製薬メーカーのビジネスパートナーとして、ヘルスケア産業に卓越した情報力とソリューション機能を提供している「IMSジャパン」。1954年に米コネティカット州で誕生した「IMSヘルス」の傘下企業であり、「情報」という商品のクオリティの高さで業界を牽引してきた。現在、同社ではさらなる飛躍を求め、新しい事業モデルと組織力の強化に力を注いでいる。
当社の主な顧客は製薬会社に代表されます。医薬品の使われ方や、選択の動機、またその製品がどのような売れ行きなのかといったマーケティングの情報を収集し、それを業界にとって付加価値の高いものに加工しています。たとえて言うなら、テレビ局とビデオリサーチの関係でしょう。テレビ局では番組を制作・放映していますが、視聴率などの番組の反響はビデオリサーチが請け負っています。これと同じように、医薬品市場の動向を専門に収集し、そのマーケットを的確に捉えるための情報を提供しているのです。
IMSジャパンが創設されたのは1964年ですが、当社には、現在に至るまでの40年間のデータの蓄積とノウハウがあります。私たちはヘルスケア産業でインテリジェンス(叡智)を販売する会社だと自負しています。
たとえば、当社ではJPM(医薬品市場統計)というデータサービスを行っています。これは医薬品の99%以上を網羅した全国レベルでの売上データです。また、これを基に病院の規模や地域ごとでデータを加工し、提供しています。
現在では、ますますクライアントからの期待値が高まってきており、単なるデータサプライヤーにとどまることなく、ソリューションプロバイダーとしての役割を目指して進んできています。新たな局面に差し掛かっているのです。このため、個々のクライアントに応じたコンサルティング事業、プロダクトとサービス部門の強化、またオンコロジー(がん領域)への特化、ACニールセン社とタイアップしたOTC(大衆薬)データ販売への参入など、新たなビジネス・ポートフォリオを描いています。
これまで、当社では新しい事業モデルにフォーカスし、その枠組み作りを1年半ほど取り組んできました。DDDという当社独自のサービスがその具体例です。これはMR(医薬品情報担当者)の生産効率の効果測定や、彼らの事業戦略をサポートするためのデータサービスです。当社の40年間のノウハウとインテリジェンスが結集したものと言えるでしょう。今後はソリューションプロバイダーとして、クライアントの成功を支援していく企業でありたいと思っています。
当社は前述したようにメーカーではありません。インテリジェンスを売る会社です。そのためには、やはり人材が重要だと考えています。ですから、「人」があってこそのビジネスなのです。
IMSでは、個々の能力やコンピテンシーにより、その人が個として評価及び職務が与えられるべきであり、年功序列、性別等々により処遇されることは排除されるべきであるとの信念を持っています。
また、年功序列の企業文化の中では、あくまでも「従業員と雇用者」という関係がありました。従業員はその言葉どおり、与えられた仕事をこなすという従属的な存在です。そして従業員の中にも、「与えられた仕事だけをしていればいい」という意識が少なからずあったのではないでしょうか。
しかし、グローバルな観点から言えば、そうした日本的思考では競争力を失ってしまいます。だから私は、従業員という言葉があまり好きではありません。あくまで社員は事業を支えている仲間であり、互いの成功を支援する事と共に自己責任を負う覚悟が必要です。リスクを恐れて何もしないのでは、それこそ「従業員」に過ぎません。また、チームワークを重んじることも日本人の特性ですが、お互いがそれぞれの役割を担い、そこにコミットメントしていく自覚を持つことも求められます。
こうした意識は年功序列からは生まれてこないでしょう。
だからこそ、人事制度も「平等」でなく「公平」であることが重要なのです。
また、チームの全員がそれぞれに役割を持ってコミットメントしていく意識が高まれば、三遊間の隙間はなくなるというのが私の考えです。「決められた範囲の仕事だけをやればいい」という官僚的な発想では、必ず三遊間のゴロを見逃してしまう事態が起きてしまいます。したがって、求める人材は「三遊間のゴロが取れる人」ということでしょうか。決して受け身ではなく、自らが会社を動かしているんだという強い意識を持った人です。
加えて、論理的思考、コミュニケーション能力、人の話を聴く能力、素直さ。また、ビジョンが明確な人はやはり採用サイドからは見て魅力的です。自分は何をやりたいのか。またそのために会社に求めることは何か。こうしたことを提案できるような人を、人事としてはサポートしていきたいと思っています。彼らが、次の世代の新しい付加価値を創っていく存在だと考えているからです。その意味で言えば、私などは「つなぎ」だと思っているんです(笑)。
今、当社は将来のステップアップのための変革期にあります。だからこそ、「自分が会社を動かしていく」という高い意識を持った人が今、必要なのです。