INTERVIEW
企業インタビュー

 企業インタビュー
PANDORA Jewelry Japan株式会社 横山 麦

成長する企業のビジネス戦略 Vol.42

PANDORA Jewelry Japan株式会社

ゼネラル・マネージャー

横山 麦

大学卒業後、仕入れ・デザイン・製造・販売のすべてを自社で行う国内のジュエリーブランドに入社。GIA: Gemological Institute Of America(米国宝石学会)認定の宝石鑑定士資格を取得。その後、外資系ラグジュアリーブランドに14年以上携わり、国内立ち上げやプロモーション強化にあたる。2015年から現職。

公開日:2018年5月17日
(インタビュー実施時の御所属・役職名にて
記載させて頂いております)

パンドラ、世界売上TOP3の
ジュエリーブランドの経営戦略

ジュエリーの世界に魅せられて

これまでのキャリアを教えてください。

biz43_02私は、もともと何かものを作ることや、美しいものに関わることへの憧れがあり、大学卒業後の進路としてジュエリーの世界を選びました。入社したのは、国内のジュエリーの会社です。その会社は仕入れ、デザイン、製造、販売といったすべての工程を自社で行っていたため、ジュエリーの全体像を見ることができました。また、社内にはアメリカの宝石鑑定機関の中で最も権威のある米国宝石学会(GIA)の認定資格を取るための支援制度もありました。資格を取るために1000ピース以上の石を見て、それがダイヤなのかルビーなのか見極める訓練もしました。早い段階でこの資格が取れたのは非常にありがたかったですね。

当時の上司によく言われたのは「とにかく一番いいものを見なさい」ということ。日ごろ目にするものが自分の基準になっていくし、基準を高く持つことが仕事のクオリティにも影響するのだと教えられました。

その会社では自社ブランドの責任者を任されていましたが、一方で本当のブランドビジネスを学びたいという気持ちもあり、外資系ラグジュアリーブランドのマーチャンダイジング・マネージャーに転職しました。14年間で4つのラグジュアリーブランドにご縁をいただき、主にマーケティングやプロモーションの立場から、ブランドの立ち上げに関わり、認知度を上げていくような仕事をしてきました。

日本のブランドとインターナショナルブランドとはまったく違う世界でした。どのインターナショナルブランドにも確固たる販売戦略・マーケティング戦略があり、それを世界中の店舗に行き届かせていました。たとえば、ファッションやコスメとしてのブランド力が既にあるブランドでは、古いオートクチュールの服を本国から持ってきて、そこにジュエリーを飾るというイベントを長期間やったこともありました。また、数億円もする商品を限られたトップ層のお客様に提供するために、パーティーなどのイベントを企画し、私もタキシードを着用しておもてなしをしたこともあります。

その後、2015年にPANDORA Jewelry Japan株式会社(以下、パンドラ)のゼネラル・マネージャーに就任し、現在に至ります。ラグジュアリーブランドの経験を通してわかったのは、ブランドが持つ文化や歴史をお伝えしていくことが大切だということです。それは現在のパンドラにおいても変わりありません。

なぜ、パンドラに移ったのでしょうか?

グローバルでみると、ブランド別ジュエリー売上は、上から「カルティエ、ティファニー、パンドラ」と、常に「パンドラ」という名前が上位3位に入っており、実は「このブランド、なんだろう?」とずっと気になっていたブランドでした。パンドラは、現在世界100か国以上、7800店舗を持つブランドです。昨年のグローバルの売上は約3900億円。海外でこれだけ成功していて日本ではまだ知られていないブランドは、もうほとんどないでしょう。自分がこれまで培ってきた経験がすべて活きる場所だと感じ、現職に就任いたしました。

“会話が生まれるジュエリー”パンドラのポテンシャル

パンドラとは、どのようなジュエリーブランドなのでしょうか?

biz43_03パンドラがデンマークのコペンハーゲンに誕生したのは1982年です。カルティエ、ブルガリ、ティファニーといった100年以上の歴史を持つブランドに比べると、まだまだ若い会社です。

2000年に「チャームブレスレット」を発売し、ナスダック市場に上場後、インターナショナルブランドとして急激に成長を遂げてきました。

パンドラを一躍有名にした「チャームブレスレット」は、1つのブレスレットに「チャーム」と呼ばれるさまざまなパーツを組み替えて、何通りも楽しめるようにしたブレスレットです。チャームは約800種類もあり、また毎シーズン新製品をご紹介しておりますので、その時に合わせた、自分のオリジナルブレスレットをつくり楽しんでいただけます。しかもそのチャームはペンダントにもピアスにもなります。単価は1ピースあたり7000円から1万円。お客様が自由にそれらを組み合わせ、多くの場合、3万円ほどで1つの商品が出来上がります。

一昔前のジュエリーは「一点豪華主義」でした。しかし今は、洋服に合わせてジュエリーもいろいろ変えていく時代。パンドラはそんな空気にマッチしていたから、世界中でこれだけ愛されているのだと思います。

biz43_04パンドラのジュエリーは、手ごろな価格でありながら高品質であることも特長です。デザインはデンマークで行い、タイの自社工場で生産し、世界中に届けています。以前、タイの工場を見学した際に驚いたのは、ラグジュアリーブランドと同じ製造工程だったことです。仕上げも丁寧に磨き上げ、裏面まで本当に美しく仕上がっています。これだけこだわったものをこの値段で販売できるのは、年間1億個以上というボリュームと、自社工場で製造しているからです。手ごろな値段で高品質商品を提供できることが、パンドラの強みです。

今後の経営戦略を教えて下さい。

パンドラが日本に初上陸したのが2011年。その後、2015年にパンドラとブルーベルの合弁企業として「PANDORA Jewelry Japan株式会社」が設立され、本格的に日本に参入するに至りました。

今後パンドラが日本で成功していくために、以下の3つを実施していきます。1つ目は、ブランドの認知を高めること。現在パンドラの認知度は、グローバルでは70%、シンガポールだと90%を超え、カルティエやティファニーよりも認知度が高いのですが、日本ではまだ低いのが現状です。しかし、このギャップこそが、まさにパンドラのポテンシャルです。認知度が10%上がるだけで、売上も一桁くらい違ってきます。

マーケティングの手法は刻々と変わりつつあり、我々も、デジタルやSNSに重きをおきながら、今までリーチ出来なかったお客様にパンドラの情報を発信していこうとしています。6月にはLINEのオフィシャルアカウントも開設するので、よりブランドが広く認知されていくと考えています。ブレスレット以外に、リング、ペンダントやピアスもあるので、そういった多彩な商品情報も届けていきたいです。

2つ目は、店舗数の拡大です。パンドラの資金力を活かして、これまでも2015年に銀座、2016年に表参道、2017年に心斎橋と毎年路面店をオープンさせてきました。今年は銀座4丁目にもう一店舗がオープンし、現在32店舗まで増やしてきました。今後もより良いロケーションが確保できる場所を探し、積極的に出店していく計画です。eコマースも含めて、お客様がほしいと思っていただいたときにすぐに買えるという環境づくりを進めていきます。

そして3つ目が、人です。オフィススタッフだけでなく、非常に大事なのは、お客様と接する販売スタッフです。

実はパンドラの特長として、リピーターが多いことがあげられます。お客様のうち3分の1がリピーターです。一般的にジュエリーを買うタイミングは、クリスマスや誕生日位と言われますが、パンドラは、お客様の30%以上が半年以内にまたご購入くださいます。お客様にリピートしていただけるような信頼関係が築けるかどうかは、販売スタッフにかかっています。ですから、販売スタッフの採用・育成により一層力を入れていきます。

なぜそれほどリピート率が高いのでしょうか?

まず、年に7〜8回、新作が出るためです。気に入ったチャームが発売されれば、買い足していけます。これは非常に良くできたビジネスモデルです。

次に、お客様と信頼関係を築ける、巧みな接客です。パンドラにとって接客とは、お客様とともに商品を作り上げていくプロセスだと考えています。たとえばブレスレットを購入するとき、接客によってお客様が選ぶチャームの種類や数が変わります。その結果、値段が1万5000円や3万円から、30万円、40万円になる場合もあります。パンドラの売上は接客によって支えられ、その接客はただモノを売るのとはまったく違う、いわばお客様へのカウンセリングです。お客様と対話しながらニーズをどんどん引き出していき、早い人は15分くらい、長い人は2時間くらいかけて、700から800種類あるチャームの中から選んでいただくのです。パーソナルな質問をしながらお客様ご自身が気づいていないニーズを引き出し、「これとこれを合わせたらいかがでしょうか」と何通りものカスタマイズのご紹介をしていきます。そうした接客がお客様に「ありがとう」「楽しかったです」と喜んでいただき、たびたび足を運んでいただけるようになっています。

最後に、購入したジュエリーが人と被ることを嫌がる人が多いのですが、パンドラの場合は逆で、「どうしてこれを買ったの?」「私はこういう想いで買ったの」「こういう経緯で買ったの」とパンドラのジュエリーがきっかけで会話が生まれ、話が弾むのです。海外にはコミュニティもあり、チャームの交換会が行われていたりします。

いろいろなブランドを見てきましたが、「会話が生まれるジュエリー」は、唯一パンドラにしかない特長だと思います。

パンドラで働く魅力について教えてください。

パンドラで働く魅力について教えてください。

biz43_05日本法人トップである私の仕事は、一緒に働くスタッフが働きやすい環境をつくること。従業員が安心して仕事ができ、モチベーションが上がるような仕組みを作っているところです。あまりトップダウンにせず、任せるところはスタッフに任せながら、私の経験を通したアドバイスをし、より良い会社組織・環境を作っていきたいと思っています。

社内にはジュエリーコーディネーターの資格取得をサポートするシステムも用意しました。ひとりひとりの経歴に、ジュエリービジネスに携わったからこその付加価値をつけていってほしいと考えています。パンドラで働き始めると、パンドラの商品のコンセプト、品質の良さ、カスタマイズできるおもしろさなど、パンドラの良さに目覚め、ファンになっていく人ばかりです。パンドラがまだ小さいのは今、この時期だけ。大きく育てていく過程を、私たちと一緒に楽しんでほしいと思います。

パンドラが求める、活躍できる人物像とは?

パンドラには、「常に新しいことにチャンレンジしよう。Can do attitude.」という企業文化があります。年に7~8回、ほぼ毎月のように新作が出る、新規店舗拡大をしている、とてもエキサイティングな時期です。スピードと柔軟性は、欠かせません。新しいものにチャレンジすることや変化を楽しめるという人には、とてもやりがいを感じていただける環境があります。

また、ジュエリー業界経験が必須ですか?とよく聞かれますが、ジュエリーとは違う他業界からの転職は大歓迎です。実際に、コスメ、一般消費財などさまざまな業界から来た人たちが活躍しています。これは非常にいいことで、たとえば、チョコレート業界の経験者から「こういうプロモーションをやったらよかったですよ」という提案をもらい、「じゃあ、その方法でやってみよう」と取り入れたところ、うまくいったというケースもありました。
今までの経験や知識を如何に活用し、新しいチャレンジに繋げられるかにかかっているのではないでしょうか。

(構成 有留もと子)

PANDORA Jewelry Japan株式会社

1982年にデンマーク、コペンハーゲンで創業。デザインから製造販売を行うジュエリーブランドです。高品質な素材を用いて手仕上げされた商品を手に届きやすい価格でお届けしています。現在100か国以上、7800箇所の店舗で販売されています。パンドラの使命は、創業当時も現在も変わらず、手仕事で作った高品質で本物のカスタマイズジュエリーを世界中の女性に数多く届け、それによって個性を表現することを女性に伝えること。ビジョンは「世界で最も愛されるジュエリーブランド」になることです。

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