INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社/合同会社西友 野田 公一

人事×経営 〜人事戦略を語る Vol.26

ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社/合同会社西友

執行役員 SVP 最高人財責任者(CHRO)

野田 公一

1988年早稲田大学政治経済学部卒業。三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行後、ハーバード・ビジネス・スクールに留学して、1998年にMBAを取得。その後、株式会社インクスを経て、2004年に楽天に入社。執行役員マーケティング部門長、採用育成本部長、経営企画室長、グローバル人事部部長などを歴任。2016年よりウォルマートにて現職。

公開日:2018年5月28日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

経営者の悩みの半分以上は人事関連だと気づいた

ウォルマートに入社するまでの経緯を教えてください。

hr26_02父に「これからは英語を勉強しないと苦労するぞ」と言われて、高校・大学ではESA(英語会)に所属しました。早稲田大学のESAは30年以上の歴史をもち、部員数も400人程の大規模組織でした。ディベートの練習に明け暮れる毎日を過ごし、広い視野・リサーチ力・聴く力・話す力が鍛えられました。ディベート大会で全国優勝、副部長として組織運営経験を積みました。

大学卒業後は、さまざまな人・業界・地域と関われることに魅力を感じ、三菱銀行(現三菱UFJ銀行)に入行しました。多くの期待を持っていた私の1年目の配属は、支店での「資金係」という仕事でした。ひたすらお金を数え続ける単調な日々。私は1カ月で辞めたくなったのですが、「社内400名の資金係のトップになろう」とふと思い始め、そうなるとモチベーションが高まりました。どうやったらもっと早くお金を数えられるのか、業務改善するのに夢中でした。このとき、自分で目標を決めてチャレンジすれば、どんな仕事も面白くなるのだと知りました。

次に就いた本部での調査部では、さまざまな業界の動向を調査しました。印象に残っているのは、ある企業グループの合併シミュレーションをまとめ、報告した際、ある日突然、頭取から呼ばれ、直接説明する機会をいただいたことです。半年後、2社の合併を知り驚きました。若手でも自分の仕事で経営に関与できる可能性があるのだと知り、一層モチベーションが高まった出来事でした。その後、社内留学制度に応募し、ハーバード・ビジネス・スクールに留学しました。2年間で800ケースを扱うMBAコースで、知的格闘の毎日は非常に楽しい日々でした。真剣に勉強するとどうしても徹夜になるのですが、徹夜をすると頭が回転せず、今度は講義で発言できません。このとき、効率よく物事を進める上で大切な、情報の取捨選択の技法を徹底的に学びました。

hr26_03帰国後、一刻も早く学んだ経営学を実践したかった私は、大変悩みましたが、MBA学費を返上して銀行を辞め、金型メーカーのベンチャー企業に入社しました。そこでいきなり新工場の建設のすべてを任されました。どこにどのような工場を建ててよいか、まったくわからなかったため、周囲に頭を下げて聞いて回り、ビジネスを覚えていきました。5年もするとかなり詳しくなって、証券会社と一緒に金型再生ファンドをつくって、危機に陥った金型メーカーを買収するなど、さまざまな仕事を手がけました。このとき、1人では何もできないことを知り、謙虚さの重要性を身にしみて感じました。

その後、38歳になったとき、自分がバリバリ働ける時間は短いと思い、最も伸びている業界に飛び込もうと、ハーバード・ビジネス・スクールの先輩である三木谷氏創業の楽天の門を叩きました。最初の3カ月は、営業として1日130件の電話をかけ続けました。その後、マーケティング部門長、採用育成本部長、経営企画室長、グローバル人事部部長などを経験しました。採用担当のときは、チャレンジ精神のある新卒社員300名を採用する仕組みを構築し、経営企画室のときには三木谷さんの出張にお供して、世界中を飛び回りました。三木谷さんの圧倒的な「やり遂げる力」には、いまも感服しています。三木谷さんは、世の中をより良くするという大きな目標を掲げ、社員を信念でリードしていくビジョン型のリーダーで、身近で学ぶことは本当に数多くありました。

グローバル人事部部長のときは、社員の英語力とグローバルコミュニケーション力の育成に取り組みながら、社員の成長は経営の根幹にあり、実際、経営者の悩みの半分以上は人事関連だということに気づきました。経営者は、ビジネスを熟知する人事部長には積極的に経営課題を相談します。人事という仕事の面白さを感じました。次第に、別のグローバル企業を覗いてみたいという願望が高まり、そんな折にご縁をいただき、現職に就任いたしました。実は、入社前に2カ月ほど空白期間があったのですが、その期間にウォルマート・ジャパン/西友の全店舗を回ってみました。異業界から飛び込んだ私は、店舗を回るといっても何を観察したらよいかわかりませんでしたが、観察ノートに書き留めながら、日本全国にある店舗を回り続けました。大変でしたが、これをやったおかげで、入社時にはすっかりウォルマート・ジャパン/西友の店舗を自分のものと感じられるようになっていましたし、みんなの話がわかるようになっていました。

成長を続けられる人材を増やしたい

ウォルマートはどのような会社ですか?

hr26_04入社してまず驚いたのは、極めて気持ちが良く、居心地が良いことです。世界中のどの社員と会っても、最初から同じミッションに向かっている仲間だと思えるのです。誰もが謙虚で、仲間たちを大事にしています。その点は、日本法人も世界もまったく変わりません。そもそも西友もお客様第一の社風で、根底の部分がウォルマートと似ているのです。また、社員は成長意欲が高く、誰もがお客様に深く感謝しています。ウォルマートは労働時間などの面でもワークライフバランスがとれており、働くメンバーの幸福度は高いと感じています。私もウォルマートで働くことは極めて幸せなことだと感じています。

ビジネスで言えば、私たちはいま「オムニチャネル」の開発に力を入れています。たとえば、2018年から、私たちは楽天と協働運営でネットスーパー事業「楽天西友ネットスーパー」を開始する予定です。こうして私たちはいま、ECとスーパーの両方のチャネルを用意し、お客様の満足度や利便性をさらに高めようとしています。生鮮品はスーパー、まとめ買いはECといった形で、お客様に使い分けていただこうとしています。

最高人事責任者として、いま取り組まれていることを教えてください。

私の想いの核にあるのは、「成長を止めない人材をたくさん育てたい」ということです。なぜなら、私自身があるとき変わったからです。それは楽天時代の2012年のことですが、360度サーベイを受けました。返ってきた結果レポートには、ショッキングな言葉が並んでいました。端的に言えば、部下の目には、私は三木谷さんの言葉を上から下におろしているだけの存在に見られていたのです。ひどく落ち込みました。しかし、私はそれを謙虚に受け止めよう、自分を客観視しようと努力しました。そしてまず、メンバーに集まってもらい、「ごめんなさい」と謝りました。と同時に、「みんなの言葉で成長できる機会を得られた。ありがとう。」と伝えました。そうしたら、その後から、ある部下が、「野田さん、いま部下の言葉を途中で遮りましたよね」といった具合に、私の言動にフィードバックをくれるようになったのです。こうして私は、成長を続けられるようになりました。いまでは相手の話にじっと耳を傾けることが習慣づいてきました。

hr26_05「成長を続けられる人材を増やす」ためには、全国約34,000人のアソシエイトが成長を続けられる仕組みを作る必要があります。具体的には、様々なリーダーシップトレーニングを行い、地区長・店長・アシスタントマネジャーなどを育成しています。彼らに対して、アソシエイトの成長に責任を持ってもらう意識づけをすると同時に、チームビルディングや指示の仕方など、アソシエイトを継続的に成長させるためのフレームワークを教えています。また、グローバル本社が用意している「リーディングリーダーズ」というプログラムを使って、一人ひとりの360度サーベイを実施すると同時に、自分の成長計画を立ててもらっています。幸いなことに、ウォルマートは心理的安全性が高いレベルで保証されている会社で、誰もが安心して率直にフィードバックできる社風がある。だからこそ、360度フィードバックをもっと盛んにできる環境にしたいと思っています。

それから、HRビジネスパートナー(HRBP)制を導入し、HRBPとともに配下・後継者の育成・異動・配置計画などを立ててもらう仕組みを構築している最中です。HRBPは、PayrollやC&Bなど人事のスペシャリストもビジネス側の方も、主体性をもって学ぶ姿勢があれば、難しいことはありません。特に、優秀な人材ほど、他のファンクションを経験させ、成長を促さなくてはなりません。しかし、優秀な人材を異動させるのは決して簡単ではないのが実情です。この点は少しずつ成功事例をつくり、活発にさせていきたいと考えています。一方で、HRBPの育成も進めなくてはなりません。HRBPになる際は、一度人事という枠を取っ払って、所属部署のマネジャーやメンバーの話に徹底的に耳を傾け、事業内容・戦略・方向性などを理解する必要があります。その覚悟を持ってもらうことが何よりも大切です。

これから手がけたいことは何ですか?

いくつもありますが、たとえば、日本のベストプラクティスをもっと本社や世界に伝えたい、日本の人材をもっと本社に輩出したいといった想いがあります。レジ打ちの技術の高さや物流の仕組みなど、ウォルマート・ジャパン/西友には優れた点がたくさんあるのですが、本社や世界にはまだそれほど知られていません。こうした日本の良さ、日本の存在をアピールするのは、私の仕事だと考えています。また個人的には、自己成長プランを立て、さらに貪欲に成長していきたいと思っています。先日、ウォルマート・インターナショナルの元社長に成長の秘訣を尋ねたら、引退したいまも自己成長プランを書いているというのです。私も負けていられません。

世界で活躍したい方を待っている

どのような方を求めていますか?

すべての人を尊重でき、貪欲にチャレンジし、成長し、世界で活躍したいと思っている方に来ていただけたら嬉しいです。ウォルマートには、まさにそうした方が大きく羽ばたける環境があります。

最後に読者に向けてメッセージをいただけたらと思います。

hr26_06いまは、働き方改革に象徴されるように、社会全体が「やってみよう」「変えてみよう」となっている時代で、10年後がどうなっているかまったくわかりません。私自身はその渦中にいられるのが本当に楽しく、日々ワクワクしています。同じように、変革期のいまを楽しめる方と、ぜひ一緒に働けたらと思います。きっとウォルマートで実現できることがたくさんあります。

ウォルマート・ジャパン・ホールディングス株式会社/合同会社西友

ウォルマート・ジャパン/西友は、親会社ウォルマート社の理念「Every Day Low Price(毎日低価格)」のもと、そのミッションである“Saving people money so they can live better.”「お客さまに低価格で価値あるお買物の機会を提供し、より豊かな生活の実現に寄与する」の実現を目指します。

消費財・高級財業界の新着求人を見る

転職のご相談、求人応募・お問い合わせには、
まず無料登録をお願いします。

無料オンライン登録

Arrow