外資系転職のISSコンサルティング

外資系転職なら3,000社以上の外資系企業の求人をご紹介できるISSコンサルティングへ

無料登録はこちら
トップ 紹介プロセス 紹介先企業 企業インタビュー 海外からの転職 会社概要
外資系求人職種フリーワード検索
検索する

無料オンライン登録

外資系企業のご紹介には登録が必要です(無料)

無料オンライン登録
外資系業界から探す

外資系職種から探す

外資系企業への転職を支援するISSコンサルティングの会社概要

ISSから法人(外資系企業)の皆様へ

語学プロフェッショナルサービス アイ・エス・エス
外資系派遣・紹介予定派遣 アイ・エス・エス
通訳・翻訳者・実践的語学力養成スクール ISSインスティテュート
アイ・エス・エスLA校 ISSTranslations, Inc.

個人情報保護方針
メディカル・バイオ 業界特集
外資系転職ISS TOP >  メディカル・バイオ業界 > 医療品DTC広告の今 第1回 

メディカル・バイオ 業界

【第3回】 医療業界マーケティングの今 vol.1  

第1回 医薬品DTV広告の現状

DTC 広告とは?

DTC(Direct To Consumer)広告とは、医師の処方箋がなければ購入できない医療用医薬品について、特定メーカーの商品名を出して、直接、患者など一般人向けに行う広告のことである。

消費財の場合、商品広告を顧客(エンドユーザー)に対して直接行うことは、マーケティングの基本であり、わざわざDTCなどとはいわない。しかし、医薬品は生命に関わり、特に薬効の強い医療用医薬品は患者の症状や体質などに合わせ、かつ経過を見ながら使用しないと思わぬ副作用が起こることもある。そのため、医療用医薬品の選択権(処方権)は患者にはなく、医療の専門家である医師や歯科医師にしか認められていない。

こうした特殊性から、従来、医療用医薬品においては、処方権を持つ医師、歯科医師こそが、広告を含めたマーケティング活動の対象とされてきた。患者に対する広告などのマーケティング活動は、むしろ医療の現場に混乱をもたらすとして、規制するのが世界的に見ても主流である。

日本における規制状況

日本では、一般国民の目に触れる新聞、雑誌、テレビなどに、特定の医療用医薬品の商品名を明示したDTC広告を出すことは、薬事法に規定があるほか、実際には行政指導(薬務局長通達)で禁止されている。

薬事法
67条
政令で定めるがんその他の特殊疾病に使用されることが目的とされている医薬品であって、医師又は歯科医師の指導のもとに使用されるのでなければ危害を生ずるおそれが特に大きいものについては、政令で、医薬品を指定し、その医薬品に関する広告につき、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告方法を制限する等、当該医薬品の適正な使用の確保のために必要な措置を定めることができる。
(第2項省略)

医薬品等適正広告基準(厚生省薬務局長通知)
第3(基準)
(1〜4章略)
5. 医療用医薬品等の広告の制限
医師若しくは歯科医師が自ら使用し、又はこれらの者の処方せん若しくは指示によって使用することを目的として供給される医薬品については、医薬関係者以外の一般人を対象とする広告は行わないものとする。

このため、日本で消費者を直接ターゲットにした医薬品関連の広告は、いわゆる市販薬(OTC※1)広告か、最近増えてきた疾患啓蒙広告、治験(※2)広告、ジェネリック(※3)広告に限られる。 また、大衆薬(一般用医薬品)の広告でも、所轄の自治体が薬事法に関わる不適切な表示・広告として指摘をするケースがある。たとえば、水虫薬について、テレビ広告で、「水虫」という文字が破壊されるイメージ画面に対し、「効能効果が確実であるかの表現である」と指摘されたり、滋養強壮薬について、男性が目を押さえながら「疲れたな〜」というシーンが、承認されていない眼精疲労への効き目を暗示していると注意されたりしている。

確かに、怪しげな民間療法や健康食品が氾濫しているだけに、医療的な効能についての表現は、厳格に規制する必要があろう。

※1OTC:Over The Counterの略で、患者が薬局などで自由に購入できる胃薬、風邪薬などの市販薬のこと。
※2治験:新薬の候補物質を実際に人に投与し、その効き目や副作用を確認する試験。大きく3段階に分かれており、特に最終段階では比較的多くの患者に従来からある製品などと比較投与するため、治験参加者の募集が必要となる。
※3ジェネリック:特許の切れた医療用医薬品のこと。後発医薬品ともいう。安価に製造できることから、中小の専業メーカーが主に手掛け、患者の薬剤費負担が安くなることをアピールしている。

米国でのDTC広告の経緯

ところが、欧米先進国の中には、例外的に医療用医薬品のDTC広告を認めている国がある。アメリカとニュージーランドだ。 アメリカの場合、もともと合衆国憲法で認められた表現の自由との関係で、医療用医薬品の広告についても原則、許容する方針が採られている。ただ、やはり普通の商品とは大きく異なるため、FDA(連邦食品医薬品安全局)では、60年代に施行されたFederal Food & Cosmetic Actによって、広告を行う場合は、効能とリスクのバランスをとること、製品のラベルに記載されている事項を表示すること、などを義務付けてきた。 そのアメリカでもDTC広告が行われるようになったのは、80年代になってからのことである。アメリカの医薬品業界も実は、80年代前半までは、製品の信頼性を損ねたり、コストがかかりすぎたりするのではないかという理由から、DTC広告に懐疑的だったといわれる。

しかし、民間医療保険が中心で、医療コストに敏感なアメリカでは、患者や国民から医薬品情報へのニーズも強い。そうしたバックグラウンドから、徐々にDTC広告が普及していった。 当初、悪影響を懸念したFDAは、調査・検討のために83年から85年まで、DTC広告の一時中断を業界に要請したが、いろいろな調査や公聴会の結果、従来の規制で十分ということになった。 つまり、製品ラベルに記載されているような情報をきちんと表示するなら、DTC広告も構わないとしたのである。このあたりは、個人の自由を最大限尊重するアメリカらしい発想といえるだろう。 とはいえ、このやり方では、テレビやラジオを使うことは難しい。そのため、DTC広告は印刷媒体を中心に、特定の疾患について治療法(薬)が存在することを知らせるいわゆる「疾病啓蒙広告」や、医師などにその薬の存在を思い出させる「記憶喚起広告」が主流だった。

アメリカにおいて、DTC広告が質的にも量的にも大きく変わったのは、97年、FDA(食品医薬品局)がDTC広告に関するガイドライン“Guidance for Industry: Consumer-Directed Broadcast Advertisements”を発表したことにある。これは、フリーダイヤルやウェブサイトなど詳しい情報の入手先を明示すれば、製品ラベルの情報より簡略化された重要事項の記載のみでも可とするものである。 このガイドラインの発表後、アメリカではDTC広告が急増した。特に増えたのがテレビCMで、プライムタイムには必ずといっていいほど、DTC広告が流れるようになったのである。 専門誌などの調査によると、DTC広告への製薬企業の支出は、94年の2.6億ドルから2000年には25億ドルと約9倍に増加。04年においてもなお、DTC広告は対前年比27.3%増と増え続けており、44.3億ドルの規模に達している。

DTC広告に関する最近の動き

このようにアメリカで急速に普及・発展したDTC広告だが、最近、ゆり戻しの動きも見られる。
04年頃から、新しいタイプの抗炎症剤として売り上げを伸ばしていた関節炎治療薬が、副作用問題により自主回収されたたことなどをきっかけに、議会や消費者団体からDTC広告への批判が強まり、05年11月にはFDAによる公聴会が開かれた。

こうした動きと前後して、大手メーカーの中にDTC広告に関する自主規制を設けるところが出てきた。さらに05年8月2日には、米国研究製薬工業協会(PhRMA)が「DTC広告に関するガイドライン」を発表。06年1月から、次の4点を会員製薬企業に義務付けている

1. テレビ広告の放映前にDTC広告をFDAに提出すること
2. 医薬品名を明らかにするテレビのDTC広告では、医薬品が対象とする疾患と、その医薬品に伴う主だったリスクを明示すること
3. テレビや出版物によるDTC広告は、広告対象となる処方薬の効果とリスクとバランスよく伝えること
4. DTC広告キャンペーンを展開する前に、十分な時間を割いて新薬や新しい治療法について医療従事者に説明すること

現在、アメリカのDTC広告はテレビがやや減少し、より多くの情報を提供できる新聞広告が見直されているという。 なお、アメリカと並んで、DTC広告を許可しているニュージーランドでも、規制の強化が議論されており、場合によってはDTC広告の禁止ということもありえるようだ。

まとめ

このように、DTC広告はアメリカで90年代後半から爆発的に普及したが、近年は見直しの動きがある。 逆に、厳しく規制されてきた日本では、本来のDTC広告とは違う形で、患者や一般国民向けの医薬品マーケティングが模索、展開されつつある段階といえる。

医療に対する国民の関心が高まり、それにつれ医薬品に関する情報のニーズも強まっている。消費者をミスリードすることは問題だが、いろいろ情報を与えると患者が混乱するといった論法はもう通用しない。これから、日本においても、アメリカにおける経験を踏まえつつ、広い意味でのDTC広告が脚光を浴びることは間違いないだろう。

TOP OF THIS PAGE

バックナンバーに戻るインタビュートップに戻る

TOP OF THIS PAGE