自動車業界をはじめ、通信・IT業界、金融業界など、さまざまな分野において顧客満足に関する調査やそれに伴うコンサルティングを行なっているJ.D. Power Asia Pacific。
人事部門責任者の鈴木琢也氏に企業風土と求める人材について伺った。
当社は顧客満足度に関する調査・コンサルティングの国際的な専門機関です。
「Voice of the Customer」、すなわち「お客様の声」にこそ消費者のニーズは現れ、企業を成功へと導く鍵となります。
本来、マーケティングリサーチというものは、クライアントの意向でそれを行なう「受け身」の場合が多いのですが、当社はそうした意向の全くないところでも調査をしています。
あくまで中立な立場でお客様の生の声を集め、分析することができる。バイアスのかからない生の声というのは「揺るぎない真実」です。
それが、我々の強みだと思っています。
まず、業界という括りで一気にリサーチを行なう「シンジケート調査」があります。
これは事実をそのままメディアに公表していますが、一つのセグメントの中で、ある傾向を知るための一つの指標となります。
我々が大切にしている指標としてその製品やサービスを、お客様が実際に使ってみることでわかる「知覚品質」というものがあります。
メーカー側は、ともすれば製品そのもののクオリティを問題にしがちですが、これは「知覚品質」とは異なります。
自動車業界で言えば、「長時間運転していても疲れない」とか「運転席の脇にある○○が△△で使いづらい」といった類のものです。
また製品の「初期品質」に関わる調査や、ディーラーの満足度調査においてセールスマンやサービスマンの対応など、人的クオリティについても独自に調査を行なっています。
現在は自動車業界が中心ですが、それ以外にも通信業界や宅配業界といった、いわゆる成熟したマーケットにニーズがあります。
というのも、顧客満足というのは、成長過程にある業界や独占的な状態の市場ではあまり意識されません。
携帯電話がよい例です。サービスが開始されて以来、「売り手市場」であった携帯電話は、
ここ数年で急速に市場の飽和が進み、「サービスがあるだけでは売れない」という状況に陥っています。
消費者のニーズは、「あればよい」というプリミティブな欲求から、「より高度な何か」に変化しているのです。
そうした中、他と差別化するためのプラスαは何かといったら、顧客満足なんです。
お客様にとっての使いやすさとは何か、あるいは電話機単体の機能だけではないトータルの付加価値は何か。
そこで、当社の顧客満足の調査が活きてくるというわけです。飽和市場を打開するためのパートナーという位置づけです。
「Voice of the Customer」に基づく「客観性」「中立性」という姿勢が当社のアイデンティティです。
我々はシンジケート調査で作ったレポートをクライアントに提供することで事業が成り立ちます。
その後、カスタムメイドの調査を行なうこともあります。
それらは健康診断にたとえて言えば、定期健診(シンジケート調査)や精密検査(カスタムメイドの調査)ですが、
さらにその先の具体的な治療、つまりコンサルテーションまで展開していきたいと考えています。
まさに「フォローウィンド」、追い風です。益々当社の強みを発揮しながらビジネス展開を図っています。
もともと、当社は米国親会社と連携しながらも独自性を発揮しています。
リサーチにしても、日米共通の軸がある場合は別ですが、ローカライズされたものが多いのが特徴でしょう。
私が当社の社員に対して持つ印象は、ひと言で言えば「生意気」です。仕事も受け身のリサーチではなく、「こちらから仕掛けよう」というスタンスでこれまでやってきていますから。
もちろんそこには自己責任が伴うことは言うまでもありません。
ただ、外資系の冷徹なトップダウンというのではなく、皆でワイワイ意見を出し合うといった感じです。
そういう意味では日本的ですし、親会社からかなりの部分で独立していると言えるでしょう。
ザ・マグロウヒル・カンパニーズについても、そうした中で生まれる当社のバリューを尊重してもらえるのではないかと考えています。
そうですね、知的能力が高いというのが前提です。これは高学歴と必ずしもイコールではなく、「地頭が良い」ということです。
当社の場合は、調査項目の立案からレポート作成、プレゼンまで、リサーチャーの権限が広範囲にわたっています。
クライアントが喉から手が出るほど欲しい顧客満足度調査の詳細レポートを作成するのは、リサーチャーの力によるところが大きいのです。
リサーチ会社、コンサルティング会社、シンクタンク、メーカー等いろいろな分野での経験者がいますが、いずれにしても指示待ちのスタンスでは行き詰ってしまうでしょう。
ですから、「生意気」な人材に出会えることを楽しみにしています。