P&Gブランドとは
1837年に米国オハイオ州でローソク製造業のMr.プロクターと石鹸製造業のMr.ギャンブルによって設立されたP&G(プロクター・アンド・ギャンブル)は、原料不足の混乱期の中でも一貫して正直な製品作りを貫き、自社の石鹸を『アイボリー(象牙)』と名付け、その優れた品質・特徴を新聞やバスの乗車券で宣伝、また、サンプルの配布など、当時では考えられなかった大規模で革新的な広告活動を展開し、市場を驚かせたと言います。
現在、P&Gグループは売上10億ドルを超えるブランドを22も抱えております。世界的に見ても、これほど多くの「売上10億ドルブランド」を持つ企業は他にありません。
日本市場攻略の30余年
世界の中でも、「クオリティ」への要求レベルの高い日本の消費者は攻略が難しいと言われています。 P&Gが日本市場に参入したのは、1973年。製品第1号は洗濯用洗剤「全温度チアー」。発売からすぐ、その優れた機能と効果的なブランディングで一躍ヒットし、参入後わずか3年で洗濯用洗剤のNo.1ブランドになりました。1977年には日本の育児事情を大きく変えた紙おむつ「パンパース」、 1986年には生理用ナプキンの着け心地を飛躍的に高めた「ウィスパー」と、革新的な製品で数々のヒットを生み出しました。しかし、日本での P&Gの活動は、決して順風満帆ではありませんでした。たとえば、海外で実績のある製品であっても、そのまま日本に導入するだけでは、高い付加価値を求める日本の消費者には、十分満足してもらえません。また、日本特有の複雑な流通システムは、ゼロから参入する外資系企業にとっては大きな障害となりました。そこで、日本の消費者ニーズを的確に捉えるためのシステム開発や製品戦略の見直し、お得意先と戦略的な関係を築くための流通網の再編、 ECR(Efficient Consumer Response)の導入など、次々と経営の革新が行われてきました。P&Gの日本での30年は、マーケットへの挑戦と努力の30年であったのです。
P&Gのマーケティング力
ブランドマーケティングを初めとして、数々のユニークかつ独自性の高いマーケティング戦略を考え出しきたP&G。成功をおさめている大きな理由は、そのマーケティング力といえます。
消費者を満足させるブランド(商品)を育て、継続的に売り上げ・収益を伸ばす。
つまり、各ブランド(商品)の消費者をいちばん理解している、日本のマーケティングがその経営を任されているのです。
(1) ブランドの経営
短期・中期・長期のブランド(商品)の経営戦略の策定各部署との連携のリーダー
(2) 消費者マーケティング
消費者が何を求めているのかを深く理解することから始め、それをどのように伝えていくかを戦略的に考え、消費者に触れるメッセージを作り上げる。これが我々のもう一つの役割、消費者マーケティングです。
マーケティングポジションのキャリアパス
P&Gは新卒・キャリア採用に関わらず、個人の能力を最大限に発揮させ、飛躍的なスピードで成長させていく環境を整える事、を大事にしています。一例として入社一年目から大きなプロジェクトを任されたり、英語や職種別トレーニングメニューの充実が上げられます。 マーケティングポジションのキャリアパスについては以下の概要を参考としてください。ただし、これはあくまで目安で、実際には年に一度、各人の実績を客観的かつ公平に査定した上で、昇進や給与が決められています。
ブランドマネージャー/人事からのメッセージ
伊東正明 アソシエート・マーケティング・ディレクター
P&Gのマーケティング戦術
P&Gは、1920年代から本格的なマーケティング活動をはじめ、経営の中心にはいつもマーケティングがあり豊富な経験とノウハウを保有するところから「マーケティング大学」とも呼ばれています。
P&G には様々なブランドがあり、それぞれが独立したビジネスユニットとして運営され、ブランドマネージャーと呼ばれるマーケティング担当者をリーダーとして、市場調査、研究開発、生産、販売から事業拡大に向けた戦略の立案と実行、そして人材育成まで一貫したブランドの事業活動を統括します。各ブランドを経営の最小単位と位置づけ、ブランドマネージャーがその経営の最高責任者を務めることで市場のニーズ、消費者の声を的確に反映して商品が開発され、我々のヒット商品を生み出してきたのです。
早期チャンスで優れた人材を育てる
P&Gでマーケティングを学んだ人材が世界的企業で重要なポストにつくケースも少なくありません。P&Gでは経験を積み、スキルを身につける場が入社1年目から与えられます。それがマーケティングに立脚した人材を多く育てる背景にあります。私自身の体験談をお話すれば、私は洗濯用洗剤「アリエール」のアシスタントブランドマネージャーとして入社。すぐに新商品の企画から販売まで一貫して担当することになりました。それは大手衣料品メーカーとのタイアップ企画。相手先企業の社長と交渉して合意を取り付けるなど貴重な体験を積む絶好の機会となりました。4年前にジョイのブランドマネージャーを担当することになりました。その時、「ジョイ」は売り上げの低迷が長く続いていましたが、テコ入れ策の一つとして放映したTVCMが話題を集め、今では「ジョイ君」が人気キャラクターになるなど、キャンペーンは成功を収めました。信じたことをやりぬくことの大切さを改めて学びました。ビジネスでもこれからはプロの時代。マーケティングのプロを目指してみませんか
「P&Gの求める人材とは・・・」
水原直美 P&G人事部
活躍の場は・・
マーケティングスキルやノウハウを身に着けたいという人にとって、P&Gのアシスタントブランドマネージャーとして過ごす1年は大きな意味があると思います。マーケティング担当者の仕事は市場調査やモニター調査ではありません。ひとつのブランドを経営やマネジメントのノウハウを身に着けながら、ビジネスとして運営していく。P&Gなら、生きた教科書でマーケティングを学べます。
求める人物像
国際的な職場なので英語力をベースにコアな素質として消費者マーケティングに対する情熱は重要かと思います。消費者の心理の裏に潜む潜在的なニーズを掘り起こし、消費者の生活を改善するためには何が必要かをひたむきに追求する姿勢、それが新たなヒット商品をもたらす原動力になります。
ブランド経営の一員として戦略的思考に基づきチームを正しい方向に導くリーダーシップ能力、コミュニケーション能力のある方が、より弊社にフィットし、活躍できると思います。