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外資系スペシャルインタビュー

【第4回】Vol 2. CFOへのキャリアパス編

バクスター株式会社 執行役員 井手登喜子氏
ファイナンススペシャルインタビューvol.2
バクスター株式会社
執行役員/ヴァイス・プレジデント, ファイナンス
小林裕平氏

ファイナンス分野のトップエグゼクティブとして活躍されている、バクスター株式会社、井手さんに、CFOへのキャリアパスや、外資系企業におけるファイナンスやCFOの仕事について、ご自身の経験を振り返りつつ語っていただきました。
非常に内容の濃いインタビューのVol.2をご報告いたします。

Vol 2. CFOへのキャリアパス編

40歳からの大きな飛躍、異業種への転身。CFOという仕事とは……
Q: モトローラからデルへ・・・何が変わりましたか?

デルへ転職したのは、40歳になったときです。実は、モトローラでの仕事は充実していましたから、転職するつもりはありませんでした。
でも、ちょうど40歳になろうとする頃になぜか、内外を含めていろいろなオファーが集中したのです。その中に、デルからの強い誘いがありました。私自身、40歳になったら自分の好きな仕事をしていたいという思いがあり、何が自分の好きな仕事か、じっくりと考えてみた結果の選択です。

当時のデルといえば、まだまだ無名の会社。パソコンの直販ビジネスは日本では成功しないと言われていて、どうなるかまったく予測できない状況でした。しかし、それから7年、いま振り返ってみれば急成長を成し遂げたのです。
私自身、コーポレートプランニングの基礎づくりから始まり、コントローラ、そして取締役と、怒濤のような流れを経験しました。韓国や中国での仕事では、日本とはまた違うカルチャーに直面しました。
いろんなフェーズの中で、スピードが問われる仕事が要求され、非常に脳が活性化されました。

バクスター株式会社 執行役員 井手登喜子氏

Q: CFOの仕事とその役割とは?

CFOという仕事は、CEOやゼネラルマネージャーの下にあるのではなく、あくまでも私のなかではイーブン(対等)な関係にあります。 現在、先進的な会社であればあるほど、ファイナンス部門が重要な役割をしめ、前面に出ているのではないかと思います。バックシートに座っているのではなく、常にナビゲーションシップをとり、時には自分でアクセルを踏まなくてはいけません。 確かに、営業部門のようなダイレクトなファンクションとは違います。しかし、ファイナンス部門もまたビジネスの状況を分析し、マネジメントに適切な判断を促すという重要な役割を担っています。 自分の仕事の範囲や役割について、自分で小さく定義してしまうと、そのボックスから出られなくなります。それは非常に不幸なことですがよく見かける光景でもあります。自分が取り組もうと思った仕事は、どこまででも広げていくことが可能です。自分で垣根を作れば、自分の学ぶ機会を狭めてしまうことになってしまうと思うのです。

Q: デルの要職を辞任し、現職のバクスターに移った理由と現在の職務は?

デルでは下も育ってきており、また何か新たな世界にチャレンジしたいという気持ちが高まって、昨年5月に辞任しました。その後、エネルギーが、また溜まって来て、自分の持てるものが活かせる機会があればと思っていたところ、バクスターから誘いを受けたわけです。
バクスターを選んだ最大の理由は、会社のトップの「変革しなくてはいけない」という気持ち、情熱がとても強く感じられたからです。過去20年、ずっとIT業界でやってきましたから、ヘルスケアのバクスターは全く違う業界です。しかし、ファイナンスの仕事の基礎は同じだと思います。バクスターへ入ったのは昨年9月なので、エネルギーの補給期間は、案外短く済みました(笑)。
バクスターは透析治療、血友病治療、薬剤投与の分野で75年の歴史を誇るとともに、人の命に関わる医薬品・医療機器を扱っているため、薬事法など様々な規制という枠組みのなかでビジネスをしています。そうしたなかで収益性を向上させ、新たな成長フェーズに移るためには、徹底したコスト削減により再投資を可能にしていく必要があります。歴史と伝統のある会社ですから、現状を分析し将来への見通しを立てていくのは、非常にやりがいがあります。私にとっては新たなチャレンジであり、ワクワクしているところです。

ところで井手さんは、いったいどういう人? ちょっとした裏話です

バクスター株式会社 執行役員 井手登喜子氏

Q: 井手さんご自身が形成された背景などを……

私は九州出身で、質実剛健な環境というか、お金に関することを言うのは品格を落とす、みたいなカルチャーの中で育ちました。ですから、お金に関する感覚は本当に甘かったです。
大学時代はアルバイトと仕送りで生活していたのですが、どういうわけか、時には月末になる頃には家賃すら払えないこともありました。お金というものに対する実感がなく、その重要性がわかっていなかったのでしょう。
今も個人的なお金の興味はあまりなく、株ブームとかいわれても実際に投資するところまではいっていません。

Q: ところで、ご両親は何をしていらっしゃったのですか?

父は高校の教師。もし商売をやっていれば、親が人に頭を下げるのを日常的に見ているし、お金の重要性も実感できるはずだし、もう少し地に足のついた生活ができるようになっていたかもしれません(笑)。そんな私がこうしてファイナンスの仕事をしているのですから、やはり人生とは不思議なものですね。

バクスター株式会社 執行役員 井手登喜子氏
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