INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
グラクソ・スミスクライン・ コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社 安部 順子

成長する企業のビジネス戦略 Vol.15

グラクソ・スミスクライン・ コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社

マーケティング部オーラルヘルス マーケティングディレクター

安部 順子

1996年、九州大学法学部を卒業後、鉄道会社に就職。企業広報を経験した後にアメリカのサンダーバード・スクールオブ・マネジメントに留学し2003年にMBAを取得。2003年から2007年までP&Gでマーケティングを担当し、2007年から2008年までデビアスグループマーケティングに在籍。2008年7月にグラクソ・スミスクライン(現:グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン)に入社。現在はマーケティングディレクターとして日本と韓国のオーラルヘルスビジネスを担当。

公開日:2015年9月17日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

世界中のネットワークと密につながり、製品開発できる強み

これまでのキャリアについてお聞かせください。

hc_015_01大学卒業後、地元の鉄道会社に就職しました。駅ビル開発や旅行業など様々な事業を手掛ける会社で、その可能性の大きさに惹かれました。色々とチャレンジさせていただける環境で、年齢や性別に関わらずなんでも経験させてもらいました。社会人としての基礎を作っていただいたと、いまだに感謝しています。

その後、2001年にMBA取得のためアメリカに留学しました。これがキャリアの大きなターニングポイントになりました。サンダーバードではクロスカルチャーな中で、どうやって信頼を勝ち取るのか、また信頼を勝ち取ることの大切さについて学びました。何かでチームの役に立たないと存在価値を認めてもらえないので必死でしたね。

その後、P&Gに転職して、マーケティングを基礎から徹底的に教え込んでいただきました。戦略的に考えること、リーダーシップのとり方、マーケティングプランニングと、初めてマーケティングに携わる私にとっては貴重な経験でした。4年ほど在籍した後、ダイヤモンド会社であるデビアスに転職しました。一般消費財とダイヤモンドのような高級プレミアム財と全く異なる業界を経験させてもらったことで、自分自身がやりたいことがクリアになりました。私が扱いたいのはまずFMCG(Fast Moving Consumer Goods:日用消費財)、そして競争が激しいマーケットで勝っていくことに興味があるんだと。更に、ブランドやポートフォリオが幾つかあったほうが嬉しい。また社会の役に立つという点も重視したいと思いました。これら4つの判断基準をもとに転職活動をして、全てに合致していたグラクソ・スミスクライン(GSK)に2008年に入社しました。

御社の魅力や他社との違いはどこにあると思われますか?

GSKにはグローバルに蓄積された専門的知見や情報があることですね。ネットワークがしっかりしていて、いろんな情報がタイムリーにシェアされています。薬事やテクノロジーの情報も集約・分析されています。いくつかの国でしか取り扱いがなければ、知識や経験、情報といったナレッジベースは限られていると思いますが、弊社の場合は世界中にあるネットワークを活かして、世界中から得たナレッジを製品開発やマーケティングに活かしていけるのが強みです。

少し前に、ベトナムで行われたワークショップに参加してきたのですが、アジア各国から集まった仲間たちとプライシング戦略について情報交換をしてきました。グローバルにネットワークがありますから、他の国でどうなっているんだろうという場合にタイムリーに情報を得ることが出来ます。また、国は違っても課題や苦労は意外に同じなんだなぁと共有できるのも良いですね。アジアの仲間と話していると、日本で数%成長したと喜んでいるところを彼らの15%、20%成長した、と聞くと大きな刺激になりますね。日本が成熟した市場だからといって二桁成長できないわけではないと考えていますし、状況をいかに戦略的に分析して、プランを立てて実行し、実現していくかがマーケティングの面白さでもありますから。

6月から新たに始めた義歯ケア製品のポリデントとポリグリップの「思いっきり生きよう」キャンペーンも、ブラジルで先行して始まったグローバルキャンペーンですが、日本で消費者リサーチを重ねて内容をカスタマイズしつつ、他のマーケットでのラーニングも反映して、TVCMなどを開始しています。

hc_015_07また、弊社の特徴としてはオープンに色んな話をディスカッションし、共有し、お互いを理解しようという雰囲気があります。国内外ともに、このカルチャーは共通していて、日本に何が必要か、グローバルとして何を一緒にやっていきたいかを話し合える環境がありますね。また、日本と韓国はひとつのリージョンになっており、韓国のチームとも密接に働いています。

例えば、来年、日本での発売35周年を迎える「アクアフレッシュ」。虫歯予防とホワイトニングが商品の強みですが、ブランドとしてはこういった機能面に加えて、消費者のハミガキに対するニーズを考えた結果、「あまり楽しくはない歯磨きを楽しくしましょう」というポイントを差別化しようとしています。こうした発想で生まれたのが「アクアフレッシュエクストリームクリーン ホワイトニング+」という商品です。この商品は磨いているとモコモコの泡が立ち、しかも美味しい。既存のシトラスミントとフレッシュベリーミント味にクリーンミント味が8月末に新たに加わりました。実は、フレッシュベリーミント味は日本独自の味なんです。日本と英国の開発チームが一緒になって「プロジェクト寿司」というプロジェクトネームで呼んでいたのですが、キックオフから半年で商品化しました。まさに、お寿司のように「早くて美味しい」プロジェクトなのです(笑)。協力体制がしっかりして、グローバルチームとのコラボレーションという弊社の強みが活かされて実現しました。

自社ブランドの成長がカテゴリーの成長を牽引することに注力

ヘルスケア市場においてそれぞれの商品ブランドを成長させるためどのように戦略を立てているのでしょうか?

hc_015_08私は仕事をする時には、目的というのをすごく考えるんです。「これは何のためにやっているんだろう?」って、口癖にもなっているかも(笑)。これで達成したい目的は何だろう?利益を取ることなのか、シェアを伸ばすことなのか、長期的に育成することなのか等々。社内・社外の要因を俯瞰的に見つつ、詳細に分析をして、目的、戦略、プランを立てています。その間にはチームや上司とも頻繁にディスカッションを重ねます。

例えば知覚過敏予防でおなじみの「シュミテクト」。今年2月末に新発売した「シュミテクト コンプリートワンEX」がお蔭様で非常に好調です。これは歯磨き粉市場の活性化と市場成長をシュミテクトで牽引したいという大きな目的のもとで、消費者ニーズを分析して開発した商品です。消費者のニーズが多様化しており、1本の歯磨き粉で知覚過敏も、ホワイトニングも歯周病予防も行いたい、という消費者インサイトに基づいています。また日本の歯ブラシマーケットでは必須のコンパクトヘッドの歯ブラシも、グローバルチームにその重要性を説明・説得し、日本市場のためだけにコンパクトヘッド歯ブラシを開発して発売するに至りました。

弊社のオーラルケアのブランドはいずれも長く信頼されており、それは非常に心強い点ですね。製品を作るにあたって「どう作用するのか?」、「なぜそれがお客様にとって良いのか」など、製品開発のサイエンスの部分がしっかりとしています。なかでも「シュミテクト」は過去10年間伸び続けているブランド。効能を実感していただけているからこそ、結果的に信頼へとつながっているのだと思います。

私がオーラルケア全般のディレクターを担当するようになったのは今年の5月からです。まだ勉強中の身ですが、担当する範囲が広がっても基本的な思いは同じです。信頼されるブランドをより多くの方に使ってもらいたいですし、より良い製品をご紹介させていただきたいですね。

弊社では、ブランドが伸びることだけでなく、カテゴリー(市場)が伸びることにもこだわっています。要は「シュミテクト」が伸びても競合からシェアを奪ってカテゴリーがフラットだとすれば、市場全体の成長にはつながっていませんよね。弊社のブランドが伸びるのと同時に全体のカテゴリーが伸びていくことに重きを置いています。そのためにも、より良い高付加価値の製品を一人でも多くのお客様に使っていただくことに心を砕いています。私が今担当しているブランドはポートフォリオマネジメントと言いつつ、全て伸ばさなければなりません(笑)。そこはプレッシャーですが、マーケットが成熟した日本においてプラスの成長、しかもカテゴリーの成長を上回る成長を求められるというのは、やり甲斐があります。そのためにディスカッションをして、提案が通れば投資を受けられる。海外からもアテンションが高くてサポートが厚いということが、さらにやり甲斐をアップさせてくれます。

マーケティングに求められるのは、「戦略的に考え、
組織の枠を超えて前に進めるリーダーシップ」と「想像力」

御社で活躍しているのはどんな人ですか?

出身業界も様々で、外資・内資系消費財メーカー、代理店、製薬会社等いろいろなので、こういう感じ、と1つのパターンではご説明しきれないのですが、まず戦略的に物事を考える、というのは重要だと思います。限られた資源をどこに投資して、いかにビジネスを成長させるか、を考えていかねばなりませんから。

また、社内の各部署、グローバルチーム、代理店、と様々な人と密に働き、リードする楽しみがあります。GSKのマーケティングで働くことの面白さとしては、マーケティングの仕事が細分化されていないので、ブランドマーケティングに関わる全てを担当できるという点があると思います。広告、プロモーション、新製品開発だけでなく、中期的戦略をたてて売り上げと広告宣伝費予算とPLのプランニング、予算管理、セールスフォーキャスティング、各種プロジェクトマネジメント、とブランドマネジメントというよりもビジネスマネジメントを行うことにやりがいを感じられる方が活躍しています。

マーケティング経験者も多いですが、全ての方が経験者というわけでもありません。例えば、歯磨き粉のポートフォリオの中の新製品を一手に引き受けてくれいる女性は、もともと日本企業の営業の出身で、マーケティング未経験で転職されてきました。彼女はマーケティングをやりたいという非常に強いパッションを持っていて、持ち前のコミュニケーション能力と素直に何でも吸収する強みを発揮して、成長し続けています。こちらから言わなくても想像力を駆使して仕事の展開を読み、先に進めようとしてくれているので、有難いですね。彼女の得意なことの一つに「消費者心理を捉える」ということがあります。消費者調査を行ったりする際に、分析力も重要ですが、想像力も非常に重要です。例えば、製品の効能として真正面から「口臭予防」とアピールするべきかどうか、というテーマについて考えていたときのことです。消費者に「オーラルケアのことでなにが気になりますか?」と聞いたところ、回答だけ聞くと正面きって一番に「口臭」と答える方は非常に少ないんですね。しかし彼女は消費者調査に同席していて、インタビュー中の消費者の方が口に手を当てながら話していたことに注目し、その行動は口臭が気になっていることを示しているのではないかと。消費者インサイトの洞察力や想像力が長けている人は、良いマーケティングをしていくように思います。

やり甲斐をもって楽しく自己成長してほしい

最後に、御社への転職を考えている読者の方々にメッセージをお願いします。

hc_015_09弊社では、一つのブランドやポートフォリオを担当すると、マーケティングに関わるその全てを引き受けていただきます。その責任範囲の広さを楽しみながら自己成長したい方に来ていただけると嬉しいですね。私が担当しているオーラルヘルスに加えて、ウェルネス(OTC医薬品)もあり、多岐に渡っていますので、飽きちゃう、なんてことは無いと思います。マーケティングのキャリアとして限られたエリアしか経験されていない方にとっては、マーケティングの経験を積むという点でも、やり甲斐があると思います。

hc_015_10また、海外で活躍するチャンスもあります。英国だけでなくアジアのネットワークも密で、本人の意欲と海外受け入れ側のニーズがマッチすれば、数か月間の海外アサインメントや海外勤務といったことももちろんあります。私もシンガポールでの仕事をさせていただくチャンスをもらいましたし、日本の同じ職場で働いていた人が今は英国で働いています。フラットな組織なのでコミュニケーションも密に取りやすく、経験が少なくてもOJTを通して仕事ができるようになるサポート体制はあります。また、チームワーク重視の方にも、最適な雰囲気の職場です。

グラクソ・スミスクライン・ コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社

グラクソ・スミスクライン株式会社とノバルティス ファーマ株式会社によるコンシューマーヘルスケア合弁事業設立にについて
2015年3月2日にグラクソ・スミスクライン社とノバルティス社におけるワクチン事業、コンシューマーヘルスケア事業およびオンコロジー事業の3事業における取引が完了しました。コンシューマーヘススケア事業では、同日に世界をリードする新たなコンシューマーヘルスケア合弁会社となるグラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア社が両社によって設立されました。
この新規事業には、ウェルネス、オーラルケア、栄養補助剤、スキンケアのいくつかのカテゴリーでリードするブランドが含まれ、OTCと日用品における経験と専門性を合わせた事業になります。
ウェルネス領域では、両社の製品が補完し合う34億ポンドの製品ポートフォリオにより、世界最大のOTC事業となり、世界35カ国以上で業界トップの位置を占めるようになります。

日本においても グラクソ・スミスクライン株式会社のコンシューマーヘルスケア事業とノバルティス ファーマ株式会社のOTC事業を併せて、グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパン株式会社として運営を開始しました。

この合弁事業により、ボルタレン、コンタック、二コチネル、シュミテクト、アクアフレッシュ、ポリデント、ポリグリップ、ブリーズライト等の優れた製品ラインが揃うことになりました。

グラクソ・スミスクライン・コンシューマー・ヘルスケア・ジャパンは、「生きる喜びを、もっと」の使命のもと、優れたコンシューマーヘルスケア製品を多くの皆さまにお届けることを目指してまいります。

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