INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社 リュウ シーチャウ

成長する企業のビジネス戦略 Vol.18

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社

マーケティング本部 本部長

リュウ シーチャウ

中国出身。中国にて高校を卒業後、来日。一橋大学卒業後は、P&Gへ入社、ヘアケア、ペットケアなどのブランドマーケティングを手がける。その後、レキットベンキーザー・ジャパンに転じ「ドクター・ショール」のブランドマーケティングに従事。同社シニアブランドマネージャー、カテゴリーマネージャーを経て、2015年6月よりジョンソン・エンド・ジョンソン コンシューマー カンパニーのマーケティング本部本部長に着任。

公開日:2015年10月26日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

ジョンソン・エンド・ジョンソンは組織も商品も「ダイヤモンドの原石」

これまでのキャリアについて、来日の経緯など含めて教えていただけますか?

hc_016_02中国の高校を卒業した後、大学では自分が知らない世界に飛び込みたいと希望して、治安も良く中国からも近い日本の大学に留学することを決めました。とはいえ、日本語はまったく話せなかったのですよ(笑)。初めて日本に来たとき、飛行機が到着した成田空港から外に出るだけで2時間かかったことは懐かしい思い出です。来日後は1年間、語学学校で日本語を本格的に学び、翌年に日本語の受験で一橋大学に進学しました。大学時代はリーダーシップの研究を行い、またOVAL JAPANという日中韓の学生を対象とした東アジア最大級の国際ビジネスコンテストを運営するグループに参画し、物事を動かす上で「人と組織」は非常に重要であると実感しましたね。どんな素敵なアイデアやプランがあっても、チーム一人ひとりがエンゲージされていないと実現しないんですよ。自分が達成したいことをビジョンとして持って何が何でも動かして実現する、その勢いやパワーが周りを巻き込んでいくのだと学びました。そして大学卒業後、新卒として入社したのがP&Gです。

P&Gでは、ヘアケアやペットケアのブランドマーケティングを担当し、4年間働きました。結婚を機に、東京で働き続けられる会社を探していたところ、フットケア商品ブランドである「ドクター・ショール」のブランドマーケティングをできる人材を探していたレキットベンキーザー・ジャパンと出会いました。興味を持って詳しく話を聞いてみると、日本人の85%が、外反母趾や足の臭いなど、足に関して悩みを抱えているにも関わらず、解決できる製品を買ったことがある人は20%程度しかいないという事実がわかりました。そこで、P&Gで培ったコミュニケーションやマーケティングのアプローチを活かせば、「私なら絶対にこのブランドを伸ばすことができる」との強い思いを持って転職を決意し、転職後は実際に、売上を3年で2.5倍に増加させることができました。その後、ジョンソン・エンド・ジョンソン(以下J&J)コンシューマー カンパニーに入社して現在に至ります。

なぜJ&Jを選ばれたのですか? また、今後J&Jでどのように力を発揮していきたいとお考えですか?

入社した理由は2つあります。一つ目はJ&Jのブランドに大きなアップサイドが見込めると考えたからです。J&Jは世界的な大企業なので、たくさんのユニークな商品を持っています。しかし、全ての商品をグローバルにローンチできている訳ではありません。日本市場に未展開のブランドの中にも、例えば、私が前職で担当したブランドのように、大きなアップサイドが見込める、ダイヤモンドの原石のようなブランドが多数あります。これらのブランドを日本市場に展開することで大きくビジネスを伸ばすことができると確信したことが一つ目の理由です。

二つ目の理由は、ブランドのみならず、J&Jの組織自体にもアップサイドが見込めると感じたことです。私が前職で大きな数字を作ることができた理由でもあり、私が働く上で、最も大切にしていることは、「自分自身がやりたいことを、やる」です。誰かから与えられた仕事をするだけでは、人は、100%の力を発揮することはできません。人は自分が自発的に「こうしたい」と思うからこそ、本気で頑張ることができます。先に申し上げたように、自分が達成したいことをビジョンとして持って何が何でも動かして実現しようとするんです。その結果として、自分の成長が得られたり、大きな数字が返って来たりするものだと私は考えます。これまでのJ&Jはどちらかというと既にある枠組みの中で伸びてきた会社です。それが今後、社員全員がそれぞれのやりたいことに邁進できるような状態になれば、そこから更に上を目指すことが出来ます。つまり、J&Jで働く人達も組織もまた、まだまだ伸びしろのあるダイヤモンドの原石だと考えたのです。

私は社員一人ひとりが、そして眠れるブランド達が自身の実力を余すことなく発揮し始めたら、一体どれだけ素晴らしい会社になるだろう、とワクワクして入社しました。私と同じように、新しい挑戦が好きな人や、J&Jでやりたいと思えることがある人、私の考えに共感される方が入社して下さると嬉しいですね。

日本市場で、2020年までにビジネスを2倍にする

J&Jでは、今後どのような戦略を取っていくのでしょうか?

J&Jは、事業領域をヘルスケアビジネスに特化するとともに、日本市場においては、事業分野を、消費者向け製品(コンシューマーカンパニー)、医療機器(メディカルカンパニー)、使い捨てコンタクトレンズ(ビジョンカンパニー)、医療用医薬品(ヤンセンファーマ)という4つの事業領域に分け、「世界最大級のヘルスケアカンパニー」として成長を続けています。

今、私が所属しているコンシューマー カンパニーでは、アジア・パシフィック全体で今後6年の間にビジネス規模を2倍にすることを目標にしています。これは、発展途上国だけではなく、日本やオーストラリアなど、一般的に既に市場が飽和していると思われている地域も含めてのことです。今まで努力をしても年に1?2%しか伸ばせなかったところを、6年間で100%伸ばさなくてはならないのです。私は実現できると考えていますが、今までと同じやり方でこの数字を達成できるかと言うと、それは難しいことです。劇的な変化を遂げなくては、劇的な売上を作ることはできません。

では、具体的にどうすれば良いか。J&Jは会社組織そのものにドラマティカルなチェンジを行うことが必要だと考え、人事戦略もアグレッシブに行っています。今までの組織は、任された仕事を忠実に行うことに長けていたものの、現場が主体となって新しいアイデアを自発的に出し、イノベーションを起こすことは得意としませんでした。そこで、グローバル全体として、年齢や経験のある人材よりも、やる気がある人材を積極的に採用し、組織の在り方そのものを改革しています。例えば、私がアジアのディレクターミーティングに参加したとき、参加者100名のディレクターの内、約8割が1年以内に入社した方でした。重要なポジションにも、これだけ積極的に新たな人材を採用しています。私が採用されたのも、グローバル全体での組織改編の内の1つです。

組織が変わると、売上は本当に伸びるのでしょうか? その理由はなんですか?

hc_016_03消費者向け製品分野では、過去3?4年フラットだった売上が、今年は昨年に比べ二けた近く伸びています。その成長を支える1つが「バンドエイド®」です。「バンドエイド®」は切り傷に貼るものなので、人口が変わらなければ、消費量はそれほど変わらないはずの商品です。実は、その商品が伸びた理由こそ「人」です。担当ブランドマネジャーが出したアイデアが、売上増加の起点となったのです。

そもそも指のケガは、切り傷だけなのかというと、そうではありません。そこで、同ブランドマネジャーが目をつけたのが、「あかぎれ」です。乾燥が進む冬場の時期には「あかぎれ」の症状に悩む人が多いことに着目し、痛みを和らげキズを早くきれいに治し、かつ防水機能の備わった「キズパワーパッド™(「バンドエイド®」のブランドの1つ)」を使おうと一般消費者に提案したコミュニケーションを展開したのです。その結果、あかぎれには「キズパワーパッド™」を使う、という新しいマーケットが作られビジネス拡大へとつながったのです。「バンドエイド®」のような製品は、市場が飽和していて、マーケティングもやりつくされているのではないかと思われる方も多いと思います。しかし、実際はこの事例のように、顧客の視点に立って製品の使い道を考え、提案するというシンプルなことで、ビジネスを大きく拡大できるのです。この様に、私達の商品には、まだまだたくさんの伸びしろがあります。それを活かすも殺すも、結局はそれに携わる人と、その人が持っている気持ち次第なのです。

他にも、人が起点となって売上を伸ばした事例はあります。例えば、「リステリン®」の場合。海外では、「リステリン®を5日間使うと口内環境がこう良くなる、10日間使うとこう、21日間使うとこれだけ良くなる。だから、21日間使いましょう」というメッセージが、お客様への訴求力が高いと言われていました。ところが、同じ内容を日本で使おうとしたところ、日本の法規制では「こうなる」という効果が一切言えず、「21日間頑張って使おう」という抽象的な訴求しかできなくなってしまったのです。では、法規制があるから、具体的な内容が全てNGかというとそうではありません。人が頭を使い努力すれば、解決策もあるのです。実際、担当者は、法規制による表現の変更を求められる度に「これならどうだ」と、何度も何度も文言を提案しました。最終的に、具体的な数字をCMに織り込むことができるようになり、それが結果にもつながったのです。この事例はJ&Jにおいて、日本で規制の壁を乗り越えた事例となり、グローバル本社からも大きな評価も得られました。一人ひとりが諦めずにチャレンジするマインドこそ、ビジネスを成長させるための起爆剤なのです。

「やりたい」と手を挙げ、やり抜ける人材には大きなチャンスがある

御社が求めている人材像を教えて下さい

hc_016_04ここまで、一貫してお伝えしているように、今まさにJ&Jは組織改革を行っているところです。新しい組織を作りあげている過程ですので、前例の無い様々な課題や壁にぶつかっていますし、それを乗り越えなくてはなりません。新しくチャレンジすることが好きで、障壁を打ち破れる人に入社してもらえると嬉しいですね。どういう人材が壁を打ち破れる人材かというと、一言で言えば「リーダーシップ」を持つ人材です。前述の事例のように、売上が伸びたアイデアといっても、後から聞いてみれば、少し考えれば誰でも思いつくようなものも少なくありません。多くの人は、「何をやるべきか」という正しい答えをすでに持っているのです。それにも関わらず、なぜ限られた人にしか、そのアイデアは実現できないと考えがちなのか。それは、実際に取り組み始めると、社内内部の複雑な事情や、システムの問題、他部署との交渉など、社内に越えるべき色々なハードルが現れるからです。その1つ1つのハードルを乗り越えるために、絶対必要なものがリーダーシップです。リーダーシップとは、「やりたいこと」を明確にして、必ず「実現する力」のことと考えています。リーダーシップは、「リーダーシップをとって下さい」と言われて、とれるものではありません。「やりたいこと」を実現できるまでチャレンジし続けるパワーが、周囲を巻き込み、最終的に「やりたいこと」を実現させるのです。

新しいチャレンジをする時は、周囲からはNOと言われることが多いものです。100回NOといわれても、「なぜYESじゃないのか」と言い続けられる人、どんな条件でも「やりたいこと」を実現するまでやれる人がリーダーです。リーダーシップを発揮できれば、自分が成長できる、結果も出る、自分の評価も上がる、さらに責任の大きなポジションやプロジェクトを任されるという、大きな喜びも得られます。J&Jという世界的企業ならではの、グローバルに活躍できるキャリアや機会もあります。

入社に際し、マーケティングの経験は必要ですか?

J&Jの他社にない優位性の一つが、入社後にアグレッシブにチャンスを差し上げられることです。若くてもポテンシャルを活かせる仕事ですので、職種の経験はあまり重視していません。もちろん、優秀で経験豊富な方でも大歓迎ですが、一番大切なのは仕事に「やりたい」という熱い情熱を持っている方です。たとえ未経験であっても「やりたいことに向かって頑張ります」という人を優先します。実力は、情熱があれば後からついてきます。現在の職場で、「もっとやりたい」と思っているのに、会社の環境に不満があるような方には是非お会いしたいですね。

実力がついてきた後は、将来的なキャリアパスとして、消費者向け製品(コンシューマーカンパニー)の海外のポジションであったり、あるいは国内でも医療機器医療用医薬品、コンタクトレンズといった、別の事業分野へチャレンジする事も可能です。飽きることなく、新しい学びと成長を手に入れられるのは、J&Jならではの良さです。

最後に、転職者の方が今後、キャリアを伸ばすためのアドバイスをお願いします。

人の成長に必要なのは、適度にストレスがかかる環境に身を置くことです。居心地の良い環境にいては、成長速度は遅くなる。正しいストレスを常にマックスで受けることが、人が最速で成長できる方法です。

昨日までしたことがない経験を、今日していることも正しいストレスの1つと言えます。去年と同じことを今年やっても何の筋肉も使いません。初めて使う筋肉を鍛えるからこそ、新たな成長が手に入るのです。J&Jにはその環境があります。入社されたら、様々な経験や学習によって、思考や作業の効率が高まっていくことを最大限に感じ、またその成長を自分自身で楽しめることでしょう。

「自分が組織の変革を牽引し、日本の成長を作るのだ」という気概を持った方は、是非一度会いに来てください。

<<第2回「ブランドからみえるマーケティング戦略」セミナーレポートはこちら>>

ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社
hc_016_05

J&Jは創業以来128年にわたり、トータルヘルスケアのリーディングカンパニーとして成長を続けてきました。総売上高の約11%という業界トップクラスの惜しみない研究開発への投資によって生み出された画期的な製品の数々は、業界に劇的なインパクトをもたらし、ヘルスケア業界の発展に大きく貢献しています。日本においても、分社分権経営による独自の戦略と世界に広がるネットワークを武器に、数多くの製品でトップクラスのシェアを獲得。ビジネスの成長に合わせて、ワールドワイドのJ&Jグループにおける日本の存在感も高まりを見せています。

ジョンソン・エンド・ジョンソン日本法人グループは、ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社とヤンセンファーマ株式会社で構成されています。ジョンソン・エンド・ジョンソン株式会社は、社内カンパニー制により3つの事業分野でビジネスを展開しています。「バンドエイド(R)」、「リーチ(R)」、「ジョンソン(R)」ベビー製品などの消費者向け製品を扱うコンシューマー カンパニー、医家向けの医療機器、医療関連製品などを扱うメディカル カンパニー、そして使い捨てコンタクトレンズ「アキュビュー(R)」を扱うビジョンケア カンパニーの3カンパニーがあり、医療用医薬品を扱うヤンセンファーマ含め、それぞれが分社分権経営により運営されています。

消費財・高級財業界の新着求人を見る

転職のご相談、求人応募・お問い合わせには、
まず無料登録をお願いします。

無料オンライン登録

Arrow