INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
株式会社グロービス vol.1 西 恵一郎

業界のLeading Company vol.3

株式会社グロービス vol.1

コーポレート・エデュケーション部門マネジング・ディレクター

西 恵一郎

1992年の設立以来、「経営に関するヒト・カネ・チエの生態系を創り、社会に創造と変革を行う」というビジョンを掲げ、その実現に取り組んでいる株式会社グロービス。
“ヒト”においては、日本最大規模のビジネススクールである「グロービス経営大学院」や「グロービス・エグゼクティブ・スクール」、年間1200社の企業の人材育成・組織開発を支援する「グロービス・コーポレート・エデュケーション」の事業、“カネ”においては、グロービス・キャピタル・パートナーズによるハンズオン型のベンチャー企業への投資、“チエ”においては、累計発行部数150万部を超えるMBAマネジメントブックの出版「GLOBIS知見録」などを通じた経営ノウハウの発信を行っている。中国に向けては上海、アジアパシフィックに向けてはシンガポール・タイに進出。「アジアNo.1のビジネススクール アジアNo.1ベンチャーキャピタル」を目指す。

公開日:2016年11月21日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

自分は何ができる人間なのか―、その未来感で扉を開いた会社。

新卒でご入社された三菱商事でのご経験を教えてください。

lc03_01_02大学時代から、企画や物事の仕組みづくりのような仕事に興味があり、就職活動の際には、世の中に大きなインパクトを与えられるような仕事がしたいと考えて商社を選びました。社会人として鍛え磨かれたのは、まさにこの時期です。仕事に対する意識が高く、人生を楽しみ、人間的に尊敬できる人物が多い会社でしたし、部下教育に対しても熱心でした。学生時代に少々頭でっかちになっていた私をいい意味で打ちのめしつつも、最後に手を差し伸べて這い上がらせてくれ、成長させてくれた会社が三菱商事でした。

具体的にはどのような仕事に取り組まれていたのですか。

不動産開発の部署で営業や不動産の証券化等をやりました。1つ1つのプロジェクトを立ち上げ完結させていく仕事でしたので、毎回ゼロから数字をつくる感覚でしたね。例えば、大手コンビニチェーンの物流センターを立ち上げるプロジェクトでは、物流を委託する業者とともに拠点を探しまわり全国を行脚しました。また、大手流通グループとショッピングセンター開発を行う子会社の業務に携わった時は、候補地の選定から、資金集め、施行管理までを統括する、商業ディベロッパーの役割を担っていて、20億30億の資金が動くプロジェクトを行っていました。当時は20代でしたので、現場の経験豊富な方々に動いていただくのに苦労したこともあります。より効率のよい工法を提案していかにして自分の発言権や決定権を持つかを考えてプロジェクトを進めていました。

グロービスに転職を決意した理由を教えてください。

社会人2年目のときに、グロービスの社員から誘いを受けましたが、そのときは時期尚早と思い、いったん転職を見送ったのです。しかし、自らリスクを取り何かを創るベンチャー気質、メンバーの人間性に惹かれ、もっと自分を成長させるにはこういった環境なのではないかと思い、お誘いを頂いた1年後に飛び込みました。

今持つ能力より高いハードルを課すことで、より成長できた仕事。

グロービスでは、どのような仕事を行ってきましたか?

lc03_01_03入社時は「グロービス・マネジメントスクール」に所属していました。グロービス・マネジメントスクールは20代半ばからのビジネスパーソンをメインターゲットにしたB to Cビジネスであり、当時は東京・大阪の学校に加え、名古屋校の立ち上げを行っていまして、そのマーケティング管轄を行い、大きな裁量を任されました。人生初のB to Cビジネスを経験し、カスタマー向けのコミュニケーションスキルをつけたのもその頃です。広告戦略が新聞・雑誌の紙媒体からWeb媒体に切り替わる時期で、前任者の仕事をブラッシュアップしながらアイデアを形に落としていきました。

その後は主に法人向けの組織開発と人材育成、とくにリーダー育成に携わってきました。

グロービスの法人事業では、顧客企業が必要とする組織能力や人材要件をディスカッションし、その実現に向けた研修などの施策を提案・実施しています。今まで自分が関わった業界は情報通信、製造、消費財、サービスなど多種多彩入社以来14年が経ちますが、これまで300社以上の企業を担当してきました。

他のコンサルティングファームでは大抵、パートナーや上位のポジションの人間がお客様(企業)からプロジェクトを頂き、メンバーに仕事を分担する形になります。しかし、グロービスの場合、アソシエイトあるいはシニアアソシエイトが担当コンサルタントとしてクライアントに提案し、研修の設計から、当日の運営まですべてのバリューチェーンを担う形です。言うなれば、職位ピラミッドのトップではなく、若手から中堅の層がプロジェクトをけん引していく。これらの経験を通して人材教育という目に見えにくいサービスで、付加価値を提供するノウハウを自分なりに構築していくことができたと思います。

グロービスは社員に対する成長支援制度が充実していると聞きましたが。

やはり社会人に対する教育を行う会社ですから、誰よりも社員が成長しないといけないという思いは強く持っています。グロービス経営大学院への受講支援制度や、自己啓発支援制度等がありますが、短期の海外留学制度もあります。一定の職位以上でMBA(経営学修士)を持たない社員に対して、アメリカまたは欧州のトップMBAスクールのエグゼクティブコースで学ぶ機会が与えられます。私もこの制度を活用、INSEADに短期留学させてもらいました。そこには様々な国の人がリーダーを目指すべく学びに来ていて、平均年齢は45歳。異文化の環境下で、私より10歳以上も年上で、志も高く、人間的にも尊敬できる方々と肩を並べて学んだ経験によって、意識が大きく変わったと思います。

留学時に客観的に日本を見ると、自分が考えているよりも評価が低いことを実感しました。クラスの教授いわく、日本の企業は生産性が低い、意志決定が遅い、効率的ではないと。しかし、自分の感覚としては、欧米企業も課題があって、極めて短期志向、継続性がない。日本企業はロイヤリティがありサスティナビリティがある。もっと日本の良さが活かせるはずだと感じたのですが、数字やファクトといった面からの確固たる自信がなかったために論破することができませんでした。その悔しさを感じるとともに、自分は企業内の人材育成という、まさに企業の強さの根源にかかわっている、だからこそ仕事を通して日本企業が世界で勝てるようにしなければという強い思いが芽生えました。

帰国された後のチャレンジは何がありましたか?

lc03_01_04帰国後すぐに、消費財や小売業を中心とする産業別組織のリーダーと、大阪のリーダー、そして、その当時増えていた、英語で研修を行う事業のリーダーをやりました。リーマンショックの後だったので、クライアント企業、特に製造業は日本だけに生産拠点を置いておくことに限界もあり、グロービスにも英語や中国語で現地のリーダーを育成したいというご要望をいただくようになった。しかし当時のグロービスは海外拠点もなく、クライアントのグローバルニーズへの対応に限界がありました。特に、成長しているアジアにおける人材育成のニーズも高く、優秀な駐在員も多く配置されている。出張で何社か中国企業を回り、ニーズが具体的に見えてきたこともあって、進出するならば今だと思い、グロービス上海の企画をプランニングして役員会に答申し、承認されました。リサーチから設立まで半年ほどのスピード感でしたので、この間は忙しかったですね。

中国設立でご苦労された点は何がありましたか?

いくつかありますが、1つ目はグロービスの講師やスタッフを育成すること。グロービスの研修は、講師が一方的に話す講義形式ではなく、受講者の発言を中心に進める形で、講師はファシリテーター的な役割が求められます。こういったグロービス流の講師になっていただける方を集めることが難しかったです。また。働く環境においても、グロービスでは「自由と自己責任」を大事な価値観としているので、指示型ではなく各自主体性を発揮してもらいます。こういった働き方が現地に根付くまでは時間がかかりました。企業理念や事業への理解を一つ一つ丁寧に行っていきました。

2つ目は知名度を上げることです。中国ではグロービスは無名に等しく、最初は口コミに頼るしかありません。体験クラスを何度も行って、地道に働きかけを行いました。一方で、人事コンサルと連携して一緒に組織や制度づくりなどに携わる等中国独自のプロジェクトも進んでいます。今後は中国で実践したノウハウを、日本の法人営業にも逆輸入したいと考えています。

中国では「経営に携わる」経験ができたことが最も大きいと思います。自分以外全員中国の方という環境において、自分はどんな価値を出せるのか、事業に対する姿勢は問い続けられたと思います。自分が対応できる仕事の幅や付加価値の出し方も大きく変わりました。外部アドバイザーとして企業の経営にかかわって欲しいというご要望もいただくようになりました。

自らがリーダーシップを発揮し、日本のリーダー育成をサポートする。

グロービスの法人向けコンサル事業の優位性を教えてください。

lc03_01_05この仕事はなかなかイメージしにくいと思います。なぜなら、経営幹部を集めて、将来の社長になるための研修となると、関わる方は役員、社長しかいないため、知っている人が少ないのです。経営幹部を集めてこの方々が次のポジションではどんなチャレンジをしてもらうべきかを考え、研修の場で、実際に疑似体験してもらう。例えば10年後の業界展望を踏まえた戦略立案をするなど。実際に事業提案を行い、実践性を追求します。

こういった疑似体験を通して社長になるために必要な要素を体得してもらうのです。

よくコンサルファームが行う研修と比較されますが、コンサルファームは受講者に答えを与えますが、グロービスでは答えを与えずに受講者自らが課題を見つけ、アウトプットできるようになるために、適切な「問い」を与えて「考えさせる」ことが特徴です。時間は相当かかります。たとえて言えば、魚を釣ってあげるのか、釣り方を教えるのかという違いです。これによって実務における再現性を高めています。どんな「問い」を与えれば受講者の皆さんが適切なプロセスを経て考えられるようになるかを設計し、導いていくスタイルがグロービスのスタイルなのです。

グロービスでは、どんな人材が求められますか。

グロービスでは、自由と自己責任、主体性、自己成長しようとする意欲が求められます。なぜならば、経営幹部育成を担当するコンサルタントとなれば、一流企業の経営幹部の方々と対等に話ができなければなりません。自らも向上心を持って情報を取りにいき、価値提供ができる人間に成長していかなければ太刀打ちはできないでしょう。自己研磨の積み重ねが達成感や自信となり、その人自身のキャパシティやアビリティを広げていけるので、主体性を養うことができると思います。またグロービスではコンサルタントとしての業務と並行して講師としてトレーニングを受けて登壇することも可能です。自分自身の提供価値を広げていく中で、将来的には通常業務を行いながら研究開発部門で6つの学問領域(ヒト・カネ・モノ・志・創造・思考)のいずれかのコンテンツ開発や最新の経営理論の探求にかかわることもできます。

こうした自己成長への意識の高いメンバーが、日本のリーダーを育成するという志をもって相乗効果を生み出す場所、それがグロービスなのです。なかなか真似できない価値だと思っていますね。

現時点では具体的な目標をつかめていなくても、何かしたい気持ちが高まっている人は、自己成長ができる環境だと思います。好奇心や情熱があり、自己成長の努力を惜しまない人が伸びていける会社だと思いますね。

西 恵一郎 氏 プロフィール

早稲田大学政治経済学部経済学科卒業。三菱商事株式会社に入社し、不動産証券化、コンビニエンスストアの物流網構築、商業施設開発のプロジェクトマネジメント業務に従事。20代でグロービスに転職。プライベートではB to C向けのサービス企業(宅配クリーニング)を立ち上げ共同責任者として会社を運営(現在は譲渡)に携わる。グロービスでは企業研修部門にて組織開発、人材育成を担当し、これまで大手外資企業のグローバルセールスメソッドの浸透、消費財企業のグローバル展開に向けた組織開発他、多くの組織変革に従事。社内公募プログラム「NSEAD International Executive Program」修了。その後、グロービス初の海外法人を立上げ、現地法人の経営を行う。現在はコーポレート・エデュケーション部門マネジング・ディレクター兼中国法人の董事を務める。日系商社 香港法人の外部顧問、講師はグローバル戦略、リーダーシップ、アクションラーニングを担当。

株式会社グロービス vol.1

自分は何ができる人間なのか―、その未来感で扉を開いた会社。 新卒でご入社された三菱商事でのご経験を教えてください。 大学時代から、企画や物事の仕組みづくりのような仕事に興味があり、就職活動の際には、世の中に大きなインパク...

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