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『人を育てる外資系』インタビューVol.2 日本エリクソン株式会社

『人を育てる外資系』インタビュー Vol.2 日本エリクソン株式会社 人事部長 水上 雅人氏、イー・モバイル事業本部 プログラムマネージャー 吉田 基樹氏、待っているだけではダメ。自分から動く人が「成長」を得られる

水上 雅人氏 日本エリクソン株式会社 人事部長

14年間日系、米系企業において人事の各部門を担当した後、1998年9月に日本エリクソン入社。
人事給与グループ・マネジャーとして、主に成果主義・市場価値主義をベースとした人事制度の設計、導入、運用に従事後、2002年3月より現職。

Q.日本エリクソンでは人を育てることを、どのように考えているのでしょうか?

 我々のビジネスは変化が速く、常にクリエイティブでイノベーティブな新技術を生み出していかなければなりません。これを実現するのはエリクソンの看板でなく、そこに働く「人」です。ですから、エリクソンはグローバルにも「ピープル・カンパニー」を標榜し、人を育てること、そのための環境を整えることを最重要課題と捉えています。また、仕事をする上で人と人の繋がり、ヒューマン・ネットワークを非常に大事にしています。
 エリクソンのCEOカール・ヘンリック・スバンベリは、会社の成功を測る指標として、プロフィタビリティ、カスタマー・サティスファクションとともに、エンプロイー・サティスファクションの3つを重要な要素として挙げています。社員のモチベーションが高められる環境、プロフェッショナルとして成果があげられる環境になっているかどうかを、年に1回エリクソングループ全社で行われる社員サーベイを通じてアセスメントし、継続的に改善に取り組んでいます。

Q.具体的にはどのような方法で人材を育成していますか?

 エリクソンでは今、日々の積み重ねこそが人を育てるというポリシーのもと、「エブリデイ・ラーニング」の仕組みづくりに力を入れています。具体的には、日々の仕事の中で上司や先輩社員が指導したり、ストレッチな課題を与えたり、多様な仕事に就かせることにより人材育成を図ります。その基になるのがIPM(Individual Performance Management Discussion)という、目標管理と自己申告制度を合わせたものです。コンピテンス開発やキャリアアップについて自分自身でプランニングし、上司のアドバイスを受けながらそのために必要な能力開発を行っていく。自分のキャリアパスを考え実現していくようなプログラムも構築しています。大前提は、成長するための課題を自分で見つけ、解決していくこと。これはグローバルに共通する考え方で、待っているだけでは何も得られません。
 もちろん、知識やスキルを身につけるためのトレーニング・プログラムも充実させています。常に最先端の知識が求められる技術については、エリクソン・エデュケーションという組織により提供される研修がありますし、エリクソン仕様にカスタマイズしたものを含めて何千種類ものメニューがあるeラーニング・システムで、必要な知識、コンピテンスを習得することもできます。貪欲に何かを学び取ろう、自力でステップアップ、キャリアアップしようとする人にとっては、様々な手段が用意されています。

Q.日本エリクソンでは、どんな人材が求められているのでしょうか?

 自分で考えて自分で動いていける人、ということに尽きますね。問題が起きたら自分で解決するために行動する、困難があっても最後まで諦めない、自ら積極的に動いて求めるものを得ようとする――そういうプロ意識のある人を求めていますし、我々もプロとして扱います。今いる会社で、新しいことを次々に提案して上司にうるさがられているような人、出る杭として叩かれているような人は、エリクソンでは存分に活躍できます。
 また、グローバル企業ですから当然、プロジェクトなどで諸外国の人たちと交流を深める機会も多い。それを通して得られた人のネットワークを広げ、仕事に生かしていく能力も必要ですし、それが自分のキャリアアップに繋がっていく環境がある。公開されているグローバルなオープンポジションに誰でも応募できますから、海外で自分の力を試したいという人には、チャンスは十分にあります。特にビジネスが大きくなっている今は、ポジションの数も増えているので、待っているだけでなく自分から何かを得ようと努力する人にとっては、とてもやりがいのある会社だと思います。
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吉田 基樹氏
日本エリクソン株式会社 イー・モバイル事業本部 プログラム・オフィス プログラム・マネージャー

金融機関のコンピュータシステムのプログラマーを7年間経て、1995年日本エリクソン入社。
交換機データの技術者を経て、新製品導入プロジェクト・マネージャー、ライン・マネージャーに携わり、その後、第3世代携帯電話の導入プログラムを複数マーケットにて担当。
2006年からイー・モバイル社のネットワーク展開のプログラム・マネージャー。

Q.エリクソンに転職された経緯と現在の仕事内容について教えてください。

 大学での専攻は社会心理学だったのですが、当時はコンピュータが伸びているときで、ソフトウエアのエンジニアを募集する会社が多かった。それでIT業界に興味を持って、プログラミングもやればトラブルシューティングもやるという仕事の中で技術的なスキルを身につけてきました。前職では、日系企業で金融システムのコンピュータ・プログラミングをしていました。
 エリクソンに入ったのは1995年で、ちょうど携帯電話が出始めた頃です。市場の成長性に魅力を覚えたことと、外資系企業で働いた経験がなかったので挑戦してみたいと思ったのが転職の動機です。入社後はデータトランスクリプトという、基地局や交換機を動かすための交換器データをつくる部署で3年ぐらい仕事をしました。その後はプロジェクトマネジャーとしてパケット・データ・システムの導入を手がけるなど、システム系の仕事に多く携わりながら、ラインマネジャーも経験しました。それから海外赴任が続いて、帰国してから現在はイー・モバイル事業本部のプログラムマネジャーとして働いています。

Q.日系企業から外資系企業への転職は色々な不安がある方も多いのですが吉田さんはいかがでしたか?

 やはり日系の会社から外資系への転職は私にとても大きなチャレンジでしたね。入社してすぐ、マレーシアのトレーニングセンターで1カ月半研修を受けたのですが、そこは英語しか使えない。その後に配属されたセクションは、ボスがアメリカ人で、スタッフはスウェーデン人。日本人は僕だけで、コミュニケーションはすべて英語でした。そういったことから考えると、ある程度の英語力はやっぱり必要ですね。私は高校がミッション系だったので、日常会話レベルの英語には自信がありましたがグローバル企業での仕事となるとやはり少し不安だったので英会話学校に通って学び直しました。
 けれども、あまり英語が得意ではなくても、自分なりに努力して学ぼうという意志があれば、入ってからでも習得できますから問題はないと思います。それよりも、生真面目に考えすぎて、英語そのものがプレッシャーにならないようにしたほうがいい。間違ってもそこから学べばいいや、と思うぐらいの心の余裕が必要ですね。失敗から学べることはとても多いですから。
 また、言葉だけではなくベースとなる論理や常識が、日本人と欧米人ではまったく違います。たとえば、日本人は個人ではなくチームで一つの仕事行うというカルチャーですから、責任の所在を曖昧にしがちですが、欧米人は「僕の仕事はここからここまで」と、自分の責任範囲を明確にします。そのうえでチームとしてのやり方を考える。そのことにまず戸惑いました。彼らがドライというわけではなく、仕事に対する考え方が根本的に違う。こういった考え方の違いに慣れて、うまく仕事を進めることができるようになるまでは結構フラストレーションが溜まりました。
 もう一つ驚いたのは、バケーションの取り方ですね。3週間、4週間は当たり前。日本企業では考えられませんよね(笑)。

Q.入社後、海外赴任を数回されていますが、どのようなきっかけで赴任されたのですか?

 例えば、台湾に赴任したときは、3G(第三世代携帯電話)システムの導入をサポートするために、なかば業務命令で行きました。一方、アメリカに赴任した際は同僚からの推薦があって、引っ張られた形でしたね。その同僚はイギリス人で、以前に一緒にプロジェクトを成功させ、信頼関係を築くことができた。それでアメリカでまた一緒にやらないかって誘ってくれたのです。
 どちらもわりと特殊なケースで、通常は海外に行きたいと思ったら、公開されている社内ウェブサイトでオープンポジションを探して、Curriculum Vitae(履歴書)を提出します。一次審査を通ると面接が行われ、それまでのキャリアなどが評価されたうえで赴任が決まるという段取りになるでしょう。海外赴任を希望するのであれば、自分から積極的に動いて、ラインマネジャーにアピールするほうがいいと思います。

Q.海外勤務で学ばれたのはどういうことだと思いますか?

 一番大きいのは、日本の良いところ、悪いところを客観的に見られるようになったことでしょうか。海外では、日本の市場は特殊だと言われていて、実は私もそう思っていました。でも、日本だけがおかしいのではなく、どこの国でもおかしいところはある。いいものはいい、だめなものはだめと見極める力がついたと思います。
 最初の海外赴任は台湾でしたが、まさしくカルチャーショックを受けましたね。とにかく仕事のやり方が日本とまったく違う。まず、段取りを立てて仕事を進めるということをしないのですよ。だからプロジェクトマネジャーとして、一人ひとりの仕事を把握して全体を統合するということが難しかった。一方で、日本人を非常に尊敬していて、日本のやり方を理解しようとしてくれるのでやりやすいところもありましたね。
 アメリカに赴任した際に困ったのは、彼らが絶対に「ノー」と言わないことです。「できるか?」と聞くと、必ず「イエス」と答えるのですが、あとから確認すると全くできていない。いつ、どうやって、どのようにやったかを一つひとつ細かくチェックしながら、仕事を進めていくといった工夫が必要でした。
 でも、苦労ばかりかといえばそうでもない。アメリカでは成果に対する評価が明確なので達成感が味わえました。そして、それを一緒に喜んでくれる仲間との一体感が生まれるのです。こうした経験を通して、多少のことでは驚かなくなり、困難なことにも立ち向かっていこうという度胸がつきました。また、人との繋がりという財産も増えました。

Q.エリクソンは人を育てる会社だと思いますか?

 私のアメリカ赴任のケースでわかるように、エリクソンは人と人の繋がりを非常に大事にする会社ですし、そのネットワークがプロジェクトを成功に導いてくれたり、個人のキャリアにチャンスを与えてくれたりします。基本的には、自分で必要な知識やスキルを獲得していろいろな経験を積んでいく。自分がどんな仕事をしたいのか、どんなキャリアを積みたいのか、そのためにどういうトレーニングを受けたいかといったことがはっきりしていれば、会社は全面的にバックアップしてくれます。成長したいという意欲を持ち、それを行動に移せる人であれば、しっかり育ててくれる会社ですね。
 手取り足取り教えてもらおうとか、次にすべきことを指示してもらおうという考えでは、何も得られません。あくまでも自分で考え、選んでいく。自分でキャリアを切り開く主体性を持って動けば、必ずそれを実現できる会社だと思います。
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