く進め、いち早くお客様の信頼を勝ち得ることが、私たちに課せられたミッションです。

そこで、私たちのチームのスキルが活きます。私たちは、トイザらスのグローバルネットワークを使い、世界各地の社内の最新イノベーションに直接アクセスすることができます。又、英語で直接やり取りできるスタッフを複数抱えているので、ベイエリアやNY、テルアビブやシドニーなど世界中の最新テクノロジーを持つベンチャーやスタートアップと常に話をしています。例えば、私たちは究極的には、ITテクノロジーを使って「個別対応」のリテーリングを実現したいと考えています。つまり、店舗スタッフがお客様のeコマースサイトのご利用情報をもとに、来店したら、すぐにお求めの商品候補をお出しできる状態を作りたいのです。最近は、パーソナライゼーション技術の進化が著しく、すぐにでも実現すべきことと考えています。私たちは、そうしたIT技術のイノベーションを世界規模で逐一フォローしています。また、「ひな人形」「ラジコン」「ランドセル」といったキーワードで検索したとき、いつもトイザらス、ベビーザらスが1ページ目に出てくるよう、日々メンテナンスしています。検索後には、どの店舗にどの在庫があるかをすぐに調べられるシステムを構築するなど、お客様を店舗にストレスなくご来店いただく工夫を様々に凝らしています。こうしたところでも、新たな技術を先に導入した者のほうが確実に有利になるはずです。

なお、従来の玩具専門店、ベビー用品専門店とは別に、eコマース専業企業も競合となっています。確かに、eコマースだけで見れば、規模では彼らに勝てません。しかし私たちには実店舗がある。そこが当社の強みだと考えています。先ほどWebインフルエンストセールスについてお話しした通り、お客様はお店が大好きで、実店舗でショッピングを楽しむ方が多いからです。特に、トイザらス、ベビーザらスは実店舗のコンバージョンレート(購入者率)が極めて高いのが特徴です。トイザらスはお子様にとって「夢のお店」です。実際に体験された方も多いと思いますが、お子様と一緒にトイザらスに入ったら、何も買わずに出てくるのは難しいはずです(笑)。私たちには、eコマース専業企業にはない実店舗でしかできない体験という強力な武器がある。彼らとも十分に戦えると考えています。

eコマースチームと実店舗チームが密接に協業している

組織的な特徴を教えてください。

シームレス・リテーリングを唱える以上、当たり前のことですが、実店舗チームとシームレスに行動することが基本というのが、日本トイザらスのeコマースチームの特徴です。週次で合同会議を行って、細かく連携を取っているだけでなく、ときにはeコマースチームが、eコマースとは直接関係のない実店舗サービスを企画・実行することすらあります。

どのような方が御社で活躍できるのでしょうか?

3つの志向が重要です。1つ目に、夢を売るのが好きで、小売業、おもちゃ、トイザらスやベビーザらスが好きなこと。これは当然でしょう。2つ目に変化が好きなこと。私たちは変革を実行し続けます。変化に対してポジティブでなくては、長く組織に居続けるのは難しいだろうと思います。3つ目に、英語ができ、英語を使って仕事がしたいと考えていること。先にお話しした通り、グローバルアセットにアクセスする必要がありますから、グローバル各社や海外IT企業とのコミュニケーションは少なくありません。英語が必須とまでは言いませんが、英語が得意なら、大きなプラスになります。この3つの志向を備えていて、入社後にご自身の成功がイメージできる方なら、私たちは大歓迎です。

当社のeコマースチームの特徴は、メンバー全員が小売業を愛し、シームレス・リテーリングのビジョンに共感し、変化を好んでいることです。もちろん能力・スキルには多様性がありますが、モチベーションと戦略理解力は総じて高いと自負しています。また個人的には、コーチングを意識した人材育成に力を入れており、全員に光を当てスタッフの達成したいことを考えるサーバントリーダーシップを心がけています。

今後入社される方に期待することを教えてください。

インタビュー写真5より良いシームレス・リテーリングを実現するためにeコマースチームができることは、まだまだいくつもあります。例えば、現状のECサイトは少々地味でおとなしく、トイザらスらしさ、店舗の楽しさを100%反映できていないと感じています。お店の楽しさをもっとECサイトに反映できれば、私たちのビジネスはますますシームレスになる。ECサイト改革は重要なポイントの1つで、試行錯誤を続けています。また、SNSを利用した双方向コミュニケーションにもチャレンジしたいです。インフルエンサーの皆さんに活躍していただく余地が十分にあると考えています。こうした点を、ぜひ新たに入社する方に変革していただけたら嬉しいです。

日本トイザらス株式会社

国内最大級の品揃えを誇る玩具・子ども用品の総合専門店「トイザらス」、世界中から厳選されたマタニティ・ベビー用品のベビー総合専門店「ベビーザらス」、両店舗が併設する「トイザらス・ベビーザらス」、そして「トイザらス・ベビーザらス オンラインストア」(www.toysrus.co.jp)を展開しています。1991年に日本にトイザらス1号店をオープンしてから、2016年で25周年。その間、日本トイザらスは玩具とベビー用品のリーディングカンパニーとして成長し、現在では全国約160のトイザらス、ベビーザらス店舗を展開しています。近年、インターネットやスマートフォンの急速な普及を背景に、お客様の購買環境は大きく変化しました。こうした変化に機敏に対応し、実店舗とオンラインストアの連携を高め、お客様が、いつでも、どこでも、どのようにでも、トイザらス、ベビーザらスでのお買い物をお楽しみいただけるようシームレスなショッピング環境の提供に注力しています。

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