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外資系スペシャルインタビュー

【第4回】キャリア構築の中で :コンサルティングファームという選択

株式会社ボストンコンサルティンググループ 方健太郎氏
キャリア構築の中で:コンサルティングファームという選択
方 健太郎氏インタビュー
株式会社ボストンコンサルティンググループ

転職活動をされるまで

Q: まずご経歴から簡単に伺えますか?

大学卒業後、運輸省(現国土交通省)に入省し、国際航空や運輸分野における対策の取りまとめに携わりました。4年目でイギリスに留学し、ケンブリッジ大学で法学修士(LLM)とMBAを取得して、運輸省に戻りました。その後数年勤務し、BCGに転職しました。

Q: 転職の動機や理由は?

留学前には転職しようという気持ちは全くありませんでした。役所では、若いうちから非常に幅広い分野のことを扱わせてもらえる、それが面白かったからです。

しかし、留学から帰って来て改めて見渡してみると、色々な分野を扱いながらも、実際は法令作成や組織要求といった業務の繰り返しで、自分自身の成長が止まってしまっているように思えたのです。仮に40歳位までの長期スパンで、「何か一つでも大きなことを成し遂げたい」という気持ちを持続できる確信があれば、そのまま役所に残っていたかもしれません。

また、留学先で知り合った人々の多くが、留学後、転職を考えていたことにも影響を受けました。彼らが、より短いスパンでの「成長」や「チャレンジ」ということを軸に、自分のキャリアプランを考えていることに比べ、自分はどうなのかと。

日本に戻って半年後、将来のキャリアを考えた時に、今後どのような選択枠があるのかと思い、以前ご連絡頂いたことがあった人材紹介会社に、自分からコンタクトしてみたことが始まりでした。そこで、BCGを紹介され話を聞くうちに、そのまま「役所」に残るよりBCGに行った方が、自分の中のチャレンジ精神を風化させず、また短期間で新しいことを学べ自分の成長につなががると思い、応募を決めました。

Q: 転職の動機や理由は?

特別なことはしていません。転職活動といっても、事業会社は1社も応募していませんし、結局BCG1社しか受けませんでした。
ただ、転職について考える間、役所の先輩や同僚、コンサルティング会社、商社等に務めるの友人など、20人近くの方々から話を聞いたことは、自分の将来のキャリアを決める上で参考となったと思います。

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選択と期待

Q: BCGを選んだ理由はどんなことでしたか?

最終的には、自分のキャリア設計にBCGは十分にフィットするということで、自分も納得できたからだと思います。ただ、出会いというか、そのままBCG1社しか受けずに決められたのは、面接で"ビビッ"ときたからでしょう。
今考えれば、折角の機会ですから、他のコンサルティング会社の方にもお会いしてみるべきだったかもしれませんね。(笑)

Q: BCGに入社される前は、入社したら何をしたいと思っていましたか?

まず、いろいろな「企業」で実際に何が起こっているのかを知りたいと思っていました。
大げさに言えば、企業で起こる「プロジェクトX」や、「その時、時代は動いた」のような何かダイナミックな企業変革に接してみたかった、ということでしょうか。
世の中のシステムを大きく変えたければ、役所にいた方が良いと思っていましたが、それは10年、20年といったスパンの話です。役所の仕事の醍醐味は、業界全体、社会全体の絵を描くということにつきます。それに比べると、コンサルティングは確かにミクロの仕事と言えるでしょう。しかし私としては、一企業、一業界のビジネスプラン作りから、そのインプリメンテーション(実施/遂行)まで導き、変化させていくといったリアルな体験をしなければ、社会のビックピクチャーを描くようなことも出来ないと思っています。

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コンサルタントとして

Q: 実際にBCGに入社されてどうでしたか?

まず、クライアントは本当に様々な業界の企業であること、また扱う課題も戦略的経営・事業指導から個別の営業活動支援まで、実に多様である事に驚きました。入社前には、クライアントのイメージとして、資本力があり、カタカナを冠にしたような企業ばかりなのかと思っていましたが、実際には旧態依然とした純日本的企業や、地方の優良企業も多い事に驚きました。さらに、想像以上に組織がフラットだった事にも改めて驚かされました。それまでが、縦割りが当たり前の環境でしたので、身体を慣れさせる必要がありましたね。

Q: 日々の仕事はどんなことをしている時間が多いですか?

プロジェクトの立ち上がり期間は基礎作業(調査、インタビュー等)に多くの時間を使います。このクライアントでは、何が問題となっているのかを探るため、社内外でいろいろな方に話を聞き、ディスカッションを重ね、情報収集し、それを材料に仮説を立てます。問題点に関する仮説が検証されてくると、次はその解決策について、また仮設を考えます。この仮説設定には、またかなり多くの時間を費やしていて、いかにユニークな仮説をたてられるかが重要となります。このように、仮説と検証の繰り返しなのです。

顧客がコンサルティングファームに高い費用を投じるのは、それなりの必要性があるからです。何が問題となり、それを解決に導くためにはどうすればいいのか、それをストラテジーとして打ち出すにはどう組み立てればいいか、すべては仮説の構築から始まります。広い地図の中で「どこを掘るのがいいのか?」をいろいろな側面から調査し、考え、探すようなものでしょうか。これが云うのは簡単でも、実際は大変なのですが。

そのようなことの繰り返しにより、自分の今までの日常的な見方や考え方を変え、終始アンテナを張り巡らせるようになってきました。仕事場以外で街を歩いていても、新聞を読んでいても、何で今こんなことが起きているのかとか、自分のプロジェクトの参考にできないかとか、ふっと知らずの間に考えていたりします。

Q: BCGに入って大変だと思うことは何ですか?

とにかく全てのスピードが早いことです。走りながら考えるという感じですが、その方がいい考えが出てくると最近は思っています。立ち止まると脳が停まってしまうような気がするのです。
でも、人によってもそのスピード、持続時間は異なりますし、たまには瞬間的にスピードを落とすべき場面もあるでしょう。引いて考えると見落としていたものが見えてくるとか、余り長く考え過ぎると効率が落ちる場合もあるということもわかってきました。

Q: 入社後いくつかのプロジェクトをご経験され、現在コンサルティングの仕事についてどう考えていらっしゃいますか?

コンサルティングは、基本的には何でも解決してゆきましょうというのが信条であり存在意義ですから、もちろん経験も必要となりますが、それ以上の「頭の使い方」が分かることが重要だと思います。周りの方からは「引出し」を増やせ、とよく言われますが、それは引出しを増やせば自ずとできるようになるという意味ではありません。同じ「頭を使う」上でも、その引出しから必要な時に適当なものを取り出せ、全く別と見えた問題に応用してゆくことが出来れば、なお良いわけです。決してフレームワークや引出しだけでできる仕事ではないのです。

Q: はじめて自転車に乗れるようになったような感覚でしょうか?

自転車は一旦乗れるようになれば身体が無意識にバランスを取ってくれますが、コンサルティングの仕事は意識的に考え続けないと倒れてしまう点で違いますね。
コンサルタントには、継続的な知的タフネスが求められると思います。次々に新しい課題と向き合い、考えることを止めない粘り強さ・タフネスさが必要で、擦り切れてしまってはやっていけない仕事だと思います。その部分は経験値だけでは語れない気がします。よく言われるのは「どうしてそこで思考をとめてしまうか!」という事です。何かの問題について、なぜそこがボトルネックになっているのかを考え、切り口を見出すことを諦めないことが、コンサルティングの基本だということが分かってきました。そこでやめたらクライアントへの付加価値を生み出せないのですから。

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将来:Future・・・

Q: ご自分の将来についてはどう考えていますか?
株式会社ボストンコンサルティンググループ 方健太郎氏

いつかはパブリックの仕事に戻りたいと思っています。
せっかく役所と外の世界を両方経験するのですから、国あるいは世界の「ビッグ・ピクチャー」作りに貢献したいという気持ちを、まだ漠然ではありますが持っています。そのためにいまの仕事は役に立つと思っています。

Q: 転職を考えている方へのアドバイスを何かいただけますか?

転職活動して損する事はありません。いろいろな方の話しを聞くだけでもプラスになるということです。日本ではまだ、大多数の企業で終身雇用を基本としており、転職への契機も、まだまだネガティブな形でしか出てきていないように思います。例えば企業統合による将来のポストへの不安とか、留学機会の削減などです。もっとポジティブなスタンスで、自分のキャリア設計の選択枠を増やすために話しを聞いてやろう、ぐらいの気持ちでやっていかれればよいのではないでしょうか。大卒時の22、23歳で人生を決めてしまうのはもったいないでしょう。

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